Belong特集

HP時代から色々な場所でBelongについて細切れに書いてきた。「いつか Belong特集をしなくちゃね。」と書いて5年以上経ってしまったので、遅ればせながらまとめておきます。

「 like(好き)が進むとlove(愛してる)になる」
これはどんな文化圏でも同意される共通事項。けど、まれにその先の世界がある。以前にも書いたようにBlack Musicにおいてはloveの次にadoreがくる。
adore
【自動】崇敬する、あがめる
【他動-1】〜が大好きだ、〜にあこがれる、〜を熱愛する
【他動-2】〜を尊敬の念とともに深く愛する、敬愛する、崇敬する、崇拝する、礼拝する
元々は神様へ使われた単語が人間相手にも使われるようになったハズ。アルバム100枚以上持っている人はadoreという単語の重さを知っていると思ってます。

「あがめるぐらいに愛している」という言葉は「貴方の言う事には何でも従います」と受け取られる事が多い。けど、そんな主人と召使みたいな愛って正しいの? だから、真のadoreはそういう意味ではない。今までadoreが使われた歌を聞き込んだ結果として、個人的には「正しい道を歩める」という意味だと思う。「こんな馬鹿な俺でもお前を好きでいる限り道を誤らない」 これがadoreの意味だとずっと思ってた。迷える子羊に道しるべ。これがキリスト教だしね。


だけれども、一番気になっていたのはBelongです。
中学時代の英語の授業でbelongという単語を始めてみた。所属している「部活」を表現する時に使われていた第一印象のせいで、今でもbelong=部活と反応してしまう。これって結構、同意されると思うのだけど(笑 それもあって最初にR&Bの歌詞でbelongを見た時はびっくりしてしまった。だけど、1997年に傑作の誉れ高いBrian Mcknightの3rd:Anytimeを聴いた時、どうしても11:I belong to youを聴き込んじゃってた。普通は02:couldか01:anytimeをホメるのにね。それから5年ぐらいして、激レア盤:TalentのBulles Eyeを聴いて、その中の03:I Belong To Youを聴き込んで、やっと分かった。adoreの先にBelongが来る事を。

その理由を今までサイトの色々な場所で別々に書いてきたから、改めてここでまとめておきます。本サイトをWeekly Commentまで全部読んだ人はもう既に知っていると思うけど、後から来た人のためにね。
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「親切」と「優しさ」の違いに拘って。
最初にbelongの価値を教えてくれたマクナイト。彼の最高傑作であるデビュー作を聴き込んだ結論として書いたのが上記の文章。そこでも書いているように、「愛してる」を突き詰めるほど「正しい愛の形」を探す事になる。けど、正しい愛の形はどれだけ探し回っても自分の中からは出てこない。何が正しい形なのかは相手が決めるから。優しさもそう。何が優しさなのかは受け手が決める。行動する本人が「優しいことをしている」と思った時点で、どれだけ頑張っても親切以上にはならない。

この世の単語の中でどれだけが「究極的には受動側が認定権を持っている」のか?
本気でここを突き詰めたことは無い。けど、自分と相手の間の行動である限り、全ての単語の認定権は相手が持っているのかもしれない。「優しいことをしてる」と思って行動すると「親切」になる。「親切なことをしてる」と思って行動すると「ちょっとマシなこと」になる。「ちょっとマシなことをしてる」と思って行動すると「単なる邪魔」になる。こういう連鎖になっていると思い始めているのは事実。

この視線に同意してくれるのであれば、やっぱりいくらloveの先のadoreを「こんな馬鹿な俺でもお前を好きでいる限り道を誤らない」としても、「こんな馬鹿に愛されたくない」と相手が思っている可能性も認めなくちゃいけなくなる。

そこまで考えていくと、究極的には何も残されてないことを認めなくちゃいけない。そこを受け入れても、気持ちはゼロにはならない。その現実を表現する一番適切な言葉はBelongなんだよね。マクナイトのあの曲はそこまでの射程がある。それは断言できる。だからこそ、あそこまで聴き込んでいたんだ。半年以上経ってたっけ。あの頃、「今の私の状況に貴方のそういう気持ちが重いのです」という返事に対して逆の行動をしてた。Belongの淡々とした心境にたどり着けなかった。自分がすべき事が分からず流されて生きてたから。だからこそ、好きという気持ちだけは伝えたかった。そういう態度がガキな事が分からずに。


現在私が持ってるBlackMusic全12446曲の中で、タイトルにBelongが含まれるのは28曲。けどこの中には逆のYou Belong To Meとかもあるから(笑 FrankieはアルバムタイトルにBelongが含まれている唯一の歌手。その点だけでも聴くに値する。けど、Belongの対象がHeartになるとパワーが落ちると思ってる。My Heart Belongもそうだし、Belong To Your Heartもそう。シンプルにI Belong To Youとした曲の方が価値が高い。そりゃそうでしょう。世の中にはHeartはbelongだけど体は別の女性っていうのもあるからねぇ。何より不思議なのは女性歌手の歌うI Belong to you。このリストのホイットニーもトニブラもそう。女性陣が歌うとBelongはハチャケルんだよね。男性陣が歌うと淡々とした切なさまで感じるのに、女性陣が歌うと明るさとノリが出てくる。それがBelong。

そんな意味で今回のBelongに合致するのは厳しく選抜すると3曲だけなんだよね。その中では、Romeの曲はちょっとパワーが落ちるかな。やっぱり10年前でも今でも本サイトで訴えたいBelongに合致するのはマクナイトとTalentのみ。そして、マクナイトファンには悪いけど、Talentの曲の方が上です。僕はそう感じる。

Talentは幻のR Kellyプロデュースの男性3人組。
R Kellyの女性プロデュースはAALIYAHにSparkleにChanging Faceと、作品レベルの高さとその後のR Kellyの問題が有名だけど、男性プロデュースは滅多にしない。というよりも未だにR Kelly全面バックアップでデビューしたのはTalentしか知らない。そして、この作品は全く売れないフェーズ。けど、これこそが一番素直なR Kellyなのかもなぁ、と思いながら聴き込んでいた。この作品は一曲目がTogether We Standだから。この単語ってBelongに近い場所にある。そんな意味でも本当に傑作です。

もう絶対に手に入らないとも思える作品だからYouTubeでトコトン聴くのをお勧め。このUPはちょっと音が悪いけど、曲の雰囲気は伝わると思う。いや、聴きこむには音が悪いかも。。


「愛してる」と相手に訴えないと続かない時点で、愛じゃない。世の「愛してる」と伝える曲は、根源的にこの点が弱い。こんなこと書いていると全てに喧嘩を売っている気がするけど、これが素直な気持ちです。

「自分自身は今やるべき事を一つずつ積み重ねている」
「この想いは変わらない」
「君の力になれる場面があるのなら、いつでも側に行く」
これらを一言で表現したのがBelongなんだと、そう思ってます。


「私は浪人生として過ごす中で、今までの色々な事を振り返って考えることが多くなりました。これまでずっと、人を傷つけず人から傷つかないように距離をとって接してきたからこそ、若井君のように正面から向き合う態度は     少しずつ自分自身が変わっていけると思えたから」
これ以上、好きとか愛してると言わなければ、そして来年の四月まで待てばいいと思ってた。そういう愚かさがあるから秋の入院で気持ちの抑えがきかなくなる。けど、本当に愚かだったのはここじゃない。

自分自身のすべき事は分からなくても、誰を好きになるべきかだけは分かる事がある。
それを正しい恋愛の形と思ったのが一番の愚かだったのだ。

だからいつになってもBelongの曲は痛い。

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