Calvin Richardson - "America's Most Wanted"

40歳の理想像


皆さんご存知の通り、私はCalvin Richardsonの無茶苦茶ファンです。そんなファン心理としては5作目となる作品を発表する程の歌手になった事が感慨深い。デビューした当初は「傑作だけど2作目を作れるのかな?」と本気で心配したから。そこら辺はマクナイトの1stに近い。方向性を突き詰めた傑作だからこその心配感ってある。

これだけ作品を重ねれば、従兄弟?のK-ciやJoJoと比べても、遜色の無い活躍と言えるんじゃないかな。もちろんK-ci&JoJoの方が作品数も知名度も上だけど、個人的には年齢を重ねる毎に良くなっていく歌手の方が親和性があるから。

そんな彼の5作目だけど、ジャケを見た時はそんなに惹かれなかった。タイトルもそう。上段に構えすぎで、ここまでのタイトルをつけるほどの作品になっているのか心配してた。けど、やっぱりリチャードソンだからね。とにかく買う。

1:America's Most Wantedからびっくり。一瞬、Javierかと思ってしまった、それ位に全方向な安定感がある。今までの抑えた情熱感も、とことんな熱さもない。曲の作りはシンプルで、メロディーにヒネリもない。けど、このリチャードソンの心象世界こそが素晴らしい。年齢は40歳前後だと思うけど、「これだけいい歳の重ね方ができるものなのか・・・」と絶句。O'jaysの傑作に近いね。これまで、40歳前後の男性歌手の傑作と言ったら、真っ先にGerald Levertの遺作が思い浮かんだし、それは今でも変わらない。けど、やっぱりあの作品は突き詰めると、生命の絶唱というべき輝きで・・・・。さすがに普通の生活の中から求めていくには遠い地点だと思う。

その点で、本作は凄く聴きやすくて、かつ傑作なんだよね。2:Never Do You Wrongの歌い方。今まで彼が得意としていたフェーズの曲だけど、やっぱり円熟味を感じる。曲の終わりの吼えっぷり。これこそが40歳に相応しい落ち着き。3:Feels Like We Sexin'の明るさ。このタイトルにこの明るさを持ってこれる。これこそがJavierの1stのレベルの証左。

Sexyって単語をどれだけ爽やかに言えるか?
それこそが男の真の価値を測る

僕はJavierの1stの20代を感じさせる手触りも大好きだし、同じ位に40代の手触りがある本作も大好きです。曲自体は良作レベル。外れは無いけど、メロディーラインにひねりが無い。けど、歌いこまれた心情にものすごくFitしていて、全体として傑作になってるね。こういう穏やかで広い心情がリードする曲ほど、他の人がカバーするのが難しいと思います。

4:You're So Amazingもいいんだよねぇ。4作目のカバー作以外、今まで彼の作品は曲のレベル差を感じる事が多かったけど、本作は傑作がそろってる。全部の曲に彼が関わっているけど、レベルが高い。自分自身が歌うべき曲を、今の自分自身を表現するのに一番良い曲を、彼は確実に見つけているね。

5:Thug Lovin'は彼の語り口から始まるオールドテイストな曲。だけど、やっぱり本作を包む「全方向感」が本曲にもあって、いい意味で落ち着いている。彼の1stは抑えてた。今回は落ち着いている。これが15年の差と言われれば、素直に納得する。

6:Come Overもそう。本作の中で一番Slowなんだけど、全くもってエロくない。一歩一歩、歌い上がって行く曲の構成が素晴らしい。落ち着いた感情が一歩一歩盛り上がっていく。この盛り上がっていく軌跡こそが、今の自分への一番の指針になる。打ち上げ花火のような若い頃の情熱と違って、じっくり一歩一歩踏みしめながら階段を登ってくる。この歩みこそ、あの頃一番選べなかったのだと、痛感する。

結局、こういう作品と出会う為に今でもR&Bを聴いていて、こういう作品をR&Bリスナー全員に紹介したいからこそBlogで再開した。そう実感できるだけの作品。その中でも本曲こそが情熱と優しさが重なる地点を示してる。終わり方が微妙な気がするが。

本作で一番エロいのが7:You Possess My Bodyです。それでもこのレベルなんだよね。きっと、彼の中では特に意識してないんだと思う。素直に出して、このラインになる。そこに憧れる。8:Reach Outが一番熱い。そして彼のデュエット作品の中でも最高級。1stのMonifaとのClose My Eyesと同じレベル。けど、こっちの方がイケイケなんだよね。バックで女性の声が「アッアア、アッアア」と入るのが新しい。普通なら「アッハーン」なのに「アッアア」だから。女性の声まで力強いぞ(笑 Monifaとのデュエットの正反対の手触りで、それが心地良い。女性の方が吼えまくって、彼がつられて吼えてる構成も面白い。


Adoreという単語の重さ。それを知っているのがR&B初段です。Like→Love→Adoreのレベル差を知らないうちは周囲にR&B好きとは言わない方がいいでしょう(笑 個人的にはLoveにPrayが入るとAdoreになると思ってます。今まで聴いたAdoreの曲は、今度ちゃんとまとめなくちゃいけないね。けど、タイトルまでAdoreが入っていて、サビで連呼する曲はホント珍しいと思う。普通はもっと秘めた感覚があるんだけどね。それをこんだけオープンにしてるのが9:Adore Youです。P2S2マスターなら(そんな人いるかいな)知っていると思うけど、LoveやLikeに注目するうちはオコチャマです。通はbelongとadoreに注目する。個人的には寄り添う感が強いbelongの方が好きだけど、このadoreの歌い方は凄くいい。Adoreの表現として、新たな発見です。

10:Monday Morningの明るさ。「あーー、今週も始まっちゃった。。会社行かなくちゃ」の正反対なのが素晴らしいです。毎週月曜日の朝は、このトーンで出社してこそ出来るビジネスマンです。11:Paradiseはそこまで惹かれない。オマケの気がするのでパス。

結果として、こちらの想像をはるかにこえる傑作アルバム。
まさかこのレベルを作ってくるとは想像だにしなかった。
きっと前作のBobby Womackのカバー作品の完成度が、彼の中の確固たる足場になったのだろう。確かに全曲パーフェクト・カバーだったから。あそこまで歌えれば、次へのStepが開ける。

そんな本作に唯一無いのが、Deepさ。全く無い。けど、もういいですDeepは(笑

Calvin Richardsonファンは当然として、個人的にはぜひJavierファンに買って欲しい作品。特にJavierの2ndに失望した人ほど。本作を聴けば、「こんな手触りの作品を求めていたんだ」と実感する事間違いないです。Javierの1stは何よりジャケが凄いんだよね。表情自体が作品と同じレベルになってるから。その点だけは、本作は不十分ですね。せっかくBobby Womackのカバーのジャケは良かったんだから、本作ももっと練るべきだった。けど、それ以外では、間違いなくJavierの1stと同じだから。いや、厳しく見れば、作曲の才能はJavierの方が上かな。けど、Calvin Richardsonはオールドテイストな感覚が心地良く、年齢を重ねた円熟味があるから。だから同じレベルだと思うよ。

素直に言うと、あの頃、確かに僕はJavierに遠かった。遠かったからこそ、聴いて辛かった。けど、この圧倒的な差を受け入れないと、その先の人生は無いと思った、だから、
・スレた面やSexyな面は少し弱いが、この先、Hip-Hopが合わない男の子の憧れになること間違いなし。
・アルバム聴いて、初めて「生き方変えようかなぁ・・・・」って思ったです。
・うん、素直に言って、イイ男だと思う。相手がどんな女性であっても幸せにできるかのようで・・・ストライクゾーンが大きい男性はたくさんいるが、Javierはホームランゾーンが大きいと思う
とまで書いた。あの時、この言葉に賛同してくれたなら、本作を聴いて欲しいと思ってます。振り返って内省すれば、今までの人生の中にも確かにポイント・ポイントでJavierを目指す道があった。けど、全く気づかず、エゴの海に溺れ、周囲にアホばっかりして、ここまで来てしまった。Javierを聴きながらRegretを積み重ねてきたけれど、さすがに今からあのレベルに行く道は無いと思っていた。けど、本作でCalvin Richardsonがこの地点を見せてくれたからには、ここに辿りつく道があるという事。その事実が一番うれしいです。

もちろんCaseのThe Rose ExperienceもJaheimのAnother Roundも好きだよ。けど、もういいですDeepは(笑 だから、この先、40歳を目指す上で一番指針になるのは間違いなく本作です。そう自分自身に断言します。まず自分にカツを入れないとね。あの頃、死ぬ気でCountry Boyを聴いたように、同じレベルで本作を聴きこんでます。このAdoreの良さ・・・。やっぱり、これにつきるよね。





コメント
リチャードソンのレビューまってました。ジャケとタイトルにあまり惹かれてはなかったんでアルバムをまだ買ってなかったんですが、一度視聴してadoreにやられてはYouTubeでadoreばっかりリピートしてました。そこでこのレビュー‼
CDやっぱり買おうかな!!!!
自分も、来年には子どもが生まれるので(まだ大学四年ですが、彼女は年が上なので)、結婚するつもりです。だから、聴く音楽も少しずつ変わっていくと思います。(今までマクスウェルばっか聴いてたので,,,)
そんな指針になるアルバムをいま捜してきいてます。
ちなみに彼女はカリブ系??イギリス人なんで、メアリー、トニ、ジルスコット、マクスウェル、ディアンジェロあたりにヤられてます(笑)

毎回レビューありがとうございます。
  • Kenshiro
  • 2010/11/14 6:30 AM

コメントありがとうございます。私の周囲でも学生時代or卒業してすぐに結婚した人も結構いますが、それから10年。両極端になってるなぁ。ぜひいい曲を聴いて、幸せな家庭を築いてください♪

ちなみにうちの奥さんは全くR&Bに興味ないです。一応Johnny Gillのコンサートには連れて行ったけど・・・やっぱりCalvin RichardsonかマクナイトからR Kellyのコンサートじゃないとなぁ。(彼らは日本にくるのかな?)

趣味が合う事は大事なので、(というよりも違いを楽しんで合わせていくのが大事なので)ぜひ、相手のお勧めの歌手も聴きこんでください。

私は奥さんの趣味で、毎年M1見るようになりました(驚 鳥人は面白かった。
  • 若井寛
  • 2010/11/14 8:43 AM

今までの中では2作目が好きなんですが、
今回の新譜も傑作ですね!

ちなみに、
「Adore」と言えば、
プリンスのがオススメです。

http://www.youtube.com/watch?v=G0DUuULl53U

アリシア・キーズやTQの
カヴァーもいいですが。

  • npg
  • 2010/11/17 11:31 AM

YouTube見せていただきました。確かに珍しいタイプのAdoreですね。ファルセットを駆使している割に、透明感より陽気さが出てるのがびっくりです。

80年代にビックネームになった歌手の中で、唯一プリンスは聴きこんでいません。音系だから苦手にしている面が・・・いつかチャレンジできるかな?
  • 若井寛
  • 2010/11/19 11:04 PM

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