Joe 1st-2nd

Joeの1stのAll or Nothingと2ndのXXXを比べると、色気に必要な何かが分かる
色気とは絶妙な《距離感のコントロール》である

これまで二回に渡ってJoeの1st:everythingと2nd:All That I Amの比較を行ってきたけど、このXXXに該当するのが2:Love Sceneです。タイトルの通り曲の志向性もJoeの甘い声も《近接》を表しているのに、歌詞がTake1から始まる。そしてTake2,3,4と段階を踏んでる。これこそが距離感のコントロール。「ラブシーン」なんて日本語で書いてもエロエロな曲を想像するのに、不思議と冷静な視点が見え隠れする。そしてJoe得意の輝くブリッジでは、イイ感じに吼えている。ここまでの傑作を作れるのは、Joeが距離感のコントロールを身につけたからじゃないかな。

その証明こそがこのVCです。「色気を出すのにVCにを頼るな」とは前回で手に入れた指針だけど、やっぱりこのVCは出来がいい。始めてみたJoeのVCなんだよね。この一本で気に入りました。いまでもこの曲を聴くとすぐに映像が浮かんでくる。けど、やっぱり曲だけで聴いても傑作だよ。

けど、改めて2ndを聴いて、もう一曲あることに気づいた。
それが05:How Soonです。このタイトルのくせに焦ってないあくまでメロウな歌い方に絶妙な距離感を感じる。さっきのLove SceneはTake1という冷静な視線を感じるけど、このHow Soonは違うね。もっと男の本能で距離をコントロールしている。

触れあう空間の中で女性の反応を楽しんでいる
自分の快感じゃなくて、相手の快感を優先しているのが素晴らしい。
頭で分かってないのは構わない。頭で分かっているだけじゃ頭でっかち。だから男の本能として距離感をコントロールしなくちゃいけない。VideoClipで女性と絡んでいる前に(笑
と前回書いたけど、まさかそこまでが2ndに収められているとはね。Joeの凄さに感動です。

ということで、10年以上謎だったJoeの1stと2ndの差をやっと全部掴んだと思える。
もちろん他の曲があればぜひ教えてください。答えは絶対に一つじゃないと思うので。考える価値のある設問こそが全ての鍵であって、答えなんてオマケだから。

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けど、この穏やかな達成感の中で本作を聴いていたらもっと大事なことが分かった。

男の色気よりも大事なこと

それこそが本サイトの根源的なテーマであるGood Girlが体現する真の価値。
どれだけ04:Good Girlsを重要視してるかは、そこら中に書いているから皆様も「またか」と思うかもね(笑 Joeの2ndが発表された時、巷では01:All The Things派と、07:All That I Am派に分かれていたと思う。Good Girls派なんて何処にもいなくて、随分と肩身の狭いを思いをしてきた。いつもR&Bリスナーの本流から外れることが疑問だったけど、やっと分かった。

女の娘に縁の無い男の子。
そんな彼でも真面目に向き合って真面目に努力すれば人並みに幸せになれる。
それこそがこの世に神がいることだし、それを手助けするのがR&BでありSoulだ。

こういう態度で曲を選んでいる時点で確かに本流から外れる。けど、個人的にはこれこそが男の色気よりも大事なこと。そりゃそうでしょう。色気なんてアピールしたい奴が磨けばいいのであって、女性と幸せになるのに必須ではない。

「上手く行かない理由を、爽やかに見詰めれる事」 これはかなり大事なことだと思う。
「悩まないと深みは出ない。ネチネチ悩むと何処にも行かない」もんだから。

昔から、この態度を伝えてくれるGood Girlsの存在だけで傑作だと思っていたし、その気持ちは変わらない。けど、よくよく考えれば「爽やかに見つめたあとはどうするの?」という疑問はある。「爽やかになったら女の娘の方から来てくれる」ってのは願望丸出し。だからもうちょっとステップが必要なんだよね。けど、そのステップは本人が自分自身で考えるべき話だと思ってた。

今回、穏やかな達成感の中で本作を聴いていて、次のステップまでもがこの2作目にあることに気づいた。いや、ステップ2とステップ3が同時に存在していると言うべきか。実はずっと3th:My Name Is Joeに謎があったんだよね。再選出された曲について。

01:All The Thingsの良さも分かるし、アルバムタイトルに選ばれた07:All That I Amの良さも分かる。All The Thingsはクルーザもでてくるギンギラな曲なのに、All That I Amは「この気持ちこそが全て」と言っているから。確かにアルバムタイトルとしてはこちらを選ぶのが正しい。これら自他共に認める傑作曲があるのに3thに再選出されたのは08:No One Else Come Closeです。「なぜこの曲を選んだのだろう?」「それだけJoe自身にとって大事なのだろか?」「この曲のどこにそんな価値があるのだろう?」とずっと思ってた。

以前にKeith Sweatの所で書いておきながら、自分自身でも忘れていることがある。
加えて、In the Closetでも書いたけど、こういうフェーズでの男の行動は、実は自分にして欲しい事を表現してると捉える方がいいと思う。そんな点でいうと、真の Keithは氷山の奥か。井戸の底という村上春樹と同類かもね。だから凄く良かったです。

このタイトルがNo One Else Come Close To YouじゃなくてNo One Else Come Closeで終わっているという事実はTo YouだけでなくTo Meにも変換できるということ。曲をもう一度真面目に聴いてみな。曲の最後がCome Closeで終わっているでしょ。To Youが続いてないじゃん。だからこれはTo YouとTo Meの両方を含んでいるんだよ。そう捉える事で開く扉がある。

Good Girlsで「魅力的な女性が振り向いてくれないのは何故?」と爽やかに自問自答したあと、
No One Else Come Close To Meで「誰も僕の側に来てくれない」と現実を見つめる。

この厳しい現実を見つめる自分自身への視線が優しいんだよね。「他人に厳しく自分に甘い」のは問題外。「自分に厳しく他人に厳しい」のもイマイチ。恋愛において一番の理想は「自分のネガティブを受け入れて、その上で直そうと努力し、だからこそ相手のネガティブを受け入れれる」だから。そんな意味ではNo One Else Come CloseをTo Meで聴いてこそ、この曲と同じ雰囲気を出してこそ、どん底で優しさを見つけたことになる。「上手く行かない理由を爽やかに見つめる事」と「どん底で優しさを見つける事」を比べたらどちらに価値が高くて、どちらが先の地点か一目瞭然。

ここまで歩いて初めてTo MeがTo Youに変換される。そして誰も側に来てくれない女性との恋愛が始まる。Elseとはその二つを結ぶLinkだと思った方がいい。間違っても「君以外の誰も側に来てくれない」と受け取ってどっかのアイドルの顔を思い浮かべて聴いてちゃダメよ。一生、女性に縁の無いままだから。縁が無い男性は縁が無い女性と付き合うべきで、そいう二人がお互いに罵り合っているからデットロックに陥るのだから。自分自身の魅力の無さを棚に上げて、美人なアイドルを夢想するぐらいなら、Good Girls→No One Else Come To Meに導かれて己の現実をどん底から受け入れた方がいい。そしたら、相手がどんな女性であっても魅力を見つけれるようになる。これこそが恋愛の真の扉。

Joeは微妙に歌詞を変えている。売れるためには最低限のフリルは必要。けど、大事なのは歌詞の一字一句をなぞるのでなく、曲の奥底にある真の感情を見つけること。No One Else Come Closeにここまでの意味があるとは思わず、歌詞カードを見て「アホくさ」と感じたのが15年前の第一印象。けど、やっぱり曲だけで聴くと名曲なんだよね。3thに再選出された時も謎だったけど、やっと分かった。この曲の最後のNo One Else Come Closeのフレーズには、本当の扉がある。

「僕の側には誰もきてくれない」
「君の側にも誰もきてくれない」
「だから僕は君が好きなんだ」

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こんなハチャメチャな聴き方をしているとまた2chで叩かれるかも(笑 
けど、別にいいや。
Joeの1stと2ndの間、本当の所で魅力的な男性=売れる歌手になるために何が必要なのか?
それをGood Girlsに感じてから10数年。やっと全ての謎が解けたと思う。何よりも

俺はSoulをSoulで聴いてる

と言い切れるリスナー人生に一歩近づけたと思うから。昔は曲に収められた愚かさを自身の愚かさと重ねて聴いていた。それから少しは前に進めたと思えるから。




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