NHK番組:SONGS 久保田利伸 part2

 「何年ぶりだろう。この匂いも何年ぶりでしょうかね。ここの、この場所独特の懐かしい匂いがありますけどね」

桜海老の匂いかな。テレビを良くみると、海岸通りの道路の向こうのビルに海老と書いてある看板が見えたような。あの風景はさった峠まで行かないから、富士と由比の間だと思うのだけど。

記憶はさまざまなレイヤーで保持されている。
根源的な感覚が持つ記憶ほど、深く、そして強い。

視覚よりも聴覚の方が古いし、聴覚よりも味覚、味覚よりも触覚、そして一番古い感覚は嗅覚。
生物進化としても、受精卵から出産までも、この順番で感覚は発達するから。(味覚と聴覚の順番はちょっと微妙だけど) 「この風景も何年ぶりでしょうかね」 じゃなくて、「この匂いも何年ぶりでしょうかね」と言う所が、港町で育った証左だと思う。うちの港も鰹節工場の匂いがして、その匂いが一番港に来た事を痛感させてくれるから。

Black MusicにハマったのはStevie Wonderなんだね。日本人の歌手としては井上陽水か。「海へ来なさい」という曲は初めて知ったので、ガチなファンのうちの部長に聞いてみようかな。個人的には仕事の付き合いで行ったカラオケで知った「傘がない」にガツンと来たのだけど。井上陽水の曲で、傘がない以上のぶっ飛んだ曲があれば、ぜひ聴きたいのだけど。Stevie Wonderもそう。どの曲を好きかで、リスナーのタイプが別れるから。そういう意味では、やっぱり久保田とウマは合わないなぁ、、、と感じてしまった。


久保田ぐらいに歌が上手くないとアメリカ本国に挑戦できない。けど本国でNo1を取ろうと思ったら、歌の上手さ以上のモノが必要になる。MaryJ.もR Kellyもデビュー当初は歌が上手いには分類されなかったから。05年以降は音的な面を伸ばして、アジアの歌手がR&Bシーンにデビューしていったけれど、結局それらの作品も買わなかったです。試聴して確かに本国に討って出るだけの才能は感じたけど、歌の上手さでも音のかっこよさでも、それだけじゃアジア人は本国でNo1を取れないよ。

「何かを捨てて 何かが見える 僕らは旅の中」:Tomorrow Waltz

曲の最初のピアノ部分から洗練されてる。作曲は凄く上手になったね。歌詞としても、曲の方向性は「上を向いて歩こう」なんだね。フレーズの1つ1つに久保田の人生の歩みが見える。「深い傷を負うたびに ひとつ優しくなれる」という歌詞は、経験しないと歌えないよ。そんな深い内容なのにサビが明るくて、久保田の良さが十分に発揮されていると思う。ブリッジも良いしね。タイトルとしてTommorow Waltzを選んだだけの事はある。Waltzという位に明日への希望を見せているから。色んな意味で久保田の集大成になっていると思います。

アメリカ本国に挑戦する前から、久保田利伸という歌手がBlack Musicに入れ込んでいるのは知ってた。けど、自分が抱えているBlack Musicへの想いと相反だったから、あの頃は聴く気がなかった。01年にNothing But A Loveを聴きこめたのは幸せだった。久保田の「本気の勝負と、負けという事実から生まれる価値」が聴く身に染み込んだから。

先週のPart1から改めて本国3部作を聴いたけど、やっぱり3作目:Time To Shareの後半は混乱が見える。この時期に1作目:sunshine moonlightを発表した方が売れたんじゃないかな。05年以降なら特にそう。本国のパワーが弱まっている分だけ窓口が広がっているから。けど、2作目:Nothing but a loveの後に、明るさ全開の1stの様な作品は無理なんだろうね。

「何かを諦めて」じゃなくて「何かを捨てて」を選んだ部分に、久保田の真意を感じる。夢は諦めるものであって、捨てるものではないから。旅もそう。人生を「旅」と表現するか「道」と表現するか、やっぱりこの違いは大きい。旅と表現する人の方が迷いや目標の変遷を感じる。

夢を追っかける⇒失敗する⇒苦悩する⇒XXXを捨てる⇒何かが見える⇒人生は旅 
という流れで、XXXにくるのは、「自己像(エゴ)」しか無いと思うのだけど、皆さんの同意を得られるのだろうか? 個人的には先週のUPと繋がったから、結構嬉しかったです。相変わらず久保田のファンだけでなく、R&Bのファンからも外れた事を書いているけど、これが素直な感想です。




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