Raul Midon - 'Expressions of Love (feat. Stevie Wonder)'

不完全な僕らは、この想いをちゃんと伝えれるのだろうか


先日、日本16位の塩見岳に登ってきた。3000m以上の山岳の中では一番誰も来ない。他の山と合わせて縦走するのはハードだし、単体で行くにはマイナーすぎる。登山時に聴きこんでいたのがRaul Midonです。DAPに入ってる曲を流している時にRaul Midonになったらあまりに重なるからリピートしてた。

塩見岳の登山の中で朝焼けの風景に一番合っていたのが本曲'Expressions of Love'です。アルバムを紹介した当時から気になっていた曲。

特 に気に入ったのは7:Expressions of Loveです。Stevieが参加してるというだけじゃなく、この感情の出し方が凄く好き。全体的に盲目さを感じないけど、この感情は何かがある。 《略》 Stevieが参加したのが7:Expression of Loveという事実に、最初のうちは理由が分らなかった。けど、聴き続けるうちにこの曲が明るさと切迫感の真ん中にある曲の気がした。このハーモニカに一 番明るさを感じる。曲の最初は明るくないけど、最後は明るく締めてるしね。本気でRau Midonと共有しようと思ったら、この曲が核になるのは確かだと思う。
塩見岳の登山の中で聴きこんで、やっと核の言葉が浮かんできた。それがタイトルの

「不完全な僕らは、この想いをちゃんと伝えれるのだろうか」

Stevie Wonderはこのラインの曲を己の作品で表現できてない。Key of Lifeはその場所に限りなく近かったけど、やっぱりRaul Midonの絶妙さは無い。幼い頃にデビューしすぎたんだろうね。逆に言えば、幼い頃から有名になったのに、マイケルのようにならなくてよかったとも言える。それはマスコミの発達と関係があるのか、その点までは分からないのだけど。

最近、会社が障がい者雇用に力を入れてて、毎年、新人の中に数人いる。僕も仕事の一環として手話通訳の手配とか色々とある。その分だけ大変だけど、それでもこういう多様性こそが会社の次を作っていく。Stevie Wonderの逸話は恥ずかしながら会社で知りました。あれだけ学生時代に聴きこんでいたのにね。
 
「むかし、アメリカのデトロイトの小学校でおこった話です。理科の授業の時に、実験用のねずみが逃げ出しました。みなで大騒ぎして探し回りましたが、みつかりません。」

「そのときに女性の担任教師が、”みなさん、静かにしなさい。そして教室の外にでてじっとしていなさい”と言って皆を外に出してから、ある目の不自由な生徒にこういいました。”探してみてくれるかしら”」

「彼は先生の依頼に、ハイと言って、耳をすませて探し始めました。そしてほどなく逃げ出したねずみを捕まえたのです。最初、他の生徒は先生がなぜ盲目の彼にそんなことを頼んだのか理解できませんでした。しかし、彼は目の見える生徒ができなかったことをやってみせたのです。」

「彼の名はスティービー・モリスといいます。後の名をスティービー・ワンダー、今、世界でもっとも有名なポップシンガー・ソングライターです。」

「目が不自由だけれども、聴覚が人一倍勝れていることを先生は知っていたからです。スティービーは言っています。”自分の持つ能力を先生が認めてくれたそのときに新しい人生が始まった”」


新しい人生が始まる。そして出会いがある。
けど、好きな人がいても、自分から想いを伝えなければ最初の一歩にならない。
じゃあ、どうやってこの想いを伝えればいいのだろう。

30も後半になって思うのは、大事なのは伝え方ではない ということ。表現方法で迷う前にもっと奥の部分を見詰めた方がいい。
もちろん奥にはどうしようもなく好きな気持ちがあるんだと思う。じゃあ、その奥と表現方法をつなぐために一番大事なこと。
それがこのExpressions of Loveに表現されている。Black Musicは1000枚を越したけど、この観点で一番傑作なのは間違いなく本曲です。

この曲の一番の良いところは、「相手に完全に想いを伝えれる事は無い」という事実に気づいていること。

それは健常者であっても有りえない。想いを伝えるという点で、健常者と障がい者の間に差は無い。差が無いという事実は、これだけの傑作曲を作ってこそ初めて気づく事実なのだろし、障がい者はそれだけの枷を心に抱えているのだろう。

僕は個人的にはRaul Midonの《澄み切った闇》も好きだけど、あそこは特殊な空間だから全員には薦めない。けど、この曲は皆が聴きこんでいいと思う。こんな風に音楽の聴きこむ空間があるのも醍醐味だったりする。この頂上の静寂さは富士山や他の有名な山ではありえないから。曇りがちの空だったし、周囲の山々わずかに見える程度だったけど、この歌のもつ情景に重なると感じた。
 



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