具象と抽象の要になる漆黒

日本の至宝:アフリカ黒檀彫刻を集めたマコンデ美術館


マコンデ美術館に行ってきた。高校時代に存在を知った時は既に名古屋から伊勢に移転していたから、19の夏休みに友達を誘って行った。あれから20年。伊勢に行くならば立ち寄るつもりだったけど、一度もそんな機会がなく・・・。これだけ経過したら、このために伊勢まで行く価値があると、秋に思ったので。

詳しいことは公式サイトとwikipediaを見てもらうとして、流石に昔と比べるとて少しは理解度も上がったように思える。絵画や彫刻は現代に近くになるにつれてどんどん抽象的になっている。抽象的になればなるほど基本的に難解になる、というか一目で何をいいたいのか分からない。結局、絵画なら印象画、彫刻ならばロダンや高村光太郎。ここら辺までが一般に楽しめるラインじゃないかな。時代でいくと第二次世界戦後は殆ど、ってそんなに美術史に興味もないけど。こちらの本を読むと、真似でない独自の表現を求めてどんどん具象(=具体的)から離れていく作家の苦労も感じる。

そんな中で、このマコンデ美術館はタンザニアのマコンデ族が作る黒檀彫刻の作品を集めた日本というより世界で唯一の美術館。アフリカを何度も悩ます飢餓をテーマにしたとことん具体的な彫刻から、現代美術に影響されて作った抽象的な作品、そしては彼らの独自の宗教観から生み出される精霊をモチーフにした抽象的と具体的の間に属するような作品が、グラデーションのように揃ってる。 そして、それら全てが黒檀なんだよね。この素晴らしさを、19の時は体感的に感じただけだった。今、やっと言葉で表現できるようになった。

この黒檀がもつ稠密な漆黒が、具体的な作品には抽象性を、そして抽象的な作品には具体性を与える

 
美術館のサイトはあまりに収蔵品の紹介が少ない。美術館自体は積極的に作品に触れることを推奨していて、非常に素晴らしい。あくまでも美術館に実際に訪れる人が増える事を願って、二枚だけ掲載します。

これが飢餓状態を写実した像。黒色だからこそじっくり見る事ができるが、これに彩色がされていれば、それだけで眼をそむけたくなる状態だと思う。だからこそ、色情報が一色になることが抽象。

そしてこちらが「アブストラクトな乱交」というタイトルの像。人体の表現が確かに抽象的だけど、もしこの像が白色だったら、フワフワしすぎな印象を与えると思う。

結局、ある線以上行こうと思ったら、「抽象」の定義が必要んなんだけどね。。そういう面で、あるべき『抽象』を実感するためにも、アフリカ芸術という枠を超えて、訪れるに相応しい美術館だと思っています。



 



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