Keith Sweat - "Just Me"

Keith Sweatの完成形


98年のStill in the Game以来、「売れるスタイル」と「個人的なスタイル」の間で迷い続けてきたKeith Sweat。あれから10年目、2008年の本作でやっと一番良い場所を見つけた。96年のセルフタイトルが好きで好きでたまらなく、今でもTwistedやNobodyを聴くたびに「あの時代は良かったなぁ」と感慨深くなる人ほど、本作を聴いて欲しいと思ってます。

"Still in the Game"以来、"Didn't See Me Coming""Rebirth"と迷いが多かった作品だったけど、この"Just Me"はそのまんまのタイトルどおり彼の完成形です。そんな意味ではR KellyのChocolate Factoryと同じ位置にある作品だね。

01:Somebodyから売れる音&売れるノリ&売れる声だから。セルフタイトルのファンほど、この曲で「10年待ったかいがあった」と感じるでしょう。そして02:The Floorを聴いた瞬間に作品を購入すること間違いないです。それ位にあの頃のKeithらしさが出てる。03:Girl Of My Reamsもノリの良いUp-Middleだから。KeihのUP-Middleの傑作といえば96年のJust A Touchだけど、それとタメはれる

上では「売れるスタイル」「個人的なスタイル」と書いたけどもっとシンプルに表Keith奥Kiethで良いと思ってる。表Kiethの傑作がセルフタイトルで、その中でも白眉はやっぱりTwistedかな。奥Kiethの傑作はStill in the Gameだし、白眉は間違いなくI'm Not Readyです。そして本サイトはずっと奥Keithを追っかけてきた。というよりも、「誰も褒めないI'm Not Readyの良さを訴える」のはHPを作った理由の一つだから。

その立場からみても本作は声に作為的な面を感じない。それが96年のセルフタイトルと違う。だから奥Keithの立場でもとことん聴ける。そうそう、奥の方が価値が高いとはこれっぽっちも思ってないです。表と奥なんだから惹かれるファンも90%と10%の割合だろうし、奥Keithだけを聴きこむ人はお世辞にも良い境遇とは言えないでしょう。R.にはまるのと同じで、お奨めできる状態じゃないのは確か。

04:Sexiest Girlも表Keithらしいエロエロのタイトルだけど、声はかなりストレート。本作を聴けば、今まで奥Keithが合わなかった人も、その世界が見えてくると思うよ。05:Butterscotchの良さ。この女声から始る展開こそが表Keithの王道なのに、しょっぱなから奥Keithの声で吼えまくる。この曲こそ、この10年間ずっと作れなかったものであり、これこそがKeith Sweatの完成形です。

06:Me and My Girlもそう。勢いとエロのある声なのに、奥の方に泣きと真面目がある。そいういうKeithが好き。これこそリアルな男の姿だ。07:Suga Suga Sugaもタイトルだけで買っていいね。こういうバカなタイトルは好きです。セルフタイトルに収納されてもおかしくないから。08:Never Had a Loverはタイトルからも分かるようにちょっと奥の部分が多い。けど、あくまでも売れるラインをKeepしてるのが素晴らしい。09:Love You BetterはKeyshia Coleを連れてきてます。彼女も歌っている割にはDeep過ぎないのがびっくり。

全体的に曲のレベルが高い。点数つけたら90点オーバーは間違いないレベル。良い曲が多いから迷うけど、本作としては05:Butterscotch一番とします。この女性はfeatもついてないけど、非常に良い歌いっぷりをしている。Keithの吼えっぷりが心地よく、この曲こそが奥Keithを追っかけた者として認めるKeithの完成形。14:SSSHHHは妙に気になっています。ちょっと不思議な曲だと思う。そういえば、このジャケはあまりセンスを感じない。もうちょっと歳相応の渋みを出しても良い気もする。若作りはしてないけど、妙に年齢不詳な顔だね。そこもちょっと不思議かも。

ちなみに、もっとファンの方にひとつだけ。
お蔵入りになった2006年の"Welcome to the Sweat Hotel"。基本的には今回のJust Meの方が上で、お蔵入りにした判断は正しいと思ってる。奥Keithの割合が強すぎて、《押し気》が根本的に足らない。分かりやすいのが08:The Sexiest Girlかな。今回と非常に似てるタイトルなのに、こちらの曲は聴いてて欠伸が出てくるから。ただ最終曲のSomething Is Everythingは凄い。この歳を重ねた深みはStill In the Gameの収録曲には無かったレベル。ファンならこの曲のためだけに買う価値があると思ってる。そんな意味では、R Kellyのお蔵入りになったLove LondのYouと同じだね。なぜ彼らはこういう真のSoulを感じる曲をお蔵入りのままにするのだろう? 収録しようと思えば、それぞれ次の作品に収録できるだろうに・・・・。ここら辺がずっと謎です。

something is everything
とことん泣き声なバックの声はKeith Sweat本人?たたみかけるようなバックコーラスが優しくて、Keith自身の人生の総決算のような趣がある。「何気ない事が、その後の人生の全てになる」とでも訳せばいいのかな。あの当時は何気ないと思ったことが、実は一番大事だったと後から気づいた状態を歌っていると感じる。YouTubeで聴ける間に、トコトン聞く事をお奨めします。この曲こそがKeithの人生の総決算。奥Keith派として断言できるな。

 

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