Corinne Bailey Rae - "Corinne Bailey Rae"
妹萌え
発売が2006年なので随分と遅いですが、内容が良かったし方向性がはっきりしているのに好感を持ったので取り上げます。
デビュー時も気になっていたけど、この服装と一聴瞭然の幼な声で、「今からオタク系に行く気は無いからなぁ」と思って躊躇してました。けど、レンタルで見つけたら素直に借りてしまい、聴き続けてたら傑作と思った。
このジャケとこの声がピッタシくる人にとっては感激の愛蔵盤になる事は間違いないです。今までこれだけ幼い声で全曲突き通した女性歌手のデビュー作って無かったと思う。
en-Wikiによれば1979年生まれ。じゃあこの作品では23歳か。なのにモニカのデビュー作よりも声が幼いのは、狙って出しているのだろう。イメージ感をジャケと合わせているしね。そんな狙い目が嫌いでデビュー当時は買わなかったけど、聴き続けると「素」と思わせるだけの説得力があった。何よりも、この幼い声の中で全てを表現している。方向性を絞りきったデビュー作に惚れるタイプとしては、感動しました。
イギリス出身だからSadeと比較しているコメントも見たけど、Sadeのデビュー作はこんな幼い声してない(笑 けど、アメリカ出身の歌手には無い透明感は同じかもね。聴き続けると幼い声なのに抱擁感まで感じてくるから、彼女の魅力は凄いと思う。女性のデビュー作で方向性が明確だったのは、すぐに思いつくはKelly Priceか。最近で言えばKeyshiaとかいるけど、Deep路線以外では、、、Leela James以来だね。LeelaはSoulマニアじゃないと聴けないから、普通の人にはCorinneの方がお薦め。AliciaもDeep路線じゃないけど、あの作品は聴いてて肩が凝る面があるから。Corinneの方が気楽に聴ける。
何よりもアニソン好きの会社の後輩に一番薦めたい作品です。けど、「30過ぎてカラオケでアニソンはやめておけよ」と言ったら、おせっかいを越すからなぁ。趣味の押し売りをするつもりは無いので、ここに書いておこう。この作品はアニソン好きの男性陣がイチコロになる幼い雰囲気と、聴き続ければその先に行ける道筋がある。そんな作品ってR&Bで初めてじゃないかな。
1:Like A Starが一番声は狙ってる気がする。この声で合わない人も2:Enchantmentを聴いてください。曲のレベルが高いから。幼さを抑えた感覚で純粋に良い曲。ここまでのレベルの作品なら幼い声が苦手な男性も聴きこめる。年上女性好きの男の子で、甘えた雰囲気と作ったような幼い声を出す同年代の女性が嫌いなタイプの人も、この作品は聴きこむべきです。合わない人にはとことん合わない傑作だけど、べき論が通用するのはMario Winansのデビュー作と同じかも。
3:Put Your Recordsはギターが良い味だしてる。彼女もちょっとラフ気味に歌っているのが良い。もちろんまだまだ幼い声のラインはKeepしているけどね。幼い声を駆使して思った以上に色んな面を表現してるのが素晴らしい。4:Till It Happens To Youはタイトル通り重さが見え始めてフェーズ。サビでの声の表情はこれが一番良いのでは。素のレベルから出ているし、吼えてる面もあるから。幼な度数は1曲目と比べると20%ぐらいなのだけど、その20%に惹かれ始めたから彼女の術中にはまったのかも知れない。業が見え隠れしている。Till it Happens to Youというけど、Happenしても去らないだろう。それを本人が気づき始めた叫びになってる。ここら辺を突き詰めるとDeep系に行けるんだけどね(笑
05:Trouble Sleepingはタイトルの通り4曲目から進んでいるのだけど、リズム感のあるトラックでごまかされている気もする。「Happenしたら去ったでしょ」と突っ込みたい気分です。「私には音楽がある」とか言って去ったでしょ。と言いたい(笑 まあそれも人生かな。わざわざ足を踏み入れる世界じゃないから。Don't Stayという言葉には、去った女性と、去る事が出来なかった女性の、二種類の声の表情がある。それを聴いて分かるのが大事。私としては、この声には「去ったよね」を感じます。なぜかって、うーん、そういう情景が浮かぶから。けど、ここら辺は違う意見も聞いてみたいかも。
そんな暗い話はもうやめましょう、的な雰囲気の曲が06:Call Me When You Get Thisです。一番明るい曲。1曲目よりも声が素直で、それでいて幼な度数80%あるから感激。正直、年下とは絶対に付き合えないタイプだったけど、この作品を聴きこむと、それが可能になる気がする。仲の良い友達ほど「若井が年下と付き合う気になったぐらいの曲? そりゃすげーね」と驚くぐらいの傑作です(笑
6曲目までで買う価値大な作品なのに、7:Choux Pastry Hearも良い曲です。一番、高音を出しているのだけど、この声が良い。やっぱり幼い雰囲気って高音になると出しにくくなるのかもね。透明感が一番あります。落ち着き以上のトーンも好きな理由。8:Breathlessもそこそこ。9は、まだ彼女には歌えない種類の歌だね。一番チグハグ感があります。デビュー作なんだから、これぐらい色んなタイプの曲を試すしてべきだと思う。
10:Butterflyってマイケルの名曲もそうだけど、イギリス出身の歌手が良くタイトルにする気がする。ここら辺の文化?の違いはちょっと気になる。曲としてもお薦めです。10:Seasons ChangeはLeelaに近いSoul寄りの曲だけど、声に重さが無いのが致命的かな。この曲でこの声なのだから、これがMaxってことか。もっとしゃがれた声が必要だけど、「幼さ」と「しゃがれ」って正反対だからね。
ということで、アルバム最後の方は色んなタイプの曲を試していますが、前半から中盤の幼さは絶品ものです。今までここまで幼い声で突き通してきた女性歌手っていないと思う。これからは本作を使って『幼な度数』を測る事になると思う。それ位にエポックメイキングな作品です。個人的には、妹/お姉さん好きの両極端のタイプの男性に聴きこんで欲しいです。特にお姉さん好きの男性はこの作品を聴いて普通になりましょう(笑
- 2010.06.12 Saturday
- 2006
- 18:14
- comments(0)
- trackbacks(0)