Will Downing - "Chocolate Drops"
このレベルならば間違いなく「後期の傑作」
毎年、コンスタントに作品を発表できるだけで素晴らしい。JazzとR&Bの境界線上にいたから両ジャンルで有名に一歩遠かったけど、哲章さんがいつも褒めていたから知ってる人も多いと思う。私自身もクリスマスアルバムが気に入って買い逃した作品はMp3vaでそろえてた。タイトル的にそんなに期待してなかった本作だけど、収録曲のレベルは非常に高い。適度にリズムが聴いててルーサーのセルフタイトルやFreddie JacksonのFor Youに並ぶと思う。
01:This Song Is For Youからレベルが高い。深すぎることがなく、《底》の感覚が殆どないのもある意味においてはオススメする理由。年齢的にも手触りとしても前回投稿のShaliekと正反対で、交互に聴くと非常に面白かった。02:Never Say No To Youはベット感が強くなっているけど、エレガントがメインなのが素晴らしい。03:Till U Come Bact To Meはタイトル的にDeepだけど、このラインでまとめるのがWillらしい。たとえば相手が同窓会に行ってて帰りを待っている状態。朝まで帰ってこなかったらヤバイのだが、この曲は日が変わっても0:30だろうね。そんなラインなんですよ。どんなラインかこれで伝わるかな(笑
04:Let's Get Closerの良さ。Closerという単語の良さ。それが分かってこそBlack Musicにおいてエレガントの階段を上がれる。そして、この曲はストレートにエレガントが伝わる点が素晴らしい。20代は恋愛においてこのラインは出せなかった。最近は恋愛から距離をとる新入社員が多いと感じるけど、距離をとるならばこういうエレガントな距離をとるように努力して欲しい。間奏でのサックスこそがJazzとR&Bの境界線上から生まれる良さ。それが堪能できる曲になってます。
05:Deep As The Oceanというタイトルも興味深い。MaryJ.が歌えばマリアナ海溝なのに、Will Downingならば遠浅の白浜なんだよね。間奏では珍しくストリング(バイオリンかな)が入ってて、サックスよりも物悲しい点がタイトルにマッチしてる。そんな意味では遠浅の白浜でも陽の沈んだあとかな。06:Run Away Fll In Loveもタイトルほど曲がDeepじゃない。うちのサイトはDeepで吼えてる曲こそが一番好きだが、さすがにそんなのばっかりだとイヤになるから。そういう時にこそ本作。ルーサーよりもFreddie Jacksonよりもいい意味で軽やか。不思議な人だ。07:It's Realもレベルは落ちてない、とうよりも声で聞かせれる人だから、ある線以上に落ちない。大人の男女が行くバーならばこういう曲が流れていないとね。
Whitney Houstonの初期の隠れ名曲で、不倫相手が帰った朝を歌った08:Saving All My Loveさえもこれだけエレガントになるのだから、ウィルのエレガント・パワーが信じられない。09:Does Your Momma Know About Meもカバーなのかな? 興味深い方向性。黒人家庭においては相手の父親でなく母親に認めてもらうことが大事なのだと思うけど、初めて接した方向性な気がする。一度、真面目に探してみようかな。相手のMamaを歌う曲については。
ということで、全部で9曲の作品だが捨て曲零なので、お腹いっぱい。満足度も半端無いです。
- 2015.07.05 Sunday
- 2015
- 20:04
- comments(1)
- trackbacks(0)
ジャケットはWillっぽくないですが、悪くないですね