Joe - "Signature"

"ファン歓喜の傑作"


Joeジャケ写真 「やろうと思えばいつでも出来る」と言うべきか、「やっとシーンが一巡した」と言うべきか。
5thのand then...以来、迷走感があったJoeの作品だけど、本作は彼らしさ全開で来た。彼自身のコメントでも「いつでもこのトーンの曲は作れるんだ」と言いたげな態度が微笑ましかった。

哲章さんも言う通り、R Kellyほど多才でないのだから、下手にシーンの動向に色気を出さず、ファンに直球ストレートなアルバムだけを作って欲しいと思ってます。

けど、実際問題としては、毎回同じトーンにする訳にもいかず、内面性を出しても上手く伝わらず、ここ5年以上、彼は随分と悩んで苦労してきたと思う。3作目My Name Is Joeの頃が一番、アルバムを作りやすかったんじゃないかな。けど、3作目から9年経って、やっとシーンが一巡したと思います。この間にシーンから退場しなかった事こそが一番賞賛されるべきなのかもね。

このジャケの時点で傑作だよ。相変わらず、アルバムタイトルに名前が被さってる。Better Daysの頃と変わってないないなぁ、、、って思う。けど、あの頃よりもJに躍動感があるね。

1:Magicを聴くだけで原点回帰した事が分かる。特に3:Very Special Friendがいい。昔と同じトーンだけど、あの頃には無かった歳を重ねた味を感じる。全体的に寛いだ感覚が特にいい。ファルセットに透明感が出てる。そ れが昔と一番違う面だと思う。90年代後半は良い意味でのエロエロさがあったからなぁ。それも嫌いじゃなかったけど、この曲での声の表情の方が好きです。

4:Friends Don't Let Frinedsが3作目のI wanna knowに一番近い気がする。けど、やっぱりこの曲でも寛いでいるんだよね。日本に限定すれば、マクナイトよりもR KellyよりもJoeのファンの方が多いと思う。それが実感できる作品になっているのは確か。

5:Worst Case ScenarioはいつもよりゆったりとしたSlow。こんなテンポが遅い曲は珍しいなぁ。いつもならアコースティックギターを持ち出して、個人感が溢れていたのだけど、今回はあくまでも綺麗にまとめてる。曲がいいんだよね。今までも作れそうで作れなかったタイプの曲だから、本曲こそがそれがJoeの歩みの証左だね。

6:Wanna Be Your Loverも曲の始まりから段々明るくなってくる展開が秀逸。純粋に明るい声を出すようになったなぁ。7:Miss My Babyはちょっと手触りが違う曲。3作目"My Name is Joe"の後半で試みようとして上手く行かなかった表現だと思う。あの時は個人的に振れすぎて、曲が重くなってたから。

今回、一番びっくりだったのが、8:Come Get To Thisです。Marvin Gayeの曲を参照したような曲の作りは、今後の曲作りへの展開を思わせる。今後もSoulの名曲を単純なカバーでなく、Gordon Chambersがやったように、こうやって取り入れて行って欲しいです。曲の終わり方もバッチリだね。

9:Metaphorもいい。スパニッシュギター?で曲が始まるのだけど、Joeらしい雰囲気をKeepしてるから。10:Lovers Greatest Episodeも良い曲です。他の傑作曲と比べるとちょっとパワーダウンだが、十分に良い曲だと思う。

11:Sensitive Loverもサビの大きく広がる明るさがいい。アルバムの締めとしてふさわしい曲。

ということで、実質11曲の作品ですが、捨て曲がゼロ。今までの作品と比べても、傑作アルバムだと思う。どんなタイプのJoeのファンであっても、Top3の中には絶対に入ると思います。個人的には、
All That I Am
Signature
Better Days
の順かな。それぐらいに気に入りました。そういやsignatureというタイトルの曲は無いんだね。今までの作品と比べると、ちょっと意外かも。
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    Smokey Robinson - "Time Files When You're Having Fun"

    "大御所、渾身の作品"


    今までSmokey Robinsonの事はあまり知りませんでした。唯一"Intimate"を持っているだけだったし、あの作品は感銘を受けるという程では無かったから。本作は哲章さんが◆つけてたから買ってみました。

    1:Time Filesから感激もの。この一曲だけで買う価値があるし、IsleyのEternalと同じ輝きが出てる。それ位に凄い作品だと思う。アルバム全体を通して聴く と、色々なプロデューサを連れてきたIsleyの方が曲の粒が揃ってる。けど、完成度と深度で見れば本作も同じレベル。今までSmokey Robinsonを聴いた事が無い人も、IsleryのEternalやO'jaysの"For the Love..."を気に入るなら、本作も絶対に気に入ると思う。それ位の出来です。ガキ以外の全ての男性にお薦め!

    2:Don't Know Whyもいい。声の優しさではロンより上だね。O'Jaysも優しい声だけど、Smokey Robinsonの方がピンとしての色気がある。どうしてもO'jaysは大人の男達の空間であって、女性に働きかける面が弱かったと思うから。女性が部屋にいる時に流すには、本作が一番かもしれない。

    3:Girlfriendはmiddle-UPな曲。結構良い曲です。程よいチェンジオブペースになってると思う。4:You're the One For MeはJoss Stoneとのデュエット。かなりの完成度に仕上がってます。彼女も良い味を出してます。最近、方向性が混乱している彼女だけど、こうやって大御所とのデュエットでこれだけ歌えるなら、将来は明るいと思う。

    5,6は個人的に合わないのでパス。7:That Placeから同じ手触りに戻ってきます。8:Love Bathは重いストリングの音が印象的な曲。9:Whatcha Gonna Doは暗めの曲。8,9は女性と一緒にいる時に流すのは難しいかもね。10:Satisfy Youは穏やかなSlow。

    11:You're Just My LifeはIndia.Arieとのデュエット。何度か流していてやっと気づいたのだけど、本曲は4曲目のデュエットよりも上だと思う。曲調が落ち着いていて、とっかかりのパンチ力が無いのだけど、明らかに本曲の方が深度がある。タイトル通りのフェーズだけど、大御所しか歌えない深さがある。この曲こそは「大御所、最後の恋愛歌 - "Weddingを挟んで、初恋の対極にある曲"」に登録できるレベルだと思う。まさかデュエットで達成するとはね。それこそが一番凄いのかも知れない。

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      Darien - "If These Walls Could Talk"

      "Marvin Gayeの明るい面を継ごうとしてる"


      たまたまHMVに行った時に強力Pushしていたので聴いてみました。店の宣伝文句はSoulという言葉を安易に使っていたけど、確かに使ってしまうレベルの作品になってる。この明るさはMarvin Gayeの明るい曲に似てる。個人的にはRemy Shandに近い歌手。彼を気に入っていた人なら、Darienも気に入ること間違いなしです。

      店では日本盤を推してたけど、値段的に輸入盤を買いました。日本盤の方が曲順をブラッシュアップしているけど、そこまで収録曲に差は無かったと思う。1:Just Can't Waitの時点で確かに明るいSoulです。ここまでツボにはまる明るさって、いそうでなかなかいないタイプの歌手だと思う。

      2:Goneはパス。3:Composureもいい味出してます。声のトーンもいいんだよね、曲に合ってる。Remy Shandは2作目を作れてないので、ぜひDarienには頑張って欲しいと思ってる。4:Where It's Atも落ち着いているんだけど、やっぱり素が明るいんだよね。二十歳前後の男性に一番お薦めのアルバムの気がします。どんなタイプの男でも、こういう手触りの作品を1作ぐらいは持ってないとね。

      5:Showyaも同じトーン。気に入る人には気に入るタイプの曲だと思う。6:My Doorの良さ。やっぱりSoulを継ごうとする限り、内向性は外せません。My Doorというタイトルの良さ。こういうタイトルの曲を作れない歌手は、個人的に期待しない。

      その点で、Darienは素晴らしい。そしてこの曲は最高。自分の中を突き詰めて、それと同時にDoorを作る。それこそが18-22歳で一番必要な事だから。この曲を聴くと、男でも女でも彼の内面を覗いてみたくなるような錯覚に囚われる。本アルバムの中でこの曲をNo1としたい。なんか妙に羨ましいんだよね。僕も二十歳の頃、こんな手触りが欲しかった。あの頃、こんなに参考になる作品って無かった気がするんですけど・・・・この明るさはJavierに近いけど、彼よりもSoulを参照してる感覚が強い。Javierを気に入った人にもお薦め。

      7:Sail Thruもレベルは持続してる。中盤に山場のあるアルバム。8:Love Revolutionを聴くと、JavierのSong For Your Tearsの方が上だね。まだ恋愛を底からすくってくることは出来てない。9:Tha Roadはまあまあ。それより、10:Nowhereがお薦め。こういう曲を聴くと、やっぱりJavierよりSoul参照感があるね。イイ曲です。このブリッジ?のギターカッティングがいい。才能あるなぁ。コーラスとの被せ具合もたまらない。曲作りの能力としては、本曲が一番感じる。

      12:Saturdayは個人的には合わないが、悪い曲ではない。13:All Kinds of Thingsもそこそこ良い。アルバムタイトルの13:if These Wall Could Talkは曲としては惹かれないのにタイトルに惹かれてる。面白い視点。

      「人生の壁にぶつかった時、その壁と話し合うような態度」は内向的ながらも暗くはない。
      このタイトルを紡ぎ出した時点でマストバイなアルバムです。今後の作品が楽しみな歌手。なんやかんやで内向性が無いと真にはまらないタイプとしては、彼の良さを満喫してました。最後の15:Seasonsもお薦めです。ピアノがバックにして、サビは最後の曲にふさわしい両手を広げたような曲だけど、通常のPOPSに陥らない良さがある。1st verseの語りかけるような、メロディーラインと声が好きです。


       
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        Angie Stone - "Unexpected"

        【注】 そこまで感銘を受けなかった作品は一言コメントもジャケ画像も無しにします。ここに書くのはメモ程度だと思ってください。もちろん、感銘を受けれなかったのは、歌手に対する私の受け止め方が画一的なのが原因だと思ってます。もし作品をもっと評価している人がいらっしゃったら、コメントでもトラックバックでもいいので、ぜひ教えてください。


        前作の方がこれまでのAngieの歌世界に近かった。本作は彼女自身が言う通り新しい面を打ち出しているけど、それが合わなかったです。en-wikiで確認すると、チャートアクションも良くなかったみたいだね。じゃあ一般的にも満足度は高くなかったのかな。

        個人的にシンプルに言うと、彼女が表現すべきはBlack Diamondを継ぐ世界だと思う。幾ら僕がDeep好きといっても、Angieはこれまでにもう十分に表現してくれているのだから。そろそろ別フェーズに行くべきだとは思ってた。けど、それはやっぱりBlack Diamondに連なる曲群なんだよね。本作はBlack Diamondで緑をつけた曲のような感覚がない。特にあの作品の中の一番、No More Rainと同じレベルに行っている曲が無いんだよね。だから、リスナーは不十分さを感じてしまうんじゃないかな。

        道を究めた人ほどフェーズを変えるのが難しいと思ってる。これまで20年弱聴いてきた感想として、こんな時に大事なのは「私か貴方」が主語の歌世界から出ていけるか?だと思ってる。姪っ子に向けて歌うような、そんな手触りの曲が今のAngieに一番合っていると思うんですが、どうでしょう。Mahogany Soulから9年経てば、もう歌わなくちゃいけない部分は残ってないよね。自分だって、あの時のMahogany Soulに助けられてここまでやってきたけど、さすがにもう「振り返らなくちゃいけない部分が残っている」とは感じないから。
        というのが、純粋に個人的な感想です。

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          Case - "The Rose Experience"

          Open Letterを潜り抜けた先にある、寛ぐ歌世界


          Open Letterから8年、随分と長かった。色んな意味で難産だったのだろう。"The Rose Experience"というタイトルを見た時点で発売前から期待してました。ジャケをみて、さらに期待度UP。ジャケと作品レベルの関連性は、歌手の年齢に応じて比例していくと思って間違いないです。デビュー作なら、歌手は若い&エゴもあるから、ダメダメなジャケでも傑作の時もある。けど、30歳過ぎてジャケが悪いなら、それはもう駄作間違いないです。

          逆にジャケが良ければ、それだけで買っていい。
          何よりも、ジャケでの表情が大切。今まで以上の地点に辿り着いたような・・・そう、このジャケのような表情ならば、予約して買う位のレベルです。

          Open Letterに対して最終的に「どんな場所にも光は差し込む」と書いたけど、本作は午後2時の陽の当たる公園を思わせるような、明るく寛いだ雰囲気が印象的。


          01:Be That Manから傑作曲。前作で身につけたフレージングを使いながらも、明るい。この明るさはOpen Letterを聴きこんだ人ほど、感激できるレベルだと思う。ピアノから始まる02:Loverlyで深度が増すんだよね。それに合わせてCaseの声が幼くなっていくのが驚きのような・当然のような・・・不思議な感覚。

          個人的には03:Deja Vuかな。リズムが聴いてるから。04:Betcha Don't Knowでは声に説得力が増えているのがいい。本当、Open Letterと対になる傑作アルバムです。Amazonで中古:7666円の値段が付いているのはびっくりだけど、その値段だけの価値はあります。Open Letterを気に入った人は特にそう。Open Letterだけしか聴いてないのは、片手落ちってレベルじゃない位の大損失です。それ位の傑作なのにチャートアクションの結果がついてこなかった事について

          「本人としても階段を登っている&昼に似合う寛ぐ曲がある」のに失敗した作品といえば、私は真っ先にBobby BrownのForeverを思い出します。あの作品でBobbyは退場してしまったから、Caseの事も凄く心配です。

          両作品ともHipさや押し気が少ないから、二十歳以下にこの歌世界は伝わらないと思う。チャートが悪くなるのは若い人に売れにくい作品だからだと思います。逆に言えば、ポイントはCaseを全く知らない30歳以上が聴いた時の感想になる。だけど、ある程度話題にならないと、そんな人たちが手に取るチャンスさえ生まれないから。そんな事を考えると、「社会人になって5年以上、責任のある仕事が多くなって、たまの休日も仕事の事を考えてしまうような・・・ビジネス環境の変化等に翻弄されて、人生的にも踊り場に来た感覚を持っている人たち」というコンセプトをちゃんと定義して、そこに本作を登録すべきなのかも。

          じゃあ、このご時世、「○活」って名前にする必要あるね。
          うーん、何がいいかなぁ。
          愁活→うっ、意味不明
          中活→うっ、中学生みたいだ

          シンプルに「ロストジェネレーション世代への応援歌」でいい気もしてきた。
          Open Letterが出た01年頃に入社して、09年に本作が発売されて・・・うん、ピッタシな気もしてきた。

           そういえばロスジェネといえば、「ロスジェネ世代の叫び」っていう連載は面白いのでお薦めです。
           企画(友達繋がりで本音を聞く)自体が面白いし、所々に見え隠れする著者自身の愚かさ&素直さ
           &後悔度合いに、親近感を感じているのかも(笑

          06:Turn Me Onは個人的には合わない。逆に07:I Can'tは好きです。何故だろう?I Can'tって言っているのに、聴き込むほどに勇気をくれる面があって、まるで奥底ではI Canと歌っている気さえしてくる。「Can'tといえる事自体が、ひとつのCanなのだ」という部分まで踏まえて出来た曲だからか。それにしてもこの曲の低音を再生するのって、結構難しいと思う。スピーカを変えて、やっとマシに聴けるようになった。でもまだソリッドな音になってないかも。

          裏ジャケも良いんだよね。このジャケの表情を見ていると、「人はこんな風に歳をとるべきなんだ」と教えられる。en-wikiにも年齢が無いけど、Caseは一体、何歳なんだろう? 知っている人はぜひ教えてください。10:Smileは終盤を思わせる明るい曲。こういう曲が大味にならならい時点で傑作です。

          雨音から始まる11:Waintingはレベルが高いInterludeです。10曲目以降のinterludeでこのレベルになるなら、全曲傑作と断言できるね。ここから更に高みにあがる事間違いなしだから。トーキングから始まる12:Can I Beの曲の良さ。メロディーラインよりも、声の表情だけで決まる曲。この曲を聴かせる曲に出来るのが、偉大な歌手の証左。

          13:Can't Believeが一番、悲しみに詰まった声の表情をしている。この曲だけはOpen Letter直結。曲の最初の、嗚咽or呻きとでも言えるような、声。この声の中に入れる事。それこそがOpen Letterを聴きこんだ証です。9年経って聴くと懐かしいような感覚があって、これこそが哀しみのような気がしてくる。懐かしい悲しさ/悲しい懐かしさ。Caseは悲しい懐かしさかな。そして、14:Place to Stayになる。

          澄み切った寛ぎ

          Deepを潜り抜けた先の澄み切った寛ぎこそが、僕がR&B-Soulを通して一生かけて追い求めているもので、MayJ.の最高高度:Ultimate Relationship(A.M.)にも繋がる曲になっている。けど、こっちの方が居場所が多いかな。それは同じ男だからかな? この曲が本作の、そしてOpen Letterも含めた上での、最高曲です。

          本曲に完全に浸っていたら、午後の陽光の色のような蓮の花が浮かんできた。HP時代からずっとページの一番下に蓮の花を置いているけど、本当の心象風景とは色が違うという事を、やっと分かった。WWFUを締めるのも大事だけれど、人生において本当に前に歩いた実感は、この作品を聴き込む事から生まれた。アルバムの完成度と達成度で言えば、05年以降でTOPだと思う。それだけの価値のある作品です。

          本レビューを書いた後に、蓮の写真の色を変更しました。やっと納得いく色になったと思います。バックの緑と青も深みがでて、個人的に大満足です。

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            Brian Mckngit - "Evolution of a Man"

            Evolutionとはいかないけれど・・・


            P2S2のスタンスとして、今まで発売された全作を持っている歌手であっても、新作が発売されたら絶対に買う訳ではありません。巷の評判と試聴結果とジャケから判断する歌手も結構多いです。けど、特別な歌手に関しては問答無用で買います。そして、もちろんマクナイトは問答無用で買いました。このジャケには期待できなかったけど、タイトルには惹かれたしね。

            けど、個人的には後一歩の感銘を受けなかったです。GEMINIとTENから続いている流れは感じるが、そこからの新しい歩みが見えない。同じEvol・・・ならJohn Legendの方がタイトル通りの作品になっているんじゃないかな。

            01:The Brian Mcknight Showは入口として良いと思う。02:JustAlittleBitも前作からの寛ぎ・明るさが続いているからナイス。03:ibetchanevaは自声を重ねたバックコーラスが面白いし、トーンが少し下がるのがいい。04:whatI'vebeenwaiting4もタイトル通りの切実感を感じる。曲同士の連結感も良いのもポイント大。ただ、曲のタイトルがmusiqみたいなのは個人的にイヤかも。なんで単語をくっつけているのか謎だったりする。

            05:whenURlovinMEも曲のレベルは高い。1〜5曲目までの流れにはビタ一文の文句も無いです。だから個人的にショックだったのが、06:neversaygoodbyeです。大味すぎるバラードが嫌いで中学生の時にPOPSからR&Bに来たのに、マクナイトにそっちに行って欲しくなかった。サビでのピアノとコーラスの重ね方にジンマシンが出る。Evolutionって単にPOPSって事?って純粋に聞いてみたい位です。

            インタルードの07:stayunedはかなりいい。何処となくJazzタッチなのが特にいい。なのに08:next2Uがなぁ。パスと言うよりショック。これが巷で流行のテクノ調?なのかもしれないが・・・。09:ImissUもねぇ。タイトルの割りに明るいのは別にいいのだけど、これも何かが違う気がする。10:alwaysbeMybabyは良曲だと思います。こういう曲を作ってこそのマクナイトだよ。11:babyIt'sUもそう。レベルは持続している。

            本作の中で12:whileが一番好きです。夜の帳に滑り込むようなメロディータッチが特にいい。声も痛みが見え隠れするけど、暗く無い。本作の中で一番Evolutionを感じました。今の自分としては、こういう曲を聴きこんでしまう。13:Another Youも綺麗なピアノバラード。やっぱりマクナイトの作品には、一曲ぐらいはピアノバラードが欲しいから。14:Not Aloneもそこそこだと思う。


            ということで、中盤に疑問符をつけたくなる曲がありますが、全体としてはファンにはお薦めです。ただ、タイトルほどのEvolutionは感じなかった。個人的には7曲目からもっとJazz色の方向に進んで欲しかったです。GEMINIがもともとJazzを含めた2枚組みだったのだから、マクナイトのEvolutionはそれが答えだと思っています。


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              Corneille - "The Birth of Cornelius"

              Heaven最高峰  【Soulの深み】 


              元の作品は2007年に発売されていて、本作は2009年に発売されたパーフェクトエディションです。こちらを2009に買って聴いたので、2009年に一応入れておきますね。


              2005年以降は新人を殆どマークしてないけど、本作は本当に全くのノーマークでした。たまたま渋谷のHMVの店で流れていた曲を聴いて、その場で買ってしまいました。そんなCDの買い方は滅多に無いのだけど、やっぱり店員さんに聞かずにいられなかったです。

              店で流れていたのは10:Sweet Dependencyでした。「おっいい曲だな〜」以上の何かがあって、ついつい店の通路に立ち止まってしまった。11:Heavenに曲が移って、サビになった瞬間に、

              ああ、今まで聴いた全てのHeavenよりもこの曲が上だ
              と痛感してしまった。今まで聴いたHeavenといってすぐに浮かぶのはSolo、Jaheimだけど、彼らよりも上のHeavenがこの世にあるとは思わなかった。もちろんHeavenを含む全ての曲よりも本作の方が上だと思う。そんな歌手がいたという事実は、嬉しいというよりも妙に悲しかったかも。

              試聴コーナーがあると教えてもらって、あわてて聴いたら01:Back to Lifeからいい曲で。11曲目に合わせたら、その場で数回リピートしてしまった。これだけ深みがあって優しいHeavenは初めて聴いた。Heavenというタイトルの曲でSoloとJaheimを越せる。それは驚愕というレベルじゃない。

              家に帰ってCDについてた松尾潔氏のコメントを見てたら、フランス語圏では有名な歌手なんですね。愛知万博でカナダ代表として歌ったと言われれば、そのリーチの長さを含めた凄さが良く分かる。「ルワンダ大虐殺で目の前で両親と妹を殺された」と読んで、なぜHeaven最高峰なのか腑に落ちた。確かにそんな境遇を潜り抜けてないと歌えない世界まで行っている。

              曲作りの才能があるのも素晴らしい。デビュー作は"Parace Qu'on Vient De Loin"らしいけど、今Amazonで4000円以上の値段になってる。過去の作品が全部値上がりしている事実も素晴らしい。私もあわててデビュー作を買いました。4000円以上でも買いたくなる気にさせるほど、本作のレベルは高いです。デビュー作はJoeのGoog Girlsのギターリフをサンプリングしていると書いてあるけど、潜り抜けてきた経験と曲作りの才能のブレンド感が絶妙でたまらない。

              リズミカルな曲を聴くとCraig Davidのフォロワーの位置づけだったのも分かる。けど、奥底のものはコルネイユの方が確実に上だね。Craig Davidをどれだけ聴き込んでもSoulまでは辿り着かないが、本作を聴きこめば辿り着けるだろう。それ位にHeavenが凄すぎる。入口の広さは同じなのが重ねて素晴らしい。それにしてもJoeの曲からGood Girlを選ぶとはね。やっぱりそれがセンスなのだろう(笑

              前置きはこれぐらいにして、アルバムの曲の紹介に行きます。
              01:Back to LifeはSlow-Middleな曲でカッコいい。この曲1つで曲作りの才能が分かる。かつ声の良さも感じる。02:All of My Loveも明るさと前向きな態度がいい。

              03:Liberationは曲としてのかっこよさが全面に出てるね。この曲が店で流れていたら「いい曲だなぁ」で終わると思うけど、それ位の窓口の広さがある曲が入っているのも大事です。04:A Man of This A WorldはSwearさが良く出てる。切ない想いが聴いている身にも心地よい。歌詞は正面から切り取りすぎている気もするけど、曲の立ち位置は絶妙です。会社で上司に叱られている時ほど、バックでこの曲が流れていて欲しいと思う。と言ったら怒られるかもしれないけど、素直な気持ちです(汗

              05:Murderはそのまんまのタイトルだね。なのに歌詞は虐殺を歌っている訳ではない。そういうのを見ると、「自分の潜り抜けてきた境遇を売れる形まで持っていける」だけの冷静な視線を感じる。そんな面を嫌がる人もいるかもしれないけど、今の世の中で生きていくには、こういうスタンスをとれるのが一番大事かもしれないよね。

              06:Foolish Heartは底に向かった曲。普通の新人歌手なら、こういうタイプの曲でけちょんけちょんに書いてしまうのだけど、コルネイユに対して書ける訳ありません。虐殺の悲劇と恋愛での悲劇を自由にオーバーラップさせる事が出来て、加えてそこに自然体を感じる。そんなレベルまで到達してます。3:50からの叫びは反則。こういうのを一般的に反則技といいます。恋愛での愚かさを歌っていながら、同じ民族ながらもツチ・フツ族に分かれて殺し合った祖国まで見据えて歌っている。

              07:Too Much Of Everythingは一転、明るい曲。アルバムとしての組み立ても素晴らしい。08:Home is By Youがいいんだよねぇ。Heavenは究極過ぎるから、本曲が恋愛フェーズとしては一番良いと思う。メロディーラインがしっかりしてるのも薦める理由。アルバムの中のTOPは文句無しにHeavenだけど、その次はHome is By Youを推します。09:I'll Never Call You Home Againも良い。10:Sweet Dependencyもレベルは高いね。

              映画ホテル・ルワンダを見て、11:Heavenの情景がもっと明確に浮かぶようになったと思う。今まで色んなHeavenを聴いてきたけど、「今、生きているという事実がHeavenなんだ」とまで歌いきったのは、本曲が始めててだろう。確かにそれ以上の答えは無いし、これが究極だと思う。けど、世の中の全ての人は、もちろん僕を含めて、この事実を実感する事はない。けど、この曲を聴き込むと、そちらの方角に歩いて行けるようになると思う。それ位の価値がある曲です。今にこれだけ焦点を当てている時点で、SamのA Changes Gonna Comeよりも究極かもしれない・・・とまで思ってしまった。

              2005年当時、HPで以下のように書いてる。
              そして、Black Musicについて
              やっぱり1950年から2000年の間にピークがあったし、今は確実にパワーダウンしたことについて。ワイドレンジで測っても100年は越さない。江戸時代300年じゃないけど、人類の歴史と比べても100年はそこまで長いと言えないと思う。アフリカン・アメリカンが永遠にSoul Musicを生み出す母体になれなかった事について。冷静に見れば、20世紀の後半、一番覇権を持ってたアメリカの中で、故郷から引き剥がされ虐げられた人々だったからこそ、ここまでの地点まで達成できた。今でもアフリカでは虐殺とか餓死とかあるけれど、そこの人々は音楽を世界中に届ける機会すら持てないだろう。

              この境遇を潜り抜けて、なおかつ今の現代社会に受け入れられる形で作品を発表できた事が、1つの奇跡なのだと思った。このHeavenの凄さに感動してるだけで終わらず、この曲が生まれてしまうような・・・そんな状況がこの世から無くなるように、自分でも出来る事を1つずつしてかなくちゃね。

              12曲目以降も全部良い曲です。流石にここまで書いたら、これ以上は不要でしょう。点数を付けたら何点になるか?緑色をつける曲が何曲になるか?そんな事を考えるのが愚かしいレベル。

              もし本作を聴く気になった方は、ぜひ映画:ホテル・ルワンダもセットで見てください。人道視点以外にも感銘を受ける点が多かったので、後日、別コナーでUPします。

               

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                Coop Deville - "Showroom Floor"

                90'Sの手触りまでも


                「K-ci&JoJo以来の最高峰R&Bデュオによる待望の新作がついに完成!美メロ系クラシック90'Sサウンドに新鮮さを加えたR&Bマスターピース登場」


                CDジャケの帯に書かれた宣伝文句に完全同意したのはJaheimの1st以来じゃないか?と思うほどに、この宣伝は正しいです。東京出張中にHMVで見た時は「またか(笑」と思って半信半疑で聴いたけど、確かに凄かった。けど、最近は一回の視聴で買わないので、そのまま帰ってしまった(汗

                その後だね、妙に気になりだして買わなかった事を後悔したから。次の出張日に買ってしまいました。改めて家でゆっくり聴いたけど、どの曲もレベルが高い。慌てて前作の1stも買って聴いたけど、完成度で言えば本作2ndの方が上だと思う。この作品から聴くのがお薦めです。

                00'S、特に2005年以降は、90年代に近い歌手はインディーデビューが当然だったから。特にパワー系ボーカルグループが少ないのがショックで。。だからこそ、K-ci&JoJoとも比較されるほどの喉回しは最高です。兄弟デュオだからでなく、この歌心がK-ci&JoJoに近い。ついついJodeciの作品から全部聴きこんでしまいました。ただ、本作はJodeci時代のどの作品とも近くないです。

                Jodeciの1stは彼ら唯一の清涼感があって、今聴き直すと一番良かったです。2ndは売れ線ということでは近いけど、この二人はあの時の彼らほどやんちゃさがない。Jodeciの3rdほどアホ丸出しなワケでもないしね。発売時はあの底揺れ感が好きだったけど、今から聴くと退場になった理由がよく分かる。

                K-ci&JoJoの作品は今聴いてもどれも良い。その中でも傑作の誉れ高いIt's Realに一番近いとします。LifeやFFFFまで収録されているあの作品と同じレベルとまでは流石に言えないけど、すぐ背中まで来てます。それ位に本作は傑作です。この一言で、どれだけ気に入ったか伝わったと思う(笑

                前置きが長くなりましたが、曲の紹介です。
                視聴すれば01:Do My Thangの時点で買いでしょう。曲のレベルも高いし歌いっぷりもいい。02:Don't Goというタイトルの曲ではチェックが厳しくなりますが(笑、この曲はもちろん合格です。ただ、10代の心情じゃないね。そこがForever My Ladyとの違いかな。K-ci&JoJoのJoJoほど高音を出そうとしてなくて、この二人は同じ声質で歌う。けど、やっぱり一人の歌手の多重録音とは違う手触りがあって、そこら辺が兄弟デュオの良さ。曲に悲哀感が見え隠れしないから、まだ「Don'tGoと吼えたら戻ってきてくれる地点」だね。その時点で素っ裸で土下座することを、本HPとしてはお薦めします(笑

                03:I Love U So
                も同じテンポなのに飽きがこない。だから90'Sサウンドは素だね。狙って出してない。それがいい。04:Real Of FantasyでSlowテンポになる。そこでまた聴かせるんだよね。2作目でこの声の表情は凄い。売れてエゴでまくりだったJodeciの2作目より100倍良いのは間違いないです。

                個人的にも気に入っているのが05:Let It Goです。歌い方に語りが入っているのに、押し気があるからだね。こういう歌を歌ってこそパワーボーカル系だと思う。06:No Moreはアンソニーハミルトン調だけど、ここら辺は次回に期待かな。07:I'm The Main Attractionの方がいいね。一番明るくてノリが良いのは、08:Super Loverじゃないかな。こういうゴキゲンな曲を作れるのも大事です。

                唯一のポイントは、やっぱりFFFFに対応する曲が無い事かな。09:Overdose Of Loveはタイトルとしても曲調としても期待できるのに、ダメです。サビで「過剰摂取していいかな、お前の愛を」って、それは問題外(笑 やっぱりこのタイトルで行く限り、「もちろんそれが僕だとは思っていない。けど、恋愛依存症の君は唯一の男を見つけるべきだよ。僕はその手伝いならできると思う」っていうサビじゃないと。それが恋愛だろ。

                10:Turn The Camera Onも良曲です。曲作りに関しては、どれも完全ですね。11:Somethin' About Youも良い。Japan Bonus Tracksの12:My Girlはかなり良いから、買うなら日本語盤がお薦めです。値段も高くないしね。


                ということで、コーラスワークはもちろん、歌いっぷりも曲のレベルも問題なし。90'Sらしさでなく、手触りもよみがえってくるような作品になっているのは間違いない。90年代にデビューしてもRuff Endzのレベルは行っていたと思う。もちろんRuff Endzの1stよりは上。2ndと比べるとなぁ、"someone to love"に匹敵する曲がないと思ってしまうかも。ぜひ次回作ではもっと深みに降りて欲しいと思っています。個人的にはMy Girlが一番ぐっときたかな。My Girlと繰り返すサビの激ストレートさがいい。


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                  Calvin Richardson - "Facts of Life:The Soul Of Bobby Womack"

                  「熱さ」の正統伝承者


                  サブタイトル:The Soul Of Bobby Womackの通り、全曲がBobby Womackのカバー曲。Soulの偉人の中でも「熱さ」を司るBobby Womack自身の人気は、リスナーよりも歌手の間の方が高い気もする。90’S以降、ソウルフルと形容される男性シンガーは全員、Bobby Womackの曲をカバーしてたから。

                  Soulの表現方法には何種類もある。Sam CookeはChangeを、Marvin Gayeは性・愛の等身大を、Stevie Wonderは精神性だし、Cartis Mayfieldはあの視線とギターかな。けど、男である限り、やっぱり「熱さ」は大事な項目だと思うんだよね。

                  けど、この「熱さ」こそが現代においては達成が難しいと思う。情報が増えれば増えるほど、下手な達観ばっかりが増えて、世の中を斜に構えて、「どうせ」とか「結局さ・・・」等の言葉が増える。

                  熱さを表現しようと思ったら、やっぱりまずその声でしょう。「シャウト」がゼロの熱さは有りえないと思うけど、単に吼えていれば熱さになるとは思わない。ロック系のジャンルって「熱い」のかな? ギターを抱えて吼える点ではBobby Womackに近いけど、反抗が入ると熱さからずれて行くような・・・。「熱さ」はHip-Hopからも遠いし、SlowなR&Bからも遠い。だから、歌手自身にとっても「熱さ」を表現すること自体が難しいと思う。

                  「熱さ」の対象も難しい。女性に出すと欲望になりやすいし、同性にだすとノリになりやすいし、社会に出すと反抗か説教になりやすい。「熱さ」を純粋な「熱さ」だけで表現できる歌手がBobby Womackであり、それを継いだのがCalvin Richardsonだと思う。その資格は彼の1stの頃からあった。

                  情熱がベースであること。それをスタイリッシュに抑えれること。
                  哲章さんのHPを見つけて一番最初に買った作品でもあるし、Calvin Richardsonに対するファン度合いでは日本一を自認しているけれど(笑、あの1st作品をいきなり聴いて、いきなり気に入る人は僅かだと思っているのも事実。僕自身もK-ciをから入って、その物足りなさを感じてたからであって、いきなり聴くと「抑えすぎてる」と思っちゃうだろうね。けど、K-ciの情熱はいつも欲望が入りすぎてたから。情熱自体を煮込みながら、灰汁抜きのように欲望を取り除く作業は、20歳前半でこそトライする価値がある。そんな事がこの世に存在する事自体、あの1stで知ったからなぁ。

                  2ndも名曲や正しい心構えがあるけれど、曲の粒としては傑作では無いかもね。ファン以外でも摑まえれるのはKeep on Pushin'だけでしょう。3rdで初めて全方向作品を作ったけど、熱さに浸りたい人にはお薦めできない。そんな意味では、ファン以外じゃない人も含めて「熱さ」でがつんと摑まえれるのは本作が始めてだろう。カバー集だから傑作曲を集めているしね。曲の出来ではレベル差が多かった彼の作品の中では一番粒が揃っている。

                  1:Across 110th Streetのカッコよさ。やっぱりこれこそ正統な熱さ爆発。3rdのHolla At Youよりも渋さが上だね。下手にロックをガンガン車で流すよりも、こちらの方が正しい道。「反抗は一番簡単な意味の摑まえ方で、相手がいて初めて存在できる」と以前にHPに書いたけど、「Jodeciの底揺れするような3作目の曲を流す方が好き」とも書いたけど、やっぱりこういうUPを流すべきです。本当の不良は体制に反抗するのであって、クラスで弱いもの虐めをするワケじゃない。反抗自体が同じ土俵に上がって初めて効果があるものであって、下の方でわめいていても何も変わらない。この事実を見詰めたら、もうちょっと若者のスタンスもマシになると思うけど、そこまで分かっていたら不良にはならないかな。反体制の弁護士だった仙谷氏が幹事長になって国を動かす側になっても、今の日本は大して変わってないから、それが社会と人間のリアルな姿だとも思う。

                  2:You're Welcome, Stop On ByはMaryJ.がサンプリングで使った事でも有名。このベースラインのカッコよさ。少し抑え気味のCalvin Richardsonの歌い方がいい。3:Harry HippieはSlowなんだけど、Bobby Womackが歌っても、Calvin Richardsonが歌っても熱い。こういうSlowをエロに行かずに熱く歌えるのが才能です。4:Woman Got To Have Itも有名な曲。Calvin RichardsonはBobby Womackほどはダミ声じゃないね。その分、より情熱感が増えていると思う。

                  5:American Dreamはすみません、聴いた事ありません。Bobby Womackの作品は6つ、ベスト盤を1つもっているけど何処にも収録されていないので。6:Daylightはベスト盤に入っているけど、あまり聴きこんでなかった・・・。

                  7:That's The Way I Feel About 'Chaを始めて聴いたのはGeraldです。Romeも歌っていたなぁ。やっぱりCalvin Richardsonが一番熱さがある。デュエットの8:Love Has Finally Come At Lastもベスト盤に入っているけど、こちらも余り聴いてなかった。

                  という事で、Bobby Womack自体、まだちゃんとした形で紹介できていない状態なので、アルバムの曲を一つずつご紹介していくレベルに達していません。すみません。

                  けど、90'Sは本気で追っかけていた者として、Calvin Richardsonが正統伝承者であることは断言できます。普通ならカバー作を聴くよりも元歌を聴く事をお薦めするけど、正統伝承者だからね。この作品から「熱さ」にハマルのはアリだと思います。今の若者に一番足らないもの?が注ぎ込まれること間違いなしです。


                  -----
                  2005/5にWeekly Commentに書いたBobby Womackに対するコメント。そこから先に進めていません。(以下に再掲)

                  Bobby WomackのUnderstandingを買いました。かなり良かったです。二十歳の頃に名作の誉れ高いThe Poetを買って、K-ci好きにはたまらない吼えっぷりだった。だからThe Last Soul Manも買ったし、Save the childrenも買ったし、Very Best Of Bobby Womackも買った。けど、このUnderstandingはメチャクチャいい。やっぱり個人的に一番気に入る曲はBestには収録されない。それはオレッチだけじゃなくて、独自の見方が出てくるにつれて皆もそうなると思うよ。

                  特に、3:And I Love Herは来る。今まで聴いた彼の曲の中で一番悲しみが見える。しょっぱながAll Aloneだもんなぁ。やっぱり自分はこの道からじゃないと核が掴まえられない。All Aloneという叫びっぷりは何度も聴いた。けど、この出だしは最高です。K-ciもこれくらい歌ってくれ、まったく。
                  9:Harry Hippieは逆に明るさとして最高。Bobby Womackはこの二曲の幅の中で全部を捉えれると思う。それ位に明るい。今ではお薦め作品はThe Poetだったけど、やっぱりUnderstandingから聴くのがいいと思う。

                  それにしても2ferが1600円台とは凄くお得だと思う。レコード会社は2ferに関してもっと真面目に考えて欲しい。Bestしか聴かれなくなったら、もう新たな発見は無くなるよ。そしたらその先は尻すぼみな世界しか待ってない。それで本当にいいの?

                  なんでBobby WomackはSam Cookeの奥さんとすぐ結婚したんだろうなぁ。Samの奥さんは夫の遊びっぷりにどれだけ苦しんでいたのだろう。そういう面が見えないと、きっと僕は Bobby Womackについて書けないと思う。そして、このAnd I Love Herの、Andの前に隠れてる言葉が凄く気になる。

                  歌詞カードが無いから言えないけど、もし歌詞カードにXXX and I love herと書いてあっても、そのXXXは俺の探してる言葉じゃない。 もしその意味なら、タイトルもXXX and I love herにするから。もし何も隠れてないなら素直にI Love Herになる。だからやっぱり何かが隠れてるんだよ。一番ど真ん中の曲だけど、奥への階段がある。その先が見えたら、きっと書けるだろう。

                  All AoneはI was All Aoneが殆どだと以前に書いた。「俺らはもう出会ってるジャン♪」なノリは結構好きだけど、Dru Hillのあの曲と本曲のAll Aloneは違う。そこに一番惹かれているのかな。もしこちらのAll Aloneな曲を知ってる方はぜひぜひ教えてください

                  未だに太字にした部分が分かっていなく、だからBobby Womackについて心の奥底から掴めていない状態です。すみません。
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                    Raul Midon - "Synthesis"

                    一番低い場所にある力強さ


                    レイ・チャールズから始まりStevie Wonderが引き継いだ偉大な盲目シンガーの系譜。現在の継承者は間違いなくこのRaul Midonです。2005年の処女作一枚でその位置を掴まえた。あの作品は誰しもが認めるレベル。逆に2007年の2作目は丸くなった部分に独自性が少なくなったと思い、若干の失望を感じていた。だから本作で本人の独自性が明確に出てきて非常に嬉しい。

                    処女作で鬼レベルのギタープレイをしていたから、巷ではRaul Midonの独自性といえば「楽器の演奏能力」になっていると思う。けど、それは人の本質ではないと思うな。もちろんあのギターはかっこいい。楽器が好きな人ならば確実にハマル。だけど、個人的には1stの07:Expression of Loveを推したい。演奏としてはとんがってないけど、この曲にStevie Wonderが参加した意味を痛感すべきなのだ。「Loveの表現方法」として、この曲を届けてくれた事。このレベルの内省感は盲目シンガーだからこそと感じる。そして何度も取り上げた10:Never Get Enoughの凄さ。

                    R&BのVCを見ていると、男性歌手はマッチョに鍛えた上半身を見せびらかすことが多い。それは確かに分かりやすい力強さ。けど、そんなのはお子ちゃまな表現方法だし、単なるフリルでしかない。無いよりは有った方がいいかもしれないけど、必須では無い。本当の力強さとは何か?《男》であるならば、そこを突き詰めるべきなのだ。

                    人は 生きていれば 色々なことが生じる。
                    誰だって、どうしても落ち込んでしまう時が一度や二度はある。そんな人生で一番低い場所。その場所でどれだけ力が湧き上がってくるか? 人の価値は此処しかなくて、年収なんてフリルだ。いくら年収が高くても会社を解雇されて自殺するなら、それは弱い人生なのだ。というよりも、自分のフリルを自分自身と勘違いした末路と言うべきか。

                    Raul Midonの本質とは、「一番低い場所での力強さを伝えてくれる」であり、この感覚はStevie Wonderよりも強いと思う。それはRaul Midonの下積み時代が長かったからなのだろう。本作の01:Don't Be A Silly Manはそれだけの価値がある曲。何よりもこのタイトルが深い。

                    《愚か》とは自己のプライドを一番に考える人
                    頭がいいとか悪いとかそういうレベルの話じゃない。今、自分自身が一番低い場所にいると感じたら、この曲を聴くべき。そしたら己のSillyが見えてくる。それが見えてこれば明日がある。逆にそこから目をそむける事が本当のどん底なのだから。

                    03:These Wheelsもいい。この2曲を聴き込めば再び歩き始めれる。歌詞の中のDarknessという単語の重さ。半端ないです。このDarknessと完全に同一になれれば、人生はもう一段階強くなれる。そこまで断言できるな。

                    ちなみにこの3作目の他の曲もお勧めです。核は1と3です。それだけは最初に明示しておきたかったから。続きは次回で。
                    [2012/02/11]
                     
                     

                    Darknessとの付き合い方


                    本作の03:These WheelsはDarknessとの付き合い方の指針になっている。一般的にはDarkness:闇は悪い意味になる。けど、個人的には「良い闇」と「悪い闇」があると思ってる。これまでもレイ・チャールズやStevie Wonderを聴いてきたけど、初めてじゃないかな。目の見えない人の《闇》の感覚が出ているのは。ネガティブがゼロの闇は初めて聴いた。

                    根源的な世界認識については真面目に考えてもいいと思ってる。たとえば宗教でもそう。神だけの一元論か神と悪魔の二元論か。「愛の反対語は何ですか?」と質問するだけでその人の恋愛観は大体分かると言ったのは誰だっけ?

                    普通は「愛⇔憎しみ」とすることが多い。けど、「愛⇔無関心」とする考え方もあって、僕はどちらかというと後者に近いかもしれない。同じように「光の反対語は何ですか?」と質問すればその人の落ち込む時の癖が分かると思っているのも事実。

                    一般的には「光⇔闇」になるのかな。「光⇔影」の人もいるだろうね。けど、個人的には両方違うと思ってる。闇は無であってネガティブでもポジティブでも無いと思っているから。「逃げたい」という気持ちが出てきた瞬間に完全ネガティブになるけど、そうじゃない闇は単なる底なのだ。ここら辺はHP時代にも書いた。

                    感覚を遮断していけば遮断していくほど、心から出てくるモノがある。
                    人間の中で一番強いのは視覚だからこそ、闇をちゃんとつくればそれだけで通常と違う意識状態になる。下手に合法ハーブなんてやってるからアホなのだ。ドラッグでいける世界も座禅でいける世界も同じ。ドラッグは薬物の助けを借りているから最終的には廃人になる。「ヒッピームーブメントの時にインドのグルにLSDを使用させても意識状態が全く変わらなかったのに腰を抜かした」という事実を噛み締めた方がいい。

                    けど、座禅はきついんだよね。骨盤や姿勢がしっかりしてない人は足さえまともに組めない。だから「真っ暗な風呂」を薦めているワケです(笑 本当ならフローテーションタンクの方がいいけど、こんな設備は不可能だから。この記事にあるように
                    タンクの効果については次のようなものがあげられている。
                    ストレス解消とリラックス、自己啓発と体重減少、妊娠による身体のストレス解消、鎮痛、学力向上、科学的研究、スポーツ競技の結果向上とスポーツ選手のためのリハビリ、美容、ビジネス、創造力、感情に関する問題とうつ病、自然治癒力と免疫力。

                    個人的には真っ暗の風呂はタンクの1/2〜1/5の効果があると思ってます。って、タンクをした事無いから適当だけど(笑 やる価値あるよ。最初はすごく怖いけど。「寝る時に豆電必須な人」は薦めれないかもね。昔はギリギリの時だけやってた。けど、この03:These Wheelsを聴いてから頻度を増やしてる。必要性が無い時に真っ暗な風呂に入っても、単に30分ほど寝ちまって、風呂が冷めて、「さぶー」と目が覚めるだけなのだが(笑 それはそれで上手く人生が回っている証拠だから良しとしましょう。


                    完全な闇の中で何をすべきか
                    その状態になってみれば勝手に心から湧き上がってくるものがあるから、別に人それぞれでいいと思ってる。って、これだけ薦めているので、私個人のスタイルを書きますね。

                    「言葉に出来ないプレッシャー」を言葉にする作業
                    これが真っ暗な風呂でやってること。プレッシャーをコントロールするのは一流アスリートでは常識でしょう。それはアスリートだけでなく全ての分野にとって必須だと思ってる。大事なプレゼンの前とか、もちろん受験の前日でもいい。プレッシャーが重ければ重いほど、その中に言葉にできない感情が蠢いているんだよね。それを言葉にする。それこそが真っ暗闇の中でする作業です。言葉にさえ出来れば70%は先に進めているから。

                    03:These Wheelsの歌詞をみるとネガティブな闇を歌っているように見える。それはもちろん分かってるよ(笑 けど、この歌には「闇から逃げたい」という気持ちが無い。個人的に一番大事なのがここ。初めて聴いた時「正しい闇に誘ってる」とまで感じてしまった。「久しぶりに真っ暗な風呂入ろうかなぁ」って素直に思ったから。そうよ、「真っ暗な風呂」とか言うから変人にされるんだ。ライト・フローテーションタンクでどうでしょう。真っ暗なのにライト、これがネーミングのミソとしておこう(笑 そしたら「趣味は何ですか」「うーん、ライトフローテーションタンクかな」 この流れ、結構いけるかも(ホントか

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                    中学時代、スラムダンクの連載は衝撃的だった。それまではキャプテン○のように物理法則を無視した必殺技の世界だったのに、スラムダンクはあくまでもリアリティ−なスポーツ漫画だったから。そして最近凄く気に入っているのがベイビーステップ。これ、マジでいいです。テニス漫画といえば「テニスの王子様」がキャプテン○の伝統を受け継いでいるけど、このベイビーステップは新しい時代を作るかもしれない。

                    それ位に「今の自分のプレッシャーを頭に明示的に思い浮かべて、それを全部でなく80%消した状態が一番良いサーブが入る」というのは深い。決勝戦が近づくにあたってプレッシャーが高まってきている主人公。試合に負けたらプロの道が絶たれる状況が輪をかける。「もしテニスのプロになれなかったら・・・スポーツメーカに勤めてテニスの商品開発をする。テニスが強い大学→企業に行く。普通の大学に行ってテニスを趣味で楽しむ」等の様々な将来の可能性を図で書き出している場面も凄い。僕の知る限りスポーツ漫画で初めてだと思う。ここまでメンタルコントロールが出てくる作品は。
                    ただ、一つだけアドバイス。机に向かって書き出せば思いつくプレッシャーは根源じゃない。本当にやっかいなのは積み重ねてきた自己像(=エゴ)に結びつくもの。主人公は素直で頭も回って周囲の環境に恵まれとんとん拍子で上手くなっている設定だから、ここら辺は縁が無いかもしれないけどね。


                    人の心の奥には言葉に出来ないプレッシャーがある
                    それをあぶりだして言葉にするには真っ暗な風呂が一番いい
                    あの漫画で主人公がグランドスラムの決勝戦のコートに立つ日がくる来るなら、その前日は間違いなくコレで決まりです♪ 個人的には年下の可能性がある選手に抜かれそうになって、可愛い彼女の気持ちもそちらになびいて、負けれらない試合って展開も期待してるけど、それは少年漫画ではありえない展開か。けど、現実はこちらの方じゃないのかな。努力して一つずつ築き上げてきたモノ。周囲もそう認識していたモノ。それが壊れそうな時のプレッシャー。この作品が真に側に来てくれるのはそんな状況。いわゆる勉強エリートが社会人として使えない事が多いのは、勉強が無意味なのでなくこの状況での対処方法を知らないからだと思ってます。「挫折力」という言葉は重い。そういう意味でもこの記事はナイス。

                    今まで「真っ暗な風呂」なんて仲の良い友達にさえ言ったことさえなかった。けどRaul Midonの本作を聴いて一人ぼっちじゃない事を知った。というよりも時代が変わりつつあることを感じる。座禅がブームになった今、次はくるで〜ライト・フローテーションタンク。(C)つけておこう(笑

                    本作を聴いて回数を増やしていたら、真っ暗にした時に洗面所のLEDが気になりだした。確かに現状でも目の前の手は全く見えない。個人的な定義は「目の前に手をもってきて見えるか」だから、闇としては一応OK。けど、横を向くとこのLEDのせいで風呂の扉がぼんやり浮かぶんだよね。こういうのが一番始末におえない。薄っすらと浮かぶ扉は偽りの希望の象徴。それが一番クソなのだから。結局、テープで塞いでしまった(笑
                     
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