Peabo Bryson - "Through The Fire"

FireとWhyの連環


Peabo Brysonの94年の作品にしてR&Bの入口INの傑作。

「美女と野獣」「アラジン」の主題歌が収録されてるから初めてBlack Musicを聴く人でもOK。入口としてこれ以上の間口はありえない。06:Through The Fireの歌い方が素晴らしい。サビでFireと歌い上げているのにある種の切なさがある。元歌はチャカ・カーンだけど、男の子にはこのPeabo版の方が参考になると思うから。

単純に情熱で押し切ってない部分があって、それが内向的な男の子にも恋愛から遠い女の子にも響くポイント。曲の途中の色気の出し方にスマート以上の何かがあって、ずっと男性と付き合ったことの無い女性を振り向かせれるだけのモノがある。個人的にはCalvin Richardson派だし、今ではJavierやKenny Lattimoreも爽やかさも分かっているけど、このPeabo Brysonは単純にどちからに分類できない独自性がある。

Donny Hathawayが亡くなった後、Roberta Flackとデュエットして名をあげた。
当時はなぜPeabo Brysonを選んだのか分からなかった。もちろん初めて聴いたのはSony MTVでアラジン。美女と野獣よりアラジンの方が先だった記憶。たまたま見た順番だけかな。。「ちょっと太った上品な叔父さん」の印象で、僕にとってもR&Bの入口のひとつ。

けど、本作の深さは05:Why Goodbyeとセットで聴きこんで初めて分かる。
Peabo Brysonのアルバムは全部で6作しか持ってない。けど、断言できる。これが一番DeepなPeabo Bryson。このWhyの叫び方こそが彼の真のコアでありSoul

WHY:なぜなんだよ!
というシャウト。この世で一番美しいWhyは112のあの曲だけど、深みにはまる一歩手前の自問自答。その風景も好きだけど、やっぱり男たるもの別れた時のWHYこそが一番大切。それをこのトーンで歌うのか。。あまりに通常のシャウトと違うから、気づかれずに通り過ぎるレベル。特に女性陣に言いたい。「精神を集中させないと分からない悲痛さ」と、曲の最後の締め方。この曲を単に流して終わると見失うものが多いと思うから。


Ruben StuddardのSorryとBabyの連環と同じ位置づけ。
けど、あちらの方が悲哀感が強くて分かりやすい。確かにこちらの2曲は「でさ、正直にいいな。どっちが悪かったのさ」と言いたくなる面があるのは否定はしない。けど、隠し事をしているわけでもないし、心の中にあるものは全て出している。個人的にはRuben側だけど、このPeaboのラインはひとつの確固たる立ち位置。これからもThrough The Fireは名曲としてカバーされたり語り継がれると思うけど、Black MusicにコミットするかぎりWhy Goodbyeと一緒に語るべき。この2曲だけ連続リピートしてくれば、見えてくる世界がある。

 

ずっと、順序を間違えたと思っていた。Fireが先でWhyが後だろうと。けど、この順序こそがPeaboが一番伝えたいことなのかもね。そしたらMarvin GayeのAnna's SongとI Want Youの順番と同じ意味になる。それは興味深い答えだけど、本当はどうなんだろうね。

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01:Treat Her Like A Ladyのエレガントさ。最近は医学部入試の女性差別が大きな問題になっているし、この先も男女平等は徹底されるべきだけど、それでもLadyとして扱う必要性は薄れない。頭の足りない男の子はそこら辺が分からない。この曲は中学の授業でとことん聞かせるべき。こういうのは姉がいる家庭だと叩き込まれるんだけどね。。発売当初にアラジンでなくこちらを聴くべきだったと後悔するレベル。

 

03:Love Will Take Care Of Youもナイスだし、04:Never Saw A Miracleもディズニーっぽい手触り。07:Spanish Eyesもそこそこ好き。08:By The Time This Night Is Overもそう。どの曲を見ても普通に聴ける。ガツンとくる度合いは弱いけど、全体的なベースのレベルは高い。何も考えずにアルバム全部流せる完成度。チャートアクションを見ると本国でもヒットに恵まれてないけど、うちはうちの基準。こういうときほど体はらないとね。

 

 

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    コメント
    Peabo Brysonは、あまり聴いたことないです。
    Roberta Flackとのデュエットも気になりますが、本作も聴き込んでみます。
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    • 2018/09/13 6:06 PM

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