Matt Cusson - "Matt Cusson"
アカペラからCrazyそしてHeaven ★R&Bの入口★ 【Soulの深み】
このジャケはどうみてもブルーアイドソウル(白人のSoul)に見える。髪は黒だから南欧系かな。ジャケの名前のMattのフォントは崩れすぎだし、全体的に色合いが少なくてモノトーン寄り。ここまでイケメンだと逆に期待値が下がるかも。このジャケだと「こじらせたイケメンが尖って崩れた曲を作った」ようにみえる。え、いいすぎ?
このジャケの方向性が悪いと言ってるわけじゃない。単にアルバムに収録された曲と合ってないだけ。レーベルの担当者は「ずれてますよ」と言うべき。そんな意味ではジャケが全部悪かったDevanteほどじゃないけど、このジャケじゃなければもっと大ヒットしていたと思う。
もう2019年。だから断言していいでしょう。
00'S(2000〜2010)にデビューした男性歌手はDevanteとMatt Cussonが最高峰。以前にDevanteはそこまで褒めた。このMatt Cussonは間違いなくそのレベルまで行っている。そして作品の幅の広さや入口曲の親しみ易さを見れば、この作品はR&Bの入口に相応しい。それだけ完成度が高く、かつ誰でも聴ける作品。
01:Every Stepも02:Comfortableもレベルが高い。ShaiのComforterでR&Bのどハマリした立場として、名前の英訳がComfortだからこそ僕はタイトルが「Comfort」な曲は絶対に妥協しない。僅かでも違和感があったらとことん書く。けど、この曲はビタイチモンも文句をつける場所がない。それぐらいに凄い。04:Couldでマクナイトの名曲をカバーする。それもデュエットで。この時点でAlicia Keysを越してるよ。1〜4曲目で傑作と分かるのに、05:You Don't Have To Hurry Homeで一段と深くなる。ありえないレベル。ここまでの作品はイチイチ色なんてつけない。全部緑でもいい。
06:Acappella Interludeの凄さ。Black Musicにアカペラは当然なのに、実際は収録されている作品は少ない。こちらに特集コーナー作ってるけど、ほんとこのコーナーの曲に並ぶ完成度。インタルード扱いだけど全く手は抜いてない。
アカペラ曲が良ければそれだけで傑作
Black Music歌派の超常識。そして、Heavenに続く。このHeavenの凄さは以前に書いた。本作を買って3回目ぐらいのとき。あれから半年近く経過して、やっとこの作品の位置づけができた。それぐらいに深い。当時はこのHeavenの凄さに困惑していたけど、ポイントはCrazyだと思う。CrazyはBlack Musicの中でも超絶に大事な単語だけど、Heavenの中で出てくるとはね。アカペラ曲が終わってHeavenになる。そのAメロの歌詞で出てくるCrazy
Crazyの先にあるHeavenの凄さ
Crazyな恋愛経験がある人ならば伝わると思う。普通はどん底、というか底が割れる。それがCrazyの先にある場所。なのにHeaven。これ以上は書かない。分かる人だけが分かればいいし、必要としている人だけが癒されればいいから。
そんな人を選ぶ奥深さの次が08:Take Me Alongなんだよね。ありえない窓口の広さと寛ぎ感。普通はこちらをHeavenと名づける。この曲だけでも凄いのに、09:One Of Those Nightsの凄さ。この曲はクリスマスアルバムが相応しいほどの灯火(ともしび)感。ろうそくの揺れ動く暖かい光のような手触りで、ありえない。これだけ何度も「ありえない」と形容すると逆に伝わらないのは分かってる。けど、本当にこうとしかいいようがないんだよ・・・。10~12は普通の傑作。えぐられるレベルではないけど、全曲えぐられるとこちらも体力消耗するから。5~9の深度は10年に1人のレベル。Devanteのデビュー作も凄いけど、Mattの方が深いのに寛ぐ穏やかさがあって、人としての器のサイズが分かる。
人として尊敬できるレベル。
若いときにMattを聴きこめたら、それだけでこの世に生まれてきた価値がある。今の僕らに下手な宗教はいらない。指針となる曲があればいい。僕には2000年当時、JaheimとTyreseがいて・・・Javierは遠すぎたなぁ。JaheimとTyreseがいなかったら今の自分は無いと分かってる。仕事も続かなかっただろうし、結婚もありえなかっただろう。深い傑作曲は聴きこむ人の人生を変える力がある。そして、この作品は同じレベルの力を感じるから。
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こちらのHMVの紹介には
ジョン・レノン・ソングライティング・コンテストの2008年の優勝者で、ブライアン・マックナイトの日本公演でキーボード・プレイヤーとして共に来日したこともあるロサンゼルスのブルーアイド・ソウル・シンガー、Matt Cussonのデビューアルバム。ブラマク直系のソウルにハートウォーミングなSSWの要素とハリー・コニック・Jr風のクールなジャジーさをミックスしたスタイル。優しく穏やかなハイテナー・ヴォイスに癒されまくりです。
ほんとにこのとおりで凄くJazzyなんだよね。サックスもピアノも。
まさかJavierとプレイしているとは。ほんとこの2人はお似合い。Mattはちょと太ったね。イケメン度合いが下がったような(笑
- 2019.05.19 Sunday
- 2008
- 09:20
- comments(3)
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アルバム聴いてると、時間があっという間に過ぎます
心地よい