Calvin Richardson - "When Loves Comes"

"本作がデビュー作だったら、絶対に第一線になっただろう。それ位の全方向作品”


P2S2R&Bでの取り上げ方では、マクナイトとR Kellyの次にくるCalvin Richardson。R&Bファンの間でもK-ci&JoJoの従兄弟で有名だしね。と思っていたら、実は従兄弟でなく異母(父)兄弟らしい。
以前は英語版のwikipediaに載っていたのに、今は削除されてる。。。

Calvin is the half brother of music act Cedric "K-Ci" Hailey & Joel "Jo-Jo" Hailey of Jodeci, and cousin of Dave Hollister & Fantasia Barrino winner of the third season of the television series American Idol

個人情報or偽情報だから削除になったのかもしれないけど、この記事を見た時は滅茶苦茶びっくりした。確か1stアルバムの紹介記事の中で「従兄弟」って書いてあったから。

けど、この記事を見て、なぜあの1stがあれだけ方向性を絞った作品だったのか、分かったのも事実なんだよね。結局、マクナイトの1stにしても、Calvin Richardosnの1stにしても、ひとつの方向性にとことん純化している。あの頃、それが何よりも好きだった。

マクナイトは兄が既に歌手として有名だったからだけど、Calvin Richardsonもhalf brotherならば確かにあの作品のレベルになる位に意識してしまうだろうなぁ、、、と妙に腑に落ちた。


この3枚目で、やっとCalvin Richardsonは自分自身のフルスケールを表現している。特に2:Sexy Loveがそう。Jodeciの作品に収録されても違和感ないUPだから。傑作曲じゃないんだけど。。。

3:Holla At YouこそがUPの傑作曲。今までUPの傑作曲が皆無だったRichardsonだからこそ、この曲だけでファンは買っていいと思う。それくらいにかっこいいUPです。
4:Fire In The Atticは一転してRichardsonらしいSlow。やっぱりこういう曲こそが彼の十八番だと思う。ShavaShavaも炸裂してるしね。

5は個人的にパスで、6:She's Hurtin'はタイトル通り抑えた感情が映えるSlow。バックコーラスとの絡みがナイス。7:Nobody Loves Youは6から繋がるミドルの曲。やっぱり1stでLook Likeを歌ってくれた彼らしい歌世界。こういうのが好きなんだよね。傷ついた女性対する接し方。それが素晴らしい。他の歌手のこの状況での歌詞世界はアホ丸出しだからなぁ・・・こういう曲を聴いて、初めていい男になれる。肉食系でも草食系でもない、ストレートな男。ぜひとも草食系の男の子こそ、Richardsonにハマッテ欲しいと思ってます。

8:Give It To MeもJodeciっぽいアホ調のミドル。個人的には好きじゃないが、本作が全方向作品であるのは、ここら辺の曲の存在ですね。

9:Don't Go。やっぱりこのタイトルでこそ彼の核がでる。本作が白眉です。男の価値なんて、"Don't Go"という台詞を言う時の声の表情で決まると思ってる。”愛してる”じゃなくて、”Don't Go"。こちらの方が、本人のネガティブが出ると思うから。それこそが彼の表も裏も映し出す。そして、やっぱり僕はRichardsonのDon't Goが好きなんだよね。それを実感させてくれる曲。

10:Sang No Moreは寛いだミドル。11:Make Friends With LoveはCartisの曲のメロディーラインを拝借してる。今まではBobby Womackが多かったから、珍しい取り組み。次は完全なCurtisのカバーを歌って欲しいです。

12:Daddy To My Kidsの最初の赤ちゃんの声は、彼のお子さんだよね? アットフォームな感覚が包み込んでいる曲です。


ということで、どれだけ大切な作品か伝わったかな。コア以外の全てを剃り落としたような1stも好きだけど、歳を重ねた彼にはこんな手触りの作品を一番求めてた。その希望にど真ん中で答えてくれて、凄く嬉しかったです。



L2 - "Forever"

"ジャケに似合わずかなりの美メロ 08インディーの傑作"


以前は東京に行った時には新宿のディスクユニオンでインディーを買っていたものだけど、最近はさすがにそんな余裕が無い。その代わり、ここ数年、HMVがインディーR&Bコーナを作っていてくれるので、本作も東京駅近くのHMVで見つけました。

HMVはかなりプッシュしてたけど、明らかに髭がいっちゃってるジャケで、かつ紙製。期待薄で聴いてみたら、目から鱗の出来でした。ジャケを直せば、もっとヒットすること間違いなしです。確か、曲が追加されてメジャー?から再発売されたハズですが、そのジャケがこれ。バックの風景以外は変わってない。。このアップは本人のいたっての希望なんかなぁ・・・。私が持っているのはインディー盤なんですが、ご紹介します。

1:Love Your Mindが一番の傑作でしょう。声も高音の細めで、見た目と大違い。声に色気が少ないのも意外というべきか。誰に似てるかなぁ、、、うーん。すぐに思いつかないです。彼の声とバックの音の相性が良く、この一曲だけで買えるレベルになってます。2:Time,Attention,Affectionも同じ系統。3:All I Can SayはちょっとHip−Hop寄りだけど、聴かせる曲になってます。インディーとは思えないほど、完成度の高い曲が多い。4:I Lose Itもそうだね。プロデューサはいい仕事します。

確かメジャー盤では有名なプロデューサも参加してたような、、、けど、インディー盤でも十分に満足できる内容です。6:You Should Knowも出来が良い。1曲目に近い曲だね。全体的にDeepな曲が少なくて、それがアルバム全体の聴きやすさを作ってる。7,8は合わないのでパス。9:Some of This Lovingも良い。10:Woman's intuitionが一番暗い曲かな。「女性の直感」ってタイトルじゃ、Deepになるに決まってるか。

11:Led You Onも推します。12:Still in Loveは80年代のバラードのような大味タイプなんだけど、結構聴かせる。やっぱりアルバムの最後の方にはこんな曲を収録してくれないと。2008年の作品の中では、かなり聴いてました。再発売された時は、曲が追加されていてショックだったが、もっと有名になるだけのポテンシャルがある作品なのは間違いないです。
 



John Legend - "EVLOVER"

"ギターの構え"


左手はポケットに突っ込んでいるようにも見える。けど、02:Green Lightを視聴した瞬間に、「ピアノじゃなくてギターに変えたんだね。だからUp-Middleの曲が多くなったし、このタイトルにしたんだね」と感じた。個人的には逆さに見てもギターを持ってるポーズに見えるけど、皆さんはどうですか?

って、本当にエレキギターが曲で使われるているのか分からない。どちらかというと、ベースの気もする。だから単にピアノを弾いているイメージから脱却したかったんだろう。個人的にはドラムを叩いてる姿でもいい気もするけど、ドラムは嫌いなのかな。

確かに1stと2ndでピアノの路線は十分突き詰めたと思うから、そろそろイメージも楽曲もチェンジする頃でしょう。けど、普通の歌手はここでコケルんだよね。3枚目が売れなくてシーンから退場した歌手の多いこと。だからこそ、このアルバムの楽曲の良さは彼の才能の証左。あと+3枚は確実に作れるね。

2,3曲目が押し気に満ちたUPで、とにかくカッコよい。発売当初に買って以来ずっと車で流してた。3:It's Overを聴くとKanye Westのすごさも感じる。4:Everybody Knowsからトーンが落ち着いてくるのに、曲の連結感がいいんだよね。アルバム一枚全部を新コンセプトで埋めれる訳じゃないし、今までのファンを裏切らない曲も必要だけど、普通の歌手の3作目は新しいコンセプトと今までのコンセプトの間で断絶がある。その点で、この4曲目はすごいと思う。

5:QuicklyではBrandyをfeat. 仲いいのかな?この曲もボトムの音の使い方が上手い。やっぱり才能あるなぁ。ある意味R Kellyぐらい多様な曲を作る才能があると思う。ここでのBrandyはいい味出してます。6:Cross The Lineはいつもの彼らしい曲。ここまで引っ張った後なら、Evolverだよ。HPからBlogに変えた自分自身も参考にしたいです、ハイ。

7:No Other Loveも前作までに続く曲。哲章さんが言うように、自己の才能への確信度とでも言えばいいのかな。「自分の文体を確立している」のもあるし、何よりも自分の文体のKeepすべき点と、変えるべき点を分かってる。そう実感できる程のレベルの能力。今のご時世、単に確立した文体に固執しても3作は持たない。確立すればするほど、身動きが取れなくなるから。

ここまで引っ張って引っ張って、やっとピアノが登場の8:This Time。 うーん普通は我慢できなくて4,5曲目ぐらいに持ってくるのになぁ。8まで伸ばして、そこまでを飽きさせない作りが素晴らしい。曲としての感銘度で言えば処女作を越す曲はないし、どん底恋愛感もない。けど、最近はそんなタイプの曲を求めてないから、あんまり気にしてないかな(笑

ピアノの後は今回のテーマである太い低音の曲。普通ならピアノ曲連続になるのにねぇ。学校の教材にしても良い位のアルバム構成です。こうやって合計10作以上は作れそうな偉大な歌手の歩みを同時代で聴き続けれるのは幸せだね。僕はR Kellyやマクナイトをほぼデビュー時からずっと聴き続けてたけど、John Legendの方が聴きやすい。今の子は幸せです(笑

10:Take Me Awayが、実は一番好きです。2,3曲目はUPとして好きだけど、今までの彼と今回の彼が一番よい割合で混ざってるのは本曲だと思う。このドラムというより太鼓の音が、妙に彼の声にマッチしてる。不思議と優しさを感じる音で、彼の心情世界にあってるね。

11:Good Morningはあんまり合わない。欠伸しながら出してるような声の気がするから。12:I Loeve, You Loveもそう。これを心のボトムから出していると言われると、自分はやっぱり認めないかもね。曲はいいんだけどね。こういうフェーズでの彼の声の表情は苦手。もうちょっとざらついてないと。まるで傷口が腫れて来たような感覚で、抉られた跡が見えない。それが一番の違和感かな。次回はKeyshaとデュエットしたらどうでしょう。

と、最後にネガティブを書いてしまったけど、色んな意味で傑作。2ndが合わなかった身としては大満足でした。






Keyshia Cole - "A Different Me"

突っ走ったいじらしさの完成形 【祝!R&Bの入口認定】


ぶっ飛んだ恋愛を歌わせたら00年代の歌手でピカイチのKeyshia Cole。デビュー作のDeepさでKelly Priceに並んでいたし、2作目でもテンションが持続していたけど、この3作目は完全にマス・マーケットにアピールできる内容になっている。ジャケも1stから段階的に改善されてきているしね。

Deepな歌手といっても、作品を重ねる毎に一般ウケする曲も歌わなくちゃいけない。その時、コアなファンからの支持を勝ち得るか?そこが一番のポイントだと思ってる。個人的には最初にこの作品を聴いて「売りに走ってる」と思っちゃいました。だから数ヶ月棚に置いてたんだけど、何故か気づいたら"Please Don't Stop Your Love"と鼻歌してた。やっぱり3:Please Don't StopはUPの傑作です。誰でも聴けるタイプの曲ながら、声が重い。軽い人がUPを歌うとアホ丸出しになるからなぁ。そんなオコチャマUPは中学生専用でいいです。大人も聴けるUPってのは、この声の重さこそが何よりも必要。

KeyshiaのオーバーワークすぎるPassionがやっと全員に伝わる形になって凄く嬉しいです。ぶっ飛んだ恋愛になってしまう人って中庸が無いんだよね。「迷ったら走る」 だからこそ、どんどん悪くなっていくんだけど・・・。そんな性格がUPの傑作曲になるとはね。感激です。

1:introは声の表情に余裕を感じる。今までの作品はずっと追い詰められた雰囲気があったし、だから一般ウケしなかったから。2:Make Me Overは吼えあげる歌いっぷりが素晴らしい。今までの作品はどん底で吼えてたけど、こうやってカッコいいMiddle-UPな曲で吼えるのが大切です。

4:Eroticは歌詞の割りにエロさを感じない。逆に声に少しずつ悲しみが見えてくる。単なるエロさより、奥底に悲しさが見える方がDriven Me Crazyになる。5:You Complete Meの素晴らしさ。この曲からSlowテンポになるのだけど、ここまで素直で明るい曲は初めてじゃないかな。1,2作目にこのレベルは無かった。Keyshiaのいじらしさまで表現されていて、Slowの名曲になっている。

この曲の良さを痛感して、「確かにUPからSlowまでの全方向作品になっている。どんなタイプの人も聴けるし、聴きこむほどにSoulまで行ける」と思った。R&Bの入口にはBeyonce以来、追加するつもり無かったのにね。けど、この作品は自信もって薦めれます。

6:No Otherは再びUP。とことんな恋愛をしちゃう人って、ポイント・ポイントで突っ走って吼えるんだよね。それがそのまんま表現されています(笑 7:Oh-Oh, Yeah-Yeaも凄い。曲の最初のcreepin' creepin' aroundの歌詞の部分で、どん底までの声を出す。浮気しまくっている彼氏をcreepinと表現するセンスも凄いが、ここまでの泣き声を見せられると気持ちも分かる。特定のフレーズになったら、ガツンと底が見えるのもMaryJ.直系の証だね。

8:Playa Cardz RightはバックのRapがいい味だしてます。本曲は相手を説得しようとしている感情が見えるけど、説得できなくても相手に尽くすんだろうね。そんな好き度合いが見えるのも気に入っている理由。もうちょっと相手の受け留め方を意識して行動すればいいんだけど、それが出来ない。そもそも、それが最初から出来ていればここまでの結果になってない。Keyshiaもそこまで痛感してるかもね。

9:Brand Newのタイプの曲をまさかKeyshiaが歌うとは・・・かなり驚きました。5:「明るい&いじらしさ」だったけど、この曲は「透明感&いじらしさ」が表現されている。デビュー作から本作まで完成度が高い作品を発表している点だけでなく、本人自身が前に向かって歩いている。それが一番素晴らしいし、この点が一番表現されているのが本曲だと思います。

10:Trustは肩の力を抜いたような感覚がいい。声にも痛みが見えないしね。こんな明るさだけの曲があるのも全方向作品と思う理由。11:Thought You Should Knowも曲のレベルが落ちてない。関係者はいい仕事してます。12:This Is Usも彼女には合わないと思える種類の曲だけど、思った以上にFitしてる。普通の女の子が歌って映える曲をこれだけ歌えるようになった事。おめでとう!
13:Where This Love Could End Upは再びUPだけど、個人的には前半の曲を薄めた感がするかな。それより14:Beautiful Musicの方が声と感情の幅が広くて、メロディーもアレンジが聴いてる。MaryJ.の曲を一部サンプリングしている気がするけど、思いつきません・・・


はっきり言って、00年代に16-20歳の若者でKeyshiaの良さが判らない人は、90年代にMaryJ.の良さが判らなかった若者と同じ位にDeepなSoulに縁が無い。けど、普通の女の子がKeyshiaのデビュー作をいきなり気に入る事なんてありえないからなぁ。だからこそ、3作目でこれだけの全方向作品を作ってきた事が感激です。この作品はUP-Slowまで揃った作品というだけでなく、聴きこむほどにKeyshiaの抱えるSoulに近づく事が出来るから。個人的には本作を聴きこんで、やっとぶっ飛んだ恋愛になってしまう女性のタイプが明確になった。

‘佑蛋る
△い犬蕕靴
自問自答する

この3つが揃っていれば、確実にぶっ飛んだ恋愛を糧にするSoulな女性です。,世韻覆薀▲曚世掘↓´△揃っても明日はやってきません。前に向いて歩くにはこそが何よりも必要だから。本作は,鉢△見事な形で表現されているけど、が傑作曲になっているワケではない。所々に片鱗が伺えるけど、親和性が高くないと見つけれないだろうね。だから、そんな人ほどデビュー作も2作目も聴いて欲しいです。この3作の歩みこそがの一番の証拠になっていると思う。

本当に大事な事は、歌でなく人生全体で表現されるから。そのレベルまで共有しようと思ったら全作を聴くしかないから。別に恋愛至上主義なBlogでも無いけど、せめて作品相手には突っ走って欲しいと思ってます(笑




Ahmir - "The Gift"

00年代最高の4人組


07年ぐらいに新宿のDisk Unionで買いました。インディー作品だけど、かなりの傑作です。そもそも00年代に4人組がデビューすること自体が稀だけれど、本作は90年代に発売されていても確実に売れたと思う。それ位にレベルが高い。だから買った当初にHPに書いた気がしてたけど、改めて探したら見つからなかった。おかしいなぁ。

最近、Amazonでも購入できる事を知ったので(横の画像をクリックしてください)、改めてご紹介します。私が持ってる作品は全20曲で曲順も微妙に違うので、Amazonで買える作品は08年発売の再編集盤だと思います。ジャケもタイトルも同じだけどね。両者の収録曲の違いに言及しながら、基本は持ってる盤の内容で紹介します。(元盤の曲順は必要ないと思うので省きますね)

The Wedding Songの良さ。この一曲で買い決定間違いなし。YouTubeでも見れるので、これを聴いた瞬間に注文してしまうのが正しいR&Bリスナーというものでしょう。

曲が良くて、リードが良くて、コーラスが良くて、なおかつ黒い。まさしく08年の結婚ソング
Jagged Edge等の過去の結婚Songと並ぶだけの傑作になっている。

このアルバムにはThe Wedding Songと同じレベルの曲が多数あるから、アルバムとしても傑作だと思う。アルバム前半はMiddleからUPの曲で、後半はSlowで攻める。両方ともレベルが高い。Le's Get Thisとかね。再編集盤で1曲目に持ってくるのも頷ける。個人的にはWatch&Learnの押しの強さも好きだから、再編集盤で本曲が外れた理由が不明かな。Welcome To my Partyもタイトル通りのノリになっててナイス。Right to Leftもちょっと抑え気味の歌い方がいい。個人的にはタイトル曲のThe Giftが一番惹かれないかも。

The Wedding Songに続くSure I'D Likeが良いんだよねぇ。サビでの黒いシャウトがたまらない。この2曲の時点で、買ったことを後悔しないと断言できる。傑作アルバムはinterludeも良い事が多い。これも常識だし、本作のForeplay(interlude)もお勧めです。「やるせなさ」にこだわる本サイトとしてはWho Ya Gonna Callも激押し。やっと最近、「やるせなさ=切ない無力感」と定義したけど、この無力感がタイトルに明確に表現されているね。

Cloud9も良曲。個人的にはアルバム後半のSlowの良さにより惹かれています。Indian Giverは主旋律を担当するピアノとリードの声との相性が良い。アルバム全体として、幸せな雰囲気の曲よりも、トーンが低い曲が多いと思う。それをこの声で歌ってくれると、それだけでガツンとハマってしまう。「底でSlowで吼えまくる」それが個人的に好きなR&B

Don't Quitは清涼感を感じるから、曲の連携も良い。このタイトルを、重さを突き抜けた後の軽さで表現できる、そのグループとしての深みがたまらない。そりゃねぇー誰でもずっと底にいるわけじゃないのだから。4人組のデビュー作といえば、JodeciやBoyzIIMenやDru Hillとか傑作はたくさんあるけど、彼らのデビュー作と同じレベルです。そう断言できる作品。

Honestlyも良いinterludeなのに、なぜ再編集盤では選出されなかったのだろう? この吼えっぷりの良さ。そのままNo Black&Blueに繋がる流れの良さ。2曲まとめて省いた再編集盤は代わりによっぽど強力曲をいれたのだろうか。

Overと諭してくれる事
諦めの悪い男への追悼歌がShe's Over Meです。今まで聴いてきた膨大な作品にこのフェーズってあったっけ? 「無かったから今まで諦め悪かったのか!?」と人のせいにしてしまう位に傑作です。今後、振られた男友達に恋愛相談されたら、間違いなく本曲を薦めます。諦めるといえばマクナイトの1stも該当するけど、あの方法論が通じるのは20歳以下だけだから。本作には大人の哀愁があって、30過ぎても心に染みること間違いないです。

諦めの悪いアホな男って、僅かな可能性を見ちゃうんだよね。だけど、「100歩譲って、君が見えてる僅かな可能性が事実だとしても、それはOverを完全に受け入れた後に初めて開く扉だよ」と言わなくちゃ。まったく、タイムマシンが完成した日には、確実に本作を持って10年前の自分自身を殴りに行くね。いや、聴きこむほどに15年前の気もしてくる。曲を聴きながらここまで感じる事が初めてだけど、それだけガツンとくる曲です(笑 曲の閉めが中途半端なので、そこだけが残念。

True Loveも明るさと清涼感に溢れてて素晴らしい。ホント、P2S2の傑作基準にこんだけ合致するアルバムも珍しいと思う。本曲のドラマチックな展開が最終曲に相応しい。Outroの締めもナイス。

Angel 、No Place Like Homeは再編集盤のみにある曲です。タイトル的に両方惹かれる・・・2曲のために買い直すか、そこが悩みどころの今日このごろ。






Keith Sweat - "Just Me"

Keith Sweatの完成形


98年のStill in the Game以来、「売れるスタイル」と「個人的なスタイル」の間で迷い続けてきたKeith Sweat。あれから10年目、2008年の本作でやっと一番良い場所を見つけた。96年のセルフタイトルが好きで好きでたまらなく、今でもTwistedやNobodyを聴くたびに「あの時代は良かったなぁ」と感慨深くなる人ほど、本作を聴いて欲しいと思ってます。

"Still in the Game"以来、"Didn't See Me Coming""Rebirth"と迷いが多かった作品だったけど、この"Just Me"はそのまんまのタイトルどおり彼の完成形です。そんな意味ではR KellyのChocolate Factoryと同じ位置にある作品だね。

01:Somebodyから売れる音&売れるノリ&売れる声だから。セルフタイトルのファンほど、この曲で「10年待ったかいがあった」と感じるでしょう。そして02:The Floorを聴いた瞬間に作品を購入すること間違いないです。それ位にあの頃のKeithらしさが出てる。03:Girl Of My Reamsもノリの良いUp-Middleだから。KeihのUP-Middleの傑作といえば96年のJust A Touchだけど、それとタメはれる

上では「売れるスタイル」「個人的なスタイル」と書いたけどもっとシンプルに表Keith奥Kiethで良いと思ってる。表Kiethの傑作がセルフタイトルで、その中でも白眉はやっぱりTwistedかな。奥Kiethの傑作はStill in the Gameだし、白眉は間違いなくI'm Not Readyです。そして本サイトはずっと奥Keithを追っかけてきた。というよりも、「誰も褒めないI'm Not Readyの良さを訴える」のはHPを作った理由の一つだから。

その立場からみても本作は声に作為的な面を感じない。それが96年のセルフタイトルと違う。だから奥Keithの立場でもとことん聴ける。そうそう、奥の方が価値が高いとはこれっぽっちも思ってないです。表と奥なんだから惹かれるファンも90%と10%の割合だろうし、奥Keithだけを聴きこむ人はお世辞にも良い境遇とは言えないでしょう。R.にはまるのと同じで、お奨めできる状態じゃないのは確か。

04:Sexiest Girlも表Keithらしいエロエロのタイトルだけど、声はかなりストレート。本作を聴けば、今まで奥Keithが合わなかった人も、その世界が見えてくると思うよ。05:Butterscotchの良さ。この女声から始る展開こそが表Keithの王道なのに、しょっぱなから奥Keithの声で吼えまくる。この曲こそ、この10年間ずっと作れなかったものであり、これこそがKeith Sweatの完成形です。

06:Me and My Girlもそう。勢いとエロのある声なのに、奥の方に泣きと真面目がある。そいういうKeithが好き。これこそリアルな男の姿だ。07:Suga Suga Sugaもタイトルだけで買っていいね。こういうバカなタイトルは好きです。セルフタイトルに収納されてもおかしくないから。08:Never Had a Loverはタイトルからも分かるようにちょっと奥の部分が多い。けど、あくまでも売れるラインをKeepしてるのが素晴らしい。09:Love You BetterはKeyshia Coleを連れてきてます。彼女も歌っている割にはDeep過ぎないのがびっくり。

全体的に曲のレベルが高い。点数つけたら90点オーバーは間違いないレベル。良い曲が多いから迷うけど、本作としては05:Butterscotch一番とします。この女性はfeatもついてないけど、非常に良い歌いっぷりをしている。Keithの吼えっぷりが心地よく、この曲こそが奥Keithを追っかけた者として認めるKeithの完成形。14:SSSHHHは妙に気になっています。ちょっと不思議な曲だと思う。そういえば、このジャケはあまりセンスを感じない。もうちょっと歳相応の渋みを出しても良い気もする。若作りはしてないけど、妙に年齢不詳な顔だね。そこもちょっと不思議かも。

ちなみに、もっとファンの方にひとつだけ。
お蔵入りになった2006年の"Welcome to the Sweat Hotel"。基本的には今回のJust Meの方が上で、お蔵入りにした判断は正しいと思ってる。奥Keithの割合が強すぎて、《押し気》が根本的に足らない。分かりやすいのが08:The Sexiest Girlかな。今回と非常に似てるタイトルなのに、こちらの曲は聴いてて欠伸が出てくるから。ただ最終曲のSomething Is Everythingは凄い。この歳を重ねた深みはStill In the Gameの収録曲には無かったレベル。ファンならこの曲のためだけに買う価値があると思ってる。そんな意味では、R Kellyのお蔵入りになったLove LondのYouと同じだね。なぜ彼らはこういう真のSoulを感じる曲をお蔵入りのままにするのだろう? 収録しようと思えば、それぞれ次の作品に収録できるだろうに・・・・。ここら辺がずっと謎です。

something is everything
とことん泣き声なバックの声はKeith Sweat本人?たたみかけるようなバックコーラスが優しくて、Keith自身の人生の総決算のような趣がある。「何気ない事が、その後の人生の全てになる」とでも訳せばいいのかな。あの当時は何気ないと思ったことが、実は一番大事だったと後から気づいた状態を歌っていると感じる。YouTubeで聴ける間に、トコトン聞く事をお奨めします。この曲こそがKeithの人生の総決算。奥Keith派として、断言できるな。





Chante Moore - "Love the Woman"


結婚の偉大さ part2


Chante MooreとKenny Lattimoreのアルバムは結婚後1作目が最高で二作目がレベルダウン。Kenny Lattimore自身の結婚後のソロ作品はカバー集であまりピンとこなかった。Chante Mooreの結婚後のソロ初作品となる本作は、このジャケから以前と同じトーンだと思って全く期待してなかった。

ところがその予想を見事に裏切ってくれる傑作です。アルバムの最初は以前と同じ方向だけど、後半になるに従ってどんどん良くなる。Kenny Lattimoreのような内省的なボーカルが彼女得意の高音と共に溢れ出してくる。この手触りこそが今までの彼女に無かったものであり、Kenny Lattimoreからいい影響を受けているんだなぁ、、、としみじみ感じる。個人的には「夫の偉大さ」と言いたい所だが(笑、伸びたのはもちろんChante Mooreだから。ということで、結婚1作目の続きでこの一言コメントにしました。彼らの結婚後に聴くべき作品はこれら2作で間違いないです。そうそうEn-Wikiが更新されていて彼女の誕生日が載ってました。Kenny Lattimoreと同い年なんですね。

3:Specialの凄さ。このボーカルワークは初めてKenny Lattimoreを聴いた時のような静寂と温かみを感じる。さすがサディークのプロデュースだね。最近はサディークの作品は追っかけてないけど、相変わらずレベルが高い曲を作る。昼に似合う爽やかさに加えて深みのある曲になってる。
1stシングルの4:It Ain't Supposed To Be This Wayも彼女の成長が見える。ムーディーな曲なのにミニマムまで削り込んだ色気が逆に男の気持ちを引っ張り出す。これまでのChante Mooreは色気が過剰気味だったからなぁ。それをサービス精神と受け取るか、う〜ん、、と受け取るかで男性陣は二分されていたが、この曲が全ての男性を捕まえれるラインです。「《過剰な色気》と《つれない態度》が私の勝ちパターン」と思っている女性(ここまではいないと思うけど・笑)は聴きこむと別の世界が開けると思うよ。

5:My Eyesも抑え気味に軽く歌う姿がいい。全体的にタッチが爽やかなんだよね。そんなアルバムの性格が一目で伝わるような、水彩画の絵をバックにしたジャケにすべき。この服のセンスも?だし、ジャケ担当者は失格でしょう。6:Give Me Timeはミニー・リパートンのカバーだそうです。確かにChante Mooreは高音が良く出るからいいカバーになってると思う。ちなみにこの渋い音ってホントにハーモニカなの?

良い曲が多いから悩むけど、7:Do For Youを個人的には一番としたい。タイトルから一目瞭然なKenny Lattimoreへ捧げた曲なのだけど、追っかけるとChante Mooreの強い意志が見える。「私達は一緒にいるべきだ」という意志こそが結婚生活を続けるものであり、愛じゃないと思うな。結婚生活って恋愛の延長線だけじゃ3年持たないと思うのだけど。幸せいっぱいという雰囲気じゃないから、結婚式というよりも結婚記念日に流すのをお勧めします。そうそう自分の結婚式ではChante Mooreの1stのListen to My Songを流したから、そういう意味でもChante Mooreのことは好きだよ。プロデューサのAntonio Dixon-Eric Dawkinsは今後注目せねば。

通に有名なジェイミー・ジャズとシャンテの共同プロデュースが8:Love The Womanです。個人的にはГ筬の方が好きだが、この曲も良い曲です。同じく二人が作った9:Love Actionの方がシャンテの高音が映えるマイナー調のミドルなので、個人的にはこちらの方が好きです。10:First Kissは本作の中で一番明るい曲だと思う。もちろん他の曲が暗いんじゃなくて、深いだけなんだけどね。11:Guess Who I Say TodayはJazzボーカリストのカバーらしいけど、確かにJazzっぽい曲ですね。ジョージ・デュークのプロデュースというのも納得。

12:Love Fell On MeはDo For Youよりも愛の感情があって(タイトルの単語で一目瞭然だが)、こちらは結婚式でも流せる曲だね。歌巧いなぁホント。Chante Mooreってここまで歌が巧かったのか、、とびっくりするぐらいのボーカルパフォーマンス。それを引っ張り出した製作陣もすばらしい。

ということで緑も赤も沢山ですが、個人的にはChante Mooreの最高傑作だと思います。

彼女の作品は全作持っているけど、ちゃんとした紹介は遅れているので、取り急ぎここに追加していきます。



92年発売の1stのPreciousは若い頃の色気があって、本作でファンになった人は多いと思う。個人的には同時代で聴けず、社会人になってから中古で買ったけど、非常に良いアルバムです。持ってない人は今すぐにでも買う価値がるぐらい良い曲が揃ってる。

90'S前半にデビューした女性のソロ歌手で高音が綺麗な歌手って? うーん確かにChante Mooreが一番だね。だからこそこれだけ長く続いているのだろう。この1stの中で一番の曲はKeith Washingtonとデュエットした07:Candlelight and You。R&Bのコンセンサスだと思う。それ以外では、04:Finding My Wayかな。若さのいい面が出てる。寛ぎを感じさせる部分もいい。

03:It's Alrightは凄く90’S前半を感じるなぁ。ちょっと声が幼いのがポイント。アルバムタイトルの02:Preciousは個人的にはうーーん。05:Listen to My Songは落ち着いた曲でメロディーも声もサックスも良いから。

06:As If We Neverもかなり好きです。歌手の幅を感じるな。Youtubeでの歌いっぷりを見てもっと好きになった。よくよく見たらジョージ・デュークのプロデュースか。どうりでサックスが出てくるワケだ。この曲の存在がJazz畑の人たちへの最初のアピールになるのかな。08:Who Do I Turn ToはUPで今から聴くと流石に時代を感じる。09:I Wanna LoveはMiddle-UPでかなり良い。10:Sexy Thangもかなりお勧め。

11:Because You're Mine BeBeのプロデュースとは珍しい。このバックの声はBeBeなの?切迫感が全面に来ている本曲は、離れていく相手へ繋ぎ止める想いに満ち溢れている。
喩えていえば以下のようなシチュエーションじゃないかな。
お互い怒鳴りあって電話を切って3時間後。
このまま何もしないで3日経ったら完全に戻れない地点に行くことは気づき始めた。
相手への不満を並べて嫌がってたけど、やっと意を決して走り出す。
なのに駅についても電車はぜんぜん来ない。
そしたら余計に頭のどこかで「急げ急げ急げ急げ」と声が聞こえてくる。
その声を曲まで昇華した。

マクナイトの傑作1stもそうだけど、YoursやMineと言う時点で恋愛は終わりの方向に歯車が完全に噛み合っているんだよね。あとはその歯車の数と回転速度の違いでしかない。ぎざぎざの数が違うと、自分が一回転してる間に相手は二回転している。そういう違いも冷静にならないと見えてこないのだけど・・・一番救いが無いのは"You're Mine, I'm Yours"でバランスが取れていると思う男。こういうアホは死んでも治らない業があるから、生きてる間に泣きながらSoulを聴くしかないです(厳密に言えば、Soulだから泣いた?泣いたからSoul?どっちもありかな)

この曲はBecauseまでついているから、かなりヤバイ状態だね。もっとはっきり言えば、You're Mineと思うからこそ恋愛は終わるのだけど、それは10代や20代前半では分からないのかもね。けど、いいじゃん、Mine,Yoursの世界で。下手に踏み込む勇気が無いよりは100倍マシだよ。もしかしたら、その先に道があるかもしれない。

けど、ぶっちゃけ、この曲の先には答えは無い。この曲には問題意識しかない。けど問題意識が最初の一歩で、それが無い人は何処にも行かないから。だから、この曲を聴きこむ人は問題点を薄々感じ始めている。それはひとつの希望だよ。この先の真の答えはあの曲が表現しているけど、それは流石に言いません。すぐに聞いたらアホ男は直らないからねぇ。このBlogを全部読めば見つかると思うので頑張ってください(笑

ということで、同時代的に聴けなかったのでHP時代でも取り上げいませんでしたが、このアルバムは80点、いや11曲目を考えると90点オーバーでもいいのかもね。





Chante Mooreの2作目:A Love Supremeですが、今までも聴いてたつもりだったけど、表面をなぞってただけって事にやっと気づいてます。Chante Mooreに対する哲章さんの評価が高いのが謎だったけど、この2作をちゃんと聴きこんだら確かにこの結論になるね。高音部分はTerry Ellisを感じさせるし、低音部分はSadeを感じさせる。両者ともタイプは違うけど、それぞれ同性も惚れるR&B-Soulの女性の理想像なのは間違いない。そんな彼女らを足して2で割った地点があるの自体がびっくりだけど、これが素直な結論。

同 時代に聴いたのが3rd:The Moment is Mineで、01:If I Gave Loveのダークチャイルドの曲が印象的だったけど、本作はガツンと惚れるレベルでは無い。4th:Exposedでは01:Straight UPがデュプリのしゃばり曲でパスしてたからなぁ。真の彼女のレベルを知らないで、5th:Love the Womanの紹介をしてたと痛感してます。今まで男に媚を売ってる面がパスだったけど、それはChante Mooreの真の姿ではなくて、単なる3rd,4thのプロデュースの間違った方向性ということね。。ごめんなさい。これは「結婚の偉大さ」というよりも「よみがえった魅力」というべき世界。

3rd4thはそれぞれ哲章さんのレビューに全面同意なので、今はパスしておきます。

2作目:A Love Supremeの中では、5:I'm What You Need、6:Your Love's Supreme、7:Old School Lovin'を推します。それぞれタイプは違うけど、間違いなく名曲。それにしてもこの7のVCはジャネットのイケメンVCと同じやん(笑 Chante Mooreもそういう年頃だったのね。8:Free/Sail Onが一番Terry Ellisに近いかな。この曲もお勧め。同じ曲名の13:Slow DanceはTerry Ellisの方が断然名曲だが。重さと深さを感じる14:Am I Losing Youもなかなか。15:Thou Shalt Notはう〜ん。

「通りすがり」さんに教えてもらったChante Mooreの離婚もびっくりだったが、それもふまえてKenny Lattimoreには傑作を期待してます。






ASA - [asha]

金曜夜はこの感謝感に浸りたい → 優しい気持ちになれる


 [2011/11/18]
フード・インクが見たくて仕事帰りに新橋のTUTAYAに寄った。とりあえず音楽コーナーにも行ってぶらぶらしてた。その時ついつい手に取ったのがASA - [asha]です。R&B-Soulの向かいのコーナーにあったけどアフリカ出身ならジャンルは問わない。新作がPUSHされてたけど、やっぱりデビュー作から聴くべきでしょう。

これ、いいです。

いま、一回通して聴いて、アルバムリピート中。色んな意味でアフリカらしさを感じる。ファンには悪いけどエリカ・バドゥはパス。アフリカ回帰の志向性を持った歌手は他にもいるけど、この歌手ぐらいにアフリカで育った期間が長いと肩肘張ってなくていいね。フランスでデビューならCorneilleと比べたくなるけど、あまり似てる感じはない。歌詞カードをみると詩には特に感銘は感じないのだけど、曲と彼女の声には何かを感じる。Sadeからお洒落を抜いた感覚でちょっとびっくり

「私は、美しくポジティブなものが黒い大陸から生まれる出ることを世界に示したい」
とCDの帯には書いてあるけど、もっと自然体。1982年生まれだから発売時は26歳か。アリシア・キーズのデビュー作とまでは言わないけど、もうちょっと隠し切れない野心が見える方が安心するんだけど、この感覚は何? 聴きこむほどに後ろに控える大きな黒い大陸を感じる。その分だけ、彼女自身は自然体なんだよね。彼女自身が圧倒的に黒い大陸にコミットしているからこその説得力とでも言うべきか。

何よりもアルバムの後半部分を気に入った。アルバム後半の一般受けしない曲にどんどんハマっていって、気づいたら一度も「→」ボタンを押さずにアルバムが終わったことに気づく。なんでこんなにすんなりくるんだ?4:Subwayの悲哀感が心地よくて、ここら辺から彼女にのめり込んでいく。だめだね、これが入口になるのは。分かっちゃいるけどやめれないことってある。何より彼女の悲しみには内省感がある。この内省感がアリシアの時より心地よい。マクナイトのデビュー作をカバーしたぐらいにアリシアも内省的であろうとしているけど、やっぱり本作ぐらいに素で、なんとなく内省的な方がいいのかも。続く5:Fire on the mountainもいい曲です。Deepな曲の次こそが冬から春への歩みだと思っているので、その点でも合格点を軽くオーバーしてる作品。シングルカットされてHITしたのも納得。CDからネットに移行して音楽のジャンルの垣根が今まで以上に下がっている。Black歌モノと決めてきた立場からはちょっと寂しい気もするけど、こういう歌手が若い人の間でHITするならあんまりネガティブに考える事も無いと思う。

9:Peaceも凄い。このタイプの曲をこの説得力で歌えるのか驚愕。10:So Beautifulもかなりいい。こういう曲を聴くと、この先も歌手として伸びると思う。Mamaに対する曲はゴマンとあるけど、この曲はTOP3には入るね。所々に民族音楽のようなメロディーに変わるのも面白い。11:Ibaもいい。歌詞カードは「タイトルのIbaはヨルバ語で感謝に相当する。詩の大意は人生や美しいものごとや、全てを与えてくれた神様に感謝を捧げます」としか書いてなくて具体的な歌詞は紙面の都合で?全て省略してある。けど、この曲が一番いいかも。個人的には一番ツボにはまった。日本語盤のボーナストラックがアルバムの中で一番気に入ったのって?うーんリスナー人生で初めてかもね。

最近はありがたいことに休日出勤が無いので(週末に電話で呼び出されませんように・笑)、金曜日夜の零時以降はこういう曲をとりとめもなく聴くのが、かなりハマル。金曜日の夜に、仕事が終わったことを感謝する。一つ小さな贅沢をして、今週の仕事で生じた事わだかまりを消していく。そんな生活スタイルを理想とするならば、このIbaは必須です。新橋の飲み屋でもいいかもしれないけど、さすがに金曜夜に終電まで仕事すると終電の酒臭さと混み具合に気が滅入るからなぁ。って、他のスタイルにとやかく言う気もないので、こちらはこちらで良い形にしていきたいだけだから。

じゃあ問題は「小さい贅沢」だね。なんかのスイーツでもいいのだけど、そうだなぁ、34歳の素直な気持ちとしては白州と南アルプスの天然水がいいな。9月にせっかく北岳に行ったしね。水もそこらで売ってる水じゃなくてあの山小屋の水で飲めたら幸せだろうなぁ。旨い水に感謝する。そういう一番プリミティブな所から一つずつ積み重ねて。この曲を聴くと、そういうラインから感謝したくなるんだよね。

静岡東部にいた頃はあれだけ富士山に登っていたのに、今はかなり北岳を気に入ってます。やっぱり火山由来の山と造山運動由来の山は違うね。富士山はやっぱ円錐が基本だし、日本で一番大きい山だけど性別としては女性だと思う。主神がコノハナサクヤヒメだしね。そしたら北岳はこの彫りの深さが男なのだ。火山由来の山が噴火で崩れるのとは違う、このプロポーション。下山後からずっと壁紙にしているから。およ、今、見に行ったら新しい写真もあるじゃないですか。こちらもいいねぇ

なんかとりとめもなく書いてたらズレてきたけど、この曲の感謝感にハマった。Motherへの曲と神への曲はR&Bの基本なのにね(汗 金曜日の夜に家に帰ってから仕事自体に感謝をするのは、恥ずかしながら社会人10年目で始めて知りました。とりあえず次の週末までに酒屋に行かねば(笑 そういや8年前に友達と山梨観光旅行に行った時、白州蒸留所のウイスキー紹介コースを体験したんだよね。興味がある人はオススメです。

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[11/19追加]
感謝感という意味では、06:Eye adabaも凄い。現地の言葉で歌う時ほど凄い。今のアフリカでも実際に歌われているのだろう民族に根ざした音楽をそのまま召還してる。バックの楽器は民族楽器じゃないけど、この声は直接繋がっているから。そういうスタイルだから僕らにもすんなり入ってくるんだろうね。



[2012/02/24]
仕事が忙しかったり、早く帰っても家で他事してたりで、実際に金曜日の夜にゆっくりこの作品を聴き込んだのって、この3ヶ月で3回ぐらいかも。。久しぶりに聴いて、この作品のレベルの高さを痛感してます。前よりももっともっと好きになっているし、やっとこの作品の真価が分かったから一言コメントも追加します。こんなのBlogで再開してから初めてだ。

単に仕事の愚痴を解消するために聞くのはもったいなすぎる
コメント欄に少し書いたけど、今週は色々あった。怒られると覚悟してた部分は想像の中で一番軽い対応で終わったし、逆に完全に問題なく終わったと思った年末の案件で穴が見つかって。その上、普段の日常業務でもポカミス。

Misery loves company.
初めてこの歌詞を見た時まったく意味不明だった。「ミザリーさんは会社が好きです??」 あのSisqoの吼えっぷりとこの歌詞の関連が不明すぎて・・・「不幸は仲間を呼んでくる」だと知ったのは数ヵ月後。なんでか知らないけど、悪い時に悪い事って重なるんだよね。あれ以来、僕はこういう時にこの英語の言葉が浮かんでくるようになった。これだけでどの曲か分かった人は、真のSisqoファンとして認めちゃうね。

この世の事である限り愚痴を言い出せばきりが無い。
複数のメンバーが一緒になって仕事をする限り人のせいにしてもきりが無い。
だから自分が一番悪いと言われると結構辛い。
こういう状態だからこそ、この曲の真価が分かった。この曲は愚痴を解消してくれるだけでなく、聴き込むほどに優しい気持ちになれる。その理由が謎だったけど、やっと分かった。

虐げられた大陸
奴隷貿易がアフリカ大陸に与えた影響。社会の発展に必要な一定数の就労人口。アジアも植民地にされた場所が多いけど、奴隷貿易によってアフリカの人口ピラミッドの形がひょうたんというより砂時計に激変した影響度を世界はもっと意識すべきなのだろう。昔、そんな本を読んだことがある。

Asaは世界に対してアフリカ大陸を訴えたがってる
その気持ちは彼女の全身で感じる。なのに、ネガティブがゼロなんだよね。これは「褒めるべき」とかでなく驚嘆すべき事実だと、やっと気づいた。どれだけでもアフリカの不幸を訴えれる立場なのにそんな部分が微塵にもない。そういうのって自分自身にネガティブがあって初めて分かるかもね。同じ立場なら絶対に一曲はアフリカの悲劇性を訴えた曲を入れると思う。それが当然の権利であり、すべきことだと思い込んで。

そんな面が全く無い。「私は、美しくポジティブなものが黒い大陸から生まれる出ることを世界に示したい」という言葉どおり。その素晴らしさは03:Biranke、05:Fire on the Mountain、06:Eye Adabaに特に感じる。「背負った」という志向性でこれだけ感動するのはJaheimの処女作以来かもね。あの作品も幼年時代のネガティブが全て優しさになっていて聴いていて泣けてきたけど、この作品も同じぐらいに価値が高い。



あ、しまった。ついつい感動して書き始めてせっかくの白州を飲んでない。といようよりも去年の11月に早速買ったのにまだ封を切ってない。まあそれだけ仕事がそれなりに回っていたという事にしよう(笑 これを書き終わってUPしたら飲みますわ〜。そうそう上ではああいう風に書いているけど、純粋に自分のミスです。責任をもっている部分は何人で仕事しようと責任を持っている人のミスです。逆に責任者にミスを押し付けられる事も社会人でよくある事だと思うけど、この10年感じた事無いかも。そこから感謝すべきかもね(笑



Lyfe Jennings - "Lyfe Change"

「変えなければいけない人生」という幸せ


「懐が深い」というのはどこまで褒め言葉なのだろう?
「清濁併せ呑む」じゃないけど、「懐が深い」という言葉はヤクザの親分にも使われる。Lyfe Jenningsの経歴を見ると確かに「懐が深い」という言葉こそがピッタリ来る。これだけBlack Music歌モノにハマッているけど、「懐が深い」という形容詞は初めて見た気がする。昔から業の深い歌手が好きだった。けど、業の深さは愚かさと同じ。そこからの成長が懐の深さに繋がるのかもしれない。

特徴的な声をしている。しゃがれ系。JaheimやAnthony Hamiltonと比較しても独自性を持ってる。個人的にはヘタウマWyclef Jeanに一番近い気がする。アルバムを最初に通して聴いた時から「これは当たりかも」と思った。アルバム2回目の2:Keep On Dreamingの時点で三回「←」を押して、観念してリピートボタン。

この圧倒的な説得力はJaheimのデビュー作を聴いたときに近い。あの時は自分自身のガキさを痛感して泣けてきたけど、Lyfe Jenningsは違う。愚かさゼロのJaheimの正反対。抱えている以上の《愚かさ》と《光》を見せられると、やっぱり一つの勇気が生まれてくる。「このままじゃヤバイ。変えていかなくちゃ」と思ったことって何度あったけ? あまりに数が多いのは現実の改善に結びついてないからなんだろう。それであってもこの10年で探してきた結果はBlog2に書いた。

◆最低半年間続かない事は、人生において誤差
◆「自分自身を変えたい」と3日以上思うな
◆のうだま やる気の秘密

こうやって自己の体験から一つずつ言葉を作り出す。でも、それを積み重ねて俺自身はどうなった?
守ってないよね。いつになったら体重62kgをキープできんのよ。筋トレもヨガも英語もそう。そもそもBlogの時間減らして何やってんのさ、全然進めてないじゃん。休日は古武術の稽古も再開する計画だったよね。このまま35になっていいの?もうすぐ人生半分終わるんだよ。

そうであっても、なかなかうまくいかない。せっかく時間を作ったくせに、休日がくるたびにどんよりしてて・・・だからこそ2:Keep On Dreaming。タイトル通りの志向性の曲なのに不思議とサム・クックのKeep On Movin'とは違う。3大偉人の中でもSoulを司るサム・クック。けどKeepがMovingと結びつく時点で僕には遠い。最初の一歩にビビってMovingすらできてないから。Lyfe Jenningsは違う。KeepがDreamingと結びつく。これが「側に来てくれる」という感覚。この曲を聴きこむと妙に《幸せ》を感じるんだよね。

「変えなくちゃ」と思える時点で一つの強さ。
「変えなくちゃ」と思える場所にいる時点で一つの幸せ。
変えなくちゃいけないような人生であっても、ここまでやってこれたのだから。
本当にすり切れるぐらいに忙しい時は変えなくちゃと思う余裕すらないから。


この歌は逆からも聴けると思う。
他人からみたら「変えるべき」なのに本人は気づいてない。ならば、突き詰めが足らないんだろうね。「いつまでそんなことやってんのさ」とアドバイスするよりも「もっとヨゴレになれよ」と言った方が伝わるんだと。そこまでいえばこれ以上やる根性もないのに反省する勇気も無い事実に本人が気づくかもしれないから。

一つの歌を聴き込むことで「変えなければいけない人生という時点で幸せ」と「もっとヨゴレになれよ」の両方の言葉が浮かんでくる。この時点で名曲だし懐の深さの証左だと思うけど、同意してくれる人はどれ位いるのだろう。

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ちなみに現時点では07:Cops Upもヘビロテ。バックコーラスとの対比がかっこいい。この2曲の時点でマストバイな作品なのにAmazonでの中古の値段は500円を切ってる。ありえないコストパフォーマンス。個人的にはこのKeep On Dreamin'には値段はつけれない。もし僕以前にレビューした人が此処まで書いてくれたら1万円でも出せる。もっと出せるかもしれない。いや、値段換算で良さを伝える態度は大嫌いなので、35になるまでにこの曲の良さを証明できるように、上記に書いたことを頑張ります。
今はそれしか言えません。




Big Bub - "Tug Of War"

傑作の基盤には歌手自身の恋愛スタイルが必要


ある意味、当然のことかもしれない。
「同世代派」でなく「コンセプト派」の歌手にとって、歌というものは掘り下げれば必ず何処かで歌手自身の地層にたどり着く。同世代派は掘り下げるとその時代の社会という地層にたどり着く。けど、傑作の根本には歌手自身の個性が必要。誰がカバーしても、元歌を越せない。それこそが本当の意味での傑作なんだと。

HPを作り始めた01年と比較して、一番評価が変わったのが、このBig BubのTimelessです。だからこそ以前の書いたものを丸ごと保存している。両方読んでもらえたら分かると思うけど、本質的には同じなんだよね。変わったのは、歌手自身にどれだけ親和性があるかだけ。

All Alone by the Phone
この歌詞を聞くたびに浮かぶ情景の両極としてCarl ThomasのGiving You All My LadyとBig BubのCall Meがある。僕だけでなく全ての人にとって。それだけの悲しみと○○だから。このBig Bubが表現する○○を、未だに僕は言葉に出来てない。。

歳を重ねてあれほどTimelessを気に入ったのに、ネガティブは書いてる。
こんなに良い作品なのに、昔の自分は分からなかったし、巷でもそこまで話題になってなかった気もする。その理由を再検討すると、尖がった部分が少ないからかな。恋愛面での深みが無いのも、名作の条件から外れる気もする。

尖った部分としての、恋愛面での深みに該当すのが「歌手自身の恋愛スタイル」です。だからこそ先日書いたように色々準備してMp3va.comで手に入れて、本当に良かった。2作目のNever Too Lateは三千円以上に値上がりしてたのに収録曲はイマイチだった。この黒髯危機一髪のような格好のジャケは判断に困るが、Youtubeで聴いた時から傑作だと感じた。アルバム丸ごと聴いて、この05:Can I Hold UこそがBig Bubの個人的恋愛スタイルだと思うあれだけ気に入ったTimelessだけど一曲だけ取り出して100回リピートする曲は見つからなかった。このCan I Hold Uはいける。アルバム全体として切実感が増えて、いい意味で個性が溢れている作品だけど、05:Can I Hold U?はその中でも最高。

何故なのか、まだよく分かってない
けど、男性歌手の個人的な恋愛スタイルが見える曲は、突き詰めると《泣き》が出てくる

たとえば特大ヒットしたUsherのConfessionsでもそう。あの中で一番Usherの個性が出ているのはCan U Handle IT?だと思うし、あれも泣いている。いや、泣いてないね。ごめん、「吼えてる歌」に限定させてください。吼えてる歌は突き詰めると泣き声が見える。じゃあCan U Handle ITは? あれは「つぶやいてる」から。ここら辺はもうちょと曲が増えないとわからないし、根本が叫ぶじゃなくて呟くタイプの人間の事は、俺は一生分からないかもしれないが。

このTug of Warは2枚組みの作品で、CD2も良い曲多いんだよね。二枚組みの両方ともが傑作って、R. KellyのチョコレートとHappy Peapleぐらいじゃないか。太い声の時点で、歌手としてはBig BubはR Kellyよりも色気があるしね。このCD2の07:Renew My Mindもいい。この曲は歌いっぷりがすごいから、聴けば誰でも分かると思う。曲の殆どがシャウトで組み立てられているから。

このアルバムにどれだけ入れこんでいるのかは、このためだけにVISAデビットカードを作った事実で伝わると思うけど、想像を越す出来の良さだった。好きな男性歌手はリストに溢れるぐらいにいるけど、基準は‘眈福↓Deep、B世だ
だから。ファンには悪いけど、本作を持ってBig BubはIII from the Soul - Big Jimを越した。ソロ作のCommitmentの時から感じていたけど、Time Waits For No Oneを聴いて思った。これについてはこちらで書いたので。

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[04/06]
気に入った曲をメモっておきます。
01:It is What It isは作りが普通だからTimelessに近いね。02:This Thingからレベルが上がる。
03:Have U Seen Herから押しが強くなる。04:Downsizeは結構メロウ。05:Can I Hold Uはやっぱり緑。先日は「泣き」と書いたけど、懇願の方が近いかもね06:Take It Offもいい。08:U And Iもオススメ。09:Let U Goも好き。赤以上、緑未満。うーん、今後オレンジで(笑 13:Sailingはオススメ。

Disk2では02:Father Houseはちょと意外。女声がいい味出してます。04:Stonesは面白いタイプの曲。はっきり言ってTimelessは曲の幅としては狭かった。なんでこの3作目ではこれだけ広くなったのだろう。05:Soulはかなりいい。07:Renew My Mindはサビでトコトン吼えている切実感が好きで。「やるせなさ」が出てる。

結構、Youtubeで聴けるので、それで判断していただければいいと思います。そういえば、Mp3va.comは今の標準と比べてちょっと音圧が弱いような。。他と揃えようか迷ってます。



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