出版前の《編集》の価値

「著名な文芸誌に連載を書いている人が職場にいる」って以前にも書いた件、季刊だった雑誌は高尚すぎて休刊したけど、同僚の記事は一冊の本として近々出版されるとのこと。以前に少しだけ雑誌掲載の件について聞いたけど、「プロの編集者にとことん赤を入れられる」と言ってた。単なるHPやBlogとの絶対的な違い。そんな厳しい世界を潜り抜けたら本サイトもメジャーになるかもね。うちの文章なんて30%も残ってないと思うけど、、、そこまで削らないとエゴは取れないと思ってた。

小田嶋さんの最近のコラムはかなり面白い。
出版事業は、現代の産業に見えて、その実、現場の仕事ぶりは、街のパン屋さんや畳屋さんとそんなに変わらない昔ながらの手作業に支えられている。一方で、10万部を超える書籍に関して言えば、「濡れ手で粟」ということわざが示唆する通りの利益率をもたらす。100万部超ということにでもなると、これはもう、よく使われる比喩なのだが「お札を刷ってるみたいなものだ」という次第のものになる。ということはつまり、出版という仕事は、その構造というのか前提自体がギャンブルなのである。
 《略》
 実際、出版は、甘えと思い上がりを産業化するための枠組みなのであり、それを実体を伴う事業として回転させるためには、強固な思い込みが不可欠だからだ。別の言葉でいえば、出版というのは、思い込みを商品化する過程なのである。それゆえ、10のうち9つまでが空振りであるのは、この事業の必然というのか、宿命ですらある。ただ、その10にひとつのヒットが、残りの9つの書き手を食いつながすことで、出版という魔法が成立していることを忘れてはならない。
 《略》
 私の場合について言えば、原稿を書いている時の私は、自信喪失に陥っていたり自己肥大していたりして、気分が安定していない。しかもそんなふうに自己評価が乱高下している状態でありながら、プライドだけは野放図に高走っていたりする。
 こういう人は、編集者がなだめすかして作業に没頭させないと自滅しかねない。「甘ったれるな」と言う人もあるだろう。
 が、さきほども申し上げた通り、出版というのは、甘えと思い上がりを産業化する事業なのであるからして、その中でコンダクターの役割を担う編集者には、ナースや保育士に近い資質が期待されるものなのだ。


ついつい太字にした。ずっとこういう文章を探していた。音楽よりも文章の方が本人のエゴが出やすいと思ってる。音楽においては本当に才能があればDevanteのようにジャケとタイトルだけ編集サイドの人間がコントロールすれば良い。中身は全部アーティストに任せて良い。けど文章がアウトプットならば中身にも手を入れる必要があると思ってる。

初めて他人に見せるまとまった文章を書いたのは高1の文集。頼まれて書いたからそのまま載った。高2の頃ちょうどスピリッツで連載が始まったアイ・ラブ・ユーに感動して読者コーナーに投稿した。このマンガを知ってる人も少ないと思うけど、名作です。そしたら雑誌に載った。3割ぐらい文章に手が入ってたかな。記念にテレフォンカードが贈られてきたけど、連載開始すぐだったので他のマンガのテレカ。。

普通ならばこのまま大学生の頃に好きな歌手について音楽雑誌に投稿して、批評家の最初の一歩を踏み出すのだと思う。そうやって僕より年上の人は全員歩いてきたのだと。ところが大学1年で2回入院して音楽の聴き方も変わった。B2(大学2年)の頃、マクナイトのAnytimeが発売される前かな、ナッツに昔のbmrを借りて哲章さんがマクナイトのデビュー作を褒めてる文章を見た。その哲章さんがbmrに書いてなかったから、書くことに対する興味がうせた。当時はbmrを定期的に読んでいたけど、R.の紹介で決別した。あの文章はホント酷かった。いつかR.の良さを訴えなくちゃいけないと思ったけど、今回のセックスカルト事件をみるとあのレビューも一面の真理をついてた。

結局、本気でエゴをゼロにして書いたのはStevie Wonderの"Innervisions"の書き直しだけ。あとはBoyzIIMenのクリスマスアルバム。あの文章はYahoo登録後の初投稿だったから気合入った。いや、違うな単にクリティカルな恋愛の場面とは結びついてないだけか。これらの曲と同じだけの深みを持ってるMarvin Gayeの"Here My Dear"は「そもそもニーズもない=どうせまともに聴いてる人もいない」と思っている時点で「甘えと思い上がり」。そこら辺を客観的に見ればこちらのコーナー
■セーフ
 未練切り、久保田の最高傑作か?、アドリブは歌手の命、彼らが一番優しいです、苦悩するTyrese、Why Christmas
 、独りっきりのAnniversary、重なる2つのNever、Soulに殉じてる、これはまさしく歌館

 ■微妙
 男のSink、哀しみに満ちた成功、今後を示唆する達観

 ■アウト
 大御所 最後の恋愛歌、Why Wonder Hard、Blance in Sex


個人的なことが入りすぎるとアウト。昔のInnervisionsはアウトだったから、それをセーフまで持っていくこと。そんな意味では、やっぱり次はHere My Dearなんだけど、このレベルで書き直すって普段の10倍疲れる。そこまでしてまでも書きなおすべきだんだけど、世間でMarvin GayeはWhat's Goin' Onどまり。だれもHere My Dearを隠れ名作とも思ってない。そりゃ、サビであんだけアンナ!!って吼えてるからなぁ。。

 

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