Tamar Braxton - "Love & War"
30代未婚の女性に捧げる作品
Tamarの復活作にして傑作。ナショナルチャートで2位、R&Bで1位を達成しただけのことはある。何よりもトニブラ系では珍しく同性向け。彼女が36歳の時の作品だからこそ、本作のコアゾーンもそこだと思う。じゃあなぜ未婚の人向けなのか、そのためにこのレビューを書きたい。
2000年のソロデビュー作から13年間。長かったのだろう。その間、待ち焦がれていた立場では無いので、他の歌手のようにはTamarの側に行けない。昨年末にこの作品を初めて聴いた時は36歳になってもアーシーさ零の作品を発表することにネガティブだった。けど、D'の後に改めて聴いてシンプルな事実に気づいた。「同性向け」であればアーシーガン無視が正しい。
En-Wikiによれば2008年にレコードプロデューサと結婚して順調に子供を授かっているけど、なぜ未婚向けになるのか、ちょっとびっくり。けど、ToniやBrandy、Chanteなど沢山の女性歌手の結婚作品を聴いてきた立場としては断言できる。結婚後の情景は表現してない。
恋人と別れた10代の女性に一番オススメなのはデスチャの2枚目なんだけど、それはこの先も10年は変わらないけど、本作品も同じぐらいにコアゾーンに対してお勧め。有名すぎるビヨンセの最近の作品を聴くよりも、本作を聴く方が学ぶ点が多いと思うよ。
問題点としては、捨て曲と傑作曲の差が大きい事。いや、この言い方は良くない。10代向けと30代向けが交互に収録されていると言うべき。10代向けが本当に10代に響くのか、それは自分には分からないだけ。このご時世、アルバムを通して聴く人の方が少ないのだから、対象層が違う二つが入っていても問題無いのだろうし、本作品が成功したからこそ、すぐにクリスマスアルバム(Winter Loversland)も発売できたのだろう。彼女の結婚生活はクリスマスアルバムの方に収められてると想像してる。
01:The Oneが傑作でかつ、結婚後の情景じゃない。相手とのいい意味での距離感がある。年末年始は「壁ドン、床ドン、よーいドン」に爆笑したし、最近は「顎クイ」らしいが、この曲はそれぐらいの強引さを相手に求めている。年齢に関係なく全ての女性が聴けるんだけど、コアゾーンが30代だから10代とは違う覚悟があって、余計に男性は逃げたくなるかもしれん。この曲を女性側が流してきたら、勝負やね。流された時点で、強気で出るのが遅かったと気づくのが最初かな。その次に、、、分からん。ご自身で考えてください。
02:Tip Toeは僕には分かりません。03:Stay & Fightは同棲中のカップルの喧嘩にぴったりの傑作。個人的には01よりも好き。周囲にも10年以上同棲を続けている人がいるけど、女性側はどう思っているのだろう、とふっと思ってしまった。物悲しいメロディーから始まって、泣き顔メインの声の表情。この歌が紡ぐ情景は結婚後の浮気ではないと思う。なぜ断言できるかって、女性の声に切なさがあって居場所が少ない。結婚したら法的にも居場所がでてくるから。この曲は100回リピートできるレベル。Deepな恋愛を歌わせたらKeyshia Coleだけど、Keyshia Coleのどん底曲よりは対象層が広くて。
04:Love&Warがアルバムタイトル曲。01や03のような勢いが無くなっているのが興味深い。この3つの曲を聴いて思った。トニブラ系=アーシーを完全に脱している。TamarがWarとして戦った相手は、世間から押し付けられたステレオタイプなのかもね。Loveはもちろん家族愛。03は恋愛フェーズだけど、04は恋愛フェーズを通り越している。その分だけ共有性が低いから緑はつけないけど、Tamarに本気でコミットするならばこの曲でしょう。05:All The Way Homeは03の次のフェーズ。傑作曲が多いから色はつけないけど、レベルは持続してる。
06:One On One Funは分からないというより意味不明レベルなんだけど・・・。07:She Did Thatは分かるけど対象年齢的にパス。08:Hot Sugarはミッシーっぽいと思うけど、私がコメントできない分野。09:Piecesから王道路線に戻る。10:Where It HurtsはToniやTraciといった姉貴達と近い地点まで来てる。この地点でもアーシー零で歌うのが面白い。11:Prettiest Girlのタイトルこそがアーシーの真逆。やっぱりTamarはこの立ち位置がしっくりくるのだろう。この曲に一番、自画像を感じる。一瞬、子供について歌っている解釈もあると思ったけど、男の子なのね。12:Sound of Loveはちょっと大味な気もするけど、そう思う人はファンでは無いのだろう。
13:White Cndleは本作の中で唯一、結婚後の生活を感じる。14:Thank You Lordがあることが傑作の証左。栄光も挫折も十分に味わった者だけが歌える地点。振り返ってLordに感謝している姿を見ていると、神概念がはっきりしている彼らに羨ましさを感じる部分もある。「日本人にあるのは神でなく世間だ」といったのは夏目漱石だったかな。世間って感謝するものじゃないからなぁ。ここら辺には何か相応しい言葉がいると思った。15:Black TearsはDeluxeEditonだからかな。悪くはないと思う。
改めてジャケを見る。ちょっとファストファッションの広告っぽいと感じる。10代にはウケルと思うけど、コアゾーンの30代の女性にはどうだろうね。けど、セールス結果が付いてきたのは何よりも嬉しい。13年前のソロデビュー作では周囲を蹴飛ばさないと自己の場所が無かった。今は違う。誰とも比べられない独自性がある。Tamar自身のフルスケールが収められた傑作だけど、重心は01,03,04だから。この3曲は未婚の女性にこそ相応しい。間違っても結婚後の幸せをかみ締めている女性でも、子育てに忙しい女性でもない。
Traciがアルバムを発表できたのもTamarの成功があったからなのだろう。じゃあ、周囲を蹴飛ばすのでなく、周囲を助けるレベルまで行っている。素晴らしい。本当におめでとう。そして続いたTraciの作品も傑作。色々とあったトニブラ姉妹だけど、彼女ら全体として高みに登っている。ここまで行けば、ジャクソン一家に並びつつあるんじゃないかな。
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王朝が無いアメリカは偽王朝としてケネディ家とブッシュ家がある。R&Bにおいてまだ王朝に模せられる一家は無い。個人的にはLevart家だけかな。あそこも兄弟の差(ジェラルドとショーン)はどうしてもあった。親を超えること、兄・姉を越えること、そして売れない時代の大切さ。TraciのCrush&Burn(タイトル曲)とTamarのStay&Fightを連続で聴けば、もっと奥にある扉が開くだろう。今まで好きな女性歌手としてトニブラと書いてたけど、今後はBraxton姉妹と書かないと。それぐらいにTraciとTamarの作品は気に入りました。
01:The Oneが傑作でかつ、結婚後の情景じゃない。相手とのいい意味での距離感がある。年末年始は「壁ドン、床ドン、よーいドン」に爆笑したし、最近は「顎クイ」らしいが、この曲はそれぐらいの強引さを相手に求めている。年齢に関係なく全ての女性が聴けるんだけど、コアゾーンが30代だから10代とは違う覚悟があって、余計に男性は逃げたくなるかもしれん。この曲を女性側が流してきたら、勝負やね。流された時点で、強気で出るのが遅かったと気づくのが最初かな。その次に、、、分からん。ご自身で考えてください。
02:Tip Toeは僕には分かりません。03:Stay & Fightは同棲中のカップルの喧嘩にぴったりの傑作。個人的には01よりも好き。周囲にも10年以上同棲を続けている人がいるけど、女性側はどう思っているのだろう、とふっと思ってしまった。物悲しいメロディーから始まって、泣き顔メインの声の表情。この歌が紡ぐ情景は結婚後の浮気ではないと思う。なぜ断言できるかって、女性の声に切なさがあって居場所が少ない。結婚したら法的にも居場所がでてくるから。この曲は100回リピートできるレベル。Deepな恋愛を歌わせたらKeyshia Coleだけど、Keyshia Coleのどん底曲よりは対象層が広くて。
04:Love&Warがアルバムタイトル曲。01や03のような勢いが無くなっているのが興味深い。この3つの曲を聴いて思った。トニブラ系=アーシーを完全に脱している。TamarがWarとして戦った相手は、世間から押し付けられたステレオタイプなのかもね。Loveはもちろん家族愛。03は恋愛フェーズだけど、04は恋愛フェーズを通り越している。その分だけ共有性が低いから緑はつけないけど、Tamarに本気でコミットするならばこの曲でしょう。05:All The Way Homeは03の次のフェーズ。傑作曲が多いから色はつけないけど、レベルは持続してる。
06:One On One Funは分からないというより意味不明レベルなんだけど・・・。07:She Did Thatは分かるけど対象年齢的にパス。08:Hot Sugarはミッシーっぽいと思うけど、私がコメントできない分野。09:Piecesから王道路線に戻る。10:Where It HurtsはToniやTraciといった姉貴達と近い地点まで来てる。この地点でもアーシー零で歌うのが面白い。11:Prettiest Girlのタイトルこそがアーシーの真逆。やっぱりTamarはこの立ち位置がしっくりくるのだろう。この曲に一番、自画像を感じる。一瞬、子供について歌っている解釈もあると思ったけど、男の子なのね。12:Sound of Loveはちょっと大味な気もするけど、そう思う人はファンでは無いのだろう。
13:White Cndleは本作の中で唯一、結婚後の生活を感じる。14:Thank You Lordがあることが傑作の証左。栄光も挫折も十分に味わった者だけが歌える地点。振り返ってLordに感謝している姿を見ていると、神概念がはっきりしている彼らに羨ましさを感じる部分もある。「日本人にあるのは神でなく世間だ」といったのは夏目漱石だったかな。世間って感謝するものじゃないからなぁ。ここら辺には何か相応しい言葉がいると思った。15:Black TearsはDeluxeEditonだからかな。悪くはないと思う。
改めてジャケを見る。ちょっとファストファッションの広告っぽいと感じる。10代にはウケルと思うけど、コアゾーンの30代の女性にはどうだろうね。けど、セールス結果が付いてきたのは何よりも嬉しい。13年前のソロデビュー作では周囲を蹴飛ばさないと自己の場所が無かった。今は違う。誰とも比べられない独自性がある。Tamar自身のフルスケールが収められた傑作だけど、重心は01,03,04だから。この3曲は未婚の女性にこそ相応しい。間違っても結婚後の幸せをかみ締めている女性でも、子育てに忙しい女性でもない。
Traciがアルバムを発表できたのもTamarの成功があったからなのだろう。じゃあ、周囲を蹴飛ばすのでなく、周囲を助けるレベルまで行っている。素晴らしい。本当におめでとう。そして続いたTraciの作品も傑作。色々とあったトニブラ姉妹だけど、彼女ら全体として高みに登っている。ここまで行けば、ジャクソン一家に並びつつあるんじゃないかな。
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王朝が無いアメリカは偽王朝としてケネディ家とブッシュ家がある。R&Bにおいてまだ王朝に模せられる一家は無い。個人的にはLevart家だけかな。あそこも兄弟の差(ジェラルドとショーン)はどうしてもあった。親を超えること、兄・姉を越えること、そして売れない時代の大切さ。TraciのCrush&Burn(タイトル曲)とTamarのStay&Fightを連続で聴けば、もっと奥にある扉が開くだろう。今まで好きな女性歌手としてトニブラと書いてたけど、今後はBraxton姉妹と書かないと。それぐらいにTraciとTamarの作品は気に入りました。
- 2015.01.12 Monday
- 2013
- 13:14
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KeithはMp3vaで買ったけど、あまり聴きこんでないかも。Tyreseはイケメンを突き抜けたコアがある。Devanteがサンプリングしてくれて本当に嬉しかったな。