Devin Morrison - "Bussin'"
『手の中で仕事をするな』
間違いなく才能はある。Ayakoを聴けば情熱もある。スラムダンクは日本の国民的マンガだから、Ayakoを聴いてBlack Musicに興味をもって、彼のアルバムを聴いて一気にリスナー層の拡大 とまで夢想したのに、このアルバムは何かが足らない。
別にうちのサイトが評価するような恋愛軸や内省軸じゃなくてもいい。単にayakoレベルの『本気』があればいいのに、他の曲にはそこまで感じない。Black Musicのファンならば絶対に評価する。けど、全く興味が無い人を振り向かせるには情熱が足らない。想いを感じるのはアルバムタイトルのBUssin'。あとは完成度の高さが逆に欠点になるレベル。
「手の中で仕事をするな」という言葉は『プロフェッショナル仕事の流儀 コンシェルジェ:阿部佳』で知った。仕事をこなすスキルは十分にある。合格点だし誰からも文句を言われない。けど、本人の実力ならまだいける。何より最高を目指してない。あくまで仕事としてこなしてる。そんな時に使ってた。
もちろん内的衝動を最優先させると、どれだけ才能があってもDevanteみたいになっちゃう。けど、歴史に残るのはDevanteの方。あの志向性であれ以上はない。そう断言できるほどの極北感だから。
ほんとAyakoは傑作なんだよね。一曲分の長さは無いのに溢れる想いがある。どうしても晴子じゃダメで、綾子じゃなくちゃいけない。それがストレートに伝わる。ダブルヒロインというには無理があるし、どうみても晴子の方が人気があるだろうけど、それでも綾子という衝動。それが綾子のファンじゃない身でも心地よい。だから部内のメーリングリストに「面白い作品見つけました」って流した。会社でYoutubeにリンク張って職場全員にメールしたのは初めて。この曲なら8割には響くと思ったから。その8割にアルバムを薦めたら、全員とは言わなくても半分以上は気に入る。そんなレベルの作品であって欲しかったけど、この作品じゃ無理だと思う。。
02:With YouとかFt. Joice Wriceで、女性ボーカルを上手く使っているし、ほんと非の打ち所はない。05:The Call(407)もそう。曲のレベルは高い。けど、それはあくまでもBlack Musicの文脈の中だから。大ヒットするためにもっとPOPS寄りにすべき、とかは思ってない。大事なのは自己の素直な衝動を昇華させることだから。実質的な最後の曲でありFTがない分だけ個人寄りな11:Love Yourselfについて。ここでもう一歩踏み込んで欲しかった。全て本気じゃなくてもいい。実質11曲の作品だから3曲あればいい。それだけなのにな。。
- 2019.05.12 Sunday
- 2019
- 22:18
- comments(2)
- trackbacks(0)