R. Kelly - "The Buffet "

「貴方はどんなR. Kellyが好きですか」 これをビュッフェとみなすと《深み》にいけない


人を食ったようなタイトルとジャケだから全く期待してなかった。「○も□も聴きこんだしなぁ・・・・なんか作品ないかなぁ〜〜しょうがない聞くか」 最初に全曲聴いた時は第一印象がより強くなっただけ。巷でも「彼の多様な面が納められたビュッフェみたいな作品」という論調が多いし、それに同意してた。けど、2回目で?? いま、三回目。やっと分かった。

側に来る女を絶えずテストするように、ファンも絶えずテストする
もう業だよ、これは。絶対に彼の今生では治せない。そのくせ、ひとたび気づけばそこら中にヒントが溢れていて「分かって欲しい感満載」。そんなR. Kellyに気づければ貴方に落とせない男性はいなくなります。そんな意味では本作を女性陣に薦めているのかもしれない(笑 

R. Kellyの奥のメッセージをあっさり公開していいのか分からないけど、R. Kellyが手加減をしないならこちらもしない。というよりも、そこまでを引っ張り出す曲をつくってくれたこと、その感激。それぐらいに08:All My Faultはくる。R. Kellyの言うことが正しい。人生を振り返ってこぼれる一言はAll My Faultなんだよ。全部己の過ち。そうじゃない男は後悔が足らない。真のR. Kellyはこういう思想だし、それに惹かれている面も、否定は出来ない。

あの当時にRがなかったらどうなっていたのか今でも分からない。98年、僕はR&Bに引きこもっていた。その奥底にR.があった。あれ以上に底の作品は当時、何処にも無かった。以前にも書いたように引きこもり自体は何の問題も無い。達磨大師だってある意味では引きこもっていたのだから。問題はどんな形で引きこもるか。引きこもりの一部が部屋で筋トレやっているのは妙に親近感が沸く。だから殺し屋1軍鶏には惹かれる。けど、僕には柳生心眼流があった。先を照らす作品と適度な運動があれば、どれだけミニマムなスペースで息をしていても何の問題もない。普通の生活と本質的な違いは無い。逆にR.と古武術があったこと。それこそが稀有な幸せ。不思議とこの作品は色々なものを引っ張り出す。

本作の隠れタイトルは見つけた。The Buffetが本当のタイトルのワケない。
けど、世間一般はこの先も本作はごった煮のビュッフェなんだろう。それは別にそれで構わない。世の中には色んなレイヤーがあるから。R. KellyのSoulはR.と同じ底にある。僕の今の生活は昔のように底には無い。だから底に行く必要なんて微塵にない。けど、引っ張られる。そのくせ、引っ張られたことが嬉しいんだよね。
 

有名になりすぎたR. Kellyはこうやってわざと捻ったタイトルとジャケにしないと、己の正しい立ち位置を見失うのだろう。
そんな彼に同情しているのも確か。本作は一曲一曲にR. KellyのSoulがこもってる。それは良く分かった。何処から見ても手を抜いてない。なのに真の姿がなかなか伝わらないのは、それが彼の歩んできたリアルな人生。2作目から共に歩いてきたと立場としては、この時期にこの作品を発表してくれて本当に嬉しい。泣けてくる。10:Get Out Of Here With Me。この曲に対応する曲なんて0.1秒で分かる。だからこそ結婚式で流したかったんだ。

いちいち色をつけるのはやめる。それはR. Kellyに対する冒涜であり、跳ね返ってくる。この作品の真のタイトルは書かない。それはR. Kellyと他のリスナーに対する礼儀。それだけはちゃんと守らないとね♪

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この作品と同じ志向性の作品をマクナイトにも作って欲しいと素直に思う。そしたらAnytimeに対応するの曲はどうなろうのだろう? けど、本当に作らなくちゃいけないのはI Belong to You その事実をマクナイトは分かっているのだろうか。

なんかさ、こんな風に書くと、他のレビューに喧嘩うってるように見えるのかな。そうじゃないよ。別に何だっていいんだよ。ただ、どんな作品だろうと「駄作と受けとめる人」と「傑作と受けとめる人」を比べて、傑作と受けとめる人の方が優しくて深いだけだから。15年の作品ではJodeciもJanetも駄作と思っているから、そういう意味では僕はJodeciとJanetのSoulとは共鳴できなかった。ぜひ、あの二つの作品を心の奥底から傑作と思っている人のレビューが読みたい。そしたら自分自身の成長に繋がると思うから。


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[2016/2/13]

改めて本作を聴いて反省している。客観的には「10年ぶりの傑作」とは言えないね。
Chocolate Factory (2003)
Happy People/U Saved Me (2004)

この2作がR. Kellyのキャリア・ハイであり、TP3以降の作品の中でMAXは何か? 本作を聴いた時は「これだ」と思ったけど、それは単にAll My Faultがあるからなんだよね。。その事実を痛感してから改めて聴き直してました。



■Black Panties (2013)
08:All The Way (Feat. Kelly Rowland)は単にKelly繋がり以上の価値がある。僕の中では歌手としてそこまで評価が高くなかったKelly Rowlandだけどこの曲は絶品。高音を駆使した彼女のボーカルはベストワークじゃないか。真面目にKelly Rowlandを追っかけてないので、このレベルの楽曲が彼女のアルバムにあるならばぜひ教えて欲しい。そして改めて聴いても16:Physicalは価値を感じる。

欲望の先を突き詰めて清浄な体(からだ)を見つけている
Black Musicの世界において、ここまで到達したのはR. Kellyだけじゃないか。精神・体(からだ)という文脈だといつも「からだ」が欲望の発生原因とされるけど、このステレオタイプな見方こそが間違い。体とは人と人の間にあるものであり、エゴを体に落とすから欲望が出てくる。この事実を体感するには、とことん体を突き詰めないと。僕は二十歳の頃に型稽古を山のように繰り返す中でやっと分かった。

曼荼羅を眺めながら聴きたくなるCircles
日本盤のボーナストラックであるCirclesは曼荼羅に良く似合う。曼荼羅に合うレベルまで辿りついた曲もBlack Musicの世界で始めてじゃないか。それぐらいに深みに下りていける。曼荼羅といえば密教だし高野山。ぜひ高野山でこの曲を流して欲しいね。それこそが真の日米文化交流。というか日本盤のジャケは曼荼羅にすべき。だからちゃんとR. Kellyに教えてあげて欲しい。勇気出して飛行機のって日本にコンサートに来て、高野山にも来てくれたら感激。ならば問答無用で大阪まで出かける。


■Love Letter (2010)
TP3以降で一番聴きやすいのはLove Letterなのは間違いない。明るい面が全開。改めて注目するのは05:Lost I Your Loveでしょう。志向性としては後悔系なのにこの明るさだから。08:Radio Messageと09:When A Woman Lovesを聴くとチョコファクとハッピーピーポを越したとも思えるほど。R. Kellyをまったく知らない人に勧めるにはLove Letterでしょう。女の子へのプレゼントとしても最高レベルだね。


■Write Me Back (2012)
やっぱり10:Green Lightは名曲。当時は赤レベルにしているけど緑でもいいかもね。12:Share My Loveも明るいし14:You Are My Worldもナイス。15:Fallin' From The Skyも良い。16:One Step Closerは奥底が見えている。


■Untitled (2009)
傑作と思えなかったので本サイトで取り上げてない。改めて聴くとそこそこの曲は揃ってる。05:Go LowはDown Lowを受け継ぐ曲になってる。これは緑レベルかな。Pray:祈りに満ちているのは15:Pregnant。この状況の人ならば緑になると思う。赤レベルとしては14:Elsewhere、13:Religious
、12:Text me、08:Number one、07:Like I do、06:Whole lotta kisses、04:Bangin' the headboard、03:Echoかな。良曲の数でいえば他の作品と遜色ない。

■改めてThe Buffetについて
この作品を聴いて気づいたのが、彼のキャリアをなぞった作品になっていること。だから真のタイトルは「Chronicle:年代記」が一番ぴったりくると思った。Buffetといいながらも年代順に並べているのだから「分かる人には分かればいい」というメッセージを感じる。UntitledのGo LowはR.のDown Lowに近いけど焼き直し感もある。その点で本作のAll My Faultは歩みが見える。そこに感激したけど、本作に対する態度は愚か親和性リスナーの偏見といわれれば、Noとは言えないね・・・。それは認めないと。

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高野山について個人的なことを。
オヤジの実家が和歌山だから生まれて間もない頃に行ったらしいけど、まったく覚えてない。「言葉を覚える歳よりも前の記憶はそのまま無意識に染み込む」説を見た事がある。昔からずっと気になっていたけど実際に行ったのは2008年。いま、手元に当時買った「高野山の名宝」を引っ張りだしてきて曼荼羅を見ながら聴いてます。当時は雨だからと思っていたけど、縁がある仏閣等のパワースポットに行けばオーブが写る。体の前にも写ったから何か縁があるのかもね。
 




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