112 - "Q Mike Slim Daron"

再結成の金字塔:ナイーブから熱さへの昇華



まさかここまで良いと思わなかった。ジャケのデザインもポーズもJagged Edgeに近いけど、歌い方までそちらに近くなるとは思わなかった。ボーカルグループの区分けの中で、まさかBoyzIIMen系からJodeci系に行くととはね。。見事なサイドチェンジ。純粋な感動。

アルバム一通り聴いた後だと、この赤の意味が分かる。確かに赤なんだ。96年のデビュー作は白いバックに白いスーツで抑制された彼らの感情が冬に似合ってた。今回はパンツが黒になって、ジャケットも襟が黒。そしてバックは赤。112という数字ですら攻めているデザイン。何から何まで素晴らしい。

音楽性の違い
グループが解散するときはどんな音楽ジャンルだって、「音楽性の違い」を理由とする。けど、各々のソロ活動が上手く行く方が稀。うちのサイトでも絶賛しているように、112だけはQSlimに、Daron、Mikeとソロでの傑作が多かった。それぞれが新しい魅力を出していた。

そして112の再結成。
再結成で傑作を届けてくれることが素晴らしいのに、新たな魅力があることがもっと素晴らしい。この方向性の違いは、112というグループの中だけの活動なら、21年経っても出てこなかっただろう。一度、解散したからこその魅力。「再結成の金字塔」とはそういう意味です。

ファンとしての21年間
どれだけデビュー当時の112にハマっても、本作の良さが分からなかったら、それはこの21年の過ごし方に幅を広げる方向性が無かったということ。どれだけナイーブでも、どれだけ穏やかで優しげなコーラスが好きでも、20年あれば魅力の幅を広げる必要がある。この作品を聴いて素直にハマったら、それは21年間の正しさ。ネットを見ると絶賛している人が多くて、ホント、その点がファンも含んだ112の良さなのだろう。

間違いない、皆が書いているようにデビュー作と同じぐらいに良い。01:Introから素晴らしい。Q Mike Slim Daronとバックでムニャムニャ言ってるのが良い。ということで、この良さが分からん奴はファン脱落とまで言いたくなるほどの傑作。だからこそ、本作の中でどの曲に注目するかで志向性が分かる。僕の結論は出ました。皆さんの結論を待ちたいので追記は年明けで。年末年始は本作だけで良い。そう思うだけの作品!
[2017.12.13]
 

 

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個人的に一番気に入ったのは08:Wanna Be14:My Loveです。Wanna BeはSlimの透明感のある声から始まるけど、ちょっとBPMが早い。Slowを得意とする彼らにとっては疾走感を感じるレベル。2nd-VerseがSlimと変わる構成もかなり良い。曲全体としての雰囲気は1stの手触りをKeepしながらも、速度で進歩がある。こういう切迫感は好きです。My Loveは以前と同じタイプの曲。曲調も歌い方も。だからこそ本当の成長を感じることができる。

本曲こそがWhy Doesの先を示してる
論理的には説明できない。Why Doesに惹かれ、100回連続で聴きこんだ人が納得してくれるならば凄く嬉しい。本当にあの曲には感動した。振られたり別れた後の不満の詰まったWhyは多いけど、Why DoesのWhyだけは違う。この世で一番綺麗なWhyの情景と断言できる。21年経過してもこのWhyを継いだ曲の存在を知らない。だから今になってもOnly1だと思う。突き詰めれば、あのWhyだけが112が描いた情景の中で唯一のOnly1。My Loveはその先の地点。本の暫定説明としては、サビの前の1:31の歌い方。歌のタイトルには気づきは無いけど、このサビへの段階性が21年間の歩みを感じる。Why Doesは家で独りで過ごす休日の午後2時の空こそが相応しい。この曲を聴いてると、Why Dowsを聴きこんでた当時の空の紋様を思い出したから。

それ以外では、12:Thank You Interludeはインタルードで勿体ないぐらいの完成度。02:Come Overも新しい魅力。03:Without Youは緑でもいいかもしれない。曲としての完成度は高い。04:Dangerous Gamesと07:112/Faith Evans Interludeはタイプで評価が分かれるかもね。

基本的に傑作曲が多い作品だから、本サイトの評価軸は純粋に僕の志向性です。Without Youはなんか入ってない。疾走感のあるWnna Beの方がしっくりくる。そしてWhy Doesの先の地点。My Loveにそこを感じた人とは、一度ゆっくり会って話したいレベルかもね。




Az Yet - "She's Magic"

ミトンの手袋のような冬の優しさ



まさか2作目を20年ぶりに発売できるとはね。彼らの1枚目も、大絶賛する人はなかなか見かけない。けど、ソロ活動で発表されたMarc Nelsonの良さ。その人気に引っ張られてグループとして2枚目が発表できるのは素晴らしい。ジャケはサイバースペースなデザインだけど、Marc Nelsonが中心になっているかぎり、冬に似合うSlowがメイン。

ソロ作との違いは悲哀感の無さ
あの悲哀感が大好きなファン心理では物足りないからこそレビューが遅れたけど、これはこれで一つの方向性とやっと気づいた。そもそもカワイイと形容される事の多いミトンの手袋だから、男性は小学生までだと思ってる。ボンボンのついたニット帽よりはマシかもしれないけど、個人的にはパス。-10℃を覚悟する冬期登山では3本指もあると知ったけど、それもちょっとね。。けど、女性に対してはやっぱりミトンぐらいの接し方が良いと思うし、この作品はそんな手触り。大ヒットするのかは謎だけど。。

この歌世界に親和性の無い人が聴けば、全部同じ曲に聴こえるだろうね。それだけ統一性があるとは言える。08:Better Than Sex以降は他のメンバーが作っているけど、新たな魅力とも言えないと思う。何故だろう? 09:Feel Good Bluesなんて最悪。スパニッシュギターを使った10:Tell Her How I Feelは良い。なぜか11曲目がOne Last Cryのカバーなんだよね。マクナイトも新曲を提供して欲しかった。。

その上で01〜06までの楽曲群。全部赤をつけていい。そして、その中でどう聴きこむか。
アルバムタイトル曲は01:She's Magicだけど、これは緑ではない。03:Young Girlでしょう。Marc Nelsonのソロ作には無い手触り。曲名のとおりPOPなんだよね。「若い娘」を目の前にして、このトーンを出せれば、魅力的なナイスミドルと言える。その絶妙さ。04:Real Manが個人的にはイチオシ。恋愛での行き場の無さは身を潜め、その分だけ内省感が強くなっている。

緑2曲だとしても、じゃあ全くAzYetを聞いたこと無い人にオススメかと言われると困る。1作目を持ってる人には絶対オススメ。Marc Nelsonを好きな人にもオススメ。そうじゃないなら、このトーンでいくならMario Winansの方がいいとは思うかもね。
 




音楽に才能をもった人たち。僕が歌って欲しい情景

想い出は山に還る。そして雲となって雨が降り、川は海に往く。
けど、一部の想い出は雪となり、しんしんと積もる


宮城最北の栗駒山にいったら、登山口の手前で雪道にはまって完全にタイヤが空転。20分歩きホテル:ハイルザーム栗駒のフロントでJAFを呼んだ。到着は2時間半待ち。その間、色々と考えた。そもそも雪山をなめてた。。仙台在住の頃はチェーンをつけたことなかったけど、スキー場と冬季登山はアプローチの道の質が全然違うね。

栗駒山に行くのはずっと躊躇してた。
今更拘る話でも無いけど、逆の立場なら「なんで来るの?」と思うだろう。宮城の他の著名な山は全て登ったし、冬季ならば軽い気持ちじゃないとはいえるかなと。それ以上は考えてもどこにもいかない。けど、結果は登山口手前での敗退。。

己の甘さを痛感していたら、ピアノの弾き語りが聴こえてきた。
その優しげな歌声に惹かれて奥にいったら、地元や仙台在住の歌手の人たちが夜のクリスマスコンサートに向けてリハーサルをしてた。3人とも想像以上に上手い。なかでも男性歌手の良さ。後から慌てて元歌「白い恋人たち」をYoutubeで聴いたけど、桑田佳祐本人よりもカバーで歌っている平井堅よりも、この歌には彼の声が合っている。ここまで褒めていいのか分からないし、単に僕の心が極限まで弱っていたからなのかもしれない。けど、以前に書いたとおり「本気で好きになったら、嫌いになる事はあっても普通になる事だけは決して無い」  それでも年数がいつか解決してくれると思っていた。実際、今年の7月に登山行ったとき、海にまで流れ着いた感覚はあった。どれだけ街の変化の方が早くても街から見える山はいつだって変わらない。あの当時も、今も。

けど、やっぱり相手の故郷は違うね。当たり前といえば当たり前なのかもしれないし、こんだけ拘っているのがアホなのかもしれない。もうね、よく分からないんだよ。積もった雪はいつかとけるのか、それとも万年雪なのか、そんなことさえも分からない・・・

彼の歌を聴いてると、昇華されて雲になった想いの先、雨じゃなく雪のときもある。という当たり前の事実に気づいた。そして、この状況を彼に歌って欲しいと痛切に感じた。内省と優しさのバランスが理想形。僕が同性の声をここまで羨ましがるなんてタシャウン以来かも。

あれだけ歌が上手かったら、その先は何で差がつくのだろう。
 CDビジネスの崩壊と共に音楽業界は激変してる。


僕がずっと通っていた仙台のHMVは随分前に無くなった。渋谷のHMVも。
そいういえば、今年の9月に会社の新入社員を引率して宮城沿岸部に行ったとき、同行してくれた現地のNPOの人は、以前に大手CD販売店に働いてたキャリアを持ってた。関西の著名な大学を卒業し梅田のCD店に勤める。最盛期は店に入った椎名林檎の予約だけで3000枚といってた。今は活動再開した工藤静香が3000枚を超さなかった時代なのにね。今の若い人はカメラの巻いたフィルムを見せても、何か分からないという。10年足らずで一つの産業が蒸発する。音楽販売業界の最前線でどんな光景を見てきたのか、もっともっと話したかった。

今年の秋は、母親の70歳の誕生日プレゼントとして、JOYSOUNDのカラオケの設定をしていた。
家庭用の機械でもあれだけ精密採点できるようになったのか。2000年の頃、音程を可視化するフリーソフトをVectorで探してた頃がウソのよう。倍音の対応ができなくて、当時は本当に性能が低かった。今はどれだけ音痴でも毎日精密採点で練習すれば、そこそこのレベルにはなれると思う。インターネット高速道路論じゃないけど、技術の進歩は中の上から上の下ぐらいまでに必要な苦労と期間を劇的に削減する。だからこそ、その先が大事になる。将棋の世界で「癖のない均質な強さ」をすぐに身につけれるようになったのと同じ事が、歌うことでも起きてると思い始めてる。

超一流 = 才能 × 対象への深い愛情ゆえの没頭 × 際立った個性
あのサイトはこのようにまとめているけど、誰にでも賞賛される際立った個性なんて幻想。90%にはバカにされるほどの愚かさが生む光を信じれるかどうか。僕はずっと日本の歌にはフルコミットできなかったけど、オルさんには可能性を感じる。まずはDevanteのこのアルバムだね。次にマークネルソンのこの作品。この二つを完全カバーできたら、初めて托せる。R. Kellyの最深部の先を。けど、そこまで望んだら、オルさんのあの少しはにかんだ内省感はなくなってしまうだろう。ならば、もっと光を見つけないとね。。

 



クリスマスSONG

悪い意味を全部抜いた「エレガント」な煌きのクリスマス


このジャケのポーズはお世辞にもよくない。彼を知っている人からみると太ったとも感じる。けど、中身は期待を裏切らない。ピアノがある部屋に、それを包む金色のリボン。よくよく見ると帽子が右下にあるのもエレガント。だから、彼の存在だけ頭の中で消すと本作のジャケとしては凄くフィットする。

とまあ、好き勝手に言っているかもしれないが、中身は本当に良い。どんな言葉にも良い意味と悪い意味がある。「神」という言葉もそうだし、「恋愛」もそう。「クリスマス」だってそう。だから、ある言葉を聞いて正負どちらの意味が浮かぶか、それが受けとめ方の違い。もちろん多数の意見はある。そしたら「エレガント」って負の意味の方が強いかもね。「エレガントなクリスマス」なんて組み合わせにしたら、暖炉必須のセレブな家で七面鳥の丸焼きはマスト。間違ってもケンチキチじゃダメ。という感覚かも。

けど、本作はそんな悪い意味は全部抜いた「エレガント」を味わうことができる。それこそは90年代の傑作であるIt's Timeで彼が達成した地点だけど、その場所とクリスマスの相性の良さ。02:The Christmas Songからその地点がわかる。ピアノのエレガントさ。それ以上に彼の声の良さ。落ち着いたJazzyなタッチのアレンジが良くて、この曲での間奏もハーモニカだと思う。その良さ。

03:Sleigh RideこそがHoward Hewett全開。悪くは無いけど、程よいレベルで止まってるクリスマスソングに汚染された街を抜け出して、部屋でこういう曲を流すこと。これが本気でクリスマスソングを追っかける良さ。やっぱりBlack Musicのコアのファンである限り必須な道だし、そうであるならばそのクリスマスソング集にHoward Hewettも含めていい。04:That's Christmasもそう。逆にPOPな05:Baby It's Cold Outside (Feat. Giselle)はあんまり合わない。。06:Christmas Timeの方がいいなぁ。

 

07:Christmas On Sunsetはインタルードだけど、08:I Remeber Christmasはろうそくのような灯で、店で流すにはポップさが無いのだけど、こういう歌こそが真のクリスマスの手触りだと思う。09:What Child Is ThisのJazzyなアレンジは凄い。これだけピアノで色をつけてやりすぎ感が出ないのは、真の才能を感じる。それにあわせた声の表情をするHoward Hewettも凄い。10:This Christmasは楽しい雰囲気で、9曲目との組み合わせも良い。11:Silent Nightも締めに相応しいね。

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こうやって考えていくと「クリスマス」という言葉に正負のどちらを感じるか。それが幼ければ幼いほどクリティカルになる。最初はマライヤのファンだったのに、今はまったくそんな面が無いのも、彼女の「恋人達のクリスマス」につきる。クリスマスって家族でしょ。恋人達っていうのはどっかの極東の国だけじゃん。アメリカ本国でも11位になったみいだから、僕の方が頭が固いのかもしれないけど。。一発で冷めるという経験は珍しいけど、このときはかなり感じた。

 




Calvin Richardson - "All Or Nothing"

透徹な世界に色づけ口づけを



Calvin Richardsonのデビュー作は「情熱から欲望を抜いた」点が絶句。オンリー1にしてナンバー1。Rhythm Nationを見て初めて買った作品だし、22の頃に聴けたことは本気で感謝している。あまりに完成度が高すぎて一作退場の可能性も大きかったのに、こうやってコンスタントに新作を発表できる歌手となって本当に嬉しい。従兄弟のK-ci&JoJoよりも今は息が長い歌手となっているから。

2作目以降は「熱さを」ベースにした一般的な作品を発表してたけど、今回はちょっと違う。この作品からCalvin Richardsonのファンになる人はいないと思うけど、デビュー作をいきなり聴いて気に入る人も僅かだとは思う。入口としては今も昔も3作目 そもそも僕がBlogで再開したのもあの作品をどうしても紹介したかったから。だからeidが2だしね。けど、本作は新しい道が見え隠れする。
その何かが、先日、垣間見えた。
 


[12.08]
やっと見えてきた。

通勤中、リチャードソンの最新作聴きながら、苫米地による空海の解説本読んでたら、両者がリンクして霧が晴れてきた。そこまでの作品じゃないと感じてた自分が間違ってた。

と、おもったら列車が動かない。ある意味、良い機会。
朝の通勤列車が信号トラブルで全車両止まってるなか、スマホから書いてます。

今になっても、もうすぐ20年でもリチャードソンの最高傑作はデビュー作だと思ってる。情熱から欲望を抜くこと。琥珀色の蒸留酒のような輝き。そこから随分と時が流れたけど、空海の到達点は曼荼羅や教典で理解することよりも、リチャードソンから理解した方が具体的に体感できる。密教が空に対して行った色づけは、リチャードソンの情熱感に近いのだ。こういう気づきこそが真の幸せ。

カルマと歌う黒人歌手がいるように、キリスト教とか仏教とかの区別なく、ある種の帰着点に向かって大きな流れが出来ている。われわれはどこからきて、なにをもとめ、どこにいくのか。その答え。歌を聴くことで、歌詞から気づきを得て、メロディーから癒やしを得る。今後の世界は、音楽のジャンルをその思想性で区別すべきだと思い始めた。

今日は早退して寝て深夜3時に起きて運転。6時過ぎから開始。冬期登山も一歩ずつ経験を重ねてきたけど、標高2000のマイナス20℃のテント泊は初体験。流石に緊張する。ここ二年ぐらいは山を重ねる登山が多くて出発前の緊張から無縁だった。

やっとここまできた。理想とする歌世界の理解のためにも色々削らなかん。その最短は削る場所に行くこと。情熱と欲望から照射するのはデビュー作から変わってない。今回は何かがここに加わってる。それを見つけるために。

なぜアメリカ旅行を重ねるのでなく、登山になったのか分からない。道は一つじゃない。薦める気もない。ただ僕がやってる全ては重なってきてる。やっと動きだした列車が向かう先以外は。

問題は、そこだな。こういう幸せとも思える気づきをあと何回重ねれば独立できるのか。そこが見えてないのが致命的。雪山を歩きながら考えるべきことは多い。


 

雪山から帰ってきた。
冬季に一泊二日で行ける最高峰の甲斐駒だけど、黒戸尾根の登山道は信仰の道だけあって途中に行場が多い。駒ヶ岳と名がつく山は各地にあるけど、最高峰だから統括しているのだろう。他の霊山と比べても剣が刺さった場所が多い。「突き抜ける青い空と雪の頂に刺さる剣」の光景が不思議とCalvin Richardsonの情熱に似合う。奥の富士山がワンポイント。何よりもこのざわついたような太陽。カメラの結露だと思うけど、太陽以外はちゃんと写ってる。こういう瞬間なんだよね。正しい道を歩いていると思えるのは。

22のとき、デビュー作を聴きながらこの風景を見ていれば、手の隙間からこぼれていったものをすくうことができたのに。。同じ高校から同じ大学に行った同級生は学生時代に既に雪山に登ってた。。大学時代は学年が違ってたから全く連絡とってなく、35の時の同窓会で知った。それも自分を雪山に駆り立ていた理由の一つなのだろう。

Calvin Richardsonのデビュー作はまさしくこの風景の世界。
これまでずっと「琥珀色の蒸留酒のような輝き」と表現してたけど、違うね。こちらの風景の方が彼の奥底の心象風景に近い。この本作で一番近いのは、タイトル的には01:All Or Nothing。こういう対比こそがデビュー作でHalf the Timeを歌った彼らしい。けど、07:Make Me Say Nah Nah Nahの方がこのざわついた太陽に近い。これこそが欲を抜いた情熱。

この風景を見ながら、昼でも氷点下の空気を吸う。どれだけ高い場所にあるスキー場もここよりは低い。レジャーはもういい。この場所は覚悟しないとこれない。ぎりぎり30代。ドアが閉まる前に駆け込んだ感覚。そしてやっと、もう一歩掘り下げるようになった。


基礎的な情報として大事なのは、「効果が高い痩せ薬ほど自殺を誘発する」 基本的な欲望は単純に無くせばいいというモノじゃない。だからこそ、「釈迦は悟った後に何故死ななかった」という設問に価値がある。この設問を建てた時点で魚川祐司は30年に一人のレベルになった。最近はGoogleの影響かマインドフルネスが流行っているけど、講師で呼ぶなら彼を連れてこないと。本当の一番を味わう事。全く興味のかけらも無い人を振り向かすにはそれしかない。

本作は、この風景がメインじゃない。他の作品のような熱さメインでもない。多分、新しい方向性は10:Make Up Loveなんだと思う。普通に聴くと変哲も無い恋愛曲なんだけど、深さがある。この曲の奥にこの峰の風景を見る事ができれば、本当のキスの意味が分かるのだと思う。そもそもmake up loveって常用慣用句なのか? 探しても出てこない。 けどmake loveとは明確に違うと思う。Calvin Richardsonをもっと分かっている女性から鼻で笑われそうだけど、、とりあえず、タイトルは色づけから口づけに変えた。ここまでが現時点での私の暫定解です。

また、聴きます。
 




Kenny Lattimore - "Vulnerable"

傷つきやすさの内にあるもの


前作は彼の最高傑作だったけど、本作も凄い。今までになかった新しい魅力が出ている。
このジャケは期待大だったからMp3vaでなくCDで買う。アルバムタイトル曲を一曲目に持ってきた自信は想定していたけど、まさかここまで良いとは。

01:Vulnerableの始まり方がアフリカなんだよね
この小太鼓の音なのか、手拍子なのか、何がアフリカ感を生み出しているのか謎だけど、黒人らしくない顔のつくりをしているKenny Lattimoreだからこその新しい一歩を感じる。マルコムXは黒人の中では肌白く、それで虐めらた過去を持っていると読んだことがあるけど、Kenny Lattimoreにも何かあるんじゃないかと思わせる深み。こういうのを求めてた。Sylvia Powellと同じレベルにまで到達してる。素晴らしい。

02:Pushはいつもの路線。前作よりも明るさと寛ぎを感じる。03:Stay On Mindは前作に収録されていても不思議の無い曲。デビュー作から独自性を持っていたけど、本当の意味で、前作で己のスタイルを確立した事がわかる。04:Perfectionはちょっとアップテンポ。若い頃の色気を感じる。05:Curtains Closedは悪くないけど、色付きほどじゃないかな。06:Pricelessは普通レベルなんだけど、これが普通というのも凄い。07:Deserveもそう。この曲が一番、本作のジャケのポーズに近いと思う。ただ、ポーズと表情が同じトーンじゃない。このギャップがうちらのようなファンを鷲掴みする部分。

 

08:Falling For Youはさすがに全曲色づけもファン心理が入りすぎなので。09:One More Night feat. Gerald Albrightもそう。10:More Than Lifeはミドルテンポで彼のカッコよさが良く出ている。11:Never Too Busy(Live)を聴くと彼のライブにいきたくなる。Sexyバージョンと言っているのが微笑ましい。彼のデビュー作を23歳の時に聴けたこと。当時はこんなレベルの紹介しかできなかったけど、やっと彼の魅力をガッチリとつかめたと思う。10%ぐらいは自分自身も体現できたこと。僕は当時にもっと感謝すべきなのだと、素直に思った。そんな気持ちにさせてくれるLive盤

 

 

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本当ならばVulnerbleの方向性でもっと曲を作って欲しかった。だから、本当の意味では見えていない。「傷つきやすさの内にあるもの」が何か、分かった人がいたら、ぜひ教えてください。


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 「キャリアハイ」
 「今までになかった新しい魅力」
のどちらかが無いと、本気で良いとは思えない。本気で良いと思ってない人が書くレビューを見るのは雑誌全盛だった90年代からイヤだった。レコード会社の広告料が大事だった雑誌と違って、素直に「良さが分からない」と書けばいいけど、それによって買わなくなる人が出る可能性もある。それは歌手に失礼だと思ってる。本当にダメな作品は本気でダメだと書けるけど、そこまで言い切ることができる方が稀。そんななんな。
 




Vertical Hold - "A Matter Of Time"

出会う10年前の写真を見つけた時のドキドキ感



この作品を聴いてAngie Stoneのファンであることを痛感した。今までもMaryJ.やトニブラと並んで好きだけど、彼女達が若い頃は「感情の底まで降りる」面が零だから、その時期のMaryJ.とトニブラはそこまで好きじゃない。けど本作を聴いてAngieだけには深さ零でもやられる。なぜなのか上手く言葉にできないけど。。Amazonでも4000円越え。誰もレビューを書いて無いから、ここはちゃんと書かなくちゃいけないのに、個人的な感想を優先してしまうほど。

女性歌手ではAngie Stoneが一番好きなのだ
本作でそう痛感させられらた。それは04:7, 6, 5 (For Love)に尽きる。深い部分をえぐる曲じゃないのに100回リピートできる。。この声。若さ全開。そして魅力全開。デビュー当初から自己の魅力をコントロールしてたSadeとは違う。この声を聴くと、ある意味天然を感じる。男と女の駆け引き零の良さ。特にこの1:26のFor Loveという声の凄さ。

06:You Can't Go Wrongはセンスのあるアップテンポ。2枚目と同様の良さ。08.Don't Say GoodnightはIsleyのカバー。この声は往年のAngieの声に近いね。09:Magic Carpet Rideも良い。1993年であっても、もうちょっとHITして良かったと思うほどの完成度だが、それであってもこの女性ボーカルはソロデビューできる。それだけの声の魅力をこの一作目で出している。10:Waiting  In The Wuingも良い。01:A.S.A.P.は当時を感じるUPだね。02:Seems You're Much Too Busyは良い意味で時代性を感じないUP。03:You Got Something(I Want)はパスかな。

61年生まれだから93年の本作の時点で32歳なのか。ならばこれだけの声を出せるのも納得する。逆に20代はどんな声を出していたのだろう??そのためにはHip-HopトリオのSequenceを聴かなくちゃいけないのね。Hip-Hopはとことん苦手だけど、ここまで来たらとことんいかなかん。
 

もうちょっと考えると、もしかしてファッションセンスが女性のタイプを分かりやすく表現していると思い始めた。この80年代の山田邦子のようなジャケ(言いすぎ?)は惹かれないけど、MaryJ.のデビュー当初のファッションはBad Girlだから、ああいう「ヤンキーにシンパシーを感じる女の子」には惹かれない。トニブラはボディコン着てそうなタイプなんだよね。それも苦手なので。。




つ、ついに会社で出会ってしまった。

まさか同じ会社にこれだけコアなファンがいるとは。。

 

私が某IT系企業の人材開発部に所属して講師等をやっているのは何度も書いていると思うけど、うちの会社でBlack Musicファンって殆どいない。そりゃもちろんライト層はいるけど、別にあの人たちは自分自身をBlack Musicファンと思って無い。単に色々聞いてる好きな歌手の一人に黒人歌手がいるぐらい。それはコミットメントの差だから別にネガティブとも思ってないけど。

 

今回、研修の事務局していたら、同年代の人が「黒人音楽ファン」と自己紹介したので話しかけてみたら、800枚はCDを持っているとのこと。

「いつごろメインですか」

「90年代です」

「僕も90年代です。ちなみに誰が好きですか」

「だれかなぁ、、、ゴードン・チェンバース」

えっ・・・ま、まさか会社の中でのこの単語を聞くとは。そりゃマライヤやホイットニーやジャネットとかなら分かるけど、チェンバースだよ。一瞬、聞き間違いと思うほど。日本人で彼を知っているのは千名いないと思う。2017年に話題にする人は100名もいないのでは?

で、うちのサイトの話になって、「あ、このサイト、昔ちょっとだけ見た事あるような」「こんだけ書いているので、Black Music100枚以上持っている人は、絶対に一度は来ていると思いますよ」

 

次の日に「若井さん、改めてサイト見させてもらいましたよ。あんだけ書いてて凄いですね。本として出さないんですか?」「いやー、僕はマニアックな曲を評価するんで、評価軸が一般的じゃないんですよ。多分、書いた量は原稿用紙3千枚は行ってると思いますが」と答えておきました。

 

ということで、

これからもHideさん、一つ一つのコメントに返事はしませんが、よろしくお願いします(笑




Jamie Foxx - "Peep This"


Jamie Foxxの真のデビューアルバム。
コメディアンとして活動してた中、
インディーズからセルフプロデュースで出したこちらはオススメです

とまっちゃんさんに教えてもらった。

第一印象はある意味大事な面があって、私にとってのJamie Foxxはレイ・チャールズの伝記映画での主演が最初なので、歌手活動について違和感が無い。けど、コメディアンの印象が強い人は違和感あるかもね。逆に私にってはウィル・スミスがHip-Hopしているのはちょっと違和感あったりするから。

本作はJamie Foxxのファンならばオススメ。けど、私みたいに本作だけしか知らないと、ちゃんとしたレビューはできない。アルバムの最初の方はサウンドプロダクションというかボーカルの音とバックの音のバランスが悪いと思ってしまう。03:Miss Youから個性が見えてくる。04:Dog Houseは若い部分が上手く出てる。05:Infatuationも良い。07:Presiousは内面に踏み込んだ感覚。09:Summertimeはタイトルに相応しい。
10:If You Love Meはこの時期しか出せない内省感があって良い。

11:Dont Let The Sun Go Downはピアノと声だけの曲。10曲目からの連結も良いし、もう一段下がって、もう一歩叫んでいる。確かに素晴らしい。まっちゃんさんが「個人的にBrian McKnightのNever Felt This Wayと同じ位何故か好きです。」というだけのことはある。12:Light A Candleも良い。最後の3曲は統一的なコンセプトを感じる。もうちょっと掘り下げたら、深い意味が出てくると思うけど、そこはまだ見えない。ただ、純粋な歌手として、良いデビュー作になっているのは分かる。今のところ、これくらいで。



Vertical Hod - "Head First"

オシャレと深みの交差



95年の作品だけど全く知らなかった。SoulAtfさんが紹介しててMp3vaでも置いてなかったからAmazonで中古で買った。聴いてるうちに「このボーカル、Angie Stoneにそっくりの声出すなぁ」と思ってたら、本人だった。。2000年にAngieを聴きこんでいたとき、このグループの情報って全く無かったんですけど。。

90'Sのオシャレ系アルバムに匹敵する楽曲群の良さ。まるでトニーズの誰かがプロデュースしたかのよう。01:Head Firstからレベル高い。アルバム全体的に痛みを感じるような深さはないけど、こういう絶妙なラインの傑作を持っていることは大事。プロデューサーのKedar Massenburgは流石の仕事をしている。

どんな女性でも、どんな男性でも気に入る窓口の広さ。
惜しくは大ヒットするような強力曲が無いこと。けど、だからこそカルトクラシックになる。ミドルテンポの曲が多く、部屋で独りでいるときよりも、お店とか車とか外で聴くのに似合う。そして、そのミドルテンポに時代臭が無い。だから今聴いても古さは全く感じない。そこもポイントだったりする。

ボーカルがAngieということを差し置いても、全曲赤色でいいんじゃないかと思ってる。03:Let Me Break It DownはAngieの深みのある声が響く。痛みがないのに深い。この不思議さ。このアルバムからこの曲を選んだら、どれだけ本人が痛みを抱えていなくても、それを受入れる器はある。間違いない。この曲で判定すればいい。Angieの傑作曲は色々あるけど、2001年のMahogany Soulに納められた"Makings Of You"のFouuの凄さ。この若いときのバージョンこそが本曲にある。この凄さ。00年代以降は痛み全開の曲だから、あのAngieに合わない人は一定数いると思う。ウチのサイトは死ぬ気でAngieを薦めているから、聴いてピントこなくて棚にしまったままになっている人にこそ本曲を薦めたい。04:Love Todayは一点して明るいMiddle-Up そういう収録順の良さもある。

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