「夜空ノムコウ」には何が足らないか


「そりゃSMAPの歌唱力だよ」
と言える貴方は正しくともR&Bのファンとしてもう一歩だと思う(笑 
確かにSMAPの歌を聴いていると「歌が下手なことをネタにする暇あったら練習しろよ」等のコメントの方に同意してしまう。けど、ここで私が言いたいのは作詞をしたスガシカオに対して。日本の歌手の中でもスガシカオの作詞作曲の才能が高いのは、コアな音楽ファンには常識でしょう。そこについては同意してます。それだけじゃなくSoulやR&Bに造詣が深いのも一部では有名だから。その点も同意してます。なんといっても哲章さんがサイトで唯一取り上げていた歌手だから。

だからこそ、「夜空ノムコウ」に足らない点を書くのは気が引ける面もある。
いい曲なんだよね。歌詞もメロディーも歌手もいい。って聴くのはいつもスガシカオバージョンだけど。。ここの評価の高いコメントも凄い。
「未来への不安」とか「挫折感」とか、直接的な表現はひとつもな­いのに伝わってくる。格好つけない、きれい事ばかりじゃない歌詞­っていちばん心に刺さりますね。なにより、聴いていて気後れせず、共感できるところがいいなぁ。
----
彼のトークを聞いていると、ワイルドな自信家のように思えるけど­、彼の歌を聴くと、その鋭い感性と繊細な歌詞は、彼の中のコンプ­レックスの結晶のようにさえ思える。。。

この曲、あと一歩改善できれば確実に「上を向いて歩こう」のレベルまでアメリカ本国に届くと思う。もちろんスガシカオバージョンだけどね。だけど今のままじゃ決定的に足らないものがあって、その足らない部分があるからこそ教科書に掲載されたり卒業式に使われているのだと思う。この曲が本国に届くレベルに変わった時、果たしてその曲は日本という国にどこまで受け入れられるのだろう?

「夜空ノムコウ」と「A Changes is Gonna Come」を聴き比べれば一目瞭然。


夜空ノムコウに明日は無い
この認識に立っているかどうか。そこが一番大事なんだよね。夜空の向こうにあるのは今日と変わらない一日でしかない。だからこそChangeが必要であり、何よりも上を向くこと。上を向かないと、明日の空さえ見えないから。

俯いて過ごすしかない不遇の日々が、この先もずっと続く
この現実から出発しているのがSoulの前提。「上を向いて歩こう」はこの前提と完全に重なったからこそ全米No1になったのだから。その点を踏まえて夜空ノムコウの歌詞を見てみたい。「このままどこまでも日々は続いていくのかなぁ」という部分はかなりナイス。けど、さびが「夜空のむこうには もう明日がまっている」なんだよね。スガシカオはこのフレーズで聴く人を勇気づけたかったんだろう。その優しさがあるからこそ、教科書INや卒業式INなんだと思ってます。けど、やっぱり「もう明日がまっている」という歌詞ではアメリカ本国ではHITしないと思っている。

じゃあそのさびをどんなフレーズに変えればいいのか?そこが難しい。この部分を変えたら、ちょっと内省的な優しい歌詞世界が全部壊れてしまうから。単純に「夜空の向こうには 今日と同じ日がまっている」とは変えれないでしょう。「自分が変わらないと明日は来ない」もこの歌詞世界と合わないから。

----
久しぶりにカラオケに行ったら友達がこの歌を歌って、久しぶりに聴いて改めて感動したんだよね。アイドルグループとしてTOPにいた期間が長いだけあって、SMAPはさすがにいい歌提供してもらってます。「世界に一つだけの花」は当然として、この「夜空ノムコウ」も同じぐらいに価値がある。だけど、歌ってる友達の横で妙に考え込んじゃってた。

バブル崩壊20年経って、一億総中流意識は完全になくなった。けど、階級と人種が結びつかない日本では未だに目に見える階級差は少ない。だから日本とアメリカの両方で同じように大HITするのを求める事自体が間違いなのかもしれない。「上を向いて歩こう」は終戦直後だからこそ、重なったのだというべきか。そんな意味ではスガシカオは素晴らしい仕事をしていると思う。この「夜空ノムコウ」が切り取る情景こそ日本に合っているのだから。先ほどのコメントの「なにより、聴いていて気後れせず、共感できるところがいいなぁ。」のとおりだから。けど、僕はやっぱりスガシカオは久保田と同じように本国に挑戦して欲しいと思ってます。スガシカオがどこまでBlack Musicにコミットしているのかは知らないけど、それだけのレベルの人だと思う。

夜空ノムコウは98年の曲だからもう14年経っている。長引く不況と共に、この歌世界のベースとなる前提が日本においても揺らぎ始めているとも思ってます。世界を平均したらフィリピンレベルになるとは昔から言われているし、フラット化して中間層が無くなっている流れも先進国の共通だから。そんな意味では、あと10年したら、日本もそういう状態になるのかもしれない。けど、それは、やっぱり良いことではないよね。そんなことを考えつつ、聴いてます。
やっぱり「夜空ノムコウ」はいい曲だよね。冬好きとしては、この情景がハマる。夏や春の曲ばっかり注目されるけど、クリスマスソング以外の冬の曲はもっと増えていいと思ってます。






コメント
A CHANGE IS GONNA COMEから夜空ノムコウがくるとは思いませんでした。夜空ノムコウのサビの部分の歌詞を変えるって色々考えたけど難しいですね。あのサビの歌詞がこの曲のベストというか無難な気がします。あの曲でサビを変える事によってこの曲から伝わってくるメッセージやサビによってサビ前の部分的な歌詞内容まで変えなければいけないはめになりますもんね。だけど「夜空ノムコウ」はサビまでいくまでの歌詞の内容とサビの歌詞内容では別モノのような感じもします。まぁサビはその曲の中で1番伝えたい部分でもあるんでしょうけど。。
何か足らないとしたら「夜空ノムコウにはもお明日が待っている」のなら、そのサビまでもっていく前の歌詞がもっとこのサビによって今やこれからの未来を考えさせられるストレートさや濃い歌詞内容だったりしたら良いかもしれないですよね!?サビまでいく内容を普段の日常的な事を歌詞にしたのも十分ありと思うんですが、それ以上にまだ入り込んだ内容だと。。そーなると完全に夜空ノムコウの曲の仕上がりが変わってきますね(苦笑 難しいです。 こうなるとSMAPじゃ無理かもです。
  • KOTA
  • 2012/01/22 10:29 PM

夜空ノムコウが狙っている地点はChange..と同じ。この認識が一番のポイントだと思います。って、私も気づいたのが去年の年末ですが(笑

けどスタート地点が全く違う。だから夜空の方をサビだけ変えてもサビが浮くだけ。おっしゃるようにサビの前の部分にも手を入れなくちゃいけない。それをしたらあの歌詞世界は完全に別物になるから、日本じゃHITしなくなる気も。

ということは、やっぱりスガシカオの仕事が素晴らしいという証明だと思ってます。一部分に手を入れてもっと良くなるなら、穴があったということ。それが出来なくて今でも十分にHITしてるんだから。

そういう意味では以前に久保田の所に書いたように、今から全米No1(ナショナルチャートじゃなくてR&Bを本丸として)を狙うには、「俺はBlack Musicを聴いて救われた」という世界観が出せるかどうかなんだよね。

これを出せれば「日本人にSoulが分かるわけねーだろ」という意見を完全に封じ込める。けど、これが難しい。久保田には根っこの部分でネガティブを感じないから(それは非常に良いことだけど)、BlackMusicじゃないと救われない部分を持ってないと思ってる。ぶっちゃけて言うと。

本サイトは「BlackMusicだからこそ救われた」が一番のベースだけど、私は音楽的才能がゼロなので(笑 誰かいい歌手いないかなぁ。

SMAPは北公次氏みたいなスタンスがとれれば、無害なアイドルから一気に反転できるのだけど、それは生命の危険に関わるかもね。

ちょうど「夢がモリモリ」のタイミングでTV番組に飽きたから、今でもSMAPというと森脇と森口に弄られてたことばっかり思い出してしまう。


  • 若井寛
  • 2012/01/22 11:04 PM

ホントに音楽に対して向き合ってる姿勢が違いますね。俺もそんなふうになれるともっと曲の良さが解るのかなぁといつも見ながら思ってます。といってもそんなふうに俺はなれないと自覚してます。
自分は曲の雰囲気だったり声や歌い方、メロディが気に入れば好きになる位のレベルなんで(苦笑
そう言われるとblackmusicで救われたって今の日本人アーティストに正直いるのかな?と思います。
久保田さんにしてもL.L.BrothersさんにしてもただUSに対しての憧れだけが強いような気もします。
初めてBlack Musicを聴いたり映像を見た時の第一印象でカッコイイ!って思えて真似するとこから入り込むと思います。自分も初めてUSのHIP-HOPを知った時の衝撃は今でも忘れません(笑 29で今だに私服にはゴツイネックレスやらCAPやらサングラスの格好です(笑 でも自分はHIP-HOPに出会い救われたか?となると正直ないと思います。。ただ、嫌な事やストレス解消法に音楽を聴く。それもジャンルがたまたま好きなHIP-HOPやR&Bを聴いてる位のレベルなんで、救われたとは違うモノと思ってます。
もちろん日本人なんでUSのR&Bアーティストのような歌詞を書き歌いたいにしても、どうしても日本なんで歌詞にしてもストレート過ぎてさすがに恥ずかしいやらここは英語に変えた方が歌いやすいやらでその時点で根本的なとこからずれる事になってるような気がします。

育ってきた環境やら教育、出会ってきた人達やらそれに伴って性格までがつくられるのなら日本ではまだそんな一部のUSの地区ような環境で生まれ育ったアーティストがいないと思います。平和というか何と言うか。。。
久保田さんの昔とかは全く知らないですけどネガティブさが無いのはそこの部分ではないでしょうか??

それにしてもホントに色々勉強になります。
  • KOTA
  • 2012/01/23 12:48 AM

厳密に言えば曲じゃなくて正しい道に向き合いたくて。その正しい道を一番伝えてくれるのがBlack Musicだから。けど、それは自分自身よりヘビーは相手じゃないと、「俺は苦労してここまで来たんだ」って反論する面があるって事だから。いい面だけじゃないね。。

最初は憧れやカッコイイで全然構わないと思います。自分自身最初からDeepを求めてR&Bを聴いたわけでもないしね。最初はメロウなコーラスが好きだっただけだから。

ただ真面目に自分自身の夢とすべきことを突き詰めたら、どうしても途中で挫折すると思うし、久保田自身のNothing But A Loveもそう。あれだけの傑作が売れなかった事が大きな悲劇だよ。だからこそ、そこから再び歩き始めたのがSoulのおかげっていう姿勢で次回作を作って欲しかったです。Time To Shareにはそれを感じなかったなぁ。

育った環境とか幼年時代とかに必要以上に拘っても仕方ないし、苦労の量だけだよね。苦労の量は高みを目指せば増えるから。その割りには拘ったことばっかり書いてるサイトだけど(笑 それは自分自身の理想と現実のギャップの一つだね。。

唯一はっきり言えることは、こんなサイトだけど、かなり私自身は明るい人です。足して二で割ったら普通になるぐらいに会社でも明るいよ。まあちょっと変わっているとは思われているみたいだが。ただ、そういう風に明るいのは、Black Musicのおかげだよね。それが一番の自分の中の事実かな。家で一人で真っ暗にして音楽聴けるのもBlack Musicのお陰だね。そこまでやらないと前に歩けないことってあるから。

ファッションは腰パンやジャージがパスなのであまり関係ないですが(笑

  • 若井寛
  • 2012/01/23 9:58 PM

この曲、友達の死を歌っているので、明日はありません。
  • syou
  • 2015/03/11 8:47 PM

コメントする








   
この記事のトラックバックURL
トラックバック

All List

categories

links

recent comment

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

みんなのブログポータル JUGEM