シャウター特集 魅惑の不動明王

怒られたい顔があるのなら


最近ずっとシャウター系の投稿が続いているので不動明王の本を詳細に読んでます。シャウトと不動明王の関係は特集1で。色々と興味深い仏像はあるが、一番気に入ったのは横須賀の浄楽寺の不動明王像。何が凄いって、まず運慶の真作。

そういった経過から、浄楽寺には、五体の運慶作とされる仏像がある。全国に、運慶作と伝えられたり、推定される仏像は数多くあるが、本物ということが証明されている「真作」は、少ない。この浄楽寺の5体を加えて、31体である。 31体の内5体がこの浄楽寺にある(こちらから引用)

運慶といえば東大寺の金剛力士像として誰でも知ってる仏師だけど、この不動明王の表情がいい。この本を全部細かく見て気づくのは、

「憤怒の表情自体に差が激しいし、それに対する好みの差はもっと激しい」
如来や菩薩とかの柔和な表情は動きを表現する顔の部位が少ないから仏像毎の差も少ない(分かりにくい)し、見る側の好みもあまり出てこない。けど、不動明王の憤怒の表情は仏像毎にかなり違う。そして、

「どんな表情で怒られたら受け入れる事ができるか?」
ここにこそが個人毎の差が一番出てくると思う。

私自身は間違いなくこの仏像です。運慶の作品では伊豆の願成就院も有名みたいだが、個人的には浄楽寺の不動明王の表情の方がいい。この顔、当然ながら怒っているけど右目にちょっと優しさというか、「お前がお前なりに苦労してるのは分かってる」という理解を感じるんだよね。その上で、「でも、やっぱりお前は何も分かってない」と一喝されると、すんなに心に染み入るモノがある。

 

 


表情で言えば、奈良市の不退寺の不動明王もいい。マイナーな作品らしくあまりネットに写真も無いのだが、この本に載ってる50体以上の不動明王の中で一番、内省的だから。普通の不動明王は天地眼(左目だけは軽く閉じる)だが、この仏像は左右対称の表情。眼で無くおでこに重心があるのがポイント。相手に対して怒っているよりも、仏像自体が苦悩を抱え込んでいるようにさえ見えてくる。

顔という意味では、武田信玄の姿を写し取ったといわれる武田不動尊は面白い。仏像の多さで言えば京都なのだが、あんまりこの本で紹介されてる京都の不動明王には惹かれなかったです。。京都の仏像は年代が古いものが多くて、それが魅力なのだが、不動明王に限って言えば9世紀までの大師様はちょっと憤怒の表情が弱く、不動明王自体の明確な個性が完成手前と感じる。東寺講堂にある国宝の不動明王にそんな罰当たりなこと言っていいのか分からないけど(汗


さて、この後は、本に従って紹介していこうと思います。各地方の不動明王が取り上げられているので、皆さんのお住まいの近くで興味が出たらどうでしょうか。そもそもこの本自体が新刊が手に入らないからねぇ。

■東北地方
まず松島の瑞願寺。松島って仙台に住んでる時に何度も行ったけど、秘仏扱いならば見れるわけないわな。Wikiでは33年に一回の御開帳とのこと。前回が平成18年だから、次は2039年じゃんか・・・61歳。随分先だぞ。

つぎが宮城県の栗原市の花獄神社。有名では無いらしく、県指定の文化財。写真もネットには無いし神社自体もwikiには無いが、こちらに情報が。ここって有名な花山温泉の場所じゃないかな。栗原市は師範がお住まいで結構通っていたけど、全くもって知らなかったです。

あと、仙台市の陸奥国分寺、喜多方市の勝福寺、平泉の達谷窟毘沙門堂が選ばれてます。平泉は中尊寺とセットでオススメかも。

■関東地方
やっぱり最初は神奈川県大山寺。普段は月2回の御開帳で前回は見れなかった。参道の童子がとても興味深く、それだけでも見る価値あります。今はちょうど紅葉シーズンなのでずっと拝観できます。近日中に紅葉狩りとセットで行く予定。

運慶の孫の康円の作品が世田谷山観音寺にあるらしいが、ネットでは情報が見つからない。あと、高幡不動。2m以上の巨大サイズ。日野市か。いつか行こうかな。埼玉の薬王寺には円空の不動明王がある。円空って不動明王を彫ってたんだ。それはびっくり。こちらはいつか絶対に行かねば。
あと、横浜の称名寺、群馬の不動寺、千葉の妙楽時も取り上げられてます。

■中部地方
福井県おおい町の常禅寺の不動明王はこの本の表紙にも選ばれています。個人的にはちょっと興味薄だが。逆に小浜市の円照寺の不動明王は珍しい姿勢の立像で、その立ち姿は非常に魅力的。この構えは武道に通じるモノがある。富山の日石寺の石に彫った不動明王も凄い。北陸地方はレベル高いね。

木彫りでいえば円空だけでなく木喰も有名。長野の岡谷の蚕糸博物館に傑作があると本に書いてあるが、ネットで調べても画像は無い。博物館自体が移転中で閉館中。。残念。静岡県焼津市の大日堂に別の作品があるみたい。確かにこの本の仏像と同じ系統だね。

あと、諏訪の仏法紹隆寺、福井の明通寺、石川の法華寺、浜松の摩訶耶寺も取り上げられてます。岐阜の円鏡寺は純粋な怒り顔としては一番好きかも。鎌倉初期の作品らしく、個人的には平安時代よりも鎌倉時代の不動明王に惹かれているかも。

■近畿地方
奈良市の宝山寺、東大寺法華堂、京都市の北向山不動院、、大覚寺、★神泉苑、瑠璃寺、聖護院、般船院、峰定寺、同聚院、遍照寺、★正寿寺、円隆寺、神童寺、妙法院、醍醐寺、★浄瑠璃寺とこの本では沢山チョイスされている。
高野山には正智院、金剛峰寺、南院の波切不動、滋賀には神照寺の★見返り不動、大林院、石山寺

■中国・四国地方
岡山の勇山寺、★三尾寺、山口の長門国分寺、高松の★弘憲寺、丸亀の正覚院、高知の宗安寺

■九州地方
大分の★真木大堂、龍岩寺、犬飼石窟、熊野磨崖仏、金剛宝戒寺、熊本の西厳殿寺、長崎の円光寺、佐賀の永寿寺

気に入ったのは★をつけてます。

一番気になる浄楽寺の不動明王ですが御開帳は年に2回のみ。。おいおい。で次は3/3とのこと。来年の3/3は今から有休予定にしなかん(笑。

 




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