デイヴィッド・ヴェリティ −「インエクソラブル」


日本語盤も買った。あまりにボーナス曲が良かったから。これだけ完成度が高いボーナス曲はASAだけでは?
本人のコメントや経歴も多く、買ったことは非常に満足。

一番興味深かったコメント。「ちなみに業界で仲がいいのは、まずキース・マーティン」
Keith Martinを知っている人は本サイトに来てる中でも30%では? アルバムを持っている人は10%もいないと思う。知ってるだけで自慢できるレベルのマイナーな歌手。実は僕も2枚持っているけど、レビューはずっと遅れてる。なんていうのかな、安定感が強すぎでアクティブな色気が無いから。95年の"It's Long Over Due"はそうだね。03:Somehow,Somewayや04:If Love Feels So Goodは個人的に好き。没個性すぎる気もするが、このラインをKeepできるのは珍しい自己像だとも思う。Devanteのガチファンなら聞いてみれば。歌手が真逆のタイプだから仲がいいのだと思うな。ところが、2作目(だと思う。04年発売)の"Validated"がまったく違うテイストで。1作目と2作目がこれだけ違うのは整形したヴィヴィアンぐらいなのでは? 取り扱いに困っていたけど、05:Babyloveと15:Thank youは名曲。これだけはHP時代にTOPコメントで書いた気がするんだけど。

「Ready Or Notをリリースすれば状況が変わるに違いないと勝手に信じていた。以前の、メジャーレーベルと契約しているR&Bアーティストたちと最低でも同じレベルになると世界的に認められるんじゃないか、というくらいに作品に自信を持っていたんだ。《略》 だけど、僕と契約を交わそうというレーベルは結局現れなかった。僕にはマネージャもエージェントもレーベルも支援者もいなかったんだ。打ちひしがれた気持ちで4年を過ごしたあと、気を取り直して「もう一度挑戦してみよう!」と思い立って次のアルバムThe Foundationをリリースしたんだ」
分かるよ。その作品に対する自信も、そして4年間のショックも。
 

あのレベルの作品を作るのには最短でも2年はかかる。それだけ密度が濃い。そして何よりも過去の偉大な歌手の傑作に並ぶ。それを処女作で作り出す凄さ。内面性と曲作りの才能が両方とも高くないと生じない奇跡。Devanteが辿った道はBrian Mcknightから処女作のセールス失敗後のヴァネッサとのデュエット全米No1が無い状態。

終わった直後の独りで過ごす状況に焦点を当てるBrian Mcknight。
終わる瞬間の2人でいる状況に焦点を当てるDevante。


15:Whenever You Callはこの先も10年以上語り継がれるだろう。アルバム全体としてはマクナイトよりも聴きやすいのもいいね。もう4作目となるDevanteだけど、 本人が真に突き詰めた感覚を持っているのはReady Or Notだけだろう。それ以降の作品には、世間との交わりの結果として学んだ大人の態度はあっても、本人の志向性の輝きは弱い。マクナイトでさえ処女作と同 じ直線上の作品を初めて作ったのはGeminiだから。

「あの頃はまだ、音楽業界で成功する秘訣の75%がプロモーションと25%の才能だということに気づいていなかったんだ。プロモーションやマーケティングに一切頼らなかったその2作は当然ながら不発に終わったよ。知っての通りね。僕には宣伝や販売戦略に充てる資金が無かったんだ。だから、それからの3年はほかのアーティストの育成に力を注いだんだ」
このDevanteの達観は成功の判定基準をどこに置くかで変わる。「世界中で知られた歌手になること」であれば、プロモーションは確かに大事。けど、「作品の発売から10年後も話題に上がる」であれば、プロモーションは全く関係ない。たとえ全米No1をとってもプロモーションだけならば1週間しか滞在できないし、そのレベルは10年というスパンで見れば誤差でしかない。それよりも歌の独自性と、その歌を聴いて救われる人の数。それだけが何十年と経過しても真に歌を支えてくれる。

去年はReady Or Notを一番聴いた。
そして今でもたまに聴きたくなる。最近、妙に03:Can't Affordと05:Like I Doが気になる。
「予感」なんだね。ある種の予感を切り取ってるから。それがこれだけ膨大にBlack Musicを聴いてても始めての感覚で。

付き合っている2人の間に初めて出てきた影模様に気づく感性を磨きたかったら間違いなく03:Can't Affordだと。05:Like I Doは、なんていうかな。まだ言葉に出来ない。ある種の感覚なんだよね。すれ違いをお互いに抱えながらも付き合っている状態。いつもと同じ事をする事が以前の仲を取り戻す道なのか、それとも今感じている違和感を陽の下に持ってくることが仲を取り戻す道なのか、それが全く分からない状態。考えるのに疲れて、「あーもういいよ。なるようになるのが恋愛だよ」と思った時点で将来の別れが決定される。そして、大方の男は最後の選択肢を選んじゃう。。頑張って、ここまでしか言葉にできないなぁ。この先はホント皮膚感覚の世界だから。

マクナイトの処女作は明確な終わりの道から始まって、終わった後の一ヵ月後まで。
本作は出会った時から終わった日まで。



けど、ここまで書いてても、分かんないと思う。若い男の子には。20歳以下でこの2作のアルバム全部が分かるなんて有りえないから。あの時の僕のようにOne Last Cryにどうしようもなく引っ張られるならば、06:Stillは同じように惹かれると思うけど。


唯一、Devanteがすべきは今からでも遅くないからReady Or Notのジャケを直しておくこと。Babyfaceだってブリトニーだって間違いに気づいた後はすぐにジャケを直したから。それは学んでいいと思う。というかREWINDレコードはジャケを直して再発売しろよ。もしDevante本人が「ジャケを直したくない」といったら一発殴っとけ。社会に出るってことは、ある種の柔軟性を身につけることで、変えなくちゃいけない部分と、変えちゃいけない部分を区別することだから。あと、やっぱり有名な女性歌手とデュエットすることかな。それぐらい、あの当時のヴァネッサは有名だったから。黒人女性初のミスユニバースながらも売れない時代のヌードが発覚して剥奪。このニュースの衝撃度は、この先R&Bしか聞かないと決心する理由の一つになったから。

絵画の世界でも真に時代を作った絵画ほど、画家が生きている間は認められない。
「音楽も同様」とは簡単には言いたくないけど、新しい時代を作るというのは、今の時代ではなかなか認められない事だから。

完成度MAXの処女作は、Brian McknightとCarl ThomasとCalvin Richardsonぐらいだと思ってた。彼らは全員、その後の歌手人生で己の処女作を越すモノを作ってない。それは他の作品が悪いといいたいワケじゃない。それぞれに聴く価値はある。でもやっぱり、10年経過しても取り出すのは処女作だから。

「アゲに徹したアップなダンス・チューンから、美麗ミッド〜スロウ・バラードまで間違いなく聴かせます!」という帯文句がまさしく00年代後半だね。個人的には嫌いだが、時代に取り残されている戯言だと思ってもらっていいです。僕は単にこの先もDevanteを聴き続けるだけから。今でもCarl Thomasを聴く様に。10年経ってSupastarに発見があったように。



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