Corneille - "The Birth of Cornelius"

Heaven最高峰


元の作品は2007年に発売されていて、本作は
2009年に発売されたパーフェクトエディションです。こちらを2009に買って聴いたので、2009年に一応入れておきますね。


2005年以降は新人を殆どマークしてないけど、本作は本当に全くのノーマークでした。たまたま渋谷のHMVの店で流れていた曲を聴いて、その場で買ってしまいました。そんなCDの買い方は滅多に無いのだけど、やっぱり店員さんに聞かずにいられなかったです。

店で流れていたのは10:Sweet Dependencyでした。「おっいい曲だな〜」以上の何かがあって、ついつい店の通路に立ち止まってしまった。11:Heavenに曲が移って、サビになった瞬間に、

ああ、今まで聴いた全てのHeavenよりもこの曲が上だ
と痛感してしまった。今まで聴いたHeavenといってすぐに浮かぶのはSolo、Jaheimだけど、彼らよりも上のHeavenがこの世にあるとは思わなかった。もちろんHeavenを含む全ての曲よりも本作の方が上だと思う。そんな歌手がいたという事実は、嬉しいというよりも妙に悲しかったかも。

試聴コーナーがあると教えてもらって、あわてて聴いたら01:Back to Lifeからいい曲で。11曲目に合わせたら、その場で数回リピートしてしまった。これだけ深みがあって優しいHeavenは初めて聴いた。Heavenというタイトルの曲でSoloとJaheimを越せる。それは驚愕というレベルじゃない。

家に帰ってCDについてた松尾潔氏のコメントを見てたら、フランス語圏では有名な歌手なんですね。愛知万博でカナダ代表として歌ったと言われれば、そのリーチの長さを含めた凄さが良く分かる。「ルワンダ大虐殺で目の前で両親と妹を殺された」と読んで、なぜHeaven最高峰なのか腑に落ちた。確かにそんな境遇を潜り抜けてないと歌えない世界まで行っている。

曲作りの才能があるのも素晴らしい。デビュー作は"Parace Qu'on Vient De Loin"らしいけど、今Amazonで4000円以上の値段になってる。過去の作品が全部値上がりしている事実も素晴らしい。私もあわててデビュー作を買いました。4000円以上でも買いたくなる気にさせるほど、本作のレベルは高いです。デビュー作はJoeのGoog Girlsのギターリフをサンプリングしていると書いてあるけど、潜り抜けてきた経験と曲作りの才能のブレンド感が絶妙でたまらない。

リズミカルな曲を聴くとCraig Davidのフォロワーの位置づけだったのも分かる。けど、奥底のものはコルネイユの方が確実に上だね。Craig Davidをどれだけ聴き込んでもSoulまでは辿り着かないが、本作を聴きこめば辿り着けるだろう。それ位にHeavenが凄すぎる。入口の広さは同じなのが重ねて素晴らしい。それにしてもJoeの曲からGood Girlを選ぶとはね。やっぱりそれがセンスなのだろう(笑

前置きはこれぐらいにして、アルバムの曲の紹介に行きます。
01:Back to LifeはSlow-Middleな曲でカッコいい。この曲1つで曲作りの才能が分かる。かつ声の良さも感じる。02:All of My Loveも明るさと前向きな態度がいい。

03:Liberationは曲としてのかっこよさが全面に出てるね。この曲が店で流れていたら「いい曲だなぁ」で終わると思うけど、それ位の窓口の広さがある曲が入っているのも大事です。04:A Man of This A WorldはSwearさが良く出てる。切ない想いが聴いている身にも心地よい。歌詞は正面から切り取りすぎている気もするけど、曲の立ち位置は絶妙です。会社で上司に叱られている時ほど、バックでこの曲が流れていて欲しいと思う。と言ったら怒られるかもしれないけど、素直な気持ちです(汗

05:Murderはそのまんまのタイトルだね。なのに歌詞は虐殺を歌っている訳ではない。そういうのを見ると、「自分の潜り抜けてきた境遇を売れる形まで持っていける」だけの冷静な視線を感じる。そんな面を嫌がる人もいるかもしれないけど、今の世の中で生きていくには、こういうスタンスをとれるのが一番大事かもしれないよね。

06:Foolish Heartは底に向かった曲。普通の新人歌手なら、こういうタイプの曲でけちょんけちょんに書いてしまうのだけど、コルネイユに対して書ける訳ありません。虐殺の悲劇と恋愛での悲劇を自由にオーバーラップさせる事が出来て、加えてそこに自然体を感じる。そんなレベルまで到達してます。3:50からの叫びは反則。こういうのを一般的に反則技といいます。恋愛での愚かさを歌っていながら、同じ民族ながらもツチ・フツ族に分かれて殺し合った祖国まで見据えて歌っている。

07:Too Much Of Everythingは一転、明るい曲。アルバムとしての組み立ても素晴らしい。08:Home is By Youがいいんだよねぇ。Heavenは究極過ぎるから、本曲が恋愛フェーズとしては一番良いと思う。メロディーラインがしっかりしてるのも薦める理由。アルバムの中のTOPは文句無しにHeavenだけど、その次はHome is By Youを推します。09:I'll Never Call You Home Againも良い。10:Sweet Dependencyもレベルは高いね。

映画ホテル・ルワンダを見て、11:Heavenの情景がもっと明確に浮かぶようになったと思う。今まで色んなHeavenを聴いてきたけど、「今、生きているという事実がHeavenなんだ」とまで歌いきったのは、本曲が始めててだろう。確かにそれ以上の答えは無いし、これが究極だと思う。けど、世の中の全ての人は、もちろん僕を含めて、この事実を実感する事はない。けど、この曲を聴き込むと、そちらの方角に歩いて行けるようになると思う。それ位の価値がある曲です。今にこれだけ焦点を当てている時点で、SamのA Changes Gonna Comeよりも究極かもしれない・・・とまで思ってしまった。

2005年当時、HPで以下のように書いてる。
そして、Black Musicについて
やっぱり1950年から2000年の間にピークがあったし、今は確実にパワーダウンしたことについて。ワイドレンジで測っても100年は越さない。江戸時代300年じゃないけど、人類の歴史と比べても100年はそこまで長いと言えないと思う。アフリカン・アメリカンが永遠にSoul Musicを生み出す母体になれなかった事について。冷静に見れば、20世紀の後半、一番覇権を持ってたアメリカの中で、故郷から引き剥がされ虐げられた人々だったからこそ、ここまでの地点まで達成できた。今でもアフリカでは虐殺とか餓死とかあるけれど、そこの人々は音楽を世界中に届ける機会すら持てないだろう。

この境遇を潜り抜けて、なおかつ今の現代社会に受け入れられる形で作品を発表できた事が、1つの奇跡なのだと思った。このHeavenの凄さに感動してるだけで終わらず、この曲が生まれてしまうような・・・そんな状況がこの世から無くなるように、自分でも出来る事を1つずつしてかなくちゃね。

12曲目以降も全部良い曲です。流石にここまで書いたら、これ以上は不要でしょう。点数を付けたら何点になるか?緑色をつける曲が何曲になるか?そんな事を考えるのが愚かしいレベル。

もし本作を聴く気になった方は、ぜひ映画:ホテル・ルワンダもセットで見てください。人道視点以外にも感銘を受ける点が多かったので、後日、別コナーでUPします。






コメント
こんにちは。
レビューを再開してくださり、とても嬉しく思います。

CorneilleについてはMTVで流れていた奥さんといっしょに出ているMVで知り、当時出ていた『THE BIRTH OF CORNELIUS』の国内盤デラックスエディションをすぐに購入し、ネットで彼のインタビュー記事や英語盤以前のアルバム歌詞の和訳等を読み、その後1STと2NDの4枚組BOX SETと2枚組LIVE盤を購入してパーフェクトエディションを買い直しました。
「ホテル・ルワンダ」とは違う視点で描かれていますが、映画「ルワンダの涙」もオススメです。
  • TOUR
  • 2010/03/07 3:12 PM

こんばんわです。

ここ2,3年はEn-Wikiを読んだり、CDをデジタル化したりしてました。普段の生活でも携帯プレイヤーでTOEIC勉強用の英語音声を聴いてるので、あまり音楽は聴く時間が確保できなかったのですが。。

ただ、この先、何があろうとも好きな歌手についてはずっと作品を買い続けるのだし、ここまでHPで紹介してきた以上、最低限の紹介は続けようと思ったので・・・。
今後ともよろしくお願いします。


奥さんが出てるMVは気になってます(笑
1sと2ndを集めてしまう気になるのが、Corneilleの魅力なんでしょうね。確かに「ルワンダの涙」も気になってます。会社の後輩が仕事でルワンダに行くらしいので、帰ってきたら感想でも聞いてみようと思ってます。
  • 若井寛
  • 2010/03/07 10:36 PM

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