Brian Mcknight - "Just Me"

自分の今を素直な形で - とことん深くなるLive Album


R&BとJazzの二枚組みを作りたい」というのはGEMINIの頃からの彼の希望。あの時はレーベルの意向でタイトルだけになってしまったけど、マイナーレーベルから発売された本作ならば、本人のやりたいように作れると思ってた。「マクナイトがJazzにフォーカスを当てたアルバムを作るならば、GEMINIに収められた12:Your Songに連なる曲であって欲しい」と思ってたけど、この二枚目はそんなレベルを通り越してる。

即興性を重要視してLive AlbumとしてJazz作品を発表するのはナイスだと思う。けど、この二枚目は途中からDeepになりすぎる。もっと明るいHIT曲を集めた方が共有しやすいと思うけど、とことんDeepな曲を並べるのがマクナイトの素直な気持ちで、素直な現状なんだろうね。


[disc1 - Just Me]
01:temptationはお子さんとのデュエット。不安感と意志を感じる曲は非常に好きです。こういう手触りがU-Turnを挟んでマクナイト後半人生のコアだと思ってる。母親と別れた後の父親の苦悩の曲を一緒に歌う感覚は、子供の立場に立ったら微妙な気がするのだが。。Jr.の声はお父さんと非常に似ていてマクナイトの多重録音と言われても納得してしまう。いい声を受け継いで良かったね。ただ、立場的には「オヤジ、お前が悪いんだよ」ぐらいを後ろで吼えてくれると将来性を感じるんだけど。そんなことを書いてる本サイトはたとえマクナイトのレビューであってもとことんマイナー路線(汗

02:fall 5.0も結構好きです。よくよく見るとDrum ProgrammingにJr.がクレジットされているから、やっぱりそういう親心なんだと思う。子供に継がせたいと思う気持ちはある意味当然だとも感じる。二世は二世なりの苦労があると思うので頑張って欲しいです。けど、親離れは大事だよ、と一言だけ。

03:one more timeもお約束の展開。曲は非常に良いんだけど、この流れを本気で味わいたいなら、このスタイルをもがきながら作ったGEMINIの方を聴くから、本作に対してちょっとネガティブが入るのだけど。安定した時期の曲を聴くのが好きな方ならもちろん本作の方を気に入るだろうね。

04:gimme yo loveも曲としては非常に良い。Babyfaceほどじゃないけど、さすがにマクナイトの曲風も飽きられてきた面も出ていると思うけど、やっぱりいい曲作ります。05:husband 2.1はタイトルが不明。2.1ってなんだろう? まだ昔のDOCOMO2.0の方が意味は分かったんだが。。曲もパス。U-turn以降、アルバムの中盤に完全パスの曲を作るようになったと感じるのは、マクナイトと距離が広がったからなんだろう。もうファンと言えないのかもしれない。

Disc 1はR&Bで固めてくるかと思ったら09:careless whisperはJazzにかなり歩み寄ってる。過去の名曲をこうやってマクナイトなりに解釈したいんだね。確かにその方向性は凄く良いと思う。10:Just Meはprayの曲でシンプルなタイトルが好感持てます。アルバムタイトルにもなっているように、難しいことを考えずやりたい事を素直な形で出した。そんな作品は、これまでのマクナイトの実績とか憧れを横に置いて一人の42歳の男として味わえばいいと思う。



[disc2 - the live album]
1:find my self in youの良さ。声とピアノタッチが力強い。こういうライブは最高だね。声の艶もナイス。ファンには歓喜ものでしょう。バックの観客の賞賛の声がその証拠。未だにマクナイトのコンサートには行ったこと無いのが残念です。

2:more than wonderfulもいいし、3:only one for meもいい。一番最初に聞き込んだのは3作目のanytimeだから懐かしいなぁ。あの作品は本当は80点以上なんだけど、無理やり低くしている気もする。なんでだろ。

4:bio part 1は彼のbioをしゃべってます。やっぱりピアノで育ったんだね。かなり早口(これが普通の喋る早さなんだろうけど)なので細かいところを聞き取るのが大変。。5:gonna fly nowや6:sonata、7:rougeには確かにマクナイトのピアノの上手さが全開になってるね。10:bio part 3のSweet Loveって、15歳が初恋ってことでしょうかね?

12:unforgetttableはNat King Coleか。クリスマスアルバムでも呼んでたし、やっぱり好きなんだね。13:overjoyedもStevie Wonderで同じ内省派だしね。14:rock with youはマイケルだからちょっと意外。ピアノでやるのも意外かも。観客との掛け合いが非常にいい。

16:can you read my mindはピアノじゃないし選曲がびっくり。いきなりこっちに舵を切るマクナイトも無茶だけど「俺にも俺の言い分があるという」と言いたいのだろう。Canから始まるけど「できる?」じゃなくて「する気が無かったよね」と言っているように感じるから。rock with youの次がこれじゃあ観客も唖然とするから、もうちょっと前振りした方がいいと思う。あのぶっとんだ処女作を聴きこんだ立場としては、舵がこちらに向いて感激ものなんだけどね。

そして17:come back to meに続く。観客とやり取りしてる発言は意味がとれないけど(雰囲気的にはマクナイトがちょっとボケたり笑いを取ったりしているように見える)、マクナイトと観客の間では笑いアリの応答があるからナイス。18:never felt this wayの始まり方。この新しいオープニングが感激。歌詞が始まった瞬間に歓喜の声を上げたファンに完全同意。これこそ「まってました〜Never felt this way」だね。これがあってこそのマクナイトのコンサート。

19:all i need is youは観客からの声を求めてる。皆ここで声を出すべきか迷っている姿が微笑ましい。マクナイトも求める時はもっと分かりやすくしないと、もうちょっと大きな声では帰ってこない気もするが。観客からLove with youと返して欲しいと思ってる彼はそれだけ現状に迷いがあるのだろうか?自分自身の気持ちに自信が持てなくなっているようにも思える。20:Stillは力強く歌い、力強く弾く。Stillだから当然というべきか。現状維持には自信があるんだね。お子さんを紹介した後に21:do you ever think about me。曲の最後のYouYouYouの重さ。22:the rest of my lifeは吼えてるなぁ。これだけ吼えてるのは珍しい。曲の最初に観客の一人が吼えて、マクナイトがそれに答えて鍵盤を強くたたいて、他の観客が笑ってる。いいやり取りだね。Deepな曲でもノリをKeepしてる。

23:temptationを選曲するとは。やっぱりそれだけの位置づけなんだろう。disc 1よりも切実で吼えてる。ここら辺がリアルな姿なんだろう。これって1st verseはJr.が歌っているのかな。声が似ているから判断が難しいけど、2nd verseよりも声が若い。これだけ歌えればかなり期待できる。サビで力強く入るのがマクナイト本人だよね。そのまま2nd verseを歌うから。nikoはどこで歌っているのだろう? 個人的には"temptation i know"と叫ぶ瞬間が好きです。この台詞、一日一回は言う価値ある。24:I miss youの前に色々と説明してるけど意味を取るのは非常に難しい。トークの最後のtoo complexでこれだけウケてるのは何故だろう? 観客のi miss youはちょっと声が小さい気がするが。

25:anytimeで曲が始まる瞬間。この瞬間に観客のボルテージが一気に上がる。みんなこの曲が好きなんだね。この出だしだけでanytimeって分かったら、そりゃイントロクイズでも高得点だしリアルなファンですよ。そういう意味ではちゃんとファンが集まってるんだね。ここら辺の応答の良さが本曲の後半のアドリブに繋がってる気がする。anytimeなんだからanytimeという応答でいい気がするのに、わざわざi miss youという単語を選ぶのにびっくり。それだけ今のマクナイトはi miss youな状況なんだろう。何回、観客に言わせるんだ? 観客にまでHouって吼えさせて、やっとAll Rightか(笑 マクナイトが観客に甘えている姿が微笑ましい。

26:back at oneはあまり観客とのやり取りを求めてないと思う。それは25曲目で観客に求めすぎたのを反省しているからなのかもしれない。27:one last cryで歓喜の声を上げたのが1stを聴きこんだファン。けどこの曲もポイントポイントでone last cryって返さすべきだと思うけど、声はanytimeの時に比べるとかなり小さい。やっぱりアメリカでも処女作を聴きこんでいる人はこの声の大きさぐらいの人数なのかもしれない。

28:one more time、29:cherishは余韻かな。30:shoulda, woulda, couldaは最後の割にはビビットなやり取りが無いのがちょっと残念かな。

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長いLive Albumだけど、理想とする歌手と観客のやりとりから見れば80点ぐらいにはなるんじゃないかな。3作目anytime由来の曲だけでなく、処女作由来の曲でも全員が大きな声で応答にするようになると100点越すと思うのだけどね。

もちろんこんなにDeepに行かずに綺麗なピアノを聞かせるLiveだけでも良かったと思うし、それを収録するのも一つの形だと思うけど、やっぱりこれらの曲を歌って観客と共有するのがマクナイトのしたいことなんだろう。

とりあえずcrazy love以降を通常作品から集めると以下のようになると思う。

01 can you read my mind (Back at One)
02 come back  (Gemini)
03 never felt this way (Brian Mcknight)
04 Still In Love (I Remember You)
05 Still (Superhero)
06 6. 8. 12 (Back at One)
07 the rest of my life (Ten)
08 temptation (just me)
09 I miss you (Evolution of a man)
10 anytime (anytime)
11 back at one (Back at one)
12 one last cry (Brian Mcknight)
13 one mo time (just me)
14 after the love (Brian Mcknight) - cherish (Back at one)
15 just me (just me) -  shoulda, woulda, could (U turn)

個人的には、まずマクナイトの描くステップをこの順番通りに追っかけてみたいと思ってます。このLiveを聴いてるとやっぱり真のファンになるには処女作の聴き込みで決まる事が分かる。久しぶりにあの作品も聴かなくちゃ。





コメント
  • 通りすがり
  • 2011/10/28 6:24 PM

>久々の更新ありがとうございます。
この一ヶ月は終電&休日出勤&徹夜な忙しさだったもんで・・・

>いつも読み応えのある文章をありがとうございます。
というよりもそれだけ入れ込んでいる歌手の作品しか書いてないだけです。。Urban Mysticも作品としては非常に気に入っているのだけど、ある程度の量を書けるほど本人らしさが見えてないというか。

今年の新作でUPしてないのは
Kelly Price - Kelly
Jennifer Hudson - i remember me
かな。kellyはパス気味。Jenniferは書きたいんだけど、まだ何かつかめてない部分がありそう。

現在Amazonで注文中なのが、Johnny Gillの新作とGordon Chambersの新作。Joeの新作はAmazonのコメントみて迷ってます。。
Carl Thomasは絶対に買う予定。今のところ、そんな感じです。
  • 若井寛
  • 2011/10/29 11:11 AM

urban mysticはまだ27歳なので、まだまだ伸びしろがあるのではないでしょうか。
それと、同い年のこの方もいかがでしょうか?
http://www.youtube.com/watch?v=ArdBI_F1LKo
http://www.youtube.com/watch?v=xPd4Qp-Pdew&feature=relmfu
http://www.youtube.com/watch?v=_6ud5N_41Xs&feature=related
  • 通りすがり
  • 2011/10/29 4:55 PM

>urban mysticはまだ27歳なので、まだまだ伸びしろがあるのではないでしょうか。
単に私自身が年と共に頑固になっているだけなのですが、歌手自身がどうこうの話以前の問題だと思ってます。Trey Songsはさすがに名前は知ってます。聴いてないのは基本的に新しい歌手を聴く気があまり無いだけなんですよね。。音楽を聴く時間も物理的に短くなっているし、確保した時間を今まで聴いてきた歌手の新作や、未だに聴きこんでないSoulの時代の歌手に費やしているだけなので。

20代の歌手は20代の方のレビューの方が色々な面で良いと思ってます。けど、2003年ぐらいまでのHPの時代から、BlogやSNSの時代を通過して今はTwitterで情報発信なのならば、一回の文章量と公開度合いで全体的に狭くなっているとは思ってます。

HP世代からすれば、不特定多数にそれなりの文章量を公開することに対する郷愁感はあります。ネットが遅いから画像を貼り付ける枚数にも気にして、基本的には文章だけで読む気にさせるような中身を目指して。あの頃のそういう雰囲気は色んな意味で訓練になったなぁと。

まあそういう考え方をするようになっているのがオヤジになっている証拠なんですけど(汗 けど、今聴いてるJohnny Gillの新作は色んな意味で感銘受けてるし、若い歌手まで全部追っかけるスタンスも、若い人を全く聴かないスタンスも両方極端だと思ってるだけなんで、あんまり深く考えてないです。けど、Trey Songsはなんとなくパスしてます。

それはシンプルに有名だから。有名ならここで取り上げなくても皆さん興味持つと思っているので。Urban Mysticは教えていただくまで私が知らなかったので(そんな程度の基準ですが)。

結局は、シンプルに聴きたいものを聴いてるだけです。

そういう意味では通りすがりさんのお勧めの中で次に興味があるのはFreddie Jacksonかな。
  • 若井寛
  • 2011/10/29 5:33 PM

これまで安易に誰もが知っているような情報をむやみに掲載してしまい大変申し訳がございませんでした。
管理人さんの言うとおりだと思います。
おそらく10歳以上は年齢的にも上の管理人さんに、20歳の自分の聴いている音楽は合わないはずですよね、以後、これまでのような過ちが無いように、気を付けますので、何卒よろしくお願い致します。
  • 通りすがり
  • 2011/10/29 6:18 PM

いやいやそんなに難しく考えないでください。通りすがりさんの言う「誰でも知っている情報」という基準が世代的に違っていると思うので、私自身には色々と新鮮でした。Freddie Jacksonを薦めるから年上とばっかり思ってましたが(笑

若い歌手も聴かないとBlogに来る人が段々減っていくのは分かってます。HPを書いてる時はそこら辺も真面目に考えていたけど、そういう気持ちでレビューしても結局、誰にも届かないんですよね。だから奥底では辞めたかったし、07年は色々と重なってちょうど良いタイミングだったから。

それでもイイと思う作品はシンプルにそれだけを書きたかっただけなので、だから再開しただけです。Blogで再開したのは少しでもコメントがしやすい形の方が良いと思ったていたので、こうやってコメントをくれるのは非常に嬉しいです。

この一ヶ月は社会人になってから初めてという位に忙しかったけど、「時間が出来たらマクナイト書こう」というのは一つの目標になっていたので。そんな意味でも本サイトに来ていただいている方々には感謝してます。

今年34歳の私は結局、音楽のレビューを職業に出来なかったし、歌手を職業に出来なかったこと自体は悩んだ事無いですが、ちゃんとした批評家としての道を目指さなかった事については、悔やんでいる面は無いと言えば嘘になります。

けど、歌手を突き詰めていくと、いや突き詰めていける歌手だからこそ、その先に出てくるのは個人的な体験で。。それを一旦、ゼロキャンセルできる視点を持ち得なかったのは、このサイトの基底にある愚かさだし、これはこれで現実を受け入れてくしかないと思っているので。

R&BやBlack Musicがこの先どうなっていくのか、それは私も良く分からないですけど、通りすがりさん達のように若い人たちが正面から向き合おうとしているのならば、あんまり30歳過ぎた僕らがあれこれ考えても意味無いと思ってます。僕らは目の前の仕事や結婚や家を買うことや、そういうもろもろの卑近だけど生きていくには避けて通れない事象に費やす時間ばっかりが増えていって、忙しさにかまけて聴けない作品も増えていって。

だからシンプルに好きと言える時期にシンプルに好きという流れだけは、リスナー側でも続いていければそれでいいんじゃないかと思ってます。

長くなってしまいましたが、今後ともよろしくお願いします。今後は今まで以上にペースが落ちて、基本、月1ぐらいになりそうですが、今回のJohnny Gillはついつい書いちゃいました(笑
  • 若井寛
  • 2011/10/29 7:38 PM

いやいや、忙しい中でもこうやってレビューしてくださるのは、ファンとしては嬉しいです(笑
これからも、ますますのご活躍期待しております?(笑
えっと、最後に役に立つかわかりませんがどうぞ。
http://www.amazon.co.jp/Madeas-Family-Reunion-Various-Artists/dp/B000E6UKL4
  • 通りすがり
  • 2011/10/29 10:50 PM

  • 通りすがり
  • 2011/10/29 10:53 PM

Teddy Pendergrassの未発表曲は確かに気になる。デジタル音源は購入したことないからどうしようかなぁ。
Mazeはノーマークなんですよね。久しぶりに啓志本を本棚から取り出して読んでました。
  • 若井寛
  • 2011/10/30 11:57 AM

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