Johnny Gill - Still Winning

歌人生の集大成


15年前、確かに彼は「歌」を背負ってた。世の中の流れに逆らって。

だからこそアルバム全体としてHIPさが減って、モノトーンの色彩のアルバムになっていた。セールスが不本意な結果だったのは、この15年間という長さが証明している。けど、この15年間を待ち続けたファンの存在が、あのアルバムの輝きを伝えてる。もちろんMyMyMyの輝きを求めて15年待ち望んでいたファンも多いだろう。けど、どれだけMyMyMyの良さを実感しても、僕は15年前のJohnny Gillの意気込みこそが好きだったし、その意志こそがSoulだと信じてた。「黄昏と夜の間にあるモノトーンの時間帯に、部屋の全ての電気を消して聴くと、鬼のようにハマれる傑作アルバム」のような聴き方をするリスナーがどれだけいるか分からない。けど、今になっても前作はこの聴き方を薦めてしまうんだよね。。

この新作はそんな重荷から解放された姿が印象的。といっても脱ぎ捨てたわけじゃない。その先の世界に辿りついている。自他共に認める90年代No1歌手という位置づけの先の、俺が歌を背負っていくという意志の先の、歌手として集大成。アルバム発売前にシングルカットされた3:In The Moodは実はちょっと合わなかった。HIPに振れすぎてると思ってたから。あのジャケもいまいち合わなかったし。けど、アルバムのジャケとして採用されたこの写真は落ち着きが増えていて、だから期待してました。本作で最初に感銘を受けたのは4:Just The Way You Areです。タイトルはYouだけど、この曲はMyとしても聴ける。それぐらいに自分自身の真の道を紡いでる。

この曲で表現されたものこそが、Johnny Gillのフルスケール
MyMyMyのエレガントさがサビにあるし、ちょっと物悲しい雰囲気が前作にも連なる。この絶妙感は浸るほどに幸せを感じる。5:Black Boxもいい。この突き詰める意志こそが前作直結。怒ったように吼える姿が今までで初めてだと思う。Geraldが亡くなってしまったからこそ、Eddie Levertを呼んできて、Keithと一緒に3人で歌っているのが6:Long,Long Timeです。LSGのファンとしてはこの曲の存在だけで本作を買っていいでしょう。僕もあのMy BodyのVCが好きで好きで。

7:2nd Placeはピアノと声だけの構成。New EditionのHome Againの12. Thank You (The J.G. Interlude) に連なっていると思う。あの曲は傑作だったけど短かったから。そして8:Who is Heに連なる。7:2nd Placeはやっぱり8の前曲だね。それ位にこの曲はウエイトが高い。アルバムの核です。重いです。素直に言うと逃げ出したくなる位にこの曲は重い。聴きこむとGODが浮かぶ。この曲こそが彼の歌人生の集大成。Johnny Gillからここまで引っ張りだしたプロデューサ陣を賞賛したい。マイナーレーベルとかそんな問題じゃない。信じられないレベルで曲を提供している。

9:It Would Be Youは寛ぐ曲。これだけ聴いてて寛ぐ曲もJohnny Gillとして初めてだと思う。10:My LoveがMyMyMyから歳を重ねた男の姿。あの曲から21年。確かにそんな長さを感じさせる曲になってる。MyMyMyを聴いてこの曲を聴かないのなら、それは歌手人生に沿って聴いていない事になるし、それはリスナーとしての貧しさになってしまうと思う。あの時の地点と今の地点で彼の紡ぐ距離を、自分自身が紡ぐ距離と比べる。そしたら今の自分に足らないモノが見えてくるから。確かにこの曲はMyMyMyほどHITしないだろう。けど、明らかにこの曲こそが連なっている。アルバムの最後に収録したのがJohnny Gillからのヒントのような気もするや。9,10の2曲を連続して流すことがリスナーとしての幸せだね。

この世に傑作の基準は色々とある。MyMyMyのように社会現象ぐらいにHITするのも一つの評価軸だし、息の長いファンを捕まえれる作品も傑作だと思う。けど、個人的にJohnny Gillぐらいの大御所に期待しているのは己の人生。今までの軌跡の先として、「此処が今の自分の立ち場所だ」と言い切れるかどうか。この評価軸において、本作はパーフェクト。それぐらいに4,5,7,8,9,10です。6のスタンスは好きだけど、友情以上の何かは大事だと思ってる。6は逆に客演したKeithとEddieを賞賛したいかな。

90年のファンだろうと、96年のファンだろうと、Johnny Gillの全てのファンに聴いて欲しい作品なのは間違いない。10曲しか収められてないけど、どの曲も良い。1:Still Winningは時代に追いついてびっくりした。2:Let's Stay Togetherも同じテンションが持続している。3:In The Moodはアルバムの中で聴くと良さも感じる。4:Just The Way You Areこそが彼の今の素でしょう。ファンを信じてこの曲をシングルカットして欲しかった。

8:Who Is Heこそが歌手人生の核なのは分かるけど、これは未だに辿りつけてない。100回聴いたらいけるのかも自信ないです。聴きこんで見えてきたら追加しますね。
とは言ってもこの曲と本気で向き合うにはこちら側にも準備が必要だから、まずは4を100回聴く予定(笑 今日届いて、今日はじめて聴いて、そのままここにUPするのは最近では珍しい。それ位にストレートに来た。


もしあまりJohnny Gillを知らない人が来た時のために一言だけ。

96年発売のLet's Get the Mood Lightだけど、最近、比較するならD’Angeloの1stだと思い始めた。他にも有名な90'Sの作品はあるけど、Deep系はそういう状況になった時に聴けばいいのであって、無理して聴くべき世界じゃないから。D'Angeloの作品は時代を作ったと言われるし、こちらは時代に抵抗したとでもいうべき内容だから。両者ともアルバムの一曲目から順番に聴き始めると途中で窒息するのも似てる。よっぽど才能というか親和性が無いと、今から聴くには難しい面もあると思う。ただ、両者とも後ろから聴くと意外と普通に聴けるんだよね。この作品もLove In An ElevatorとかIt's Your Bodyとか普通に聴ける。両者ともタイトル曲が鬼でそれが一曲目だから、難しいんだと。






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