After 7 - "Timeless"

そして最後は透明なToo Lateだけになる


皆が納得する一言コメントは「奇跡は持続している」になるだろう。まさかここまで傑作とは。Babyfaceが発売したアルバムは彼の最高傑作となったし広く世間に受け入れられたから、一年以内に兄弟グループであるAfter7も同じ方向性のアルバムを発表した。

これをポジティブに捉える人もいれば、「二番煎じじゃないの?」と思う人もいる。後者だったので聞くのが遅れました。。。最初の1回目の再生でびっくり。まさかこれだけ完成度が高いとは。92年の映画「ブーメラン」でどっぷりはまったガチLaFaceとして、After7はちょっと手前に活躍していたグループ。傑作のRelfectoinsは95年発表だけどノーマーク。哲章さんが褒めていたからあわてて聴いたのは2001年。90'Sに一度もAfter7を聴き込んでない身なので、一歩引いていた面もある。

歌手人生において21年ぶりの新作というのは奇跡に間違いない。そして、21年間という長さの両端にある本作とRelfectionsの完成度をみれば奇跡は二乗レベル。本作には色んな方向性の曲が収められていて、誰が聴いても気に入るのも素晴らしい。この作品の中でどの曲を気に入るかで、その人の性格まで分かると思う。

そして、ごめんなさい。僕は05:Too Lateなんです。

Black Musicがなくては回っていかなかった日々。
それが遠い過去になった今でも、作品を探して聴きこむ。
どれだけ仕事が忙しくなっても、サイトは更新する。

それは根本的には「今まで聴いてきた中で最高傑作」という曲に光を当てたいから。これだけ聴きこむと、この水準は「ハードルあげすぎ」だけど、それでも年に数曲は見つかる。だからこそ、僕は今でもこのジャンルにいる。こういう出会いがある限り。


もうすべての感情は呼び起こされてない。けど、Too Lateという事実はある。流れた膨大な時間がその事実を磨いている。だから、どんどん透明になる。透明だからこそ、光を当てないと全く気づかない。けど光を当てれば輝きはじめる。本作の発表から3ヶ月ぐらいだけど、誰もこの曲に正面から光を当ててない。逆に本作の傑作曲群の中にまぎれこんですんなり流れる。


聴く人の感情をかき乱さないから。
これまで聴いてきたすべてのToo Lateは悲哀感に溢れていた。そして、そういう曲に不満は無かった。けど、この曲を聴いて、これこそが本当の答えで、心の奥底でこういう曲を探していたのだと気づかされる。だから先日の理論はやっぱり納得してない。「人とは欲に手足がついたもの」は両極端の求める心を「欲」という言葉で表現している。求めているのはこの曲であり、この曲は聴きこむほどに透徹された世界に誘う。《幸せ》が青い鳥であるならば、《悟り》の色は透明なのだ。

Too Lateという悟り
悟った人にToo Lateという感情が残っているのか、未だに分からない。けど、恋愛にToo Lateという達観:悟りは存在している。それを教えてくれるこの曲こそが最高傑作。以前にR&BをRegret and Babyと解題した。けど、"Regret"にはまだ感情が色濃く残っている。あれから6年。Regretさえなくなっても、事実は一つだけ残る。それがToo Lateなのだと。

昨日の夜はヨヨチューの「プラトニック・アニマル」を読んでいた。92年に発売されたから読んで、興味をもった友達に貸して、ずっと手元に残っていない。誰に貸したのかも記憶の彼方だけど、あの理論の先を突き詰めるために再び買った。

時宗の開祖一遍上人と法燈国師心覚心という禅僧とのやりとりを想い出した。一遍は国師の前で和歌を詠んだ。
 唱ふれば 仏も我もなかりけり 南無阿弥陀仏の 声ばかりにして

 

つまり、南無阿弥陀仏と口でとなえれば、我も仏もない「南無阿弥陀仏」の声が聞こえるばかりである。一遍は、これで真の悟りに達したと思った。ところが国師は行った。「未徹在」 まだ悟りに徹しないものがある、というのだ。「南無阿弥陀仏の声ばかりにして」というのでは、まだその声を意識している自我が残っている。「仏も我もなかりけり」といっても、声を聞いている我がある。
一遍は、ただちにまた一首を口ずさんだ。
 唱ふれば 仏も我もなかりけり 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏

 

国師は、ただちに禅の印可を一遍に贈呈した(P.252)

この歌はまさしく同じ情景。一遍が唱えるのは南無阿弥陀仏だけど、僕らはこの歌を口ずさめばいい。Angieが歌うKarmaがガンジス川と同じだけの意味を持っていたように、After7が歌うToo Lateは一遍の悟りと同じレベルにある。

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レビューはどこまで行っても個人の受けとめ方の表明だけど、答えが垣間見える時がある。

本作はアルバムタイトル曲が無い。Timelessという深い意味を持つのにね。ここまでいけば、隠れたアルバムタイトル曲の存在に気づく。それがToo Lateなのだ。Too Lateを突き詰めるとTimeless。確かにAfter 7は答えに辿りついている。その素晴らしさ。




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