Corinne Bailey Rae - "Corinne Bailey Rae"

妹萌え


発売が2006年なので随分と遅いですが、内容が良かったし方向性がはっきりしているのに好感を持ったので取り上げます。

デビュー時も気になっていたけど、この服装と一聴瞭然の幼な声で、「今からオタク系に行く気は無いからなぁ」と思って躊躇してました。けど、レンタルで見つけたら素直に借りてしまい、聴き続けてたら傑作と思った。

このジャケとこの声がピッタシくる人にとっては感激の愛蔵盤になる事は間違いないです。今までこれだけ幼い声で全曲突き通した女性歌手のデビュー作って無かったと思う。

en-Wikiによれば1979年生まれ。じゃあこの作品では23歳か。なのにモニカのデビュー作よりも声が幼いのは、狙って出しているのだろう。イメージ感をジャケと合わせているしね。そんな狙い目が嫌いでデビュー当時は買わなかったけど、聴き続けると「素」と思わせるだけの説得力があった。何よりも、この幼い声の中で全てを表現している。方向性を絞りきったデビュー作に惚れるタイプとしては、感動しました。

イギリス出身だからSadeと比較しているコメントも見たけど、Sadeのデビュー作はこんな幼い声してない(笑 けど、アメリカ出身の歌手には無い透明感は同じかもね。聴き続けると幼い声なのに抱擁感まで感じてくるから、彼女の魅力は凄いと思う。女性のデビュー作で方向性が明確だったのは、すぐに思いつくはKelly Priceか。最近で言えばKeyshiaとかいるけど、Deep路線以外では、、、Leela James以来だね。LeelaはSoulマニアじゃないと聴けないから、普通の人にはCorinneの方がお薦め。AliciaもDeep路線じゃないけど、あの作品は聴いてて肩が凝る面があるから。Corinneの方が気楽に聴ける。

何よりもアニソン好きの会社の後輩に一番薦めたい作品です。けど、「30過ぎてカラオケでアニソンはやめておけよ」と言ったら、おせっかいを越すからなぁ。趣味の押し売りをするつもりは無いので、ここに書いておこう。この作品はアニソン好きの男性陣がイチコロになる幼い雰囲気と、聴き続ければその先に行ける道筋がある。そんな作品ってR&Bで初めてじゃないかな。

1:Like A Starが一番声は狙ってる気がする。この声で合わない人も2:Enchantmentを聴いてください。曲のレベルが高いから。幼さを抑えた感覚で純粋に良い曲。ここまでのレベルの作品なら幼い声が苦手な男性も聴きこめる。年上女性好きの男の子で、甘えた雰囲気と作ったような幼い声を出す同年代の女性が嫌いなタイプの人も、この作品は聴きこむべきです。合わない人にはとことん合わない傑作だけど、べき論が通用するのはMario Winansのデビュー作と同じかも。

3:Put Your Recordsはギターが良い味だしてる。彼女もちょっとラフ気味に歌っているのが良い。もちろんまだまだ幼い声のラインはKeepしているけどね。幼い声を駆使して思った以上に色んな面を表現してるのが素晴らしい。4:Till It Happens To Youはタイトル通り重さが見え始めてフェーズ。サビでの声の表情はこれが一番良いのでは。素のレベルから出ているし、吼えてる面もあるから。幼な度数は1曲目と比べると20%ぐらいなのだけど、その20%に惹かれ始めたから彼女の術中にはまったのかも知れない。業が見え隠れしている。Till it Happens to Youというけど、Happenしても去らないだろう。それを本人が気づき始めた叫びになってる。ここら辺を突き詰めるとDeep系に行けるんだけどね(笑

05:Trouble Sleepingはタイトルの通り4曲目から進んでいるのだけど、リズム感のあるトラックでごまかされている気もする。「Happenしたら去ったでしょ」と突っ込みたい気分です。「私には音楽がある」とか言って去ったでしょ。と言いたい(笑 まあそれも人生かな。わざわざ足を踏み入れる世界じゃないから。Don't Stayという言葉には、去った女性と、去る事が出来なかった女性の、二種類の声の表情がある。それを聴いて分かるのが大事。私としては、この声には「去ったよね」を感じます。なぜかって、うーん、そういう情景が浮かぶから。けど、ここら辺は違う意見も聞いてみたいかも。

そんな暗い話はもうやめましょう、的な雰囲気の曲が06:Call Me When You Get Thisです。一番明るい曲。1曲目よりも声が素直で、それでいて幼な度数80%あるから感激。正直、年下とは絶対に付き合えないタイプだったけど、この作品を聴きこむと、それが可能になる気がする。仲の良い友達ほど「若井が年下と付き合う気になったぐらいの曲? そりゃすげーね」と驚くぐらいの傑作です(笑

6曲目までで買う価値大な作品なのに、7:Choux Pastry Hearも良い曲です。一番、高音を出しているのだけど、この声が良い。やっぱり幼い雰囲気って高音になると出しにくくなるのかもね。透明感が一番あります。落ち着き以上のトーンも好きな理由。8:Breathlessもそこそこ。9は、まだ彼女には歌えない種類の歌だね。一番チグハグ感があります。デビュー作なんだから、これぐらい色んなタイプの曲を試すしてべきだと思う。

10:Butterflyってマイケルの名曲もそうだけど、イギリス出身の歌手が良くタイトルにする気がする。ここら辺の文化?の違いはちょっと気になる。曲としてもお薦めです。10:Seasons ChangeはLeelaに近いSoul寄りの曲だけど、声に重さが無いのが致命的かな。この曲でこの声なのだから、これがMaxってことか。もっとしゃがれた声が必要だけど、「幼さ」と「しゃがれ」って正反対だからね。


ということで、アルバム最後の方は色んなタイプの曲を試していますが、前半から中盤の幼さは絶品ものです。今までここまで幼い声で突き通してきた女性歌手っていないと思う。これからは本作を使って『幼な度数』を測る事になると思う。それ位にエポックメイキングな作品です。個人的には、妹/お姉さん好きの両極端のタイプの男性に聴きこんで欲しいです。特にお姉さん好きの男性はこの作品を聴いて普通になりましょう(笑

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    Tyrese&Black-TY - "Alter Ego"

    ぎりぎりのTyreseを、君はどれだけ聴きこんだ?


    先日、Open Invitationを書いた後、やっとこの作品と向き合う気になった。
    このAlter Egoの失敗で二度と作品を発表できないと思ってたから、新作を発表できるという事実は素直に賞賛できる。どれだけどん底に落ち込んでも、そこから再び浮かび上がってこれる。Tyreseがそれだけの男ならば、この問題作にも突き詰めるべき観点があるのかもしれない。まるでR.を作った後に浮かび上がってきたR Kellyを見ているよう。けど、Open Invitationのfeat. R Kellyの曲はそこまで良くないんだけど(汗

    個人的には初期の傑作、中期の傑作、後期の傑作をとことん紹介できれば、他の作品にネガティブ言うくらいならスルーしたい気持ちは大きい。けど、皆がパスする問題作こそ正面から取り上げるのは本サイトのスタンス。こちらの方が大事なラインだけどAlter Egoは辛い。この作品を正面から100回以上聴いた人って、この世にいるのだろうか?Hip-Hopとの二枚組にしたかったのは珍しいけど、とりたて問題もない。

    Black-TYという名前にしたのが問題なのだ
    なぜ別の名前をつける?なぜ同じ名前で発表できない?R&BとHip-Hopの違いは理由にならないよ。そんなに君のEgoは分裂してる?とはアルバム製作中から思ってた。というよりも、世界中のR&Bファンが思ってただろう。このスタンスに一歩引く人と逆に興味が出る人がいるならば、自分は間違いなく後者。だからこのAlter Egoは期待してました。ジャケは文句ないしね。けど、この作品を聴いて、久しぶりにゲンナリした。想像以上に酷い。ただ、彼が酷いというよりも、周囲が酷いんじゃないかと思ってた。

    周囲がいい子であることを強制しちゃいけない
    野球の斎藤佑樹だろうが、ゴルフの石川遼だろうが当然の世界。石川遼の思った以上に早い結婚話に「もったいない」と思う男性は今の若い男の基準とずれているからバブル脳ということで、無視すればいい(笑。真に根が深いのは「遼君はいい子ねぇ」と言っているオバサマ達だと思う。無理やり枠に押し込めるような態度は、善意の分だけ酷くなる。基本的に若い頃はアホで当然なのが男なんだから、適度に馬鹿をやらせるべきであって、「いい子ねぇ、いい子ねぇ」と呪文のように言い続ける母親が一番おぞましい。Tyreseがいつからそういう期待を背負っていたのか分からないけど、この世界は純粋にパスしたい。

    R KellyのR.も本人にとってもギリギリだし、誰が見ても問題作。けど、僕はあれだけ共有してたから、あの頃の音楽雑誌の全てのレビューに不満だった。「今は、ひとことも説明できない。けど、この作品こそが聴きこむべきであって、いつか時期が満ちたらこの作品の価値を言葉にしてみせる」と決めていた。そう思わないと踏み込めない世界があるし、そう思わないで踏み込むと自分も抜けれなくなる。そういう作品ってこの世にある。

    このAlter Egoに対してここまで決めている男の子は、この世にいるのだろうか?


    最初にアルバムを2枚全部流して感じたのは、

    Tyreseが一番訴えたい事ってこの2枚目の最後の曲なんだよね
    シンプルに言えばこれだけで、これが全てだと思う。けど、2006年はスルーしてしまった。今回改めて聴きこんで再び凹んだ。この曲の歌詞を探して、ひとつひとつ意味をとれって?こんなヤバイ曲に対して? そもそもOutroのくせに長すぎるんだよ。悪いこと言わないから1分ぐらいにしておけって。この曲聴くぐらいならまだ目玉えぐったHoustonのInterludeの方がマシだろ。。

    一枚目もそう。一番いいのは最後の曲で、こちらもタイトルはBetter than sexだから。
    このタイトルつける時点でちょっと危ない。いや、別にSEXが一番といいたいのじゃなくて、Sexと比較して語る視点が問題。問題というよりも貧困というべきか。だから両Diskの最後の曲だけ抜き出して2曲で連続リピートすべきなんだろうね。それは分かっているんだけど、それはさすがにパスしてた。。

    とりあえず今、書けるところまでは書きました。2006年の発売当初から積もりに積もっていたから、まずは現状を書くことにしました(笑

    この作品を発表してから5年。その期間でTyreseはどれだけ成長したの?
    その成長を実感できる曲が新作に無かったと思っている自分は、根本的に間違ってる?とりあえず、何かを言おうとする前に、この作品を聴き込むべきなのだろう。

    Deepでぶっ飛んでイカれた作品を聴きこむには、地面をはっきりさせること。何があっても揺るがない場所を見つけること。以前に「明日になったら東の空から太陽が昇るよね」と書いたけど、これは若い女性の恋愛Deepであって、この場所では使えない。今まで何をもって地面とすればいいか分からなったけど、この作品が彼が一生のうちに発表する作品の中で一番の問題作なのは誰にとっても明白。そして、この作品の五年後に再び新作を発表できた事は本気で素晴らしいと思っている。その素晴らしさは、絶対にこの作品のどこかににもあるハズ。このラインからなら、前よりも踏み込めると思う。

    ということで、改めてAlter Egoを聴きます。
    久々に長丁場になりそうだけど、近さに依存するのは若い頃だけでいい。R.、Hear My Dear、InnerVisons、マクナイト処女作。これれら全てに近かったからなぁ。けど、30過ぎたら真逆であってもやり切らなければ。ということで気合を入れたので、そのうち追加UPするのを楽しみ?にしててください(笑


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      Lyfe Jennings - "The Phoenix"

      「ネガティブ」と「泣き」が紡ぎだす後悔の心地よさ


      今日、アルバムが届いて今2巡目。

      なんなんだ、この心地よさは。R. Kellyは己のネガティブを全開に出来たのがR.で、光を出せるようになったのはチョコレートから。なぜLyfe Jenningsはこの2作目で両方出せるのだろう。5:Goodbyeは3回目のリピート

      ピアノ一本の曲は昔から特集するくらいに好き。けど、どれも綺麗なんだよね。それがピアノonlyの良さだと思ってたのに、このざらついた声は何?このざらついた声に載るネガティブと泣きは・・・有り得ないレベル。Together Foreverは好きだった。若い青年が持つ一瞬の地点=エロ零の恋愛感が心地良くて。けど、もし15の時にこちらの曲を聴けていたら、その時点で自分のネガティブを治せたんじゃないかと、そう思ってしまう位の説得力。 いかん、こういう人のせいにする態度はいかん。いかんのは分かってるんだけど、あまりに有り得ない組み合わせ。「愚かなのは俺一人でいい」という態度がど真ん中すぎる。

      Jaheimにはイイ意味で愚かさを感じない。Lyfe Jenningsにはネガティブから泣きまでの直球。それはR.にも感じるけど、あれは30歳近くの年齢感があった。Lyfe Jenningsは放火の罪で10年収監されていたせいなのか妙に年齢を感じない。まるでSisqoのimcompleteを聴いた時のようなの手触りで。

      何を求めてR&B-Soulを聴くかは、リスナー側の決定事項なんだと思ってる。色んな切り口があってしかるべきだし、何かが正しくて何かが間違っているワケじゃない。けど、本サイトの切り口は昔から変わらない。本作も17:The Riverで参照しているように、「It's been too hard Living. But I'm Afraid to Die. Cause I don't know if something is beryound Sky」 なのに、状況が好転したら調子に乗ってアホやって、男友達には散々迷惑かけて、女の娘は散々泣かして、だから二つ目の底に落ちる。それこそがR.だし、Lyfe Jenningsの声は同じレベルに来てる。

      07:Let's Stay Togetherは元歌が綺麗過ぎた分、こちらの後悔入り混じりの方が説得力がある。13.SEXは女性歌手が同性に向かって歌うのなら分かるけど、男で歌うのは珍しいね。この曲を聴きたくて買ったけど個人的には凄い感動まではいかなかった。男だからしょうがないかな。逆に15:Down Here, Up Thereはどんどん彼自身の中に入っていく感覚がナイス。

      21:More Than a Girlは男性歌手が歌うタイトルなのかと思ってついつい調べてしまった。AALIYAHとAngieとToni Braxtonか(GirlじゃなくてWomanだけど)。そんな意味ではこの曲がSEXの続きになるのかな。25:Radioもいいね。


      bmrのこの記事をみると、やっぱりそうなんだよね。MaryJ.を継ぐのがKeyshia Coleであるように、Lyfe Jenningsは王道を歩いている。誰を継ぐというべきなのか、それが分からないけど。。アホでなんぼのR&Bならば、このアホさと後悔の説得力がたまらない。R. Kellyは作曲能力が高すぎて、逆に何が王道なのか見えにくくなっている気もする。Kenny LattimoreやJavierはネガティブ無さ過ぎて、憧れるにはいいけど底からすくってくれる感覚は薄い。Joeもそうかな。作曲能力の高さと本質的な「いいひと感」は好きだけど。

      Marvin GayeやDonny Hathawayを見れば一目瞭然。もちろんAnna's SongとWe're Still Friendであって世間一般で有名な曲じゃありません。「なんでわざわざこんな曲を聴かなくちゃいけないんだよ」と言う時点で、貴方はアホじゃない。聴かざるをえないのがリアルな現実だから。

      Soulの女王を「アホ男に惚れた果て」と定義したら、それは大方のコンセンサスになると思う。けど、SoulのKingを「アホと反省の積み重ね」と定義しても、「なんでアホやるのよ」と反論されて却下される気もする。だから表だって王道とは言えないね。けどP2S2R&Bにとってはまさしく王道。Sisqoのimcompleteは1度目の底が無い分、70%程度の男性に届く。けど、個人的には1度目の底こそが欲しくて。。2度目の底にかすりもしないJaheimはそれはそれで素晴らしい。彼こそが偉大なSoulシンガー。そうであっても、個人的にはアホは少しぐらいあるもんだと思ってる。だって、おとこでしょ。

      だからこそうちのサイトぐらいは「Lyfe Jenningsこそが王道を歩いている」と胸を張って言いたい。

      いや、胸を張る話ではないね。そんなイイ話じゃない。それはわかってる。わかってるけど、このGoodbyeは名曲だと思う。28:I'll Always Love Youもそう。

      自身が浮気して別に子供を作っておいて、奥さんが他の男を作ったら我を失ってDVに発砲騒ぎの果てに二度目のムショ行き。

      「俺はこんなことはしない」と言う前に、自分の中にもそういう面が零じゃないことを見つめた上で、同じ道を歩まないためにこそ、彼の曲を聴くべきだと思っているのは事実。根源に近くなればなるほど意志のコントロールはきかない。なんでもかんでも意志でコントロールできると思う、その大前提がどっかで間違っていて、できることはこういうSoulな曲を聴きこむだけなんだと、そう思うから。


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      聴く人によって大幅に評価が変わる作品。「愚かなのは俺一人でいい」に親和性があるならば傑作になること間違いなし。個人的には3作目よりも生(なま)な感覚があって、こちらの方が気に入った。過去の名曲の奪胎度合いも最高なんだよね。単純なカバーよりも上だと思う。根本的な志向性が合致すれば、23:Stingyとかも気に入ると思う。売れ線を全く狙っていないブレの無さが最高。このジャケもそう。格好はラッパーだがこの表情は違う。3作目に近いから。ちょっと泣きが入ってるところがいいね。

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        214 - "Finally"

        「終わりの風景」を歌わせたら00'Sでピカイチ
        KarmaとRelationsの奥にあるものを掴みかけている


        以前はAmazonでmp3が買えた。今は彼らの2作目は買えてもこのデビュー作は買えない。けど、00'S以降にデビューした男性グループの中ではかなりレベルが高い。基本吼える。ガンガン押してくる。Hamilton ParkAhmirに並ぶ作品なのは間違いない。

        良曲の多さならAhmir、Power SorryならHamilton Parkで、この214はアルバムタイトルでもあるFinallyが最高。Slowを歌う時の声に微妙な陰影があって、曲の深みを生み出してる。Disk Unionで買った当初は「歌えるなぁ」ぐらいだったけど、その後たまたま出張で訪れてた時、Finallyの良さを痛感したから。

        インディーのわりにジャケが良いのもポイント高い。服装とジャケの色を適度に合わせるなんて当然のようにも思えるけど、ここら辺から適当なジャケってインディーには多いからなぁ。

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          Ruben Studdard - "The Return"

          いつだってOne Side Storyと痛感しているなら


          思いついたようにRuben Studdardを買った。デビュー作はかなり気に入っていたのだけど、続きを集めていなかったから。大ブレイクもしなかったけど、コンスタントに作品は出してる。Amazonのレビューも多くは無いが一定数のファンがいるのも分かる。結局、この3作目を買った。売れた後の2作目が良い歌手は滅多に無い。3作目でReturnを作るならば、この作品をもって彼の歌手人生を判断できる。このジャケは評価分かれるけど、まあR&Bの世界なら普通ぐらいちゃう?(笑

          1曲目〜4曲目はパス。収録曲は多いのだけど絞り込めてない。ネガティブになりかけていたけど、5曲目以降は良い曲がそこそこある。その中でも一番は06:One Sideです。One Sideというくせに物悲しいバックトラックがいい。なんていうかな、本人は相手の側に行きたいんだよね。けど、全部空回りになってる。あがけばあがくほど自分の足元に穴を掘って、そしてその穴に落ちてる。そいうドツボ感が聴きやすいラインでまとまってるから。この曲を聞かせながら「あがくな。何もするな。何も考えるな」って言ってあげるのが、いい友情なんだよね。相手の事を何も考えないのは、その時点では120%不可能なのだが、ここまで忠告されたら流石にあがくのはやめると思うから。


          相変わらずなレビューだけど、それはデビュー作のころからです(笑 アメリカンアイドル出身の割には「無害なアイドル」をいい意味で打ち壊す。本作がこの出来ならば全作揃える価値がある。

           
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            SMUV - "Grown Man"

            歳を重ねるとは「切なさ」から「やるせなさ」に変わること



            さすがに3回連続投稿は無理なので、こちらは(画像も)次回。
            「Grown Man=成熟した男」というアルバムタイトルの通り。曲数が多くて微妙に焦点を絞り切れてない気もするが、明確なコアがある。30歳以上ならすぐにでもSMUVの3作をmp3vaで買って探してみれば? 

            SMUVはR&Bファンのマスト。この3作を聴いて改めて断言できる。歌手人生全体としてIII From the Soulを越してる。Gift以降カバー曲ばっかりのAhmirよりも上。カバー曲に特に文句は無い。それがメインで無ければ。己のコアから生み出すモノが人生のメインでないと成長は無い。成長しない男はGrown Manというタイトルでは歌えない。それを前提とした上で、人の真の個性こそが「成長の志向性」。趣味なんてどっちでもいいだよ。30過ぎたからこそ「成長」なのだ。10代なんてほっておいても成長する(せざるを得ない)んだから。30過ぎて仕事を無難にこなせるようになって、そこで改めて「成長」を目指せるかどうか。

            SMUVは成長の志向性まで重なったから。
            これこそ幸せ。

            それにしても正式にはS.M.U.V.なんだよね? 略だと思うけど、何の略でしょう? そもそもなんて呼ぶの? スムッブ?

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            「切なさ」「やるせなさ」はGoogleのTOP10に来るほどウチのメイン・コンテンツ。昔は「やるせなさ」でTOPに来たのになぁ。情報が古いと判断されているのかもしれん。。ちょっとショックかも。仕事の成否も大事だけど、ずっと「やるせなさ」でTOPにくるサイトでありたかった。「反省と内省の違い」も含めて、ここら辺が自分のコアでありエゴでもあるなぁ。。
             
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              Javier - "Left of Center"

              《漆黒の欲望》の片鱗


              先週、中日(11/4)を休んで東アルプスを縦走してきた。今まで最高峰2600mの奥秩父山塊をなめてたけど、確かにあの重厚感はアルプスの格を感じた。登山中はランダムリピートしているけど、新しい気づきがあったのはFreddie JacksonとJavier。この気づきをもうちょっと温めておこうと思ったけど、コメントもらったから書きます。

               

              今となってはJavierの「黒歴史」とでも言うべきか。今年の奇跡の傑作だけでなく1stも3作目も良いので、この2作目だけが駄作。以前に書いた(下記に残しておきます)時は容赦なく書いているけど、正しい場所で正しい音楽を聴くと正しい気づきがある。

               

              何が正しい音楽で、何処が正しい場所なのか、それは人によって違うけど、30歳までに両方を明確にできた人は幸せなのだろう。朝4時に起きて、昨日の夜に作って凍った珈琲の残りを温めて、テントをたたんでヘッドランプをして歩き出す。歩いて30分もすれば明るくなって、近くの頂上まで行けばご来光。こういう場所じゃないと気づけない。作品に答えが無い場合は。

               

              そう、この作品は駄作だからこそ、この作品だけ追っかけても答えは無い。デビュー当時からJavierに惹かれる男の子は多かったけど、本作の答えを見たことは無い。自身が同じタイプなら正しい音楽だけで正しい答えが出てくる。けど、僕はJavierの真逆。20歳までに一度も「爽やか」といわれたこと無いのだから、そんなのは考えなくても分かる。そうであっても、正しい場所に行けば分かる。

               

              「求める態度が増えて、爽やかさがなくなった」

              これは全員が完全同意する本作への感想。それを前回は「求めるとはバランスが崩れる」と書いた。そのスタンスは変わらない。じゃあ、この時のJavierはどうすべきだったのか? デビュー作同様に爽やか路線の踏襲? それは違うと思う。確かに僕を含めて皆それを望んでた。あれだけの爽やかさは稀だからこそ、もう一作ぐらい聴きたかった。けど、作品とはあくまでも本人の内面に素直になるべき。

               

              この作品のアウトラインが固まったタイミングで、「分かった。お前のやりたい方向性は聴いて分かった。けど、あるべき姿から見れば中途半端な地点で留まっている。このレベルで発表するな」とプロデューサーは指摘すべきだったのだ。もちろん「ダメ出し」だけならアホでもできる。大事なのは彼が紡いだ道の先にある場所。僕がこれだけ拘るのは、言葉で表現することが先の地点の明示になるから。そういう言葉をずっと探して20年。

               

              言葉の先を示す音楽こそが傑作

              音楽の先を示す言葉 を探すことがHP/Blogを続ける意味

               

              「欲望」を濃くすると「どす黒い欲望」になる。初見だとR. Kellyは「どす黒い欲望」を歌っているように思える。彼のSEXの自己破滅感が分からない奴ほど"R."を貶してた。それに心底むかついたのが20の頃。自己のSEXをテリトリーと認識した時点で、奥底では欲望の地点を突き抜けている。けど、これは応用問題。ああいう曲が必要な男の子はBlack Musicのファンでも100人に1人ぐらい。けど、Javierは違う。あくまでも皆の憧れであるべき。

               

              《漆黒の欲望》

              これが本作の先にある正しい答え。漆黒は欲望を浄化する。普通は純白こそが浄化。だからウエディングドレスは白を基調とする。けど、これは白人の世界観なのかもしれない。ここまでを断言するのはさすがに気が引けるけど、そこまでの射程を感じた。気づいたのはもちろん04:Dance For Me

              Javier自身の自信は当時から感じていたし、サビに入る直前のSexyという響きが耳に残る。サビで一番残る単語はDestiny

              途中のBabyも良い。だから、Sexy、Baby、Destinyの3軸で歌世界が出来てる。SexyとBabyだけなら何処にでもあるけどDestinyの存在が独自性。

               

              言葉が見つかれば聴くべき曲も見つかる。

              大事なのは02:Indecent Proposal。残りは曲はこの方向性に同意してくれた人が探してください。その先も探してからUPしようと思ったけど、4thのコメントを見て考えを変えたので。

               

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                21:03 - "Twenty One O Three"

                10代最高のSorry



                06年デビューの3人組。全く知らなかったけど、半年前にSoulATFさんのチャンネルで知った。En-WikiではGospel&Hip-Hopと書いてあるけどメインはR&B。3人組なのにコーラスのレベルが高くて素晴らしい。本作発表時の年齢は分からないけど、どうみても10代。なのに04:I'm Sorryが傑作すぎる。中古が3000円を越しているのも納得。他の曲のレベルも高い。これまでも色々とSorryの曲を聴きこんできたけど、10代では間違いなく最高。自身が10代の時にこの曲がなかったのがショックと思えるならば、それは一つの判断基準。もしこの曲を聴けていたら、誰にどのタイミングで謝るべきだったのだろう?まで考えはじめると、軽く連続リピート1時間は経過する。

                何よりも曲の終わりのリードの吼えっぷりがいい。これだけ吼えれれば文句なし。単に「プロデューサーに渡されて歌ってます」というレベルじゃない。Sorryという想いと、若い時しか持ちえない勢いとの交じり合いが心をうつ。歳を重ねたあとのSorryはどうしても湿度が高くなる。この時期だからこそ、湿度30%でSorryを全開にできる。

                リード1人を2名が支える構成でない。3人とも自由にアドリブを入れている。そこもナイス。とくに、NeverNerverと入れているメンバー。いいっすよ。君の将来は俺が保障する! とまで言いたくなるぞ(笑 己の10代にSorryが必要ない人は完全対象外。Sorryが必要ならば死んでも聴くべき、というレベルまで達している。そして、その人なら、この曲だけでお腹いっぱいという気持ちも伝わるだろう。

                ということで、他の曲の紹介はまた今度。

                 

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                  鍵のかかった心の奥

                  Entity - "Locked Doors"

                   

                   

                  本人たちのベルトに鍵がぶら下がっていて、その鍵には名前が書いてある。インディー作品とは思えないジャケのこだわり度合い。けど、本人たちに鍵がかかっているのでなく、相手の女性の心に鍵がかかっていると捉えた方が良いと思う。

                   

                   

                  一番良いのは06:the right timeだね。最初の声の入り方がよい。Saturday, is my anniversaryと聴こえる。この時点で一部の人は絶対に買う。それぐらいに大切なのがanniversaryという単語。アルバムタイトル曲は最後にFeatもしてるけど、こちらの曲の方が良い。メジャーならば112のような内省感、インディーの同じKotaリストの中ならpromyscぐらいの良さ。

                   

                  幼年時代の出来事によって、殻→マスカレイド→二重人格の段階性がある。Deepすぎなく透明感をKeepしてるから殻だね、間違いなく。以前に殻については書いたけど、英語にするとLocked Doorsになるんだね。やっとわかった。僕にとっては三匹の子豚ぐらいの感じだったからなぁ。

                   

                  04:1on1が良い。企業において1on1が当然の風潮になっているけど、やっとテーマソングを見つけた。Keep Dancing Keep Movingで後でHey〜Hey〜と言ってるのが良い。曲のブリッジのRAPが良い。このRAPはメンバーの誰かだろうね。このジャケでこの服装で、曲にはFeatがついてないから。メンバーの一人がRAP担当だとグループとしての雰囲気をKeepしたRAPになるから良いよね。最近の私の仕事の20%ぐらいは現場の若手と1on1してるから、今度から部屋で流しておきたくなる。決して有名なグループではないし、2006年の本作でだけでシーンから退場したけど、だからこそ。

                   

                  07:Say No Moreもミドルの良曲。可哀そうなのは08:S.E.Xの酷さ。ぶち壊し。自分達に合ったSEXを知らないからだね。Loose Controlを聴かないと。シングルカットされない曲はどれだけオンリーワンの傑作でも、誰かがちゃんと紹介しないと文化にならない。この3人なら中学生ぐらいでLoose Controlを聴けば絶対にそれを受け継ぐ曲を作れた。それぐらいにthe Right Timeは良い。エロVC作ってたSilkよりも内省的だから。この曲もそれ以降もパス。

                   

                  12:Runningから良くなる。この曲には切なさがある。このタイトルで切なさを出せるならば、それはかなり良いと思うな。13:It's Only Youは素直さ全開の曲で、これも良い。だから正しい指針に出会えなかったことが、途中の迷走に繋がっているだけ。アルバム全体としての完成度は高い。Promyscもそうだけど、00年代はこういうグループが続かなかった。それが一番残念なことだったと思ってます。

                   

                  ーーー

                  おおDisckUnionで調べたらこんな紹介文が。

                   06年作
                  FEVER, S.E.X, THE RIGHT TIMEの主要ヒットを収録したキュートでヤングなコンテンポラリーグループ!!

                   

                  え、マジ?right timeはヒットしたの?? Youtubeで探しても再生回数があまりないのだけど・・・ この曲が当時の僕も知るぐらいヒットしてたら、ずっとサイト運営してるよ。それぐらいに名曲。

                   

                   

                   

                  0



                    love somebodyでtrue love

                    Sean1 - "Definitions"

                     

                    [2023.05.02]

                    何だ、この曲は。

                    一曲リピートを20回は越した。

                    20代の男性が歌える世界観じゃないはずなのに。信じられん。

                     

                    サビがlove somebodyで曲名が08:True Loveってマジか。この2つの架け橋が見えてるのか。それは20代のMaryJ.の深さを越してるってこと?

                    いやいや、あのどん底は越せない。マリアナ海溝の底なんだから。けど彼女はlove somebodyは歌っても、そこにtrue loveは重ねなかった。

                     

                    こんだけ聴いても全く情景が浮かんでこない。泣けない。まだ今日観たRRRの方が少しウルっときたぐらい。

                     

                    もしかして運命の恋愛の真逆なのかも。

                    だからsomebodyなのかも。ほんとか? MaryJ.はとことん1人の男性を惚れたあとのsomebodyだったけど、この歌でのsomebodyは違う。なのにシャウトには切実感。そこが僕にとっては根源的な混乱の原因。

                     

                    基本、ジャケのとおり吠えてる野郎系な作品(褒め言葉です、これ)なのに、ここまで深いのか。信じられない。この曲はオンリーワン。このシャウトはSisqoより太い。K-ciのレベルある。けど、Jodeciだろうと兄弟作品だろうと、ここまで深い曲は無かった。

                     

                    こんだけ吠えてこんだけ深くてこんだけ分からないのは生まれて初めてかも。

                    世界は広い。

                     

                    今までもKotaリストのおかげで00年代のインディーから吠えてる作品(Wayne MarshallKevin Williams)を紹介してきたけど、ここまでは初めてかも。

                     

                     

                    ーーー

                    この文章書きながらリピートして30回を超す。全く飽きなくて、全く分からん。

                    吠えてて深いのは全て分かってきた。それだけがどんなときも割れない地面だったのに。

                    世界は広いなんてクールさキープしてちゃダメだね。かなりショックです。明日は一日寝込むレベル。GWで良かった。。

                     

                    ーーー

                    00年代の最高の作品はあの3枚(Kevin Bishop, Devane, Matt)単体の曲ではココに捧げるFortuneの曲。そして本曲はそこに並ぶのか、、、分からんのに並べちゃかんだろ。2曲並べて聴くのが正しい道? 失敗すると発狂するぞ、多分。それぐらいに怖い。

                     


                    [2023.05.05]

                    先日は上記のようにあまりに一曲に引っ張られすぎてました。。

                    流石に他の曲も紹介しないとね。04:Let Me Beはかなり良い。ラフな感じのミドルでこのジャケそのままの手触り。05:For Youも良い。曲名に合わせてテンポはスロウになるけど吠えてる感覚はKeep。叫びの切なさでは間違いなくK-ciよりSisqoの方が上だけど、このSean1も良いぞ。内省さは少ないけど、切なさはかなりある。内省と吠えるはほぼ矛盾だから、やっぱりこうじゃないとね。For Youってよくみかけるタイトルだけど、途中のRAPも含めてナイス。06:Can WeはUPになって、これまた良い。ガンガンくるよりは流す感じのUP。こういうUPの曲はスピードを出さないドライブに合う。

                     

                    07:Interludeを挟んで08:True Loveだから、04-08の一群の曲は良い。アルバムで一番気に入った曲がInterludeの次にあると、素直に生きててよかったと思う。これこそがリスナーの醍醐味。09:Specialも悪くないけど、ちょっと甘々かな。捨て曲ではない。10:Lay You Downはパス。11:Has Anybody Seen My Ladyは良い。somebadyもanybadyも良いのだから、これは凄いことだと思う。一語一句歌詞を丁寧に見たいレベル。これは僕にとっては初の褒め言葉かも。。

                     

                    13:All Of Meも良い。けどここら辺になるとJaheimと同じで曲の良さというよりも歌手の声の表情をどこまで好きになったかで判断でわかれる。14:Thank YouはSpecialと同じ感じだね。15:Don't Judge Meは切なさがある。曲の置き場所がイマイチな気がするけど、Thank YouのあとにDon't Judge Meを持ってきた深い意味があるのかも。まじか・・・頭に心がついてこないレベル。

                     

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