Monica - "Still Standing"

Monicaの最高傑作


皆が待ち望んだMonicaの最高傑作なのは間違いない。ジャケを見るとやせすぎの気もするし、目元に未だに痛みが残っている。けれど、潜り抜けてきた経験を誰でも聴けるレベルまで昇華している。それだけの傑作になっているのが2:One In A Lifetimeです。普通にコンビニでも流れているし、普通に聴けるし、それでいて気になる曲。二十歳以下の女性でも聴けるぐらいに窓口が広いのに、特に曲の中でDeepさを見せているワケでもないのに、何かに訴える力がある。ここまでのレベルになるとはね。感激です。

全部で10曲と少ないし、1曲目は導入ぐらいのレベルだけど、それでもアルバムのボリュームとしても文句ない。だらだらと曲を詰め込むよりも、これだけ絞った方が好感が持てる。前々作のAfter the Stormは売れるラインを見つけるのに苦労してたから。今回は純粋に勝負をかけてきたね。(前作Making of Meは未だにちゃんと聴き込めてない。というよりにネガティブ評価の方が大きいからBlogにUPを見送っている状態)

3:Stay or Goも素晴らしい。曲としては抑えた作りで淡々としたメロディーラインなのに、サビでの声はかなり重さで、バックコーラスは明るくて、全体としては誰でも聴けるレベルに仕上がっているから。モニカの声としては悲哀感が一番出てるのにそれを感じさせない作りが素晴らしい。

4:Everything to meは昔のタイプの曲なんだけど、古くさが無い。Soul風とでもいえるような窓口の広さがいい。曲作りの才能としては、この曲が一番いいと思う。プロデューサのMissyはいい仕事してます。前々作の全くモニカにあってなかった曲とは大違い。こういう曲で映える歌い方が出来る点がデビュー時からSoul直系と言われた証左だね。逆に5:IF You Were My Manは個人的にパスなんです。聴くだけでMissyと分かる作りなんだけど、これはMonicaにあってるのかな。まあ20歳以下には受けるタイプだと思うけど。

6:MirrorはUPの曲だけど予想以上にフィットしてます。何よりも昔の"the first night"ような無理っぽさがない。純粋に彼女の心情がUPで表現する事を求めたのだろう。「売るためにはビデオクリップ映えするダンス曲も」みたいな打算が無いのが、聴いてる身に心地よさをもたらしている。
7:Here I Amも曲の作りが良い。有りそうでなかなか無いタイプの曲。プロデューサのPolow DaDonの事は知らないけど、ちょっと気になる。所々に早口で歌っている部分があるけど、そんなにRAPぽっくも無くて、Monicaにも合ってて、びっくり。

8:Supermanもいい曲なんだよね。ここら辺がだらけていないからこその傑作作品。曲のタイプが多いわりに、それぞれのレベルが高いのも凄い。どの曲もモニカらしさと、20歳以下の女性が聴けるレベルがある。個人的にはDeepで突き詰めて欲しかった面もあるけど、これだけ窓口が広い作品の方が歌手としての寿命は伸びるから。特に、どの曲もサビかブリッジをひねってて、一瞬Joeが作ったかと思ってしまった。この曲も、最後のサビでのモニカのアドリブが素晴らしい。

9:Love All Over MeはホントにDupriが作ったの?どうしちゃったの?とこちらが心配になってくるぐらいの傑作曲。曲の最初の部分からのモニカの声の伸びが素晴らしい。曲としてもかなりの傑作。Dupriの傑作って、どれも軽かったからなぁ。これだけの曲ならば素直にDupriに謝ります。曲の終わりもいいんだよなぁ。

10:Believeing In Meが前々作の最高曲:I wrote this songに一番近い。この曲だけは重さ全開だけど、ここまで聴いて来た人ならば、置いてきぼりになることも無いでしょう。このアルバムの閉めにふさわしい曲です。この曲こそがリスナーが側に行くべきだと気づいた貴方はR&Bのリスナーとして選ばれた人です。貴方の前には豊潤な大地が広がっています。

まず、その一歩としては、前々作のI wrote this songがお薦めかな。
あの時のモニカのように、人生が破裂するような事が起こって、とりあえず自分は生きていて、けれども気を抜くとすぐにバラバラになりそうな状態。そんな中で、自分を繋ぎとめる唯一の方法はペンをもってノートに向かう事だけです。ギリギリの状態だからこそ感情を言葉にして綴らなくちゃいけない事実をこれだけ明確に切り出した曲は他に無い。今でもMonicaの事を考えると、この曲が浮かんでくるからなぁ。
「i-mode以前」で書いてたように、就職活動で完全ダメだしされて日記をつけ始めた松永さんも、I wrote this songを褒めるハズだから。今の自分の状態にフィットする曲を聴くのも当然だけど、それ以上の曲に触れる事が人間的な成長に繋がる。別に音楽でそれをする必然性は無いけれど、そういう態度で接する事の出来る対象を持つことは、1つの大きな価値になると思うから。別に社会人なら会社の中で成長していけばいいんだけど、仕事とは別の対象を持ってた方が最終的にはロバストになれると、最近痛感してます。





Toni Braxton - "Pulse"

第一線への復帰


1:Yesterdayが売れる曲。前作で極めた深みはそのままに、マスマーケットにアピールできる内容になっている。作品のレベルの高さでは今年のMonicaと同じだね。2:Make My Heartは久々のUPだけど無理してない。自然に聴ける内容になってる。売れ線と深みの両方がある作品といえば3作目The Heatと同じだけど、トニブラが成長度合いとして本作の方がお薦めだと思う。

3:Hands Tiedの勝気でアーシーな声こそデビュー時のトニブラそのまんまです。前作は深みに行き過ぎて、このレベルの声が無かったから。そんな意味では、この3曲だけでトニブラを全く知らなかった人にも気に入ってもらえると思う。

4:Womanはゴージャス系の曲だから、一歩間違ったら大味系になってしまうけど、彼女の良さが表現されてる。一番、このジャケットの雰囲気に近い。個人的には目元をいじった?って気もするけど、まあいいや。

5:If I Have to Waitは落ち着いたフェーズ。徐々に盛り上がってくる構成が上手い。最近はプロデューサも全く疎くなってしまったけど、このBusbeeは良い曲作ってます。6:Lookin' At Meは軽めのUPなのだけど、不快感は無い。トニブラの心情と合っているんだろうね。曲としては7:Wardrobeの方が上だけど。売れ線を集めてきたという点では2nd:Secretsと近いけど、本作の方が彼女らしさがある。

8:Heroが一番びっくりした。ゴージャス系なのに深みがある。若い歌手には歌えない深さがあって、トニブラの声も力強い。こういう曲があれば傑作です。このレベルは、今まで無かった。追っかけると泣き声なんだよね。それがいい。悲哀感を誰でも聴けるレベルまで昇華してる。

9:No Wayは落ち着いたテンポなのに爽やかさがある。爽やかさって、今までのトニブラに一番無かったから。バックコーラスの爽やかさとトニブラの深い声が重なって独特の雰囲気になってる。この声こそが前作直系。30歳を過ぎるとこの声にハマル。それは断言できるな。ハマラナイ人は人生経験が足りない。それも断言しちゃうかも。それ位の深みがある声。ここ2年の作品の中では、本作はMaryJ.よりもAngieよりも上だね。それも断言します。それ位にハマってる。

10:Pulseはアルバムタイトルに選んだだけの事はある。個人的には9:No Wayを推すけど、こちらの方が意志の強さが出てる。11:Why Won't You Love Meがアルバムの最高傑作だと思う。この曲は前作直系だけでなく、その先に歩いてる。9曲目はバックに爽やかさを任せていたけど、本曲は自分自身でその場所まで辿り着いているから。サビでのtell me Way〜〜と舞い上がるこの声。悲哀感から透明感までを1つの呼吸の間で表現しているのが感激です。このレベルは前作に無かった。この一曲で買っていい。曲としても非常に完成度が高い。加えて、男の声がいいんだよね。名前が何処にも書いてないけど、この男性は非常に良い仕事している。声に誠実感があるから。男性陣はこういうsorryを言えるようにならないとね。女性は、こういうsorryを言える人を見つけましょう。それが結論かな。






Jaheim - "Another Round"

彼と個人的に仲良くなりたいのなら


前作が良すぎたからそこまで期待してなかったけど、Jaheimだからね。迷わず買う。ジャケ的にもOK。髪型がトレードマークだったのに短く揃えた所に好感持った。偉そうな座り方だけど、不快感は無い。

最初聴いた時は、売れ線から外れてるとネガティブに思っていた。シングルカットした1:Ain't Leavin Without You やりたい事はわかるけど、このタイプの曲で音数削る意味が不明。これじゃ売れないよ。

それにアルバム全体の性格を作っているのはJahiemの自作曲だから。Singerタイプの歌手って、自分自身で曲作りやプロデュース始めると、こういう作品になるんだよね。どうしても曲のレベルは下がると思っちゃう。

"Singerタイプ/作曲も出来る"の区別は「他人に曲を提供してるか?」になると思います。自分自身が歌う曲だけ作ってればやっぱりSingerタイプでしょう(誰かに提供しなくても自作曲がNo1ならいいかも)Singerタイプの自作アルバムをどれだけ気に入るか? これが本当のファンかどうかの踏み絵になる。

個人的には「う〜ん」と思って1ヶ月以上過ぎたのだけど、なんかやっぱり聴いてたんだよね。それは12:In My Handsがあるから。これは間違いなくJaheimの最高傑作曲です。初めて聴いた時からそう感じたし、改めて全作聴き直して確信できた。個人的には今までの中では2ndDiamond In Da Ruffなんだけどね。1stは良い曲が多いし前作もレベル高いけど、やっぱりDiamondなんです。けど、それよりもこのIn My Handsの方が上です。

いい年齢の重ね方をしてる
シンプルに言うとこれが理由。大人になってねぇ、、、ってしみじみ思う。こういう感覚って売れた前作よりも、彼の個人的な面が良く出てる本作の方が良く分かる。だから「この一曲あるからOK」って気分でずっと聴いてたのだけど、聴き続けるとそれ以外の曲も良さが見えてきた。

02:Finding My Way Backの良さ。曲としてはシンプルで褒める所も少ないのだけど、Jaheimの個人的な面が良く出てる。声の表情がそう。とりたてて売ろうとしてない面が良さになってる。4:Till It Happens to Youも推します。曲の最初のメロディーラインはもうちょっと直せる気もするけど、ちょっとつまり気味で歌っているのが味なのかもしれない。サビだね。サビに売れない個人的な雰囲気が出てるのに、それが心地良いから。

06:Impossibleはオールドテイストがいい。アルバムタイトルの07:Another RoundはPOPな雰囲気が弾けているけど、前作の売れ線の曲の方がいいかな。テンポが良い曲ならば08:HERの方を推します。やっぱり低い声でこそ説得力が出る歌手なんだから。ブリッジの早口な展開がイイ。HERというタイトルはシンプルすぎて、それだけでは恋愛フェーズが分からない。けど、ちょっと焦ってるんだよね。この焦ってる感がいい。幸福感は無いのだけど、どん底でもない。悲哀感の10歩手前で焦ってる。「彼女のそばに行かなくちゃいけなんだけど・・・」っていう雰囲気、ナイスです。こういうの大事です。

09:II Pink Linesはタイトルが意味不明なのだが、曲はいい。さっきの曲もそうだけど、Jaheimは形が僅かに崩れ始めた恋愛を歌わせたらピカイチだね。本作で実感した。10:Otha Halfもいい曲です。こういう声の使い方は彼の独壇場ですね。この先、継げる人は出てくるのだろうか。

11:Closerですよ。Come Closerという歌う男性歌手は多い。明るいCloserだね〜〜。エロさが無い。それがいい。エロさは必須なR&Bだけど、Jaheimはいい意味でエロくない。単に女性に縁が無いのと違う。この声のレベルの1/10でも出れば、絶対に「ちょっと相談したい事あるから寄っていい?」って女性から言われると思う。だからCome Closer。なのにエロくない。それがいい。ちょっとブリッジが弱いのが残念かも。もう少し手を入れればかなりの傑作曲になるね。

改めて12:In My Handsです。Destinyと恋愛のど真ん中を歌っている割には生真面目さが伝わる曲。それが彼の良さなんだろうね。

ということで、このアルバムを気に入ったら本当のファンです。
誰かに「Jaheimイイよね」って伝えたい時は1stか前作流すけど、家で一人で聴く時は本作を選びます。それ位に気に入りました。結局、作品を全部揃えるというのは、単なるマニア魂なのでなく、こういう作品を聴き込むことに価値があるからだと思う。HIT曲ばかり聴いていても、こういう面はぜったいに養われないから。

「好きになった人といつも友達止まりなんだよね」という人ほど、この作品を聴いてください。友達止まりってことは、やっぱりその人の個人的な面が見えてないのだし、それは相手が隠しているのでなく、自分側の理解の枠組みが足らない事に気づいた方がいい。どんな人気者にも売れない面はあるし、その売れない面の中に本当の傑作がある。In MY Handsはシングルカットしても絶対に売れないけど、真のファンほどこれが最高傑作って分かると思う。

相手から「個人的な関係を作りたいよぉ」と言われれば楽なんだけどね。けど、それで付き合い始めた美人/美男子も相手側の仕事の状況等で、それが出来ない状況になる事がある。その時に自分側から働きかけれないと、やっぱり長くは続かないんだよね。個人的な関係を作るのに四苦八苦した経験が無いと、そいういう状況に手も足も出ないから。そういう時に限って、違う異性からアプローチがあって、そちらになびく。そうやって恋愛遍歴を重ねた人は、25歳を越して結婚を考えた時に悲惨な状況になるのだけど。。そんな意味では「最終的には全ての人は恋愛の前で平等」だよ、あのスティービーワンダーの歌の通り。

こういう失敗をしたくなければ、意識的にHIT曲以外を聴きこむ訓練をした方がいい。その対象となる歌手として、やっぱり本サイトはJaheimをイチオシします。Jaheimみたいな男を「本当のイイ男」と言います。そしてIn My Handsです。これが全てです。此処まで来れば、二度とそのレベルで悩む事は無くなります。


このレビューを書きながらEn-Wikiを見たけどアルバム自体はR&BチャートでTop2で、Singleはイマイチのチャートアクションか。なんかそういう売れ方は大御所だね(笑 Find In My BackのVCを見ました。彼のスーツ姿にかなり萌えた。白人美的センスからは外れるが、やっぱりかっこいいねぇ。デビュー当初と比べて大人の雰囲気になったのに、あの瞳の輝き具合が異常だ(笑 ダイニングでの絡みはイラナイ気もするが、いいVCだと思う。けど、曲としては、若者マーケットへ訴える力が弱いからHITはしないだろうね。良い曲なんだが・・・。


P.S.
個人的にはTyreseにもこんなアルバムを出して欲しいなぁ。Alter Egoは良いのはジャケだけだったから。改めて聴き直すか。


コメントのお返しをしようと思って書き始めたら長くなったので、こちらに載せます。

傑作曲もファンも多いJaheimに対して「In My Handsが最高傑作」と断言すると、流石に冷や汗が出る。けど、レビューは勇気の積み重ねだから。そして、何よりも大事なのは、どの曲が最高傑作かは大した問題じゃないと言うこと。物事の評価軸は複数あるし、軸が変われば点数も変わる。

だからこそどんな評価軸なのかを明示しなくちゃいけない。なのにIn My Handsは未だにちゃんと説明できない。リピート100回を数日したけど、上手く説明できない。こんだけ連続で聴き込む曲って、前作には無かったのにね。Destinyと言ってるのに幸福感があまり無い。笑顔で歌ってないと思う。なのに悲哀感も無い。幸福感も悲哀感も無いDestinyなんて見た事も聞いた事もない。だから微妙に混乱してる。それにHandsなんだよね。DestinyにHandsか。それが真面目さだと思うのだけど・・・。歌詞も探して見たけど、一般的な状況であまり特定できなかった。

今の時点で唯一言えるのは、余裕が無くて切実感があること。これだけ切実感があるのはJaheimの曲で初めてだと思う。切実といっても「去っていかないで」の状況では無いのだけど、やっぱり今まで「包容力がピカ1」と言われたJaheimにしては、切実感を感じる。きっと今の自分自身ではJaheimがこれだけ切実になる場所で、「ああ、大丈夫だよ、Non Problem」って調子に乗るんだろうなぁ、、、と思う。だから、意味不明な状況なんだろう。この前、内省であれだけ書いておきながら、やっぱり気づくのが遅すぎるのかも・・・・。この時点でこれだけ切実感が出るのを共有できれば、Jaheimの優しさにかなり近づけるかもしれない。そういう自戒の意味を含めての最高傑作で、これがウチの軸です。

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改めて。

先日からも何度も聴いているけど、やっぱりDestinyをHandsで表現するその姿勢に一番感銘を受けている。今までアルバム700枚以上聴いているけど、DestinyをHandsで表現したのは初めてじゃないかな(他の曲で知っていたら教えてください)。 突き詰めて考えれば考えるほど、この姿勢こそがJaheimの核の気がしてくる。

Destinyって言えば若い男女の勘違いが50%ぐらい入った曲って相場が決まっているのにね。そりゃそうでしょう、30歳過ぎてDestinyって歌う人は純粋に仕事を捨ててる。それが人生なのかもしれないが、オイラはパスです。そんなのはアホだった学生時代だけでいい。あの時にHandsか。そんなの無理に決まってるだろーーー!!と3回ぐらい叫びたい気分だ。きっとJustinとDestinyしてた頃のブリトニーも一緒に叫んでくれると思う(笑 

Destinyって「恋愛のど真ん中の幸福感」か「別れた後のどん底感」かどちらかに決まっているのにね。そりゃそうでしょう。付き合う前にDestinyと言ってる人は勘違いがヤバイ(笑 付き合い始めたらど真ん中に直行がDestinyだから、「付き合う」と「ど真ん中」の間にフェーズは無い。そして「喧嘩」と「別れる」もかなり近いのがDestinyなんだと、そう思ってた。そのくせ別れた後にグタグタしているのがDestinyだと。けど、もしかしたらど真ん中から僅かに崩れた瞬間にHandsがあるのかも・・・。いや違う。付き合うとど真ん中の間かもしれない・・・

改めてHandsの深さを思う。KissとかじゃなくHandsと表現したJaheimに、初めて彼を聴いた時と同じ位の感銘を受けてます。AFLALF(これからStevieのあの曲はこれで略します。WWFUと同じで頻出回数が多すぎる)と同じくらいにDestiny=Handsは教えられるなぁ。





L.V. - "Hustla 4 Life"

Streetと人生経験の融合:若者を諭せる歌手No1


Caseと同じで5年以上のブランクからのカムバックだけでなく、その内容までが素晴らしい。2作目:How Longが好き過ぎたし、このタイトルだから買うのに躊躇したけど、想像以上に出来が良い。曲の良さでHow Longに並ぶ。あの作品を気に入った人なら、必ず気に入る事間違いなしです。

もちろん1stも買っていますが、Hip-Hop色が強くてレビューはUPできてません。本作もそういう曲もあるけど、R&B作品としても十二分に通用する。R&Bとして聴きたい人もHip-Hopとして聴きたい人も満足できるような作品に仕上がってます。何よりファット系のSingerで今でも作品を出している人がLV以外にいないから。今後もLVには頑張って欲しい気持ちもあって買った。10年経っているのに時の経過を微塵にも感じさせない声に一番感動しました。

1:BounceはHip-Hop系なのでコメントは控えます。2:The Art Of Making LuvはR&Bとして純粋に良い曲。ちょっとリズムが聴いてるSlowで唱法も彼に合ってる。ジャケのバックは夜景だけど、LVの声はイイ意味での素直さがあって、個人的には夜景は浮かんでこない。キャンプファイヤーの夜でもないから、うーん。。時間的には夜なのだけど、昼間でもOKだと思う。「デートでの夜景」という枠に収まりきらない作品なのが素晴らしい。

5:Please Explainの歌いっぷりを聴いていると逆に若くなった気もする。ジャケでは髭にも白髪が混じっているのにね。声の艶は増えている。6:Slow Downも曲のレベルは高い。2nd直結なのが8:Slow Downだね。こういう曲こそ性根が問われるし、その点で健康さと真摯さを感じるから好きなんだよね。シンプルに言えば「今までの人生で女遊びをした事が無い」とでもいうべき声。R&Bの本流=バラディアーのSexyな声とは異なった手触り。そこに一番独自性を感じているのかも。Jaheimの包容力も無理だけど、LVのこの独特な真摯さも無理です。真面目さを出す時程、きつい表情になってしまう人っていると思う。会社の先輩でもいる。自分自身にも厳しいタイプだし悪い人では絶対無いけど、女性からみると距離を感じちゃうような。2000年にLVに出会っていなかったら、自分もそうなってたんだろうなぁ・・・・と本作を聴いて痛感した。一作聴き込んで、一つ直して、その繰り返しが自分にとってのR&B。

9:Chillは緑レベルの傑作です。What's Going Onをベースにしながらも上手にアレンジしている。最近のJoeといいR&Bファン泣かせな曲を作ってくれるなぁ。何より曲のブリッジにAnniversaryだからね。What's Goning OnとAnniversaryの二つを一曲の中に収めて傑作にするのだからタマラナイ。両方ともガツンと好きなP2S2R&Bとしては緑x2のレベルです。曲の終わり方が尻切れトンボなのが不満だけど。

10:Give Ya Luvの出だしの声の凄さ。曲の完成度も高い。12:R-I-Pもかなりお薦めだし、この3曲で2作目を越しているかも・・・そこまで思わせるだけの完成度です。90年代好きにはタマラナイ作品。15:Sunshineも2ndに近い曲だね。

LoversにLVのThinking of Youを収めた時、「言葉は通り道であって、その上を想いが伝わっていく」と書いたけど、ぶっちゃけ言葉の真偽に悩む時点で結論は出てるんだよね。文字列としての言葉には意味しかなく、その言葉をどれだけ信じられるかはその時の表情とか声のトーンとかが担っているから。大事な言葉ほどそう。振り返って思い出す時もそう。言葉から浮かんでくるんじゃなくて、あの時の雰囲気や手触りから浮かんでくる方が本物だから。

Slowで映える、声が低くいタイプではJaheimとも近いけど、LVにはLVの良さがある。BluとかBig BobとかBig Jimとか好きなファット系シンガーは多いけど、年下のJaheimと年上の彼らは自分の中で何かが違う。年上と年下に求めるモノの差なんだろうけど。年上の3人の中で一番人生経験が豊富と感じるのがLVなんだよね。若者を諭せる力がダントツで、直感的に信じれる何かがあるから。もちろん10年経って新作を発表できたからこその説得力だと思うからレーベルも賞賛したい。個人的には次回作でLVに「お前の今の生き方じゃ駄目なんだ」って曲を歌って欲しいです。

前作と同じかそれを越す充実度に10年ぶりの新作という点も加味すれば、点数をつけたら100点でもいい。特に9:Chillの名曲2つを詰め込んだボリューム感を体感しないと、2000年から今まで生きてきた苦労が報われないよ!とまで推薦します(笑 以前にDave HollisterがStreet感のKeepと歌手の両立に頑張っていたけど、それを一番達成しているのは間違いなくLVだと思う。そう痛感できるほどの傑作。





Dru Hill - "Indrupendence Day"

「純化」というべきか、「袋小路」というべきか


過去に一世を風靡したボーカルグループの30歳を越した作品ならば「Silkの4作目のようなジャケであってほしい」と思っている人は、買わない方が良いと思います。個人的にも心配したけど、ジャケの酷さで定評があるグループだしDruHillの事は好きだから。

見事にこのジャケそのまんまです。そんな音とメロディー。個人的には評価が低い3作目:Dru World OrderがDru Hillの作品の中で一番好きと言える人は買ってもいいと思う。今までの作品の中で一番UPにフォーカスを当てた作品なのは間違いない。Jodeciを継ぐパワーボーカルグループとしてデビューしたのだから、この方向性こそが彼らの基本という事実は認めるんだけどね。

いくら歌のスキルがあるボーカルグループでも、UPの作品は音作りが大事になる。最近はプロデューサにも疎いけど、今回の主担当にはそこまで才能を感じない。圧縮音源&ヘッドフォン向けの音作りで、普通にスピーカで聴くと逆に苦痛だ。まあそれもマーケティング的には正しいのかもしれないけどね。バックボーカルの使い方が当たり前すぎて、せっかくのグループ力を生かしていないと思う。確かに今どきこんなタイプのグループは少ないから希少価値はあるけど、それならCoop Devilleの2作目の方が上でしょう。ファン以外には薦めないし、ファンといってもあくまで彼らのUPが聴きたい人向けだと思います。今回のCDは1stと同じ龍のデザインで、1st作品に回帰してくれたと思ったのにね。見事にUP一色で、かつ大して違わない曲が並んでいると思っちゃう。Kedar Massenburgにも期待したのになぁ。

数回聴いてもこの結論から変わらなかったので、この作品で彼らはシーンから退場とも思ったので、自分の中でまとめるために、彼らの全作品を聴き直していました。

やっぱり1st:Dru Hillは傑作作品です。改めて聴き直して痛感したので点数を76⇒83点に変更した。今からでも聴く価値があるのは間違いない。今の歳で聴くと彼らの吼えっぷりが微笑ましい。まるでシャウトの奥にニキビ顔が浮かんでくるような、そんな若々しい感覚が懐かしかったりもする。特に7:April Showersと8:Al l Aloneはナイーブな男の子も摑まえれるだけの内容で、そこが一番Jodeciと違っていた。Jodeciの1stもForever My Ladyがあるけど、やっぱりDruHillの方がナイーブな男の子に近いから。自分達を素直に表現した処女作だからこそ、やんちゃからナイーブまでを摑まえれる幅の広さ。 それだけの幅があったグループだからこそ、この4作目の狭さが気になるんだよね。

隠れたと問題作と思うのが2nd:Enter the Druです。全米No1にもなったHow Deep is your Loveも収録されているけど、やんちゃでUP好きなタイプは、この作品を気に入らないと思うから。Holding You、You Are Everything、I'll be the One、One Good Reasonの固め撃ちはナイーブ向けのバイブルのようにも思えてくる。今でも無性にOne Good Reasonを聴きたくなるからなぁ。このOne Good Reasonを聴き込むと、「理由を言わない優しさ」があることも分かるし、「理由を探す事まで含めて一つの恋愛」と言う事も分かる。Sisqoも理由が欲しいと叫んでいるように見えて、最終的にはそこまで直感して吼えている気がする。

それにこの2作目にはマスカレイドのバイブル:What Are We Gonna Doがあるしね。こんだけ曲を聴いてるけど、マスカレイド向けの曲は他には一曲も無いから。何よりもこのSisqoの二面性こそが一番好きだったから、僕の意見は他の誰とも共有できない話なんだけど。もちろん30歳過ぎて二面性を抱えていてもしょうがないから、今回の作品でそんな面は求めてない。けど、今のSisqoはその二面性が発展的に解消されたのだろうか? それこそが4作目で一番聴きたかったところだったのだが・・・。

3作目:Dru World Orderは突き詰めればMen Always Regretだけだし、この曲は作りがイマイチだから。そこら辺が4作目で傑作になって欲しかったのにね。それでも、こういうフェーズがゼロのK-ciのソロ作より認めてるのも事実。


結局、原点に返った4作目だったけど、原点の捉え方の違いになるのだと思う。もちろん2作目でナイーブに振れ過ぎたから、今回はUPに振れ過ぎても文句は無いのだけど、なぜこんなにも本作をネガティブに捉えるのだろう。30歳を越してのUPの曲って本当に難しい。聴く価値があると思っているのは、LSGの2作目と、Geraldの遺作だけか。最近は草食系という言葉も多いし、今年4月の新人との飲み会では「絶食系」という言葉まで聞いてびっくりしたけど、若い頃のやんちゃさって大事だよ。若い頃しか出来ないから。30歳過ぎてもそれを維持しようとすると、今回の4作目のような出来になると思う。

ハッキリ言えば、NEXTの3作目のような感覚です。あそこまで出来の悪さに絶望しているワケでは無いけれど、処女作での幅の広さが無くなって、自分達がベストと思う原点に戻って、そして消えていく。結局、根本的な部分で理解の幅が足りないのだろう。昔から探していたけど、ずっとずっと見つからなかったけど、この4作目を聴いてやっと分かった。NextやDru Hillに期待していたのはサイドチェンジだったんだ。

ということで、この先の考察はSpecialコーナに移動します。本作の曲を全く紹介してないが、取り上げるべき曲は無いと思います。ごめんなさい。




Calvin Richardson - "America's Most Wanted"

40歳の理想像


皆さんご存知の通り、私はCalvin Richardsonの無茶苦茶ファンです。そんなファン心理としては5作目となる作品を発表する程の歌手になった事が感慨深い。デビューした当初は「傑作だけど2作目を作れるのかな?」と本気で心配したから。そこら辺はマクナイトの1stに近い。方向性を突き詰めた傑作だからこその心配感ってある。

これだけ作品を重ねれば、従兄弟?のK-ciやJoJoと比べても、遜色の無い活躍と言えるんじゃないかな。もちろんK-ci&JoJoの方が作品数も知名度も上だけど、個人的には年齢を重ねる毎に良くなっていく歌手の方が親和性があるから。

そんな彼の5作目だけど、ジャケを見た時はそんなに惹かれなかった。タイトルもそう。上段に構えすぎで、ここまでのタイトルをつけるほどの作品になっているのか心配してた。けど、やっぱりリチャードソンだからね。とにかく買う。

1:America's Most Wantedからびっくり。一瞬、Javierかと思ってしまった、それ位に全方向な安定感がある。今までの抑えた情熱感も、とことんな熱さもない。曲の作りはシンプルで、メロディーにヒネリもない。けど、このリチャードソンの心象世界こそが素晴らしい。年齢は40歳前後だと思うけど、「これだけいい歳の重ね方ができるものなのか・・・」と絶句。O'jaysの傑作に近いね。これまで、40歳前後の男性歌手の傑作と言ったら、真っ先にGerald Levertの遺作が思い浮かんだし、それは今でも変わらない。けど、やっぱりあの作品は突き詰めると、生命の絶唱というべき輝きで・・・・。さすがに普通の生活の中から求めていくには遠い地点だと思う。

その点で、本作は凄く聴きやすくて、かつ傑作なんだよね。2:Never Do You Wrongの歌い方。今まで彼が得意としていたフェーズの曲だけど、やっぱり円熟味を感じる。曲の終わりの吼えっぷり。これこそが40歳に相応しい落ち着き。3:Feels Like We Sexin'の明るさ。このタイトルにこの明るさを持ってこれる。これこそがJavierの1stのレベルの証左。

Sexyって単語をどれだけ爽やかに言えるか?
それこそが男の真の価値を測る

僕はJavierの1stの20代を感じさせる手触りも大好きだし、同じ位に40代の手触りがある本作も大好きです。曲自体は良作レベル。外れは無いけど、メロディーラインにひねりが無い。けど、歌いこまれた心情にものすごくFitしていて、全体として傑作になってるね。こういう穏やかで広い心情がリードする曲ほど、他の人がカバーするのが難しいと思います。

4:You're So Amazingもいいんだよねぇ。4作目のカバー作以外、今まで彼の作品は曲のレベル差を感じる事が多かったけど、本作は傑作がそろってる。全部の曲に彼が関わっているけど、レベルが高い。自分自身が歌うべき曲を、今の自分自身を表現するのに一番良い曲を、彼は確実に見つけているね。

5:Thug Lovin'は彼の語り口から始まるオールドテイストな曲。だけど、やっぱり本作を包む「全方向感」が本曲にもあって、いい意味で落ち着いている。彼の1stは抑えてた。今回は落ち着いている。これが15年の差と言われれば、素直に納得する。

6:Come Overもそう。本作の中で一番Slowなんだけど、全くもってエロくない。一歩一歩、歌い上がって行く曲の構成が素晴らしい。落ち着いた感情が一歩一歩盛り上がっていく。この盛り上がっていく軌跡こそが、今の自分への一番の指針になる。打ち上げ花火のような若い頃の情熱と違って、じっくり一歩一歩踏みしめながら階段を登ってくる。この歩みこそ、あの頃一番選べなかったのだと、痛感する。

結局、こういう作品と出会う為に今でもR&Bを聴いていて、こういう作品をR&Bリスナー全員に紹介したいからこそBlogで再開した。そう実感できるだけの作品。その中でも本曲こそが情熱と優しさが重なる地点を示してる。終わり方が微妙な気がするが。

本作で一番エロいのが7:You Possess My Bodyです。それでもこのレベルなんだよね。きっと、彼の中では特に意識してないんだと思う。素直に出して、このラインになる。そこに憧れる。8:Reach Outが一番熱い。そして彼のデュエット作品の中でも最高級。1stのMonifaとのClose My Eyesと同じレベル。けど、こっちの方がイケイケなんだよね。バックで女性の声が「アッアア、アッアア」と入るのが新しい。普通なら「アッハーン」なのに「アッアア」だから。女性の声まで力強いぞ(笑 Monifaとのデュエットの正反対の手触りで、それが心地良い。女性の方が吼えまくって、彼がつられて吼えてる構成も面白い。


Adoreという単語の重さ。それを知っているのがR&B初段です。Like→Love→Adoreのレベル差を知らないうちは周囲にR&B好きとは言わない方がいいでしょう(笑 個人的にはLoveにPrayが入るとAdoreになると思ってます。今まで聴いたAdoreの曲は、今度ちゃんとまとめなくちゃいけないね。けど、タイトルまでAdoreが入っていて、サビで連呼する曲はホント珍しいと思う。普通はもっと秘めた感覚があるんだけどね。それをこんだけオープンにしてるのが9:Adore Youです。P2S2マスターなら(そんな人いるかいな)知っていると思うけど、LoveやLikeに注目するうちはオコチャマです。通はbelongとadoreに注目する。個人的には寄り添う感が強いbelongの方が好きだけど、このadoreの歌い方は凄くいい。Adoreの表現として、新たな発見です。

10:Monday Morningの明るさ。「あーー、今週も始まっちゃった。。会社行かなくちゃ」の正反対なのが素晴らしいです。毎週月曜日の朝は、このトーンで出社してこそ出来るビジネスマンです。11:Paradiseはそこまで惹かれない。オマケの気がするのでパス。

結果として、こちらの想像をはるかにこえる傑作アルバム。
まさかこのレベルを作ってくるとは想像だにしなかった。
きっと前作のBobby Womackのカバー作品の完成度が、彼の中の確固たる足場になったのだろう。確かに全曲パーフェクト・カバーだったから。あそこまで歌えれば、次へのStepが開ける。

そんな本作に唯一無いのが、Deepさ。全く無い。けど、もういいですDeepは(笑

Calvin Richardsonファンは当然として、個人的にはぜひJavierファンに買って欲しい作品。特にJavierの2ndに失望した人ほど。本作を聴けば、「こんな手触りの作品を求めていたんだ」と実感する事間違いないです。Javierの1stは何よりジャケが凄いんだよね。表情自体が作品と同じレベルになってるから。その点だけは、本作は不十分ですね。せっかくBobby Womackのカバーのジャケは良かったんだから、本作ももっと練るべきだった。けど、それ以外では、間違いなくJavierの1stと同じだから。いや、厳しく見れば、作曲の才能はJavierの方が上かな。けど、Calvin Richardsonはオールドテイストな感覚が心地良く、年齢を重ねた円熟味があるから。だから同じレベルだと思うよ。

素直に言うと、あの頃、確かに僕はJavierに遠かった。遠かったからこそ、聴いて辛かった。けど、この圧倒的な差を受け入れないと、その先の人生は無いと思った、だから、
・スレた面やSexyな面は少し弱いが、この先、Hip-Hopが合わない男の子の憧れになること間違いなし。
・アルバム聴いて、初めて「生き方変えようかなぁ・・・・」って思ったです。
・うん、素直に言って、イイ男だと思う。相手がどんな女性であっても幸せにできるかのようで・・・ストライクゾーンが大きい男性はたくさんいるが、Javierはホームランゾーンが大きいと思う
とまで書いた。あの時、この言葉に賛同してくれたなら、本作を聴いて欲しいと思ってます。振り返って内省すれば、今までの人生の中にも確かにポイント・ポイントでJavierを目指す道があった。けど、全く気づかず、エゴの海に溺れ、周囲にアホばっかりして、ここまで来てしまった。Javierを聴きながらRegretを積み重ねてきたけれど、さすがに今からあのレベルに行く道は無いと思っていた。けど、本作でCalvin Richardsonがこの地点を見せてくれたからには、ここに辿りつく道があるという事。その事実が一番うれしいです。

もちろんCaseのThe Rose ExperienceもJaheimのAnother Roundも好きだよ。けど、もういいですDeepは(笑 だから、この先、40歳を目指す上で一番指針になるのは間違いなく本作です。そう自分自身に断言します。まず自分にカツを入れないとね。あの頃、死ぬ気でCountry Boyを聴いたように、同じレベルで本作を聴きこんでます。このAdoreの良さ・・・。やっぱり、これにつきるよね。





Sade - "Soldier of Love"

 

彼女が独り佇む場所


10年間に一作という歩みはリスナーとの合意のようにも思える。92年の4th:Love Deluxeは同時代で聴けず、2000年の5th:Lovers Rockから4年かけて全作聴きこんだ。だから本作を聴いた時は唖然としてしまった。彼女の全作の中で、一番重い。暗いなんてレベルじゃない。どん底と言ってもいいと思う。

タイトルのSoldier of Loveの重さ。逆さにしても明るいタイトルじゃない。このジャケの色も暗いけど、まさかここまで底の曲を集めてくるとは思わなかった。曲だけ見れば今までのSadeらしい良質な曲だけど、歌いこまれた心情はとことん重い。

誕生日は1959/01/16だから51歳。その歳でこの場所か・・・。世のR&Bファンには申し訳ないけれど、ハッキリ言って、聴きこむほどに凹む。この凹み具合は恋愛のどん底を歌った女性歌手の傑作:MaryJ.の2nd、Syleenaの1st、Kelly Priceの1st、Keyshia Coleの1stよりも重い気がする。彼女らの作品は歌った時期が若い。だから「明日になったら東の空から太陽が昇るよね」という共通理解がある。けど、この作品にはそんな明日への希望が見えない。まるでこの重さを抱えたまま、彼女はこの先の人生を歩んでいくんじゃないか…とまで思わせる。

恋愛でSoldierって、戦う相手は誰? まさか相手の男じゃないよね。喧嘩ぐらいならセーフだけど、「戦う」まで来たらもう恋愛の範囲外だよね。だから、一般的に思い浮かべれば略奪愛? まさかSadeに限ってそんな訳は無いから、「悲惨な状況に立ち向かう」を表現したのかな。別に女性の年齢をとやかく言う気は無いけど、男性だろう女性だろうと51歳で恋愛をSoldierと表現する状況は、本気で追っかけたくない世界です・・・。まだ渡辺淳一の「中年燃え上り」な小説を読んでる方が可愛げがあると思ってしまう。

1:The Moon and The Skyから通常よりも低い。個人的には10段階の2段目ぐらいの低さだから、一般的にも聴き込める範囲内だと思うけど、月が浮かぶ空か。このジャケの風景は月光だったのか?嵐の前の静けさに見えてたよ・・・。2:Souldier of Loveがガツンとくる。曲としては淡々としているけど、歌われている心情は上記にあげた他のどん底傑作の最深部と比べても遜色が無い。曲のsoulに入っていくと、危険信号が鳴る。本作からSadeを聴き始めた若い人は確実に逃げ出すぞ。聴き込むほどに、バックの音が不吉な響きのように思えてくる。もちろんSoldierという言葉には、そこに打ち勝つだけの意志が表現されているのだけど。

3:Morning Birdは夜明け前の空が青白くなってきた時間帯であって、太陽は地平線から昇ってないと思う。けど、夜の空から黒色が抜けて透明になっていく情景を見事に表現しているね。ただ、2曲目からちょとだけ上がっただけで、心情の低さはかなりのレベル。低い地点での透明感を表現した名曲だと思うけど、2曲目でギリギリだったリスナーは本曲の低さに耐えれないよ。

4:Babyfatherが明るい。やっと水面から顔を出した感覚。マリアナ海溝から南の小島に来た雰囲気で、ちょっとレゲエっぽい気もする。どこでも・どんな時でも流せるし、落ち着いた中にウキウキ感まで伝わってくるから名曲だね。ところが、5:Long Hard Roadでまた下がる。。このまま上がってくれればいいのにね。見事に期待を裏切って、再び底へ。これは辛いです。まるで彼女のLong Hard Roadを追体験してるかのよう。

6:Bring Me Homeはニュートラルだと思います。明るくも暗くもない。5曲目よりは明るくなった分、リスナーとしてはうれしい限り。穏やかな曲で、この地点が彼女の居場所なのかもね。そんな気がする。ところが7:Be That Easyでまた潜る。このアップダウンの多さが、他のどん底傑作アルバムよりも多い。MaryJ.のMy Lifeだってもうちょっと聴きやすかった気がするよ。

8:In Another Timeはニュートラルかな。個人的には6曲目よりちょっとだけ低い気もするけど、これなら全然大丈夫です。普通に聴けるし、Sadeらしい曲。バックのサックス?の音がいい。9:Skinは明るい曲です。4曲目ほどじゃないけど、十分に明るいと分類できると思う。7→8と8→9は、連続でトーンが上がる。本作では初めてだね。ふぅーーーー。やっと肩の力が抜けたよ。底の曲があるのはいい。それが続くのもかまわない。けど、こんだけアップダウンがあると、本当に疲れる。

10:The Safest Placeでまた下がる・・・「最後ぐらい上がってよ」という素直な希望を打ち砕いて。もちろんそこまで低い場所では無いから聴くのは可能だけど、もうちょっとだけ明るい手触りにして欲しかったなぁ。明るくして欲しかったなんて今まで使った事ないけど、本作で初めて使ってしまった。。

男性歌手だろうが女性歌手だろうが、どん底傑作アルバムを聴き込んで来た私が言うから間違い無いです。本作が、一番辛い。他の作品には若さの勢いがあるから。どれだけどん底を歌っていても、その勢いに焦点を合わせれば聴き抜く事ができた。けど、さすがに本作にはそれが無い。

この状態を一生抱え抜く覚悟に満ちてる
この事実が一番Heavyでした。

10年前はSadeのことを全く分からなかった。そこから《横たわる時の長さ》と《風化させない痛み》と表現できるまで聴きこんだ。けど、本作を聴いて分かったのは、《風化させない痛み》なんてチンケなものじゃない。《深化する痛み》だよ。もちろんこれまでの作品も痛みはあった。1st:Diamond Lifeと5th:Lovers Rockには無いけど、2nd:PromiseのJezebelや、3rd:stronget than prideのI never thought I'd see the dayとか、4th:Love Deluxeのpearlsにはある。けど、それらの作品と比べれば一目瞭然。間違いなく、深化してます。

本気の恋愛から逃げなかった人は、全てマリアナ海溝の底まで来て、そして浮かび上がっていく。
そんな軌跡の中で、Sadeだけは浮かび上がる事を拒否したかのようで・・・確かにSoldierです。そうとしか言いようが無い世界。そんな意味では今までの作品の中で一番聴きこむべきかもしれない。逆にこのトーンの低さに浸れない人は、4,6,8,9だけを抜き出せばいいと思います。今までのSadeの作品と比べても同じレベルの聴きやすさになるから。

最初から最後まで通して聴くと、このアップダウンが重い。アルバムを聴きこんで、ここまで凹んだのは、Marvin Gayeの"Here My Dear"以来かも・・・。そこまで感じた作品です。世のSadeファンの総スカンを喰らいそうだし、こんな事ばっかり書いているから、2chでああいうコメントを書かれるのも分かるけど、これがSoldier of Loveというタイトルの作品への、本サイトの返答です。

 



2010年まとめ

今年の1月からBlogで再開したけど、現時点で取り上げれる作品は全部書いたと思います。

Leela Jmes - "My Soul"
傑作だと思うからUPしたいのだけど、聴くたびにその力強さに打ちのめされてます。デビュー作なら分かる。けど、もう3作目だよ?未だに恋愛感ゼロで歌うのが信じられない。ある意味、同時期にデビューしたKeyshiaと同じぐらいに我が道を突き進んでいるね。本サイトが一番苦手としているJill Scottに近くなっているような・・・・毎年Jillは轟沈してるので。。

Case - "Here My Love"
さすがに昨年の傑作と比べるとね。ファンなら応援するために買っていいと思うし、もちろん買って聴いたけど、迷いが見える。ジャケもタイトルも良いのだけど、Here My LoveというタイトルはMarvinを思い出すけど、本作は迷いが見える。何の迷いなのか、明確にいえないからUPできないけど・・・

R Kelly - "Untitled"
以前にコメント欄に書いた通り。
R Kellyは買いました。前作よりは統一感があるね。それぞれの曲が以前の作品と対応関係を作れるような作品で、ファンにはお薦め。個人的には 14:Pregnatに一番prayとswearを感じました。Tyreseが参加しているのもびっくり。方向性が無くなってシーンから退場した感のある Tyreseだけど、R Kelly全面プロデュースで復活して欲しいです。


それにしても、今年の年末の◆の多さ。お金の方が追いつかないなんてここ数年では初めてじゃないか?と思うぐらい。とりあえず◆と個人的に気になる作品を転記させていただきました
Floacist:Floetic Soul
Chrisette Michele:Let Freedom Ring
El DeBarge:Second Chance
Eric Benet:Lost In Time
Ron Isley:Mr I
ΒCharlie Wilson:Just Charlie
БKeyshia Cole:Calling All Hearts
R. Kelly:Love Letter
 Avant:The Letter
 Kandi:Kandi Koated

Tankも気になるけど、全然手が回らない。皆さんはこの中で問答無用で買うのはどれですか? 
まず,任垢、まさかFloetryの片割れだったとは・・・攻めすぎているジャケだが、Floetryの片割れならば、問答無用です。彼女たちの二作目は待ち焦がれていたから。△蓮△垢澆泙擦鵝一枚も持ってません。最近は新人はまったくノーマークなので。とりあえず聴くならデビュー作から聴きたいので、保留。はDeBarge命の哲章さんだからなぁ。ファン心理が入っていると思っているけど、Debarge系は久しぶりだから購入。い狼い貌っているのが1stだけだし、逆に彼の元奥さん(ハル・ベリー)のファンだから、彼に対してはネガティブな感覚が多いんだよね・・・・保留 イ鰐篥無用。刑務所から出た声に期待大、アマゾン予約です。

Δ狼い砲覆襦かなり気になる。けど、実は"Uncle Charlie"は聴いてません。。Up-Middleが多いとのことなので・・・個人的には悲痛感に満ちたShavaShavaが好きだからΔ呂爾卩磴辰真佑隆響曚鯊圓辰討泙喉保留 Г老羣遒亮,世ら期待してない。あまりに発表ペースが速いとすぐに買うのを迷うよね。来年になってからだね。ネガティブ意見が多かったら手が伸びないかも→保留 ┐魯献礇韻いい。というよりも今年発売のUntitledはタイトル的にもやっつけ仕事? ちょっと怒ってます。だから保留 は気になる。気になるけど、やっぱり保留かな。個人的に気になっているのがです。あの処女作に駄目出しした立場として、10年経ってのカムバックは純粋に賞賛できる。けど、お金的に保留。あ、そうそうFaith Evansの新作も確か◆がついていたっけ。こちらは哲章さんのレビュー待ち。

という事で、すみません。問答無用で買うのはFloacistとEl DebargeとIsleyのRonの3枚だけです。KandiとR KellyとKeyshaは買う確率が高いかな。残りは迷い気味です。それもあって、皆さんのレビューを待ってますので、コメント&トラックバックよろしくお願いします。また、上記に載ってない作品でもお勧めがあればお願いします。


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[音楽とは関係無いテーマについて]



2010積み残し

 2010年末に買った作品を聴き込んでます。

コメント欄に書いたけど、FloacistはHipHopに分類すべきなような・・・ちょっと私がコメントできないタイプの曲でした。内容的にはメロディアスで聴きやすかったのだけど。

Ron"Mr.I"は期待通りの内容。一言が思い浮かばないのでUPはまだまだ先になりそうですが、作品自体は楽しんでます。特に7:What I Miss The Most、8:I Need You、10:You Had Me A Helloを気に入ってます。タイトル的に親和性があるからかな。この3曲の中でも何故か8がBestと判断。この曲だけは100回リピート。でも、この曲の先にどんな世界があるのかが見えない。それが見えないとUPは出来ないんだよね・・・。20歳以下の歌世界におけるNeedなんて小学生の宿題の気もするけど、このRonのNeedが紡ぎだす歌世界が全く分からない。7と8の連結が素晴らしいから2曲あわせて聴き込むべきかもね。。この場所で止まっちゃってます。

El DeBarge"Second Chance"はそもそもなんでこのタイトルなんだろう?知っている人がいたら教えてください。1:Lay With Youから超強力。声だけで判断したら確実に小学6年生が歌っていると判断するよ。恐ろしすぎるレベルです。リズムも効いてて、かなりお薦め。曲の粒がそろってるのも素晴らしい。どの曲も「聖歌隊の男の子みたいな声」なのも重ねてびっくり。喉痛めないのかなぁ? 年末に買った作品のなかで、本作品だけが誰にでも勧めれる。今までDeBargeのDの字も知らない人でも買って満足すること間違い無いです。曲のレベルの良さがDeBargeのBest盤レベルな気がする。あの作品は今から聴くと合わない?80年代UPとかがあるから、本作の方が馴染めると思う。50 Centのrapから始まる4:Formatの凄さ。rapが入ってもこのレベルか! 「色あせない声」というタイトルでUPしても良かったのだけど、11:Sad Songから始まる内向的な世界があるから。11:The Other Sideも凄い。アルバムタイトルの13:Second Chanceもそう。こういう歌世界ほど本Blogの出番のハズなのだが、ここを捕まえる事が出来てなく・・・

そうそう、Ruff Endzの8年ぶりの新作"The Final Chapter"も昨年の11月末に買ってます。ところがUSから送られてきたのはAmazonの写真と違うジャケ。曲目は同じなんだけど。インディー発売からメジャー発売になったって事かな。中身は彼らの2ndからの延長線上。この8年間を感じる曲は皆無。良く言えばファンには懐かしい内容、悪く言えば今までの未収録曲を集めただけな気もする。ファンで8年のインターバルを考慮する人にはお勧めかな。個人的には8年の想いが感じる曲が欲しかったのでイマイチかも。良い意味で2002年を思い出したし、曲自体は5,6,7,9曲目をピックアップしますが。

R Kelly"Love Letter"は巷の評価も高いし、このジャケもかなり良いので注文済み。最近はAmazonでもAmazon自体じゃなくて、安いUS出品を買っているので、届くのはまだ先になりそうですが。それにしてもこのジャケの彼はレイ・チャールズみたいだね。

迷っているのがEric Benetです。実家に帰った時に栄のHMVで視聴しました。渋谷と違って店が残っていたのは安心した。渋谷のあの店も移転という形にすればあそこまでニュース煮ならなかった気もするのだが・・・ この作品、かなりいいですねぇ。メロディーも良いし彼の声の表情も良い。普通なら即決なのに、それでも買えなかったです。やっぱりそれだけブーメランで見たハル・ベリーの事が好きだったから。ハッキリ言えば、"R."が無くて、Chocolate Factoryと"Happy People"を発表したR Kellyを想像すると、今のEric Benetに感じる違和感を上手に説明できると思う。そんなR Kellyが仮にいるとしたら・・・確かにあの2作は曲も声も良い傑作だけど、本気で自分自身は納得できた?? それにYesと言えないんだよね。AALIYAHよりはMonicaファンだったから、彼がAALIYAHにしたことよりも、Sparkleにした事に拘っているのだけど・・・ だから今はEric Benetの3作目を聴き込んでます。このジャケのカッコウつけている写り方。これがそもそもジンマシンで、真面目に聴いてなかったからなぁ。。


結局、近くのバナナレコードでJill Scottの3作目とJanson Championの"Reflections"を中古で買いました。Jill Scottの方は苦手のうちに買うのを忘れていたので。Janson ChampionはMen at Largeの片割れだと知ったから。Men at Large自体が歴史に埋もれてしまって、啓志本を買った人じゃないと知らないでしょう。けど、数ある結婚Songの中で、私は彼らの2ndの11. Will You Marry Me をベストとします。この曲だけはSwearがある。他の結婚ソングって、何故かSwearを感じないんだよね・・・。20歳に聴いた時は「この先、もっと良い結婚Songが出てくるだろう」と思って13年。この曲がBestです。

ただ、Swearが入りすぎなのと、サビがWill You Marry Me?だから、結婚式で流せるタイプの曲じゃないのだけど。あれ、もしかしてこれはプロポーズSongなのか? 結婚SongとプロポーズSongって微妙に違うのかも。そもそも他にプロポーズSongってあるのかな? 思いつく人は教えてください。ここら辺は今後の考察対象ですね。




Corinne Bailey Rae - "The Sea"

綺麗な放物線を描いて、そのまま底へ


デビュー作から傑作だったコリーヌ。この作品はジャケがイマイチ合わなくて(タイトルがseaなのにバックは木だし、このバスローブ?で寝そべっているようなポーズも。。)、手が伸びなかったのですが、あまりにアマゾンのレビューで褒めている人が多いので買う事にした。

誰もが褒めるように、2:I'd Do It All Againは傑作曲。最初に聴いた時に「そのまま底へ」という感覚が浮かんできた。そのままってのは「あの幼い声のまま」って言う意味です。自分自身も不思議なのだけど、このちょっと発音が拙い感じが幼く聞こえるんだよね・・・。アマゾンのレビュー見た時は、「あの声で深いなんてあり得ない」と思ったのに、見事に深い作品です。

けど、聴き続けるうちに恋愛の痛みについて叫んでいる他の作品:MaryJ.、Kelly PriceやKeyshaとは違う点が気になってきた。シンプルに言えば、

底への落ち方が綺麗なんだよね

今まで親しみがあったのは「風舞う落ち葉のような軌跡」だった。去っていった相手に対して「私が至らなかったのか」「私の魅力に気づかなかった向こうの落ち度か」と両極端を自問自答するのが、風に揺られる落ち葉の軌跡と重なる。けど、本作で表現されている心の軌跡は違う。それがずっと謎だったけど、気づいたらレンタル解禁の時期になってて、そこの紹介文に「最愛の夫に先立たれ・・・」と書いてあって疑問が氷解した。

この綺麗な放物線を、どんなモノで表現すれば良いのか分からない。
綺麗な放物線と聞いて真っ先に浮かぶのは砲丸投げの弾だけど、さすがにこの作品には合わない。まるで夫が死ぬまでの二人の生活を映し出す水晶玉のような、それがビルの屋上から綺麗な放物線を描いて落ちていくような、そんな作品になっている。

この放物線の感覚は、これまでDeepにこそ拘ってきた本サイトとしても初めてです。ガツンとSoul。「惚れたはれたに浮気に嗚咽」が無い分だけ恋愛Deepじゃない人でも聴ける。この2作を持って、2005年以降にデビューした女性歌手としてはTOPの位置づけになったね。


01:Are You Hereは入口としての位置づけかな。前作の延長線にあるような幼い声から始るのだが、Are You Hereというフレーズを言うたびに一段ずつ階段を降りている。この段階性が素晴らしい。02:I'd Do It All AgainこそがSoul。100回リピートを何セットかやったけど、今でも聴けば頭の奥からジーンとなってくる。歌詞カードを見るまでずっとLove Againと言ってると思ってた。そんな感覚の曲です。

実は個人的に2曲目よりも注目するのが03:Feels Like The First Timeです。本作を聴き込んでいた頃、気づくと口ずさんでいたのが3曲目だった。なぜ2曲目よりも位置づけが上になるのか、未だに上手く説明できない。けど、こちらの曲の方が生き抜く意志を感じる。いつも口にでるのが2:10からのAlthough we talk, talk, talk on the telephoneの部分なんだよね。

4:The Blackest Lilyはパスで。5:Closerはそんなに底の曲じゃないから普通に聴ける。6:Love's On Its Wayは曲調としては重いけど、彼女のLoveに対する達観が見えるから、そこに焦点を合わせれば聴き抜く事ができる。0:57からの舞い上がりこそが上に昇る水流。7: I Would Like To Call It Beautyが普通の地点に戻ってきたことを伝えてる。デビュー作と同じ声の表情だけど、笑顔に深みが出ているね。一つ一つの発音を伸ばしながら歌うけど、この伸ばし方に余裕が見える。

8:Paris Nights/ New York Morningsを聴くと「UPを歌えるまでに回復したのよ」と言っている彼女を見ているかのようで微笑ましい。曲の対象年齢が20歳以下のようなハチャケぶりが意外とハマル。Don't Let Me Downというフレーズが一番コアかな。こういう曲を聴くと、やっぱり最終的に「人生は明るく生きなくちゃね!」が実感できると思うよ。

いまいち意味が分からないのが9:Paper Dollsかな。ちょっと怒りの感情が見えるけど、本アルバムのテーマとどのように重なるのかが不明。10:Diving For Heartsは清涼感がある。前作に比べるとやや高めの声が凄く良くなったね。11:The Seaがアルバムタイトル曲であり、最後に収めれられています。確かに、Seaと表現したくなる、その感覚は良く分かる。海に対してGoodbyeとつぶやく姿が絵になってます。


デビューして2作目なのにここまでの作品を届けてくれるとはね。Deep系はKeisyaがいるから良いと思っていたけど、コリーヌのDeepさは血飛沫が飛ぶような痛みが無い分だけ多くの人に届くのだろう。結婚して何年目で夫を亡くしたのか知らないけれど、R&B-Soulの歴史の中でもまれな境遇に陥ってしまったのかな。そんな境遇を完璧な作品として完成させてくれたことに対して、ただただ感謝のみです。

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改めて3:Feels Like The First Timeと向き合う。
ここまで書いてこそ歌詞を見れる状態になる。最初から歌詞を頼らない方が、理解と表情に対するセンスが上がるからお薦めです。

Although we talk, talk, talk on the telephone
We laugh, laugh, laugh at the things you know
この詞の重さ。やっぱりこのフレーズで曲が終わっているんだね。彼女としてもここが一番大事なのだろう。その想いは良く分かる。想い出がかけがえなくて大きいからこそ、終わった後に辛い。だけど、やっぱり最後に残るのは、何度も電話で話した時のことや、何度もお互いに笑ってたという、具体的な想い出だから。辛い事が起こった後は、そんな一番の想い出までも否定しそうになるけれど、その状態を耐えてこそ、良い想い出をそのままの形として抱えて、この先の人生を生きていくことができる。

その事実をこれだけ具体的に表現している部分に、一番惹かれたんだね。
それだけ、何度も電話で話して、何度も笑っていたんだね。好きとか嫌いとか、恋愛に関係する一般的な感情がそぎ落とされた後に残ったこの事実が、彼女がどんな恋愛をしていたかを伝えてる。気づいたら自分がどんどん話しをしてて、そしたら自分自身も見たことないような笑顔がどんどん出てきて・・・確かにこの事実が一番大きい。相手となかなか共有できない過去を抱えている人ほど、こういう形で始る恋愛の大事さが分かっているのだと思います。





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