Keith Sweat - "Dress To Impress"

ちょいワルオヤジの指針 ☆祝R&Bの入口☆



今年、Keith Sweatの新作が出てAmazonのレビューを見てたら「前作ほど傑作ではないけど悪くは無い」というトーンの文章が多く、逆に前作である本作が気になった。昨日から聴いてるけど、最初の1回目で傑作と分かる内容。レベルの高さでは2008年のJust Meに並ぶけど、9年間の深さがある。初期の傑作は96年のセルフタイトル。あれは遊び人タイプを鷲掴み。次が内省タイプのためのStill in the Game。その内省は悟りのカリブ海まで進化する。そして、本作で完全に重なった。かつ誰でも聴ける窓口の広さ。素晴らしいの一言につきる。

Amazonじゃ全員(10人)が5.0の最高点。これは奇跡レベルだし、確かにそれだけの価値がある。

このジャケもそう。これこそがにやりキース。キース・スマイルなんて明るいもんじゃない。にやりキースという語感そのままの表情。この表情に惹かれる「ちょいワルオヤジ」40〜50歳の遊び人を全員満足させながら、この奥深さか。在りえないぞ。。

01:Good Loveから傑作。ちょっとけだるい感覚が凄く良い。基本エロなんだけど、ちょっとエロに疲れた感覚が出てて、全てのタイプの共感を誘う。車で流してても、助手席に座る女性には「遊び人」判定されない何かがある。「楽しくやろう」という感覚は濃厚なのにね。掘り下げると不思議な曲。Keithが本作で達成した地点は今の僕では因数分解できない。それぐらいに素晴らしい。

Silkファンとしてはもうちょっと傑作でほしかったのが02:Tonight(Feat. Silk)。SilkにとってはこのTonightという単語がどれだけ価値があるか。なのに、これかい。。赤色レベルなのは確かだけど、緑を期待してた身としては色無しで。Keith+Silkの魅力がちゃんと出てこれば、こんなもんじゃないでしょう。
 

03:Just The 2 Of Us (Feat. Takiya Mason)
はKeithらしい女性歌手とのデュエット。女性側の声質がいつも似てるのは、こういう声がKeithのタイプなんだろう。本作の他の曲よりもKeithの声が若くて面白い。04:Pulling Out The Oneは「カモン」という声が響く曲。低音部分が強調されているのも、好きな人にはタマラナイだろうね。色はつけないけど捨て曲では決してない。

05:Special Nightの良さ。こういうストレートなタイトルでこそ、真の深みがでる。曲の最初は96年のセルフタイトルに近いのだけど、不思議と深いと思わせる何かがある。 06:Back And Forthがエロい単語と知ったら、R&B初段になるかな。いや、もうちょっと手前かな。僕はついついAaliyahのデビュー作を思い出してしまうが、この曲も面白い。こういう王道?なタイトルの曲があるし、いつになくギラギラ感を出して歌っているのに、息継ぎ直前の声の表情。きっとね、リアルなワル・オヤジにとっては、96年の作品も2016年の本作も全く同じ価値で、精神性の高さなんて感じないと思うし、それでまったくいいんですよ。

《人を選びすぎる作品は、器が小さい》
だから、これだけ好きなCalvin Richardsonでさえ器は小さいと思ってる。そして、当然ながらうちのサイトも器は小さい。小皿というより御猪口レベル。。だから07:Give You All Of Meはパーティーソングすぎてパス。。08:Missing You Like Crazy (Feat. Dru Hill)はまさかDru Hillと一緒に歌うとはね。迷走している彼らにとっては何よりの指針。いまだにワルなイメージをKeepしたい彼らにとって、このKeithの到達地点こそが何よりの導きになる。

そろそろ僕らの世界の扉が開く。そう確信させてくれる曲のオープニングから始まる。インタルードを挟んでもいいぐらい。それが09:Lovers And Friends です。シンプルなバックの上で吼える。バックで男性の高音と女性の声を上手く合わせている。こういう作品こそがバックコーラスの使い方のお手本。吼えるKeith。この吼え方、 エロさが蒸留する角度に向いているのが良い。それを分かるかどうか。女性陣ならば分かっておいた方がいいと思う。Calvin Richardsonみたいに完全にあっちの世界に振り切る方が楽だから、こいうの窓口を広げる態度はお手本にしないとなぁ、と思う。

10:Feels Goodは「けだるさ感」プラス 90年代から20年経過しても、この「エロいけだるさ」でKeith Sweatを越せる人はいなかった。それぐらいのオンリーワン。11:Better Love は20年前なら絶対に作らなかったタイトルの曲。そこに気づけるならば、どれだけワルオヤジでも今から悟りにいける。歌詞をおっかけてもいいけど、まずは右脳のまどろのみの中で聴く。

Black Musicを聴きながら、言葉にならない思考を重ねる
言葉にならない思考があるのか、それは全て感情とすべきなのか、脳科学的に解決はでてない。けど、メンタルはこの部分をコントロールできなくなるから。ここは直接アクセスできない。だから、思考側からいくか、感情側からいくか。けど、僕はBlack Musicを聴きながらダイレクトにアクセスする。そしてこれだけの曲リストの積み重ねから、ほぼ100%コントロールできる。いや、ここまで言うと嘘だね。けど、感情よりはコントロールできるよ。歌詞が分からない曲を聴くことに否定的な意見を言う人もいる。けど、ちがうんだって。本気でやりこむとこういう世界があるんだよ。

12:Dressed To Impress がアルバムタイトル曲か。面白いことするなぁーーー。ここに込められたKeithの意志は何人が理解できているのだろう。今の自分じゃ分からない。Amazonのレビューでも誰も気づいてない。けど、これが真の勝負であり、ここまでKeithが続いてこれた真の理由がある。曲の後半に女性歌手と叫び合っている部分を聴くと良く分かる。「ここに答えがある」と言っている。そういう歌詞に表現されない言葉。こういう言葉をひとつずつすくって、僕はずっとサイトを書いてきた。その積み重ね。本当なら緑にしたい。けど、まだ理由が分からない。だから赤で。ここは絶対に再チャレンジします。 普通だったら12曲で終り。なのにアルバムは続く。そして捨て曲が無い。その凄さ。

13:Cant' Let You Goも良いんだよね。ちょっと涙が見え隠れする。そこがポイント。14:Sayもバックがピアノ。その上で映える声。20年前はなかった魅力。20年前、ピアノの上で映えるのはマクナイトの独壇場。けど、Keithもこのレベルまで来た。逆にマクナイトはKeithのエロのレベルまでは幅を広げれたのだろうか?? 奥さんと離婚して、迷走な感覚しかないのだけど・・・。マクナイトのファンから見れば、この曲はまだまだのレベル。もっと透明感はあげれる。けど、逆を考えるとKeithの凄さが分かる。その道のりを踏まえると緑です。
15:Get It Inも良い。ちょっとエロ側に寄っていて面白い。赤も多いので、無色にしておきますが、捨て曲ではない。

びっくりなのが16:Let's Go To Bed (Feat. Gerald Levert) いつの録音なのだろね。声の表情を見ているとLSG2のころのように思える。2006年に亡くなっているから、その1,2年前かな。LSGのデビュー作と比べると、ほんとみんな大人になって。。僕だけが成長して無いような気がして泣けてくる。。これが不意打ちのようにGerald Levertの歌声を聴いた結果なのか、それは良く分からない。混ざり合って、ダイレクトにアクセスしてくるや。
 

続き

 

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    コメント
    このアルバムめちゃくちゃ良いですね
    確かに窓口は広いですし、大傑作ですね
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    • 2019/09/14 10:17 AM

    Keith Sweatの新作、少し聴きました。
    K-CI客演のHow Many Waysが特に素晴らしいですねぇ
    是非、レビューお願いします
    • Hide
    • 2018/12/06 8:21 PM

    Keith Sweatのアルバムと歌、良いなとは思うのですが、私は声が少し苦手です。特徴のある歌声、好きな人は好きなんですよね。
    • Hide
    • 2018/11/29 8:16 PM

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