ジョージ・マイケルのこと

先日、Laurin Taleseの傑作曲:Kissing A Foolの元歌がジョージ・マイケルと知って評価が上がっていたタイミングでの訃報。そもそもラストクリスマスを歌ったワム!がジョージマイケルのグループとも知らなかったので、恥ずかしい限りですが・・・。なぜかエルトン・ジョンとジョージ・マイケルだけはBlack Musicの世界に顔を出してくる。Wikiを見るとアレサとデュエット: I Knew You Were Waiting (For Me) をHITさせたからかな。

ジョージ・マイケル個人としてはアルバムの出来に満足していたが、前作ほど所属レーベルがプロモーションに力を入れなかったこともあり売れ行きは鈍く、しかもレーベル会社のソニー・ミュージック(SME)は商業的に前作を下回った為に酷評をする(酷評したのは当時のSMEの社長、トミー・モトーラ英語版という)。これに怒ったジョージ・マイケルは、「ソニー(SME)はアーティストをアーティストとして扱わない。こんな会社ではクリエイティヴな仕事は出来ない」と、SMEを相手に契約無効を訴える裁判を起こす。

この部分にかなり感動した。このトミー・モトーラってマライアの元・糞旦那じゃん。ワム!の歌は全く知らないからコメントできないけど、Kissing A Foolを歌ったことと、トミー・モトーラに激怒した時点で評価はうなぎ登り。僕はあれだけマライアのファンだったけど、もう全然ついていけない。こういうサイトが出来るぐらいの話題になっているのも、糞旦那のせいなんだと。誰がなんと言おうと、マライアの最高傑作曲は2作目の最後の曲。そして今でも反射的にマライアのお姉さんのことを考えてしまう。ジョージマイケルはガチのゲイだったとは聞いた事があるけど、そんなのはどうでもいい。いくら相手が立場が上でも、戦うべき相手とは戦うのが男

ジョージには「ソロシンガーとして'80年代における全米No.1シングル数」(ワム!時代含む)8曲という記録があり、これはマイケル・ジャクソンの9曲に次いで2位である(フィル・コリンズと同順位)。

タイトルにR.I.P.と書くほどジョージマイケルのことはファンでは無いけど、取り上げたのは「男の鏡」と思ったから。 アレサとデュエットしたからFoolを受け継ぎ、ゲイの分だけ女性の気持ちが分かるということでいいのかな。ステレオタイプな視点だけど、一応、これが今の暫定。




クリスマスSONG

奥様に捧げるミセス・サンタクロース


R. Kellyがクリスマスアルバムを発売すると知って凄く期待していた。というよりも、今まで作ろうとしなかったことが気になっていた。個人的にはR. Kellyの幼年時代の記憶が気になる。ずっと作らなかったのはクリスマスに良い想い出が無いからであり、それはもしかしてWhy Christmasに繋がるのでは?と期待してた。聴く前からあれこれ考える作品は滅多に無いけど、この作品は別。

ところが想像以上に明るい。実質的な幕開けである03:Home For Christmasの良さ。アルバム全体にネガティブなトーンが零で、Why Christmasを期待した身としては肩透かしだけど、このHome For Christmasの良さを堪能すると、これで良かったのだと思う。チョコファク以降ならばこのトーンの作品を発表できたと思うけど、なぜここまで遅れたのだろうね。

一番びっくりしたのは04:Mrs. Santa Clausです。まさかこうくるとは。鮮やかな視点。特に曲がMarvin Gayeなんだよね。まだ歌詞を意識して聴きこんでないけど、Distant Loverの手触りを感じる。旦那のサンタクロースが世界中回っている間、家を守っている。プレゼントを買い込んで、トナカイには餌をあげて、ずっとこの日のために準備してきた。このアルバムの核がこの曲ならば、断じてカップル向けではない。

子供とサンタクロースが主役なクリスマスなのに、この視線の優しさはなんなのだろう・・・

このアルバムの全体的なトーンはチョコファク以降ならいつでも作れたのだけど、このミセス・サンタクロースを作れるようになったからこそ、今年に発売したのだ。この曲の素晴らしさをこれ以上は言葉に出来ない。

結婚していて、うちのサイトを読み込んでいる男性が何人いるかは分からない。Deepな曲を聴きこむほどに「いつまでそんな曲聴くのよ」って文句を言われていると思う。けど、この曲があれば大丈夫。この輝きと優しさこそがアフリカン・アメリカンじゃないと持ち得ないレベル。個人的には08:The Greatest Giftのタイプもナイス。一番合わないのは10:Christmas Lovin'です。もうR. Kellyこういうタイプの曲を傑作にできなくなったのだと・・・それって良いことだと思うよ。11:Flyin' On My Sleighも間違いなく緑レベルだから! ということで、これ以上の個別の曲のコメントは控えます。大事なことは全部書いたと思うから。

R.の時代に彼がクリスマスアルバムを作っていたらどんな歌世界になってたのだろう。そいうのはもう考えるべきじゃないのかもね。そんな気がした。
 

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最近、、書いた後に調べて気づく事が多い。ミセス・サンタクロースって同名曲をナットキングコールが歌っていたのか。歌詞的には内助の功そういう名前のドラマも過去にあった。そして、指摘されて気づいたけど母子家庭だからお母さんがサンタ役をやらなくちゃいけないという可能性も確かにある。歌詞カードが無い中でR. Kellyのこの曲がどういう情景を歌っているのか分からないけど、両方の情景に合うと思う。

 




なぜアフリカン・アメリカンはキリスト教を受容したのか 〜歌と犠牲〜


横浜で開催されたGLory Gospel Singersのコンサートに行ってきました。毎年クリスマス時期に各会場で開催される本コンサート。首都圏に引越した年に昭和大学で聴いて以来の2回目。流石に2回目になるとコンサートを聴きながらも色々と考える余裕が出てくる。前回(2011年)に比べて、メンバーも変わったし、人数も変わったと感じるけど(厳密に比較できるほど覚えてない)、それはいい。

昔からずっと疑問だった「なぜアフリカン・アメリカン(アメリカの黒人達)はキリスト教を受容したのか」について、ヒント得たと感じた。それが一番の収穫でした。

世界三大宗教はキリスト教、イスラム教、仏教だけど、自分が本格的にしたのは仏教だけ。イスラム教については井筒氏の本のみ。キリスト教は体系的に学んだこともないし意欲もそんなにない。まだゾロアスター教のほうが興味ある。けど、実は凄く常識的なことだけでも、答えの骨格は出てくるのだと。

今回のコンサートでは歌に合わせて歌手の背後のスクリーンに色んな映像が投影されてた。そして、一番最初かな、ゴスペル曲に合わせて投影されたのが教会の内部の写真。それも普通以上に十字架に吊るされたイエス・キリストが大きく写っていて・・・。(注:左の写真はその雰囲気を伝えるためで、コンサートで写っていた画像ではありません)

アフリカ大陸から奴隷としてアメリカに連れて来られた黒人達にとって、キリスト教は「敵が信じる宗教」ではあるけれど、その本尊はサクリファイス:犠牲者なんだよね。日本人にとっても当然のことだけど、改めて考えると異常なんだと。もちろん細部を比較すれば釈迦だって前世で己の意思で飢えた虎の犠牲になっている。けど、これは一般常識じゃないし、普通に目にする釈迦像は全然違う。逆にキリスト像はガリガリの肋骨が浮き出ていて、ひ弱で十字架に吊るされている。

もしさ、キリスト像が丸々と太って/筋骨隆々で、そこら辺の王様像のように椅子に座ったり、立ち上がって手をあげているのが普通だったら、黒人達はキリスト教なんて受容しなかったのでは?? と感じた。たとえばリオの有名な像とかね

 

 


そして歌。聖歌を黒人達がアレンジしたのが、そもそものBlack Musicの始まりだとは知っていたけど、イスラム教の知見が増えると、イスラム教には歌が殆どないことに、改めて気づいた。家に帰って調べるとやっぱりそうなんだね

ということで、あくまでも私の仮説なので、ここまでで。

 

純粋なコンサートとしては、前回(2011)に比べて男性歌手がイマイチ。以前は後半のソロパートでR&Bテイストな恋愛系の曲を歌った時に、「これだけ歌唱力があればソロでもやれる」と感じたけど、今回の男性陣は感じなかったなぁ。女性陣で上手な人はいたけれど。逆にラップのパートが新しくあって、時代の変遷を感じる。良い企画だと思ったのは「Syasin OK」でコンサートの最後の方は積極的に携帯での撮影を奨励してたこと。SNS文化なご時世としては、こうやって拡散してもらった方が動員に繋がると感じた。
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風に吹かれて と A Change Is Gonna Come

ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞のニュースのタイミングで取りあげるべきだったのかも。本人がスタンスを明確にするのを待っていた。つい先日、本人のレターが発表されたので調べたら色んな事実が。

Black Musicの三大偉人の中でもSoulを司るのはサム・クック。そして彼の最高傑作であるA Change Is Gonna Comeがボブ・ディランの「風に吹かれて」に影響されて生まれたということは啓志本で知っていたけど、それ以上は全く知らなかった。こちらにサイトに詳細に書いてある。すみません、久保氏のことは初めて知りました。wikipediaでUKロック畑の人だとは分かったけど、確かにBlack Musicにも詳しい。久保氏のサイトに知りたかった事が全て書かれていると思う。

ボブ・ディランが歌っていることは黒人が人間かどうかなんかという答えなんか風が教えてくれるくらい当たり前のことだろ、お前ら、分かってんのか、立ち上がれよ、黒人のためにという強い意志で歌っているんです。
《略》
サム・クックの「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」で泣けるところは映画を見に行ったら、「お前なんかが来るところじゃない」と、白人に殴られた。近くの白人(ブラザー)に助けを求めたら、また殴られた。というパート。映画なんかでよくあるシーンですよね。この歌が生まれてから、何十年も経ちますが、胸が痛くなるのは、俺はこんな場面に出会った時、本当に人を助けられるか、と思うからです。


個人的に疑問なのは、え、ブラザーって白人だったの?ホント?その解釈は初めて見たよ。だれ?そんなこと言ってるの?

昔からずっとこの歌詞の部分は気になってた。

Then I got to my brother
And I say brother help me please
But he winds up knocking me
Back down on my knees


どこに白人って情報があるんだよ? そんなのは皆無。だから、これはリスナーの受けとめ方で決まる。そして、やっぱり納得できない。ブラザーは黒人なんだと。その上で、改めて風に吹かれての解説を読む。ボブ・ディラン自身は「風が教えてくれるくらい当たり前」とは言ってないと思うな・・・。「答えは本にも載ってないし、映画やテレビや討論会を見ても分からない。風の中にあるんだ、しかも風に吹かれちまっている。」という彼の言葉の「吹かれてちまっている」の部分。「風が教えてくれるくらい当たり前」ならば「吹かれてちまっている」とは言わないような・・・。ここら辺は微妙な語感の部分だから、原文をあたらないと議論にすらならないけど。

まあいいや。この先の部分は興味がある人が、自分なりの答えを探してくれれば、それでいい。
自分自身もボブ・ディランの他の曲も聞きこんだ上で、もっと説得力のある意見を言いたいのだけど、今は出来ない。ただ、今、唯一いえるのは、久保氏はA Change Is Gonna Comeとワンダフル・ワールドを並べている。うちは違う。A Change Is Gonna Comeと並べるべきはKeep Movin' On  名曲は誰だって褒める。そこに差はでない。色んな解釈を受け入れるからこその名曲でもある。違いがでるのは、どの曲と一緒に聴くとより感動が増すか?の議論。ここは積極的に意見交換すべきだと思う。別に正しい・正しくないの世界じゃない。けど、深い・浅いの差はあると思っている。

 

どれだけロックを掘り下げ、その源流としてBlack Musicに行き着いたとしても、UKロックからくる人はワンダフル・ワールドか。言われて見ると、なんとなくその発想は分かる。そして、本当の部分では直接Black Musicに行く人とは違うと感じる。

 

ボブ・ディランのノーベル文学賞拒否というような大きな事件のときは、やっぱり哲章さんの意見が知りたい。

素直な気持ちとしては、これだけです。


 




Laurin Talese - "Gorgeous Chaos"

《爽やか》とは《愚かさ》への視座



shohさんが絶賛するなら聴く。
フィラデルフィアで活動する女性シンガー、ローリン・タリーズのデビュー作『Gorgeos Chaos』がめちゃくちゃ良い。しなやかで表現力豊かな歌声を生演奏で引き立てた、今年屈指のヴォーカルアルバム。ちょうど日本盤が出たのでぜひ!!

JazzとR&Bの中間地点のような作品で確かに傑作。歌手の能力も歌自体もバックの音も文句ない。けど、それよりも感動したのは08:Kissing A Foolの歌世界。

爽やかな女性像とは?
爽やかな男性像には拘っても、女性像についてはあまり考えてこなかった。もちろんSadeを筆頭にTerry EllisやAdriana Evans。今になってもすぐにAngel Grantも思い浮かぶなぁ。彼女達は爽やかというよりも「オシャレ」という言葉紹介していたけど、もちろん爽やかだと思ってます。このTaleseが凄いのは、アルバムの最初はある種の重さも感じるのに、8曲目以降は彼女達の作品と同じレベルの爽やかさになること。

 

Sade達の作品も当然傑作だけど、基本的には全編が爽やかだった。それは素晴らしいことだけど、重さと爽やかの両方を感じて、かつその中心点にKissing  A Foolという曲を持ってくるところに感動している。

爽やかな女性が重さを身につけるためにも
重い女性が爽やかさを身につけるためにも


これは奇跡といっていいかも。今年のJavierを大絶賛したけど並ぶかもしれない。女性歌手がFoolについて歌うこと。この価値を知らなかったらBlack Musicの初段にすらなれない。まさかFoolをこういう風に見詰めるとは・・・ これが女性特有のアプローチなのか、男性でも通用するのか、それすら今は分かりません。Soulの女王アレサが表現したFoolの流れを太くしたMaryJ. まさかそれをKissingとアプローチするとは。そんなことが有りえるなんて、今まで全く想像すら出来なかった。feat. Vivian Greenだからかも。Beautifulという傑作を歌ったVivianの軌跡は確かにFoolに相応しい。

 

あれ?なんか、これって、Vivianと比較すると流石に爽やかを感じるっていうだけのオチ?

それって、「ホトジェニックが弱い友達と一緒にコンパに行けば相対的に美人に見える」と同じ文脈? うーん、ここまで考えるとTaleseを褒めているのか自分自身も分からなくなってくるような・・・・。

 

フィラデルフィアという場が持つ価値

同じ過ちを繰り返さないことが大切で、VivianのFoolを十二分に咀嚼できたからこそアルバムの後半部分の爽やかさに繋がった。そんな意味では、大切なのは反面教師の先輩? うーん、なんか普通の結論に帰着してちょっとショックですが、、、根本的にいいアルバムだよ。8曲目のFoolを軸にして両翼が広がってる作品。その中心部分を、自分独りで捕まえたのか、先輩のフォローがあったのか、それって、本質的にはどっちでもいいんだと。Taleseに器があるからこそ受けとめれるのだから。

 

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知らなかった。Kissing A Foolはカバー曲で、オリジナルは1988年にジョージ・マイケルが発表とは。。。

最初に書いてからFeat. Vivianと知って、ちょっと感動減衰。そして、このタイミングでカバーソングとは。Youtubeでジョージマイケルの元歌を聴いたけど、こちらの方が上だと思う。それはVivianの声につきるのかもね。そういう意味では09:Made Up My Mindの爽やかさと明るさの方がTaleseの良さが全開と言えるのかも。

 




21:03 - "Twenty One O Three"

10代最高のSorry



06年デビューの3人組。全く知らなかったけど、半年前にSoulATFさんのチャンネルで知った。En-WikiではGospel&Hip-Hopと書いてあるけどメインはR&B。3人組なのにコーラスのレベルが高くて素晴らしい。本作発表時の年齢は分からないけど、どうみても10代。なのに04:I'm Sorryが傑作すぎる。中古が3000円を越しているのも納得。他の曲のレベルも高い。これまでも色々とSorryの曲を聴きこんできたけど、10代では間違いなく最高。自身が10代の時にこの曲がなかったのがショックと思えるならば、それは一つの判断基準。もしこの曲を聴けていたら、誰にどのタイミングで謝るべきだったのだろう?まで考えはじめると、軽く連続リピート1時間は経過する。

何よりも曲の終わりのリードの吼えっぷりがいい。これだけ吼えれれば文句なし。単に「プロデューサーに渡されて歌ってます」というレベルじゃない。Sorryという想いと、若い時しか持ちえない勢いとの交じり合いが心をうつ。歳を重ねたあとのSorryはどうしても湿度が高くなる。この時期だからこそ、湿度30%でSorryを全開にできる。

リード1人を2名が支える構成でない。3人とも自由にアドリブを入れている。そこもナイス。とくに、NeverNerverと入れているメンバー。いいっすよ。君の将来は俺が保障する! とまで言いたくなるぞ(笑 己の10代にSorryが必要ない人は完全対象外。Sorryが必要ならば死んでも聴くべき、というレベルまで達している。そして、その人なら、この曲だけでお腹いっぱいという気持ちも伝わるだろう。

ということで、他の曲の紹介はまた今度。

 




暖炉とBlack Music

これまで「リスニング環境」では自作スピーカーに拘ってきたけど、部屋の空間として、照明は無視できない。蛍光灯の白い光で満足できる人は根本的にBlack Musicのファンじゃない。R&Bを聴き始めた中学時代から間接照明を試行錯誤(自作とか)して来た身として、やっと究極の照明を見つけた。詳しくはBlog2で書いたけど、ここではこの光に合う音楽についてコメントしてきたい。

 

基本は冬だから、冬コーナーでいいのだけど、突き詰めればもうちょっと先に道がありそうな。

ということで、とりあえず今回はBlog2の記事の紹介までで。




Javier - "Left of Center"

《漆黒の欲望》の片鱗


先週、中日(11/4)を休んで東アルプスを縦走してきた。今まで最高峰2600mの奥秩父山塊をなめてたけど、確かにあの重厚感はアルプスの格を感じた。登山中はランダムリピートしているけど、新しい気づきがあったのはFreddie JacksonとJavier。この気づきをもうちょっと温めておこうと思ったけど、コメントもらったから書きます。

 

今となってはJavierの「黒歴史」とでも言うべきか。今年の奇跡の傑作だけでなく1stも3作目も良いので、この2作目だけが駄作。以前に書いた(下記に残しておきます)時は容赦なく書いているけど、正しい場所で正しい音楽を聴くと正しい気づきがある。

 

何が正しい音楽で、何処が正しい場所なのか、それは人によって違うけど、30歳までに両方を明確にできた人は幸せなのだろう。朝4時に起きて、昨日の夜に作って凍った珈琲の残りを温めて、テントをたたんでヘッドランプをして歩き出す。歩いて30分もすれば明るくなって、近くの頂上まで行けばご来光。こういう場所じゃないと気づけない。作品に答えが無い場合は。

 

そう、この作品は駄作だからこそ、この作品だけ追っかけても答えは無い。デビュー当時からJavierに惹かれる男の子は多かったけど、本作の答えを見たことは無い。自身が同じタイプなら正しい音楽だけで正しい答えが出てくる。けど、僕はJavierの真逆。20歳までに一度も「爽やか」といわれたこと無いのだから、そんなのは考えなくても分かる。そうであっても、正しい場所に行けば分かる。

 

「求める態度が増えて、爽やかさがなくなった」

これは全員が完全同意する本作への感想。それを前回は「求めるとはバランスが崩れる」と書いた。そのスタンスは変わらない。じゃあ、この時のJavierはどうすべきだったのか? デビュー作同様に爽やか路線の踏襲? それは違うと思う。確かに僕を含めて皆それを望んでた。あれだけの爽やかさは稀だからこそ、もう一作ぐらい聴きたかった。けど、作品とはあくまでも本人の内面に素直になるべき。

 

この作品のアウトラインが固まったタイミングで、「分かった。お前のやりたい方向性は聴いて分かった。けど、あるべき姿から見れば中途半端な地点で留まっている。このレベルで発表するな」とプロデューサーは指摘すべきだったのだ。もちろん「ダメ出し」だけならアホでもできる。大事なのは彼が紡いだ道の先にある場所。僕がこれだけ拘るのは、言葉で表現することが先の地点の明示になるから。そういう言葉をずっと探して20年。

 

言葉の先を示す音楽こそが傑作

音楽の先を示す言葉 を探すことがHP/Blogを続ける意味

 

「欲望」を濃くすると「どす黒い欲望」になる。初見だとR. Kellyは「どす黒い欲望」を歌っているように思える。彼のSEXの自己破滅感が分からない奴ほど"R."を貶してた。それに心底むかついたのが20の頃。自己のSEXをテリトリーと認識した時点で、奥底では欲望の地点を突き抜けている。けど、これは応用問題。ああいう曲が必要な男の子はBlack Musicのファンでも100人に1人ぐらい。けど、Javierは違う。あくまでも皆の憧れであるべき。

 

《漆黒の欲望》

これが本作の先にある正しい答え。漆黒は欲望を浄化する。普通は純白こそが浄化。だからウエディングドレスは白を基調とする。けど、これは白人の世界観なのかもしれない。ここまでを断言するのはさすがに気が引けるけど、そこまでの射程を感じた。気づいたのはもちろん04:Dance For Me

Javier自身の自信は当時から感じていたし、サビに入る直前のSexyという響きが耳に残る。サビで一番残る単語はDestiny

途中のBabyも良い。だから、Sexy、Baby、Destinyの3軸で歌世界が出来てる。SexyとBabyだけなら何処にでもあるけどDestinyの存在が独自性。

 

言葉が見つかれば聴くべき曲も見つかる。

大事なのは02:Indecent Proposal。残りは曲はこの方向性に同意してくれた人が探してください。その先も探してからUPしようと思ったけど、4thのコメントを見て考えを変えたので。

 




2016年新作

JaheimとSilkの新作は評価に迷う。数個惹かれる曲はあるのだが、ある種の感情を揺さぶられないというか・・・。だから一言コメントが浮かんで来ない。完成度で言えばSilkの方が上だと感じている。
01.Quiet Sormから期待させる。このオープニングこそSilk。5人組に戻ってLil' Gの歌いっぷりも良い。昔より深い声で吼えるようになったなぁ。02:Love 4 U To Like Meこそが本作のベストだと思っている。ミドルテンポで傑作を発表できるなら次回作まで安心できる。04:Baby Suitも彼らしい。07:On My Mindもナイス。09:I Love Youもファン納得のレベル。こういう曲は良い意味で昔のSilkを感じる。結局、1stのLose Controlの解釈と3作目のI Wonderの解釈が通常のR&Bリスナーからズレているから、本作もちゃんと理解できてないのだろう。。

けど、Lose Controlの解釈はウチが正しいと信じている。こちらにも書いたけど男性の方が肌感覚が弱い。進化生物学的に言えば、女性の方が赤ん坊を抱える事が多かったから、肌を通じて赤ん坊の存在をより感じられるように進化してきた。それがSEXの時の肌感覚の性差に繋がる。そしてLose Controlだけが男も肌感覚を鍛える道を訴えている。I Wonderについては俺が間違っている。この文章を書くために10年ぶり?それ以上かな、聴いて痛感した。さすがにこの地点で振り返るとWonderはない。あの時、どういう選択をしていればBestだったのかも痛感する。けど、当時は全く分からなかった。

脱線したので灰色にしておくけど、Silkの本作は久しぶりの新作発表(2006年のAlways And Foreverはカバー集だと思うので、2003年のSilktime以来の13年ぶりかな)なのに良い意味で苦悩がなくて、全編明るい曲。それもホメるべきなんだろうね。


Jaheimは14曲の構成が水増し感。01:My Shoesとか、こういう始まり方は確かに彼らしいのだけど。02:Craziest Placeとかうーん。曲名としては良いけど、04:Struggle LoveもStruggleを感じない。個人的にはR. Kellyが全面バックアップした作品を聴きたい。R. Kellyの才能の幅の広さとJaheimの声の組み合わせ。R. Kellyが作れば本当のStruggle Loveが出てくると思う。JaheimだけじゃまぶしすぎてStruggleなのに「地面をはいずりまわるような感覚」が出ない。それは褒めるべき点かもしれないが。

一番気に入ったのは07:Something Tells Meです。連続リピートできるのに泣けてこない。不思議な感覚。自分に合わない曲は10回も連続で聴けば飽きてくる。この曲は1時間ぶっとうしで聴いたのに飽きがない。なのに揺さぶられない。いかん、こういう時ほど実は大切なんだろうけど・・・。今の自分じゃ何も見えない。己の死角に触れるような感覚。指摘じゃなくて触れるからこそ泣けてこないのだと、なとなく思う。残りの曲は、うーん過去のJaheimの作品にも収められた方向性だし、そちらの時の曲の方が上だと思ってしまう。05:Songs To Have Sexはナイス。ただなぁ、個人的には心情的には惹かれないのだが。09:Be That Dudeも良い意味で彼らしい。11-14はまとめてパスだけど、ファンなら満足する作品だと思う。なのに文句をつけているのは僕にとってJaheimはもっと至高の存在だから。この歳になると痛感する。もっと自分よりも若い人の意見を受け入れるべきなのだと。その筆頭こそがJaheim。聴いて人生変わったといえる年下歌手はJaheimだけ。TyreseやSisqoは深堀できた、という感覚だから。


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■Brian Mcknight - "Better"

発売当初に買ったけど、個別に紹介するほどは感銘をうけなかった。別に手を抜いているわけじゃないけど、本人のBestに収録される曲はないような・・・。特定の方向性でキャリアハイの曲が無い。03:Can't Take ItはMiddle-UPなテンポで、Slowなバラード以外に名曲が少ないマクナイトとしては珍しい。04:Betterも今の素直な姿なんだろうね。05:Uh Oh Feelingはいつもよりも明るい。06,07曲目は全体的に良いのだけど、名曲が無いからアルバム全体としては聞き流してしまう面がある。08:Goodbye(Feat. Kimie Miner)は今までなかったタイプ。聴き込むと味がでる。09:Get You Into My Life (Feat. Glasses Malone)を気に入った人は、本作の位置づけ高いと思う。11曲目がなぁ。個人的にはちょっとガックリくる。全作聴き込むファン以外、たとえば2,3枚アルバムを持っている人に薦めるほどではないかなぁ、、と思ってます。お気に入りの曲がある人はコメント欄で教えてください。

 




Slim - "Refueled"

女性が癒される存在へ



1996年の112デビューから20年。Slimもこの高みに来たか。ジャケは攻めているけれど、興味深いアルバムタイトル。「燃料補給」と直訳すれば、ジャケに写ってる車に対する補給に見えるし、収録されている曲もこのノリが多い。ところが所々に傑作が。08:Aint Going Nowhereの良さ。アルバムタイトル曲が無い本作において、この曲こそがRefueledを体現している。どれだけ仕事で疲れて家に帰ってきても、この曲を部屋で流すだけで、癒されると思う。「また明日も頑張ろう」という気持ちに、穏やかにじんわりと包まれると思う。何よりも30歳以上の女性に届く射程こそが素晴らしい。

1978年生まれだから、今は38歳か。確かにそれぐらいの歳ならば30-35歳がメインターゲットになるだろう。前作もそれなりに気に入ったけど、So Goneというタイトルの曲をデュエットして、あれだけ傑作にするのにはびっくりしたけど、今回も同じぐらいの感動。淡々とした曲だけど細部が光る。作曲者はホメるべき仕事をしている。良い意味でイノセントな声を出す歌手だけど、この声のまま《癒し》を表現できるとはね。

05:Drugも名曲なんだよね。R&Bの文脈では、ここまでストレートなタイトルは珍しい。Drugという割にはHer Sex, My Sexという単語が耳にのこる曲だけど、そこまでいやらしく無いのはSlimの声のおかげかな。07:Hey Youの歌いだしこそがSlimの独壇場。10:Ready To Fallも良い曲です。

ということで、水曜日から仙台出張なので、続きはまた今度で。
112のデビュー作を核に、同じ手触りとしてDay26のあの曲と、そこからの歩みとして本曲がある。じゃあ、ここら辺を集中的に聴き込むかな。そうそう、さすがにそろそろ回答を書かないとね、So Goneのデュエットにおける配置。これが分かった人、いやうち以上の回答でもいい、そういう人はぜひ己のセンスを信じて欲しいと思ってます。
 




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